目次
『ブリッジブック医事法〔第2版〕』
甲斐克則(早稲田大学大学院法務研究科教授)編
【執筆者一覧】
甲斐克則(かい・かつのり):《第1講,第7講,第10講,第17講》
(早稲田大学大学院法務研究科教授,広島大学名誉教授)
柳井圭子(やない・けいこ):《第2講》
(日本赤十字九州国際看護大学教授)
澁谷洋平(しぶや・ようへい):《第3講》
(熊本大学法学部准教授)
小西知世(こにし・ともよ):《第4講》
(明治大学法学部准教授)
村山淳子(むらやま・じゅんこ):《第5講》
(西南学院大学法学部教授)
加藤摩耶(かとう・まや):《第6講》
(岡山商科大学法学部准教授)
山口斉昭(やまぐち・なりあき):《第8講》
(早稲田大学法学学術院教授)
日山恵美(ひやま・えみ):《第9講》
(広島大学大学院法務研究科教授)
増成直美(ますなり・なおみ):《第11講》
(山口県立大学看護栄養学部栄養学科公衆衛生学研究室教授)
武藤眞朗(むとう・まさあき):《第12講》
(東洋大学法学部教授)
千葉華月(ちば・かづき):《第13講》
(北海学園大学法学部教授)
秋葉悦子(あきば・えつこ):《第14講》
(富山大学経済学部教授)
伊佐智子(いさ・ともこ):《第15講》
(久留米大学法学部非常勤講師)
永水裕子(ながみず・ゆうこ):《第16講》
(桃山学院大学法学部教授)
山本龍彦(やまもと・たつひこ):《第18講》
(慶應義塾大学大学院法務研究科教授)
佐藤雄一郎(さとう・ゆういちろう):《第19講》
(東京学芸大学教育学部准教授)
久藤(沖本)克子(ひさふじ(おきもと)・かつこ):《第20講》
(岡山県立大学保健福祉学部教授)
横藤田誠(よこふじた・まこと):《第21講》
(広島大学大学院社会科学研究科教授)
長谷川義仁(はせがわ・よしひと):《第22講》
(近畿大学法学部教授)
- - -
【目 次】
◆第1講 医事法の意義と基本原理 1
1 医療行為と法と倫理の関係 2
医療行為と法のかかわり(2)/ CASE の問題点(3)
2 考え方の道しるべ 3
医事法・医事法学の意義(3)/ 医事法の基本的視点(4)
CASE へのアプローチ (10)
3 診療契約の性質は何か ―― 今後の展望 11
4 ステップ・アップ 12
◆第2講 医療制度と行政規制 13
1 国はどのように医師を監督しているか 14
医療の担い手である者の責務(14)/ 国の監督(14)
2 考え方の道しるべ 15
行政処分の意義(15)/ 行政処分の手続的保障(16)/
裁量範囲 ―― 処分基準(17)
CASE へのアプローチ (19)
3 医療体制改善と情報公開 ―― 今後の展望 20
4 ステップ・アップ 20
◆第3講 医療行為と刑事規制 22
1 刑事規制の対象となる主体・行為とは 22
医師と医業(23)/ 医師以外の医療従事者と医行為(23)
2 考え方の道しるべ 24
医療従事者の身分・業務等に対する規制 ―― 医療関係
法規(24)/ 医薬品や薬物等に対する規制 ―― 薬事関係法
規(25)/ 人の生命・身体等を保護する一般的な規定 ――
刑法典上の罪(25)
CASE へのアプローチ (26)
3 医療行為に対する規制の限界と課題 ―― 今後の展望 27
4 ステップ・アップ 27
◆第4講 インフォームド・コンセント 29
1 インフォームド・コンセントの定義とその位置 30
2 考え方の道しるべ 30
I. C. の構造:“説明”と“承諾”というふたつの要
素(30)/ 承諾原則(31)/ 説明原則(34)
CASE へのアプローチ (38)
3 インフォームド・コンセントの多様化?―― 今後の展望 38
4 ステップ・アップ 39
◆第5講 医療情報 40
1 保護と利用のせめぎあい 41
2 考え方の道しるべ 42
医療情報の意義(42)/ 医療情報保護の法的根拠
(42)/ 患者の黙示の承諾の位置づけ(45)/ 医療情
