EU・ドイツの労働者概念と労働時間法

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日独から参集した第一線の執筆陣が、近年改めて議論が盛んな「労働者概念」と「労働時間法」の最新動向を考察する。

著者 橋本 陽子
ジャンル 法律  > 労働法/社会保障法
出版年月日 2020/03/30
ISBN 9784797270327
判型・ページ数 A5変・188ページ
定価 5,280円(税込)
在庫 在庫あり

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近年改めて議論が盛んなアクチュアルな重要テーマを、理論的に検討
  
日独から参集した第一線の執筆陣が、近年改めて議論が盛んな重要テーマ(労働者概念と労働時間法)の最新動向を考察する。EUの中でのドイツのアクチュアルな問題を、理論的に検討し、日本における議論・課題解決にも有益な示唆をもたらす。貴重な日独労働法シンポジウムでの学術交流の記録。
 
『EU・ドイツの労働者概念および労働時間法』

  橋本陽子(学習院大学法学部教授) 編  


【目 次】

はしがき

◇日独労働法シンポジウム「労働者概念と労働時間法の最近の展開」の開催に当たって〔和田 肇〕

◆第Ⅰ章 本書の内容〔橋本陽子〕

Ⅰ 本書の内容
 1 「労働者か自営業者か―方法論と比較法」(ロルフ・ヴァンク、翻訳:桑村裕美子)
 2 「事業者としての地位と労働者保護との狭間に位置する個人自営業者」(フォルカー・リーブレ、翻訳:後藤究)
 3 「有限会社の業務執行役員の法的地位:使用者、使用者類似の者または労働者?―ドイツ法およびEU法の観点からの検討」(カーステン・ハーゼ、翻訳:橋本陽子)
 4 「デジタル化する労働の世界における労働時間法―現実と法の通用性の間で」(リューディガー・クラウゼ、翻訳:細谷越史)
 5 「架橋的パートタイム制の導入とパートタイム労働の権利の展開」(フランツ・ヨーゼフ・デュヴェル、翻訳:緒方桂子)
Ⅱ 日独比較の意義

◆第Ⅱ章 労働者か自営業者か―方法論と比較法―〔ロルフ・ヴァンク(桑村裕美子 訳)〕

Ⅰ 方 法 論
 1 問 題
 2 目的論的な概念形成
 3 基本的な概念と特別な概念
 4 要件論的理解と総合考慮的理解
 5 反対概念
 6 要件と補強要素
 7 直接的な基準と間接的な基準
 8 労働法の特別な保護思想
 9 定義についての実務上の意義
Ⅱ 比 較 法
 1 日 本
 2 ドイツ
 3 EU
 4 比較法的分析
Ⅲ 労働者概念についてのまとめと評価
 1 一般的な要件
 2 労働法による特別な保護の必要性(自己の計算による事業経営上の決定自由の不存在)
Ⅳ 同心円モデル
Ⅴ 特別な問題
 1 法分野の競合(有限会社の非社員業務執行役員)
 2 二者間および三者間の関係

◆第Ⅲ章 事業者としての地位と労働者保護との狭間に位置する個人自営業者〔フォルカー・リーブレ(後藤究 訳)〕

Ⅰ 個人自営業者:人的従属性がないものの、要保護性は存する
 1 個人自営業と偽装自営業
 2 小規模事業者に対する民法および経済法上の保護
Ⅱ 労働者類似の者に関する法による社会的保護
Ⅲ 加盟国のひとり歩きに対する限界としてのヨーロッパ経済法
 1 相反する市場秩序
 2 事業者による協約カルテルは認められない
 3 家内労働についての国家による最低報酬規制の正当性
Ⅳ 労働市場全体に対する脅威としての競争
Ⅴ 今後の展望

◆第Ⅳ章 有限会社の業務執行役員の法的地位:使用者、使用者類似の者または労働者?―ドイツ法およびEU法の観点からの検討〔カーステン・ハーゼ(橋本陽子 訳)〕

Ⅰ はじめに
Ⅱ 有限会社の歴史および実情
Ⅲ ドイツ法に基づく有限会社の業務執行役員の地位
 1 有限会社の業務執行役員の任用と機関としての地位(Organschaft)の分離
 2 有限会社の業務執行役員の任用関係
Ⅳ EU法に基づく有限会社の業務執行役員の地位
 1 EU運営条約45条にいう1次法上の労働者概念
 2 有限会社の業務執行役員のEU法上の地位に関するEU司法裁判所の判例
Ⅴ 有限会社の業務執行役員の地位をめぐる現在の議論状況
 1 有限会社の業務執行役員:労働者類似の者か使用者類似の者か?
 2 社会法典第9編168条および174条の特別の解雇制限が重度障害者である有限会社の業務執行役員に認められるのか?
Ⅵ 結 論(104)

◆第Ⅴ章 労働者概念の最近の展開に寄せて〔皆川宏之〕

Ⅰ 日独における労働者概念
Ⅱ ドイツにおける労働者概念の展開
 1 Wank教授「労働者か自営業者か」
 2 Rieble教授「事業者の地位と労働者保護との間にある個人事業主」
 3 Haase弁護士「有限会社の業務執行役員の法的地位」
Ⅲ 結びに代えて

◆第Ⅵ章 デジタル化する労働の世界における労働時間法―現実と法の通用性の間で―〔リューディガー・クラウゼ(細谷越史 訳)〕

Ⅰ はじめに
Ⅱ 法事実的な背景
Ⅲ 現行の法的枠組みの基本的な特徴
 1 一 般 論
 2 最長労働時間
 3 最低休息時間
 4 労働時間概念
Ⅳ 現行法の解釈
 1 「自発的」労働の位置づけ
 2 最低休息時間の短時間の中断
 3 「恒常的な連絡可能性」の労働時間法上の位置づけ
Ⅴ 法的な枠組みの形成と変更
 1 事業所および協約上のレベル
 2 法律上のレベル
Ⅵ 労働時間の把握
 1 法的および実際上の出発状況
 2 EU司法裁判所の労働時間の把握に関する判断
 3 EU司法裁判所の判断の結論
Ⅶ おわりに

◆第Ⅶ章 架橋的パートタイム制の導入とパートタイム労働の権利の展開〔フランツ・ヨーゼフ・デュヴェル(緒方桂子 訳)〕

Ⅰ ドイツ労働法におけるパートタイム労働
Ⅱ さらなる展開
Ⅲ 出発点―期限を付さない労働時間短縮
Ⅳ 契約した労働時間を期限付きで短縮する架橋的パートタイム
 1 架橋的パートタイムの内容
 2 新たな請求権の要件
 3 経営上の理由による拒否
 4 中小企業のための過重負担を理由とする拒否
 5 労働時間短縮申し出の期限
 6 申し出の内容
 7 申し出の形式
 8 労働時間短縮の申し出に対する拒否
 9 短縮された労働時間の配置
 10 架橋的パートタイム中の追加的な労働時間短縮
 11 新たな労働時間短縮申し出までの待機期間
 12 架橋的パートタイム中の復帰の請求
Ⅴ 労働協約による変更可能性
Ⅵ 評 価
 
◆第Ⅷ章 日独の労働時間法とパート法―クラウゼ教授およびデュベル教授の見解へのコメント〔高橋賢司〕

Ⅰ 労働時間
 1 勤務間インターバル
 2 上 限
 3 労働時間の把握に関する欧州司法裁判所の判決
Ⅱ パート法


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