和解は未来を創る ー 草野芳郎先生古稀記念
法の影響下での交渉を通じ、将来の関係性を構築、私的秩序形成をいかに実践するか。紛争の当事者にとって、より良い未来を創造する。
著者 |
豊田 愛祥
編 太田 勝造 編 林 圭介 編 斎藤 輝夫 編 |
---|---|
ジャンル |
法律
> 民事訴訟法/民事執行法/民事保全法/倒産法 法律 > 司法/裁判制度/弁護士論 法律 > 法社会学 |
出版年月日 | 2018/03/31 |
ISBN | 9784797275322 |
判型・ページ数 | A5変・552ページ |
定価 | 18,480円(税込) |
在庫 | 在庫あり |
豊田愛祥・太田勝造・林 圭介・斎藤輝夫 編集
【執筆者一覧(掲載順)】
草野芳郎(くさの・よしろう):弁護士(詳細は巻末「略歴」参照)
垣内秀介(かきうち・しゅうすけ):東京大学大学院法学政治学研究科教授
山田 文(やまだ・あや):京都大学大学院法学研究科教授
太田勝造(おおた・しょうぞう):東京大学大学院法学政治学研究科教授
鈴木仁志(すずき・ひとし):弁護士
和田仁孝(わだ・よしたか):早稲田大学大学院法務研究科教授
長谷部由起子(はせべ・ゆきこ):学習院大学大学院法務研究科教授
常松 淳(つねまつ・じゅん):日本大学法学部専任講師
西口 元(にしぐち・はじめ):早稲田大学大学院法務研究科教授
林 圭介(はやし・けいすけ):学習院大学法学部教授・弁護士
豊田愛祥(とよだ・よしなか):弁護士
齋藤宙治(さいとう・ひろはる):東京大学大学院法学政治学研究科助教
稲田龍樹(いなだ・たつき):弁護士
奥村哲史(おくむら・てつし):東京理科大学経営学部教授
始関正光(しせき・まさみつ):津地方・家庭裁判所長
樋口正樹(ひぐち・まさき):宇都宮家庭・地方裁判所判事
斎藤輝夫(さいとう・てるお):明治大学法科大学院特任教授・弁護士
濱田和成(はまだ・かずなり):弁護士
唐津恵一(からつ・けいいち):東京大学大学院法学政治学研究科教授
鬼澤友直(おにざわ・ともなお):岡山地方裁判所長
小西貞行(こにし・さだゆき):弁護士
中西淑美(なかにし・としみ):山形大学医学部准教授
髙橋利昌(たかはし・としまさ):弁護士
石井久子(いしい・ひさこ):弁護士
林 道晴(はやし・みちはる):東京高等裁判所長官
中本敏嗣(なかもと・としつぐ):大阪高等裁判所判事
TM. Luthfi Yazid(TM.ルトフィ・ヤジド):インドネシア弁護士,インドネシア弁護士会議(KAI)中央役員会副会長
呼子紀子(よぶこ・のりこ):インドネシア語通訳・翻訳
李 淳東(イ・スンドン):嶺南大学ロースクール教授・弁護士
韓 寧(かん・ねい):桐蔭横浜大学法学部准教授
Daniel H. Foote(ダニエル・フット):東京大学大学院法学政治学研究科教授
〔訳者〕権 敬殷(クォン・キョンウン):学習院大学経済学部非常勤講師
【目 次】
はしがき
◆ Ⅰ 理 論 編 ◆
1 和解は未来を創る〔草野芳郎〕
Ⅰ 訴訟上の和解への目覚め
Ⅱ 和解技術を意識する前の和解のやり方
Ⅲ 和解技術論の誕生と発展
Ⅳ 和解の本質
Ⅴ 司法とADRの関係
Ⅵ 終わりに
2 訴訟上の和解の現在――『和解技術論』出現以後の展開を振り返って〔垣内秀介〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 訴訟上の和解をめぐる『和解技術論』以後の展開
Ⅲ おわりに――和解技術論の今日的意義
3 民間型ADRの利用と訴訟手続の関係〔山田 文〕
Ⅰ 問題の所在
Ⅱ 民間調停利用合意の訴訟上の意義
Ⅲ 民間調停による和解成立の抗弁
Ⅳ 終わりに
4 一部完済後免除型和解とプロスペクト理論――学際的な交渉研究の試み〔太田勝造〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 実験的手法による交渉研究
Ⅲ プロスペクト理論
Ⅳ 一部完済後免除型和解とプロスペクト理論
Ⅴ おわりに
5 和解の脳科学的考察――『和解技術論』との逢着点〔鈴木仁志〕
Ⅰ 序 論
Ⅱ 和解の原理の脳科学的考察
Ⅲ 和解の基本指針と『和解技術論』
Ⅳ 結語――和解と未来形成
6 和解の文脈負荷性と暗黙の次元〔和田仁孝〕
Ⅰ 和解の文脈負荷性と暗黙の次元
Ⅱ 和解実践ケースの具体的検証