報の第三者利用(46)/ 医療情報の第三者利用の正
当化(46)/ 正当とされる第三者利用の3 つのタイ
プ(46)
CASE へのアプローチ (48)
3 明確な承諾基準と国民の信頼獲得へ ―― 今後の展望 50
4 ステップ・アップ 51
死者の医療情報(51)/ 遺伝情報をめぐる新たな問
題(52)
◆第6講 治療行為 54
1 医師・患者にとって最良の治療とは 54
2 考え方の道しるべ 55
治療行為の意義と法的問題(55)/ 治療行為の適法
化要件(56)
CASE へのアプローチ (58)
3 求められる自己規律 ―― 今後の展望 59
刑事司法介入のあり方(59)/ 求められる自己規律
(60)
4 ステップ・アップ 60
◆第7講 人体実験・臨床試験 62
1 人体実験・臨床試験にはどのような意義と問題があるか 63
歴史的意義(63)/ 世界のルール(63)/ CASE の
問題点(64)
2 考え方の道しるべ 64
軍事的・政策的人体実験(64)/ 研究本位的人体
実験(65)/ 治療的実験・臨床試験(66)/ 判例の動
向(66)/ 人体実験・臨床試験の適法化要件とその限
界(70)/ 医薬品の臨床試験(72)/ プラセボの問題
(73)
CASE へのアプローチ (73)
3 倫理委員会の整備・補験者補償の充実へ ―― 今後の展望 74
4 ステップ・アップ 75
薬剤の種類(75)/ 院内製剤の問題点(75)
◆第8講 医療事故と医療過誤(民事) 78
1 医療事故・医療過誤と民事責任に関する問題点 79
医療事故と医療過誤(79)/ 医療紛争と医療訴訟
(79)/ 2 つの法的構成(80)/ 民事責任における
「損害の公平な分担」(80)/ 医療上の民事責任の要
件(81)
2 考え方の道しるべ 82
ポイント①:過失=注意義務違反について(82)/
ポイント②:因果関係について(84)/ ポイント
③:損害=被侵害利益について(86)
CASE へのアプローチ (89)
3 民事責任と法益論の進展について ―― 今後の展望 89
4 ステップ・アップ 90
◆第9講 医療事故と医療過誤(刑事) 92
1 誰が,なぜ,どのような刑事責任を負うのか 93
刑法で処罰される医療過誤(93)
2 考え方の道しるべ 94
業務上過失致死傷罪の成立要件(94)/ チーム医
療における刑事過失責任(95)
CASE へのアプローチ (100)
3 適正な医療と刑事責任のために ―― 今後の展望 101
厳罰化にある刑事処分(101)/ 医療の組織化と刑
事責任のあり方(102)/ 医療事故への刑事介入のあ
り方(102)
4 ステップ・アップ 103
「 過失の競合」か「過失共同正犯」か(103)
◆第10講 医療事故と届出義務・被害者救済 105
1 誰が,いつ,どこに,どこまで,どのように届け出るのか 106
医療事故の届出義務(106)
2 考え方の道しるべ 107
医師法21 条の意義(107)/ 憲法38 条1 項との関
係(107)/ 届出義務の課題(109)
CASE へのアプローチ (112)
3 医療事故防止と被害者救済 ―― 今後の展望 112
4 ステップ・アップ 114
◆第11講 薬 害 116
1 薬害事件と法的責任 116
薬害事件(116)/ 何が問題になるか(117)
2 考え方の道しるべ 117
医薬品の暴露と副作用の発生との間の因果関係
(117)/ 製薬会社の責任(118)/ 国の責任(119)/
医師の責任(120)/ 刑事責任(121)
CASE へのアプローチ (123)
3 薬害根絶に向けて ―― 今後の展望 125
薬害の構造上の問題と私たちの役目(126)
4 ステップ・アップ 126
◆第12講 安 楽 死 129
1 生命はどんなときでも最優先か 130
2 考え方の道しるべ 131
