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民法学と公共政策講義録  新刊

民法学と公共政策講義録

法政策学の現代的・学問的汎用性を説く。民法学を幅広く横断的かつ具体的に分析し、公共政策の学問的重要性を講義。

著者 吉田 邦彦
ジャンル 法律 > 民法
出版年月日 2018/08/13
ISBN 9784797260854
判型・ページ数 A5変・244ページ
定価 本体3,000円+税
在庫 在庫あり
 

目次

 『民法学と公共政策講義録』

  吉田邦彦(北海道大学大学院法学研究科教授) 著

【目  次】

はしがき

*   *   *

・ねらい
・はじめに―本講義で扱うこと,課題,問題意識概要
・関連文献

◆第1章 方法論の部:利益考量論・リアリズム法学・批判的法解釈論―いわゆる法解釈方法論
 
  (1) 序―利益考量論をどう受け止めたらよいのか?(利益考量論批判との関係)
  (2) 利益考量論の特徴,要素
  (3) アメリカのリアリズム法学
  (4) わが国における民法解釈論の具体的特徴(利益考量論におけるそれ)
  (5) 批判法学的な利益考量論の再構成
  (6) 司法の制度的制約の問題及び司法積極・消極主義の問題

◆第2章 理論枠組み・技法編:法と経済学,法政策学―特に不法行為法学との関係で

  (1) 現代的訴訟類型の析出
  (2) 法と経済学―不法行為法との関連で
  (3) 法政策学の枠組み
  (4) 法政策学の正義論(平井教授の正義論)についての批判的考察

◆第3章 実践論:具体的民法分野における法と政策(その1)―不法行為論

 第1節 (その1)―取引的不法行為,効率的契約違反(「契約を破る自由」?)
  (1) 「第三者の債権侵害(契約侵害)の不法行為」論の問題状況
  (2) 「契約を破る自由」論(効率的契約違反)の提示
  (3) 関係的契約の特殊性
  (4) ゲーム理論における「囚人のディレンマ」の問題(ナッシュ均衡的問題)に対する方法論的批判
     ―いかに協調行為を誘発する制度を作るか?(関係理論の方法論的含意)
 第2節 (その2)―不法行為法,環境リスク論
 第3節 (その3)―医事法(医療過誤法)と医療保障政策
  (1) 医事法の統合的考察という視点
  (2) 21 世紀社会が抱える医事政策上の課題
  (3) 医療資源の配分の仕方の日米の相違―医療保障政策の比較法的考察
  (4) 医療を巡る法と政策の交錯問題(具体的問題)
 第4節 (その4)新たな不法行為に関する諸問題(とくに蓄積的不法行為)との関係
    (たばこ,塵肺,アスベスト,福島放射能被曝問題,水俣病認定問題など)
 1.たばこ問題,アスベスト問題
  (1) 具体例
  (2) 法的特色
  (3) 司法的解決の問題と立法
 2.福島放射能汚染の原賠法上の問題
 3.水俣病問題
 第5節 (その5)補償理論・戦後補償訴訟と時効,不法行為法の意義
  (1) 不法行為法における位置―具体的諸事例から
  (2) 補償訴訟の政策訴訟性及び紛争解決の特質
  (3) 法的諸問題
  (4) 補償の根拠づけの原理的問題
  (5) 日本の補償の議論の払底の背景と課題

◆第4章 実践論:具体的民法分野における法と政策(その2)―所有論

 第6節 (その6)―代理母等の身体の所有問題・フェミニズムなど
  第1款 代理母問題
 1.我が国の事例
 2.若干の検討
  (1) 「分娩者=母」ルール(最判昭和37.4.27民集16巻7号1247頁)の妥当性
  (2) 積極論の検討(関係当事者の意思実現)
  (3) 消極説の論拠その1―子宮の取引に対する義務論的反発
  (4) 消極説の論拠その2―帰結論的問題
  (5) 両者の調整の難しさ
 3.我が国の代理母に関する報告書
  第2款 死者凍結保存精子による体外受精子の亡父への死後認知請求(法律上の父子関係形成)の可否
 1.わが国の事例
 2.わが学説の変遷動向
 3 .死後懐胎子に関する父子関係の「消極論」「積極論」の原理的・「議論」論的検討
 4.まとめにかえて―両議論の調整の仕方
 5.理論的(法と政策との関連)観点からの留意点
  第3款 その他の家族法問題―婚姻・扶養の問題
 1.同性愛問題
 2.広く扶養・監護の問題
 3 .ジェンダー論(フェミニズム論)とその脱構造主義的な批判(同性愛論者からの批判的方法論)
 第7節 (その7)―居住福祉法学,とくに,ホームレス問題,災害復興,コミュニティ再生運動
  第1款 基本的スタンス
  第2款 法的,政策的議論
  第3款 各論的な論争点
  (1) ホームレス問題
  (2) 災害復興問題の場合
  (3) 低所得者ないし広く居住弱者の居住権確保の必要性
  (4) 障害者(障碍者)との共生
  (5) 市町村合併の功罪
  第4款 開発利益の帰属という観点
  (1) 総  論
  (2) 各  論
 第8節 (その8)情報民法学,とくに,情報の所有と利用を巡る法規制
  (1) 理論軸
  (2) 具体的表れ
  (3) ディジタル化時代における情報法学の問題状況
  (4) 今後の諸課題