Ⅲ まとめ――和解の未来制御機能
7 和解を成立させるために提出された情報の取扱い――訴訟手続における利用の可否〔長谷部由起子〕
Ⅰ 本稿の目的
Ⅱ 情報遮断論の論拠と課題
Ⅲ Without Prejudiceルールをめぐる議論の状況
Ⅳ 日本法への示唆
8 民事裁判における和解の現状――地域差と和解勧試に注目して〔常松 淳〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 和解という方法をどう評価するか
Ⅲ 和解の現状をどう見るか
Ⅳ 裁判の結果に対する地域と和解勧試の影響
Ⅴ 終わりに
9 和解協議方法を巡る諸問題――調停型和解から交渉型和解へ〔西口 元〕
Ⅰ 問題の所在
Ⅱ 和解協議の実情
Ⅲ 交互面接和解の憲法適合性
Ⅳ 交互面接和解の合法性
Ⅴ 交互面接和解の功罪
Ⅵ 対席和解を阻むもの
Ⅶ 民事訴訟上の和解の課題――「調停型」から「交渉型」へ
10 事業再建型倒産手続における「和解は未来を創る」の理念〔林 圭介〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 民事再生手続の特質
Ⅲ 民事再生手続の運用
Ⅳ 私的整理手続の運用
Ⅴ 事業再生を円滑に実現するために
Ⅵ おわりに
11 弁護士と交渉技術〔豊田愛祥〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 弁護士の交渉スタイル
Ⅲ 感情論の怖さを認識せよ,しかし,感情論と卑しむ勿れ
Ⅳ 訴訟構造の持つ意味と交渉の関係
Ⅴ 法的紛争にあって特に強い被害感情が介入する事例――食品,化粧品被害
Ⅵ 訴訟の場における弁護士交渉の特徴
Ⅶ 結 び
12 交渉に関する米国の弁護士倫理とその教育効果――離婚事件における真実義務と子どもの福祉を題材に〔齋藤宙治〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 交渉に関する米国の弁護士倫理
Ⅲ 方 法
Ⅳ 結 果
Ⅴ 考 察
Ⅵ 今後の展望と日本への示唆
13 「協議」と遺産分割調停・審判事件の手続保障〔稲田龍樹〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 明治民法に協議が定められた経緯
Ⅲ 明治民法(家族法)の改正作業
Ⅳ 昭和民法(家族法)と協議,調停,審判,判決
Ⅴ 家事事件手続法における調停・審判事件の手続保障
Ⅵ おわりに
14 紛争解決に介入する第三者の公式性〔奥村哲史〕
Ⅰ 組織コンフリクトと第三者
Ⅱ 第三者の紛争解決行動の記述的研究
Ⅲ 実証研究によるマネジャーの第三者行動の解明の試み
◆ Ⅱ 実 務 編 ◆
15 一部完済後免除型和解からルート理論へ〔草野芳郎〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 一部完済後免除型(『和解技術論(第2版)』115-119頁)
Ⅲ ルート理論への芽生え
Ⅳ ルート理論の誕生
Ⅴ 相加平均(足して2で割る理論)と相乗平均(ルート理論)
Ⅵ 1対2の場合に早期に提案する場合
Ⅶ 終わりに
16 訴訟上の和解の現状と改善策〔始関正光〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 訴訟上の和解のメリット
Ⅲ 訴訟上の和解の実務の現状
Ⅳ 現状の問題点
Ⅴ 問題点の改善策
Ⅵ おわりに
17 要件事実と和解〔樋口正樹〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 和解における要件事実の機能
Ⅲ 和解における要件事実の実際
Ⅳ 和解との関係における要件事実に基づく主張整理,争点整理運用のあるべき姿
18 企業の紛争解決とADR〔斎藤輝夫〕
Ⅰ はじめに――問題意識
Ⅱ 企業の紛争解決において考慮すべきファクターと法務部門体制
Ⅲ 企業の紛争解決手段選択――訴訟とADR
Ⅳ 企業の紛争解決と紛争解決手段――ADRの現状
Ⅴ ADRがもっと活用されるために
Ⅵ ま と め
19 非対面型交渉における実務上の工夫――emailを用いた契約交渉を中心に〔濱田和成〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 非対面型の契約交渉であるemailのみを用いた契約交渉の特徴