安楽死の分類(131)/ 安楽死の可罰性(132)/ 安
楽死許容要件のまとめ(138)
CASE へのアプローチ (139)
3 患者の真の幸福を実現するために ―― 今後の展望 140
安楽死法の立法と諸外国の制度(140)/ 患者の推
定的意思(141)
4 ステップ・アップ 143
◆第13講 尊 厳 死 145
1 延命医療技術発展の功罪 146
延命治療の中止事件(146)/ 何が問題になるか
(146)/ CASE の分析と問題点(147)
2 考え方の道しるべ 148
参考になる裁判例(148)/ 学説における議論(150)
CASE へのアプローチ (151)
3 模索される終末期医療のあり方 ―― 今後の展望 152
日本学術会議「死と医療特別委員会報告」(152)/
厚生労働省「終末期医療に関する調査等検討会報
告書」(153)/ 厚生労働省「終末期医療の決定プロセ
ス関するガイドライン」(153)/ わが国における終末
期医療ルールのあり方とは(154)
4 ステップ・アップ 154
アメリカの状況(155)/ イギリスの状況(156)
◆第14講 臓器移植 158
1 臓器摘出の術前措置に本人の承諾は必要か 159
遺族意思優先主義から本人意思優先主義へ(159)/
術前措置に対する承諾権(159)
2 考え方の道しるべ 161
脳死選択権を認めた臓器移植法(161)/ 脳死は生
物学上,臨床上の人の死である(162)/ 脳死=蘇生
限界点と認めたシドニー宣言(162)
CASE へのアプローチ (163)
3 臓器移植法の改正に向けて ―― 今後の展望 165
法律上の死と臨床上の死との不一致による矛盾
(165)/ 医師にもたらされたジレンマ(166)/ 適正
な脳死判定(167)
4 ステップ・アップ 168
死後の身体に対する処分権の所在:本人主義か遺族主
義か(168)
◆第15講 人工妊娠中絶 170
1 人工妊娠中絶はどのような場合に認められるのか 170
刑法上の「堕胎の罪」(171)/ 母体保護法上の適応
事由(171)/ 胎児の障害がある場合(171)
2 考え方の道しるべ 172
母体保護法2 条2 項・14 条1 項1 号(172)/ 診療
契約上の医師の説明義務および検査義務(173)/ 損
害賠償の範囲(173)
CASE へのアプローチ (175)
3 生命の選択という問題 ―― 今後の展望 176
障害者の差別か(176)/ 法律に代わる基準(176)/
望ましい自己決定のために(177)
4 ステップ・アップ 177
◆第16講 生殖補助医療 179
1 生殖補助医療技術の発展により生じる難問 180
2 考え方の道しるべ 181
法律上の母子関係成立に関する民法の原則(181)/
代理懐胎における母子関係(182)
CASE へのアプローチ (185)
3 遅れる立法化とその動向 ―― 今後の展望 188
4 ステップ・アップ 189
◆第17講 クローン技術 192
1 クローン技術で人を誕生させることは許されるか 192
ヒト・クローン技術等規制法誕生の経緯(192)/
ヒト・クローン技術等規制法の目的・意義・構造
(193)/ CASE の問題点(196)
2 考え方の道しるべ 196
処罰根拠と保護法益(196)/ 人間の尊厳(198)
CASE へのアプローチ (198)
3 クローン技術と再生医療 ―― 今後の展望 199
4 ステップ・アップ 200
◆第18講 遺伝をめぐる医療 202
1 遺伝情報は誰のものか ――「個」の論理から「集団」の論理へ? 203
遺伝学研究の発展と新たな問題(203)/ 基本原理
の揺らぎ(203)/ 基本原理の再認識(204)/ 「 個人」
から「家族全体」へ?(205)
2 考え方の道しるべ 205
遺伝子例外主義(genetic exceptionalism)(205)/ ア
