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非正規雇用の法政策 ― 社会保険法制度による可能性

学術選書195

非正規雇用の法政策 ― 社会保険法制度による可能性

被保険者資格制度が企業に非正規雇用を選択させ、それにより増大した非正規労働者が、社会保険からも排除されるという悪循環を問う。

著者 楠本 敏之
ジャンル 法律  > 法社会学
法律  > 労働法/社会保障法
法律  > 実務  > 法務/労務
シリーズ 法律・政治  > 学術選書
出版年月日 2019/11/30
ISBN 9784797267952
判型・ページ数 A5変・416ページ
定価 本体8,800円+税
在庫 在庫あり
 

目次

『非正規雇用の法政策 ― 社会保険法制度による可能性』

 楠本敏之(東京大学大学院法学政治学研究科特任講師) 著


【目  次】

◆第1章 本書の問題意識

 第1節 非正規雇用問題と法のあり方
  1 非正規雇用問題とその対策の経緯
  2 非正規労働問題への対応策としての社会保障法政策――社会保障法の強行性と排除性
   (1) 社会保障制度の中核としての社会保険制度の強行性/(2) 社会的排除の原因としての社会保険法制度――被用者一般・ジェンダー・企業
 第2節 研究課題の設定
 第3節 非正規労働・雇用の定義――「非正規」の意義

◆第2章 非正規雇用問題と社会保障政策についての先行研究・調査

 第1節 社会保険に係る法制度とその経済的機能
  第1 社会保険の被保険者資格に係る法制度
  1 社会保険の被保険者資格とその変遷等
   (1) 健康保険・介護保険・厚生年金保険/(2) 雇用保険
  2 社会保険の被保険者資格の法的意義
  3 社会保険料の賦課(事業主負担・被保険者負担)に係る法制度の現状
   (1) 社会保険料の意義と保険料率について/(2) 社会保険料負担の法的意義――事業主負担/(3) 社会保険料負担の法的意義――被保険者負担
  4 社会保険適用の実態
   (1) 社会保険料の事業主負担の労務費負担における割合等/(2) 社会保険加入の実態等
  第2 社会保険料の事業主負担・被保険者負担の社会的・経済的機能
  1 事業主負担
   (1) 事業主負担の帰着と転嫁の一般論/(2) 帰着の対称性と非対称性について/(3) 非正規雇用に関連した帰着問題について
  2 被保険者負担
   (1) 被保険者負担の一般的機能/(2) 第3号被保険者の被保険者負担と就業調整との関係――女性有配偶者パートタイム労働供給行動について/(3) ま と め
 第2節 非正規雇用労働者の社会的排除・包摂
  第1 社会的排除と包摂について
  1 社会的排除・包摂の概念の誕生の背景と歴史,そしてその一般的意義
  2 社会的排除及び包摂の概念の特徴
  3 社会的排除指標――主観的指標の導入と日本における指標開発のあり方
  第2 社会的排除と非正規雇用問題
  1 社会的排除と労働・雇用のあり方・質
  2 労働・雇用の質と非正規雇用問題
  3 企業組織内における非正規雇用労働者
   (1) 非正規雇用労働者の社会的排除の実態分析の前提/(2) 雇用の非正規化の傾向と日本的雇用システムとの関係/(3) 非正規雇用の機能――正規雇用との代替性・補完性の実態/(4) 非正規雇用における職務・業務の代替性について/(5) 非正規雇用の正規化の可能性とその試み/(6) その他の折衷的な試み――雇用の正規化と多様な正社員制度の関係
  4 小 括
  第3 被用者保険としての社会保険の被保険者資格と社会的排除
  1 社会保険と社会的排除
  2 非正規雇用と社会保険に係る制度的排除に伴う社会的排除の関係
  3 小 括
  第4 社会的包摂の再定義――社会的排除の対概念としての位置付けを超えて
  1 目標としての社会的包摂と状態としての社会的包摂
  2 社会的包摂指標としての主観的厚生・幸福度――総論
   (1) 社会的包摂指標の意義/(2) 社会的包摂指標としての主観的厚生・幸福度概念利用の実践的意義/(3) 小 括
  3 社会的包摂指標としての主観的厚生・幸福度――各論
   (1) 非正規雇用と主観的厚生・幸福度/(2) 社会保険加入と幸福度・主観的厚生
 第3節 フランス・ドイツにおける雇用政策と社会保険制度
  第1 非正規雇用と社会保険に係る法制度についての比較研究の意義
  第2 フランスにおける社会保険料の使用者負担軽減政策
  1 フランス社会保険制度の概要
  2 社会保障の使用者負担保険料軽減政策とその背景としての社会的排除
  3 パートタイム雇用に係る社会保障の使用者負担保険料軽減政策
  4 パートタイム雇用に係る社会保障の使用者負担保険料軽減規定の関係
   (1) 社会保障の使用者負担保険料軽減規定の効果に関するこれまでの評価/(2) 社会保険適用の中立性とパートタイム雇用の割合の関係/(3) 分析とその結果/(4) 小 括
  第3 ドイツの社会保険制度と僅少労働政策――非正規雇用問題と関連して
  1 ドイツ社会保険制度の概略
  2 僅少労働――ハルツ改革による社会保険料の労働者負担免除措置による雇用政策について
  3 ハルツ改革における僅少労働への誘導政策の影響・効果について
   (1) 一般的評価/(2) 僅少労働拡大政策と社会的排除状態の関係――社会保険加入義務雇用と僅少労働/(3) 分析とその結果/(4) 小 括
  第4 まとめ――フランス・ドイツの社会保険に係る政策の意義
 第4節 非正規雇用と社会保障法政策をめぐる先行研究を概観して