Ⅲ emailを通じた契約交渉において実務上みられるもの
Ⅳ 最 後 に
20 カーブアウト型M&Aにおける対価の交渉を行う上で留意すべきこと〔唐津恵一〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 企業間交渉の特徴
Ⅲ 資本コスト・企業価値
Ⅳ M&Aという投資判断の合理性
Ⅴ シナジー効果
Ⅵ マネジメント改善効果
Ⅶ M&Aの交渉
Ⅷ 被買収者の判断の合理性
Ⅸ カーブアウト型M&Aにおける特殊性
Ⅹ スタンドアローン問題
XI 買い手のスタンドアローン問題への対応
XII 売り手企業のスタンドアローン問題への対応
XIII カーブアウト型M&Aにおける事業価値評価
XIV カーブアウト型M&Aの交渉レンジ
XV 結 語
21 家事調停の充実と人事訴訟〔鬼澤友直〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 岡山の家事調停の現状
Ⅲ 家事調停充実の歴史
Ⅳ 家事調停と人事訴訟の記録を通じた検討の必要性
Ⅴ 「つなぎ」のあるべき姿
Ⅵ おわりに
22 医療関係事件における和解――医療側の立場から〔小西貞行〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 医療関係訴訟の動向と和解
Ⅲ 医療側から見た和解へのアプローチ
Ⅳ 事案の「筋」
Ⅴ 医療側としての「情」
Ⅵ 紛争における争点事項と和解
Ⅶ 紛争のステージ
Ⅷ 最 後 に
23 もうひとつの医療ADR――『医療メディエーション』という和解論〔中西淑美〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 二つの和解
Ⅲ 動物学・認知科学・リスク管理学からみた意思決定
Ⅳ 医療メディエーションという “和解”
Ⅴ 医療メディエーションへの疑義
Ⅵ おわりに
24 弁護士と和解〔髙橋利昌〕
Ⅰ 弁護士の和解に対する一般的な印象(ないし偏見)
Ⅱ 裁判,訴訟は,社会におけるデフォルトたる紛争解決手段ではない
Ⅲ 和解に対する実務家の課題
Ⅳ 結語――今後の課題について
25 都道府県労働局あっせんについての一考察〔石井久子〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 「個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律」の概要
Ⅲ あっせん制度の特徴
Ⅳ あっせん申請から合意までの手続きについて
Ⅴ あっせん制度と調停制度との比較(あっせん制度が優れているところ)
Ⅵ 合意書の効力
Ⅶ 私が心がけていた和解成立に至るやり方・工夫
Ⅷ あっせん事件の具体例
Ⅸ ま と め
Ⅹ おわりに
◆ Ⅲ 随 想 編 ◆
26 和解の魔術師から伝導師へ〔林 道晴〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 草野さんとの出会い
Ⅲ 和解の魔術師
Ⅳ その後の邂逅
Ⅴ 和解の伝道師としての草野さん
Ⅵ おわりに
27 『和解の草野』の神髄〔中本敏嗣〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 草野流和解術
Ⅲ 世界の草野に
Ⅳ 今後への期待
28 草野芳郎教授:師,父そして友〔TM.ルトフィ・ヤジド(呼子紀子 訳)〕
29 草野先生が伝えたかったこと〔呼子紀子〕
30 草野先生とのご縁〔李 淳東(権敬殷訳)〕
31 草野先生の古稀記念出版に寄せて――『和解技術論』に関する随想〔韓 寧〕
Ⅰ 『和解技術論』の翻訳
Ⅱ 『和解技術論』か『調解技術論』か
Ⅲ 中国における調解に対する重視と『和解技術論』の貢献
〔特別寄稿〕32 A Passion for Wakai〔Daniel H. Foote〕
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草野芳郎先生略歴/業績目録(巻末)
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