メリカの裁判例・学説(207)
CASE へのアプローチ (209)
3 日本の類似事案から ―― 今後の展望 210
4 ステップ・アップ 211
◆第19講 ヒト由来物質の利用 213
1 ヒト由来物質はどのように使われているか 213
医学研究におけるヒト由来物質の利用と社会的な
規制の必要性(213)/ ヒト由来物質に関する規制 そ
の1 ―― 古典的な対処 ――(214)/ ヒト由来物質に関
する規制 その2 ―― 新しい規制 ――(215)
2 考え方の道しるべ 216
ヒト由来物質の性質(217)/ ヒト由来物質をめぐ
る当事者の関係(218)
CASE へのアプローチ (219)
3 あるべき議論の方向性 ―― 今後の展望 221
4 ステップ・アップ 223
◆第20講 小児医療 226
1 子どもの同意能力と父母の親権 226
2 考え方の道しるべ 227
子どもの医療に対する同意能力(227)/ 親の子ど
もへの医療の同意拒否と児童虐待(229)/ 親権の範
囲(230)/ 司法の事前介入(230)
CASE へのアプローチ (233)
3 望まれる法整備 ―― 今後の展望 2 33
4 ステップ・アップ 234
◆第21講 精神科医療の基本原理と関連法制度 236
1 精神科医療は特殊なものか 237
精神科医療法制の歴史(237)
2 考え方の道しるべ 238
精神科医療制度の特徴(238)
CASE へのアプローチ (240)
3 二重三重の患者の権利保護の仕組み ―― 今後の展望 242
患者の権利を擁護する仕組み(243)
4 ステップ・アップ 244
◆第22講 精神科医療と損害賠償 246
1 精神科医療における医療事故 246
2 考え方の道しるべ 247
精神病患者の自傷・他害事故と医療側の責任(247)
CASE へのアプローチ (252)
3 精神科医療と患者の暴力 ―― 今後の展望 252
4 ステップ・アップ 253
事項索引(巻末)
甲斐克則(早稲田大学大学院法務研究科教授)編
【執筆者一覧】
甲斐克則(かい・かつのり):《第1講,第7講,第10講,第17講》
(早稲田大学大学院法務研究科教授,広島大学名誉教授)
柳井圭子(やない・けいこ):《第2講》
(日本赤十字九州国際看護大学教授)
澁谷洋平(しぶや・ようへい):《第3講》
(熊本大学法学部准教授)
小西知世(こにし・ともよ):《第4講》
(明治大学法学部准教授)
村山淳子(むらやま・じゅんこ):《第5講》
(西南学院大学法学部教授)
加藤摩耶(かとう・まや):《第6講》
(岡山商科大学法学部准教授)
山口斉昭(やまぐち・なりあき):《第8講》
(早稲田大学法学学術院教授)
日山恵美(ひやま・えみ):《第9講》
(広島大学大学院法務研究科教授)
増成直美(ますなり・なおみ):《第11講》
(山口県立大学看護栄養学部栄養学科公衆衛生学研究室教授)
武藤眞朗(むとう・まさあき):《第12講》
(東洋大学法学部教授)
千葉華月(ちば・かづき):《第13講》
(北海学園大学法学部教授)
秋葉悦子(あきば・えつこ):《第14講》
(富山大学経済学部教授)
伊佐智子(いさ・ともこ):《第15講》
(久留米大学法学部非常勤講師)
永水裕子(ながみず・ゆうこ):《第16講》
(桃山学院大学法学部教授)
山本龍彦(やまもと・たつひこ):《第18講》
(慶應義塾大学大学院法務研究科教授)
佐藤雄一郎(さとう・ゆういちろう):《第19講》
(東京学芸大学教育学部准教授)
久藤(沖本)克子(ひさふじ(おきもと)・かつこ):《第20講》
(岡山県立大学保健福祉学部教授)
横藤田誠(よこふじた・まこと):《第21講》
(広島大学大学院社会科学研究科教授)
長谷川義仁(はせがわ・よしひと):《第22講》
(近畿大学法学部教授)
- - -
【目 次】
◆第1講 医事法の意義と基本原理 1
1 医療行為と法と倫理の関係 2
