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死の概念と脳死一元論の定礎 ― 生物学説と規範学説

学術選書158

死の概念と脳死一元論の定礎 ― 生物学説と規範学説

死の自己決定、死期と臓器移植、脳死と心臓死等を考究。不可逆的脳死の歴史的普遍性を問う。

著者 長井 圓
ジャンル 法律  > 医事法
法律  > 刑事法  > 刑法
シリーズ 法律・政治  > 学術選書
出版年月日 2020/09/30
ISBN 9784797267587
判型・ページ数 A5変・312ページ
定価 本体8,800円+税
在庫 在庫あり
 

目次

『死の概念と脳死一元論の定礎―生物学説と規範学説(学術選書)』

 長井 圓 著


【目 次】

・はしがき

◇序説 死の迷宮への誘い―9つの鍵―

 1 生体と死体の刑法的保護
 2 死に到る2つの道程と医師の治療義務の限界
 3 死の命運と医療水準の現状
 4 死の実体(不可逆性)と名辞・概念
 5 死の主体・概念・判定基準・判定方法
 6 二つの脳死状態と脳死一元論
 7 機能死と器質死
 8 生物学的脳死論と規範学的脳死論
 9 脳死観念に対する社会的合意

◆第1章 死の内的自律と外的自律―争点の検討―

 第1講 死への恐怖・嫌悪から生じる迷妄
  1 生死の喜びと悩み
  2 快楽主義・禁欲主義の幸福観
  3 仏教的死生観と人間不信観
 第2講 生命の主体―生命体と機械との峻別―
  1 生と死の区別
  2 有機体と無機体
  3 医療機器の付着と携帯
  4 身体と人工機器
  5 生命体の内的自律作用と類似現象
  6 生体への虐待と遺体への無礼
 第3講 死の生物学的機序―実体と観念―
  1 生命工学による生物と機械との接近
  2 人類の生物学的機序(実体)の不変性
  3 医学における蘇生技術(人工呼吸法)の普及
  4 古典的心肺停止基準の本質的不安定
  5 心肺停止後の人工呼吸
 第4講 死の生物学的過程と死期の伝統的概念(不可逆性)
  1 生死の生物学的機序
  2 個体死と臓器死との区別
  3 全細胞の死滅(因果経過)
  4 心臓の死滅
  5 肺臓の死滅
  6 脳幹・大脳を含む全脳の死滅
  7 生命体の「内的自律統合」と幸福実現の「外的自律保障」
 第5講 生命の根底にあるもの(哲学的考察)
  1 内的自律と外的自律
  2 「生きる自由」VS「生きる義務」
 第6講 自己決定の二律背反(自律の幻想)?
  1 因果律と自律の感覚
  2 自己決定論の制度的保障
  3 患者の自己決定権(主観的基準)と最善利益(客観的基準)
  4 「エホバの証人」の信者による輸血拒否事件
 第7講 自殺に関与した行為者の刑事責任(刑法199条・202条)
  1 ソクラテスの死
  2 川崎協同病院事件控訴審判決(東京高判平19・2・28判タ1237号153頁)
  3 偽装心中による普通殺人罪の成否(最判昭33・11・21刑集12巻15号3519頁)
  4 刑法202条の処罰根拠と適用除外
  5 生命放棄の自由(刑法202条)をめぐる学説
 第8講 死の基準と自殺行為の選択との区別
  1 自殺の適法要件
  2 終末期医療での臨時介助
  3 死期の選択権?
 第9講 死期の判定基準と臓器移植との関係
  1 問題の所在(争点)
  2 臓器移植の種別
  3 死期の判定基準(史的考察)
  4 臓器移植法における脳死基準

◆第2章 日本とドイツの臓器移植法・比較と検討

 資料(1) 保健委員会の決議勧告と報告(第14委員会)
 資料(2) 臓器提供についての法的規制への第一歩
 資料(3) 1997年11月5日の臓器の提供、摘出及び移植に関する法律(移植法―TPG)

◆第3章 日本の臓器移植法―臓器移植法をめぐる「脳死」基準―

 Ⅰ 序章―「死」と臓器移植
 Ⅱ 生命権と死の普遍・絶対・単一性
  1 「死の概念」の普遍的絶対性
  2 「死の概念」の歴史的単一性
 Ⅲ 死の概念・基準・判定方法と証明
  1 心臓死と脳死との関係
  2 生命の主体と死の概念
  3 死の判定基準(実体的基準)
  4 死の判定方法(手続的基準)
  5 死の証明
 Ⅳ 臓器移植法における脳死基準
  1 脳死基準の意義と適用範囲
  2 脳死基準をめぐる自己決定
  3 脳死批判論と生命権の限界
 Ⅴ 終章―生命権と死の概念

