求められる改正民法の教え方

いや~な質問への想定問答

求められる改正民法の教え方

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新しい民法で説明が困難と思われる12のトピックを厳選した想定問答集。新米教師がベテラン教員からの「いや~な質問」に答える。

著者 加賀山 茂
ジャンル 法律
人文・社会  > 教育
法律  > 民法
シリーズ 一般  > 信山社ブックレット
出版年月日 2019/03/25
ISBN 9784797281323
判型・ページ数 四六変・120ページ
定価 1,320円(税込)
在庫 在庫あり

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新しい民法を、教える側も考え、学ぶ側も教える側で考えるために―いや~な質問」にさらりと答えるための、想定問答集
  
改正民法の施行により、2018年から大学1・2年生には改正民法を、3・4年生には現行民法を教えることになり、教員の負担は増える一方である。本書は説明が困難と思われる12のトピックを厳選し、知的好奇心の高い学生の鋭い質問に答えられるよう、新米教師がベテラン教員からの「いや~な質問」に答える形式で、工夫を凝らした想定問答集。巻末の参考資料(筆者の結論)の活用もおすすめ。
 
 『求められる改正民法の教え方―いや~な質問への想定問答(信山社ブックレット)』

  加賀山 茂(名古屋大学名誉教授・明治学院大学名誉教授) 著


【目  次】

・はしがき

◆第1章 改正民法を教える教員の戸惑い―問題の所在

 1 改正民法を良心に恥じることなく教えることができるだろうか?
 2 「意思を欠く錯誤」を「瑕疵(かし)ある意思表示」と言い切れるだろうか?
【想定問答1】錯誤は,意思の不存在か瑕疵(かし)ある意思表示か?(改正民法95条)
 3 改正民法の概説書は,学生の鋭い質問には役に立たないのではないか?
 4 本書の目的

◆第2章 民法教員が説明に窮する代表的な論点

第1節 無効と取消しの境界の崩壊
 1 意思無能力者の法律行為(無効),制限行為能力者の法律行為(取消し)
【想定問答2】意思能力を欠く法律行為は,無効か取消しか?(改正民法3条の2)
 2 意思の不存在(無効)と瑕疵ある意思表示(取消し)との関係
第2節 用語法の混乱
 1 「時効の中断」から「時効の更新」へ
【想定問答3】時効の更新か中断・再開か?(改正民法147条~161条)
 2 「時効の中止」から「時効の完成猶予」へ
【想定問答4】時効の完成猶予か短期更新か?(改正民法147条~161条)
第3節 利益相反行為の制御不能
 1 利益相反行為の許諾による代理人のやりたい放題
【想定問答5】代理人の利益相反行為を制御できるか?(改正民法108条)
 2 管財人なしの小破産手続における一債権者のやりたい放題
【想定問答6】詐害行為取消権者の暴走を止められるか?(改正民法424条の6)
第4節 債務不履行における履行「不能」の役割の終焉
 1 履行不能と履行拒絶との関係
【想定問答7】履行拒絶の概念の採用による影響は何か?(改正民法415条)
 2 履行遅滞と履行不能との関係
【想定問答8】履行不能の概念は生き残れるか?(改正民法541条,542条)
第5節 検証不可能な用語の採用
 1 「善意」か,「善意かつ無過失」か
【想定問答9】内心の事実は証明できるか?(改正民法93条2項,94条2項)
 2 取引上の「社会通念」
【想定問答10】改正民法の9ヵ条で採用された取引上の「社会通念」は必要か?
第6節 解釈に全面的に依存した改正
 1 損害賠償額の予定
  (1) 民法改正における立法事実の不在
  (2) 数少ない民法改正の立法事実の一つとしての賠償額の予定(民法420条)
  (3) 420条1項後段の削除だけで代替措置の規定は?
  (4) 改正民法420条(賠償額の予定)に対する白熱の議論
【想定問答11】裁判官は何ができるのか?(改正民法420条)
 2 買主の損害賠償請求権・解除権
【想定問答12】瑕疵担保責任はどこに行ったのか?(改正民法562条~567条)

◆第3章 民法担当教員を混乱に陥れる改正民法の失敗の原因

第1節 諮問不適合の改正内容
第2節 法制審議会の委員に真の専門家が選任されなかった理由

参考文献

◆第4章 参考資料

○説明困難な条文(改正民法・現行法・再改正私案)対照表

・民法総則
 民法3条の2(意思能力)
 民法93条(心裡り 留保) 
 民法94条(虚偽表示)
 民法95条(錯誤)
 民法108条(自己契約及び双方代理等)
 民法120条(取消権者)
 民法147条(裁判上の請求等による時効の完成猶予及び更新)

・債権総論
 民法400条(特定物の引渡の場合の注意義務)
 民法412条の2(履行不能)
 民法415条(債務不履行による損害賠償)
 民法420条(賠償額の予定)
 民法424条の6(財産の返還又は価額の償還の請求)
 民法477条(預金又は貯金の口座に対する払込みによる弁済)
 民法478条(受領権者としての概観を有する者に対する弁済)
 民法483条(特定物の現状による引渡し)
 民法504条(債権者による担保の喪失等)

・債権各論
 民法541条(催告による解除)
 民法542条(催告によらない解除)
 民法543条(債務者の責めに帰すべき事由による場合)
 民法548条の2(定型約款の合意)
 民法562条(買主の追完請求権)
 民法564条(買主の損害賠償請求及び解除権の行使)
 民法567条(目的物の滅失等についての危険の移転)


   - - -

あとがき
索  引

   - - -

*想定問答の目次
 1 錯誤は,意思の不存在か瑕疵(かし)ある意思表示か?(改正民法95条)
 2 意思能力を欠く法律行為は,無効か取消しか?(改正民法3条の2)
 3 時効の更新か中断・再開か?(改正民法147条~161条)
 4 時効の完成猶予か短期更新か?(改正民法147条~161条)
 5 代理人の利益相反行為を制御できるか?(改正民法108条)
 6 詐害行為取消権者の暴走を止められるか?(改正民法424条の6)
 7 履行拒絶の概念の採用による影響は何か?(改正民法415条)
 8 履行不能の概念は生き残れるか?(改正民法541条,542条)
 9 内心の事実は証明できるか?(改正民法93条2項,94条2項)
 10 改正民法の9ヵ条で採用された取引上の「社会通念」は必要か?
 11 裁判官は何ができるのか?(改正民法420条)
 12 瑕疵担保責任はどこに行ったのか?(改正民法562条~567条)

*立法事実の存否に関する規制改革会議での議論の目次
〈規制改革会議での議論1〉立法事実の存在?
〈規制改革会議での議論2〉改正の具体的な立法事実は?
〈規制改革会議での議論3〉立法事実の具体化は?

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