医療行為と法のかかわり(2)/ CASE の問題点(3)
2 考え方の道しるべ 3
医事法・医事法学の意義(3)/ 医事法の基本的視点(4)
CASE へのアプローチ (10)
3 診療契約の性質は何か ―― 今後の展望 11
4 ステップ・アップ 12
◆第2講 医療制度と行政規制 13
1 国はどのように医師を監督しているか 14
医療の担い手である者の責務(14)/ 国の監督(14)
2 考え方の道しるべ 15
行政処分の意義(15)/ 行政処分の手続的保障(16)/
裁量範囲 ―― 処分基準(17)
CASE へのアプローチ (19)
3 医療体制改善と情報公開 ―― 今後の展望 20
4 ステップ・アップ 20
◆第3講 医療行為と刑事規制 22
1 刑事規制の対象となる主体・行為とは 22
医師と医業(23)/ 医師以外の医療従事者と医行為(23)
2 考え方の道しるべ 24
医療従事者の身分・業務等に対する規制 ―― 医療関係
法規(24)/ 医薬品や薬物等に対する規制 ―― 薬事関係法
規(25)/ 人の生命・身体等を保護する一般的な規定 ――
刑法典上の罪(25)
CASE へのアプローチ (26)
3 医療行為に対する規制の限界と課題 ―― 今後の展望 27
4 ステップ・アップ 27
◆第4講 インフォームド・コンセント 29
1 インフォームド・コンセントの定義とその位置 30
2 考え方の道しるべ 30
I. C. の構造:“説明”と“承諾”というふたつの要
素(30)/ 承諾原則(31)/ 説明原則(34)
CASE へのアプローチ (38)
3 インフォームド・コンセントの多様化?―― 今後の展望 38
4 ステップ・アップ 39
◆第5講 医療情報 40
1 保護と利用のせめぎあい 41
2 考え方の道しるべ 42
医療情報の意義(42)/ 医療情報保護の法的根拠
(42)/ 患者の黙示の承諾の位置づけ(45)/ 医療情
報の第三者利用(46)/ 医療情報の第三者利用の正
当化(46)/ 正当とされる第三者利用の3 つのタイ
プ(46)
CASE へのアプローチ (48)
3 明確な承諾基準と国民の信頼獲得へ ―― 今後の展望 50
4 ステップ・アップ 51
死者の医療情報(51)/ 遺伝情報をめぐる新たな問
題(52)
◆第6講 治療行為 54
1 医師・患者にとって最良の治療とは 54
2 考え方の道しるべ 55
治療行為の意義と法的問題(55)/ 治療行為の適法
化要件(56)
CASE へのアプローチ (58)
3 求められる自己規律 ―― 今後の展望 59
刑事司法介入のあり方(59)/ 求められる自己規律
(60)
4 ステップ・アップ 60
◆第7講 人体実験・臨床試験 62
1 人体実験・臨床試験にはどのような意義と問題があるか 63
歴史的意義(63)/ 世界のルール(63)/ CASE の
問題点(64)
2 考え方の道しるべ 64
軍事的・政策的人体実験(64)/ 研究本位的人体
実験(65)/ 治療的実験・臨床試験(66)/ 判例の動
向(66)/ 人体実験・臨床試験の適法化要件とその限
界(70)/ 医薬品の臨床試験(72)/ プラセボの問題
(73)
CASE へのアプローチ (73)
3 倫理委員会の整備・補験者補償の充実へ ―― 今後の展望 74
4 ステップ・アップ 75
薬剤の種類(75)/ 院内製剤の問題点(75)
◆第8講 医療事故と医療過誤(民事) 78
1 医療事故・医療過誤と民事責任に関する問題点 79
医療事故と医療過誤(79)/ 医療紛争と医療訴訟
(79)/ 2 つの法的構成(80)/ 民事責任における
「損害の公平な分担」(80)/ 医療上の民事責任の要
件(81)
2 考え方の道しるべ 82
ポイント①:過失=注意義務違反について(82)/
ポイント②:因果関係について(84)/ ポイント