◆第3章 非正規雇用問題への対処としての社会保障法政策に係る仮説の定立

 第1節 企業に向けた実施すべき法政策
  第1 合理的選択理論に基づく企業行動
  第2 ミクロ経済学に基づく理論的確認:正規労働と非正規労働の代替及び社会保険料の事業主負担の帰着の問題
  1 概 略
  2 要素代替のあり方
  第3 企業行動に係る仮説の定立
 第2節 労働者に向けて実施すべき法政策
  第1 概 説
  第2 第3号被保険者制度・健康保険被扶養者制度と社会保険の被保険者資格の無制限化との関係
  1 経済的影響――労働供給・幸福度について
  2 第3号被保険者制度の廃止の法的側面――法的整合性と公平性・社会的妥当性
  第3 労働者の意識・行動に係る仮説について

◆第4章 仮説の検証方法

 第1節 概 要
 第2節 調査方法と調査対象
  1 企業調査
  2 労働者調査
   (1) 概 略/(2) 社会的排除・包摂指標に係る質問項目について

◆第5章 仮説の検証結果のまとめと考察

 第1節 アンケート調査の結果
  第1 企業調査
  1 基礎的データ
  2 仮説の法政策への対応についての結果
   (1) 仮説の法政策そのものへの対応/(2) 仮説の法政策と他の関連諸要素との関係について/(3) 多項ロジスティック回帰分析/(4) ま と め
  3 アンケート調査の結果と仮説の関係
  第2 労働者調査
  1 分析の基本方針
  2 郵送調査
   (1) 基礎的データ/(2) 社会的排除への影響・効果/(3) 仮説の法政策への直接的反応について/(4) その他の要素――各論/(5) 考察と分析――郵送調査の結果と仮説の関係
  3 インターネット調査
   (1) 基礎的データ/(2) 社会的排除への影響・効果/(3) 仮説の法政策への直接的反応について/(4) 第3号被保険者への影響――就業調整について/(5) その他の要素――各論/(6) 考察と分析――インターネット調査の結果と仮説の関係
  4 郵送調査とインターネット調査の結果の補足的検討
   (1) 各調査の概要と問題点/(2) 労働者調査としての結果の分析について――郵送調査とインターネット調査の関係

◆第6章 結論及び今後の課題

  1 結 論
  2 今後の課題

・参考文献
・あとがき
・索 引

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内容説明

真の弱者救済となる法政策の実現に向けて ― 統計分析から読み解く実証的考察
 
被保険者資格制度が、企業に非正規雇用を選択させ、それによって増大した非正規労働者が、弱者救済のための社会保険からも排除されるという悪循環を問う。全労働者に資格を平等に認めれば,正規雇用が選択されるのではないか,との仮説を立て,企業側と,労働者の側への質問票調査を実施,精緻な統計分析を行なう。弁護士、東京都労働委員会事務局を経験してきた著者による、雇用政策に関する実証研究。
 


〈著者紹介〉

楠本敏之(くすもと・としゆき)

1969年生まれ
1993年 東京大学法学部卒業
弁護士,東京都労働委員会事務局勤務などを経て,
2016年 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了
同年 東京大学大学院法学政治学研究科助教
現在 東京大学大学院法学政治学研究科特任講師
(専門:法社会学,労働法,社会保障法)

〈主要著作〉
「非正規雇用問題と社会保障法政策社会保険料の事業主負担と企業行動との関係に注目して」法学協会雑誌135巻4号(2018年)

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