◆第4章 生命の法的保護の限界―脳死一元論の立場から―

 Ⅰ はじめに―脳死と臓器移植
 Ⅱ 臓器移植法における脳死基準
 Ⅲ 脳死判定拒否権と社会的合意
 Ⅳ 死の絶対的概念と脳死一元論
 Ⅴ むすびに―脳死説の妥当性

◆第5章 世界基準の脳死基礎理論―生物学的脳死論と規範的脳死論―

 I 問題の所在
 Ⅱ 死の実体と概念・判定手続
 Ⅲ アメリカの生物学的脳死論(米評議会白書2008)
 Ⅳ ドイツの規範的脳死論(二元的脳死説)
 V 2つの脳死概念の検討
  1 共通の基礎
  2 死の「規範的措定」
  3 「生物の死」と「人類の死」との関係
  4 死の主体と「人格死」
 Ⅵ 2つの脳死判定方法
  1 いわゆる三徴候判定
  2 三徴候判定の2つの理解
  3 三徴候判定の「可逆性」
  4 1つの脳死基準と2つの脳死現象

◆第6章 不可逆的脳死の歴史的普遍性―反脳死論の論理破綻―

 Ⅰ はじめに―問題の所在
  1 死の人為性と医療不信
  2 脳死論の再整理
  3 死の機序
 Ⅱ 死の判定をめぐる医学史
  1 基本的視座
  2 古代―心の臓器
  3 中世―仮死者の埋葬
  4 18世紀―人工蘇生による心臓死(心肺停止)の可逆性
  5 19世紀―死の判定技術と神経生理学の発展
  6 20世紀―心拍を伴う脳死の神経学的発見
  7 心肺死基準・脳死基準と死の概念
 Ⅲ 死の定義をめぐる方法論
  1 死の理論的枠組
  2 死の主体
  3 死の概念
  4 死の判定基準
  5 死の判定方法
 Ⅳ 脳死判定基準とその批判
  1 脳死に至る2つの過程
  2 狭義の脳死後の生理現象
  3 生理現象説の当否
  4 生理現象の維持と医療資源の公正な配分
  5 生理現象と「疑わしきは生命の利益に」の判断
  6 生者への治療行為の限界と死者への侵襲
  7 死の概念の「社会的伝統」
 Ⅴ 4つの反脳死論の死生観
  1 多様な反脳死論
  2 絶対的反脳死論
  3 相対的反脳死論
  4 便宜的反脳死論
  5 選択的反脳死論
 Ⅵ 脳死と臓器移植との関係
  1 臓器移植のための脳死基準(?)
  2 脳死基準への疑惑
  3 心臓移植への疑問(経年生存率)
  4 ドナーとレシピエントとの利害相反(?)
  5 脳死基準の合法性と移植との関係をめぐる論争
 Ⅶ 長期的脳死をめぐる論争
 Ⅷ 刑法学者の反脳死論
  1 生と死の峻別(要約)
  2 刑法学者の果すべき職責
 Ⅸ むすびに―残された問題
  1 反脳死論の論理的破綻
  2 二元的脳死論と一元的脳死論との対立
  3 生命保護の限界点としての大脳・脳幹の代替性
  4 エピローグ

◆第7章 人格的法益と財産的法益との排他性・流動性

 Ⅰ はじめに―問題の所在
 Ⅱ 財産的法益の現代的課題(素描)
  1 知識・情報と「財産的利益」の概念
  2 占有概念の規範的調整機能
  3 不法領得の意思との関係
  4 法的流動化の確認
 Ⅲ 財産的法益と事実的経済価値との関係
  1 「財産的法益」の概念
  2 経済的価値の概念
 Ⅳ 人格的法益と財産的法益との交換関係
  1 財産・家畜・人身
  2 イギリス法における人格と財産との関係
  3 臓器移植法における「生体・死体」の臓器売買の禁止
  4 遺体と財産的価値
  5 生体と財産的価値
  6 具体的な検討(生体・死体から分離された部分)
 Ⅴ むすびに

・初出一覧

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内容説明

不可逆的脳死の歴史的普遍性を問う
 
「人間の尊厳」「人格」は動物たる人類の「生死」にとっては不可欠な要素か?「生の執着・不安」に迷妄する長寿社会において、今、不可逆的脳死の歴史的普遍性を問う。「死」という最大の恐怖を前に、 死の自己決定、死期と臓器移植、脳死と心臓死等を考究する。
 

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