③:損害=被侵害利益について(86)
CASE へのアプローチ (89)
3 民事責任と法益論の進展について ―― 今後の展望 89
4 ステップ・アップ 90
◆第9講 医療事故と医療過誤(刑事) 92
1 誰が,なぜ,どのような刑事責任を負うのか 93
刑法で処罰される医療過誤(93)
2 考え方の道しるべ 94
業務上過失致死傷罪の成立要件(94)/ チーム医
療における刑事過失責任(95)
CASE へのアプローチ (100)
3 適正な医療と刑事責任のために ―― 今後の展望 101
厳罰化にある刑事処分(101)/ 医療の組織化と刑
事責任のあり方(102)/ 医療事故への刑事介入のあ
り方(102)
4 ステップ・アップ 103
「 過失の競合」か「過失共同正犯」か(103)
◆第10講 医療事故と届出義務・被害者救済 105
1 誰が,いつ,どこに,どこまで,どのように届け出るのか 106
医療事故の届出義務(106)
2 考え方の道しるべ 107
医師法21 条の意義(107)/ 憲法38 条1 項との関
係(107)/ 届出義務の課題(109)
CASE へのアプローチ (112)
3 医療事故防止と被害者救済 ―― 今後の展望 112
4 ステップ・アップ 114
◆第11講 薬 害 116
1 薬害事件と法的責任 116
薬害事件(116)/ 何が問題になるか(117)
2 考え方の道しるべ 117
医薬品の暴露と副作用の発生との間の因果関係
(117)/ 製薬会社の責任(118)/ 国の責任(119)/
医師の責任(120)/ 刑事責任(121)
CASE へのアプローチ (123)
3 薬害根絶に向けて ―― 今後の展望 125
薬害の構造上の問題と私たちの役目(126)
4 ステップ・アップ 126
◆第12講 安 楽 死 129
1 生命はどんなときでも最優先か 130
2 考え方の道しるべ 131
安楽死の分類(131)/ 安楽死の可罰性(132)/ 安
楽死許容要件のまとめ(138)
CASE へのアプローチ (139)
3 患者の真の幸福を実現するために ―― 今後の展望 140
安楽死法の立法と諸外国の制度(140)/ 患者の推
定的意思(141)
4 ステップ・アップ 143
◆第13講 尊 厳 死 145
1 延命医療技術発展の功罪 146
延命治療の中止事件(146)/ 何が問題になるか
(146)/ CASE の分析と問題点(147)
2 考え方の道しるべ 148
参考になる裁判例(148)/ 学説における議論(150)
CASE へのアプローチ (151)
3 模索される終末期医療のあり方 ―― 今後の展望 152
日本学術会議「死と医療特別委員会報告」(152)/
厚生労働省「終末期医療に関する調査等検討会報
告書」(153)/ 厚生労働省「終末期医療の決定プロセ
ス関するガイドライン」(153)/ わが国における終末
期医療ルールのあり方とは(154)
4 ステップ・アップ 154
アメリカの状況(155)/ イギリスの状況(156)
◆第14講 臓器移植 158
1 臓器摘出の術前措置に本人の承諾は必要か 159
遺族意思優先主義から本人意思優先主義へ(159)/
術前措置に対する承諾権(159)
2 考え方の道しるべ 161
脳死選択権を認めた臓器移植法(161)/ 脳死は生
物学上,臨床上の人の死である(162)/ 脳死=蘇生
限界点と認めたシドニー宣言(162)
CASE へのアプローチ (163)
3 臓器移植法の改正に向けて ―― 今後の展望 165
法律上の死と臨床上の死との不一致による矛盾
(165)/ 医師にもたらされたジレンマ(166)/ 適正
な脳死判定(167)
4 ステップ・アップ 168
死後の身体に対する処分権の所在:本人主義か遺族主
義か(168)
◆第15講 人工妊娠中絶 170
1 人工妊娠中絶はどのような場合に認められるのか 170