◆第5章 実践論:具体的民法分野における法と政策(その3)―契約論,団体論

 第9節 (その9)―契約法,とくに契約解釈と(罰則的)補充規定
  第1款 契約法の特性と課題
  (1) 契約法の特性―他領域との比較
  (2) 契約法における政策的課題の伏在
  第2款 契約補充規定論
  (1) 契約政策との関連での補充規定の意味の考察の意義―情報経済学との関連
  (2) 関係的契約規制の課題
  第3款 詐害取引(「詐害行為」)とファイナンス理論
  (1) ファイナンス理論と担保物権の意義
  (2) 詐害行為(詐害取引)に対する(ファイナンス理論からの)新たな意味づけ
  (3) 債権法改正との関係(破産法への配慮のしすぎ?―債権者代位・取消権の問題)
 第10節 (その10)労働契約のグローバル化と移民・難民問題
  第1款 外国人労働者問題
  (1) アメリカにおける状況
  (2) ヨーロッパ・中東における状況
  (3) わが国における課題
  第2款 国籍(市民権)問題
  (1) 韓国人等外国人母の非嫡出子につき出生後の日本人父からの認知がなされた場合
  (2) 日本人の母親,韓国朝鮮人の父親から生まれた非嫡出子の場合に,父親の認知の国籍法上の効果如何
 第11節 (その11)―消費貸借契約の金利規制と金融政策との交錯
  第1款 利息制限法に関する判例
  第2款 貸金業規制法に関する判例
  第3款 出資法の改正
  第4款 利息制限法などの近時の法規制,過払金訴訟における「ゆがみ」と行動的法経済学
  第5款 貸金金利規制推進の背景
 第12節 (その12)―無償行為論,非営利団体論
  (1) 問題意識
  (2) 存在意義
  (3) 法制面での留意点

◆第6章 実践論:具体的民法分野における法と政策(その4)―家族法編(その2)

 第13節(その13)―扶養法と公的扶助(社会保障)
 第14節(その14)―監護法から見るポスト近代の法政策論
  第1款 救済手続―人身保護手続(habeas corpus)
  第2款 監護紛争解決のあり方の転換の必要性
  第3款 付  言

◆第7章 実践論:具体的民法分野における法と政策(その5)―再度不法行為法・災害復興法に立ち返って

 第15節(その15)福島原発放射能問題と災害復興―福島原賠訴訟の法政策学的考察
  第1款 問題意識
  第2款 原賠法による救済の穴―いわゆる「中間指針」の問題
  第3款 原賠法一般と災害復興
  (1) 津波被災者と原発放射能被災者との救済格差の問題
  (2) 私訴追行理論(民事依拠理論)からの示唆?
  第4款 諸外国の先例との比較
  (1) チェルノブイリとの比較
  (2) (比較参照)スリーマイル島原発事故の場合
  (3) マーシャル諸島における原爆実験の放射能被害
  第5款 訴訟アプローチによる限界
  第6款 近時の福島放射能問題判決へのコメント
  (1) 原賠研メインストリームの議論の確認―その特色と課題
  (2) 群馬判決(前橋地判平成29.3.17判時2939号4頁)
  (3) 千葉判決(千葉地判平成29.9.22)
  (4) 生業判決(福島地判平成29.10.10判時2356号3頁)
  (5) 小高(「小高に生きる」)訴訟(東京地判平成30.2.7),首都圏訴訟判決(東京地判平成30.3.16)
  (6) 京都判決(京都地判平成30.3.15)
  (7) 浜通りいわき判決(福島地裁いわき支部判決平成30.3.22)
  第7款 結び―福島原発放射能問題紛争解決の分権システムと集権システム(後者の効率性)
  (1) トップダウンの「中間指針」の制度論的意義
  (2) 原賠訴訟の意義と限界
  (3) 放射能被害問題と,従来型不法行為法の枠組の不適合

◆第8章 補論:立法のあり方―特に近時の民法改正論議との関連で

  第1款 立法のあり方―特に近時の民法改正論議との関連で
  (1) 法政策学と立法学
  (2) わが国の民法改正の近時の変化
  (3) 近時の民法改正論議の根本的問題
  第2款 法律家のあり方の変化


・あとがき

・事項索引

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内容説明

法政策学の現代的・学問的汎用性を説く
 
民法学を幅広く横断的かつ具体的に分析し、「法と公共政策」という見地から講義。守備範囲の広い民法学は、公法の素材としても、有機的・実践的な協働が必要であり、法政策学の理論的枠組みを広げるべく現代的・学問的汎用性を説く。
 

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