刑法上の「堕胎の罪」(171)/ 母体保護法上の適応
事由(171)/ 胎児の障害がある場合(171)
2 考え方の道しるべ 172
母体保護法2 条2 項・14 条1 項1 号(172)/ 診療
契約上の医師の説明義務および検査義務(173)/ 損
害賠償の範囲(173)
CASE へのアプローチ (175)
3 生命の選択という問題 ―― 今後の展望 176
障害者の差別か(176)/ 法律に代わる基準(176)/
望ましい自己決定のために(177)
4 ステップ・アップ 177
◆第16講 生殖補助医療 179
1 生殖補助医療技術の発展により生じる難問 180
2 考え方の道しるべ 181
法律上の母子関係成立に関する民法の原則(181)/
代理懐胎における母子関係(182)
CASE へのアプローチ (185)
3 遅れる立法化とその動向 ―― 今後の展望 188
4 ステップ・アップ 189
◆第17講 クローン技術 192
1 クローン技術で人を誕生させることは許されるか 192
ヒト・クローン技術等規制法誕生の経緯(192)/
ヒト・クローン技術等規制法の目的・意義・構造
(193)/ CASE の問題点(196)
2 考え方の道しるべ 196
処罰根拠と保護法益(196)/ 人間の尊厳(198)
CASE へのアプローチ (198)
3 クローン技術と再生医療 ―― 今後の展望 199
4 ステップ・アップ 200
◆第18講 遺伝をめぐる医療 202
1 遺伝情報は誰のものか ――「個」の論理から「集団」の論理へ? 203
遺伝学研究の発展と新たな問題(203)/ 基本原理
の揺らぎ(203)/ 基本原理の再認識(204)/ 「 個人」
から「家族全体」へ?(205)
2 考え方の道しるべ 205
遺伝子例外主義(genetic exceptionalism)(205)/ ア
メリカの裁判例・学説(207)
CASE へのアプローチ (209)
3 日本の類似事案から ―― 今後の展望 210
4 ステップ・アップ 211
◆第19講 ヒト由来物質の利用 213
1 ヒト由来物質はどのように使われているか 213
医学研究におけるヒト由来物質の利用と社会的な
規制の必要性(213)/ ヒト由来物質に関する規制 そ
の1 ―― 古典的な対処 ――(214)/ ヒト由来物質に関
する規制 その2 ―― 新しい規制 ――(215)
2 考え方の道しるべ 216
ヒト由来物質の性質(217)/ ヒト由来物質をめぐ
る当事者の関係(218)
CASE へのアプローチ (219)
3 あるべき議論の方向性 ―― 今後の展望 221
4 ステップ・アップ 223
◆第20講 小児医療 226
1 子どもの同意能力と父母の親権 226
2 考え方の道しるべ 227
子どもの医療に対する同意能力(227)/ 親の子ど
もへの医療の同意拒否と児童虐待(229)/ 親権の範
囲(230)/ 司法の事前介入(230)
CASE へのアプローチ (233)
3 望まれる法整備 ―― 今後の展望 2 33
4 ステップ・アップ 234
◆第21講 精神科医療の基本原理と関連法制度 236
1 精神科医療は特殊なものか 237
精神科医療法制の歴史(237)
2 考え方の道しるべ 238
精神科医療制度の特徴(238)
CASE へのアプローチ (240)
3 二重三重の患者の権利保護の仕組み ―― 今後の展望 242
患者の権利を擁護する仕組み(243)
4 ステップ・アップ 244
◆第22講 精神科医療と損害賠償 246
1 精神科医療における医療事故 246
2 考え方の道しるべ 247
精神病患者の自傷・他害事故と医療側の責任(247)
CASE へのアプローチ (252)
3 精神科医療と患者の暴力 ―― 今後の展望 252
4 ステップ・アップ 253
事項索引(巻末)