-
2018/04/28
憲法学の創造的展開 上巻 戸波江二先生古稀記念
工藤達朗・西原博史・鈴木秀美・小山剛・毛利透・三宅雄彦・斎藤一久 編
【目 次】
はしがき
◆Ⅰ◆ 基礎理論
1 憲法の規範力の観点から見たヘルマン・ヘラーの社会的法治国家論〔栗城壽夫〕
Ⅰ ヘラーの社会的法治国家論の狙い
Ⅱ 社会的法治国家のアウトプット面
Ⅲ 社会的法治国家のインプット面
Ⅳ 憲法の規範力という観点から見たヘラーの社会的法治国家論
2 アレクシーとケルゼンはどう異なるのか――法学における視点選択の意義について〔毛利 透〕
Ⅰ アレクシーとケルゼンは,観察者の視点からの法理解においては一致している
Ⅱ 参加者の視点の学問的価値についての意見の相違
Ⅲ ケルゼンはどのようにして法を認識するのか――根本規範の意味
Ⅳ 参加者の視点はどうやって正当化されるのか――法存在の道徳的価値
Ⅴ 両法理論家の相違についての見解
3 慣行と制裁――「法哲学の基本文献」を読み直す〔渡辺 洋〕
Ⅰ 二つの言明
Ⅱ 「国権の限界問題」の再興
Ⅲ ルールの慣行理論
Ⅳ 強制秩序としての法
Ⅴ ルールの慣行的理解の呪縛――省察の末路
4 ワイマール憲法――十分な民主主義者なき民主制〔ライナー・ヴァール(石塚壮太郎訳)〕
〈原題〉Die Weimarer Verfassung:Eine Demokratie ohne genugend Demokraten〔Rainer Wahl〕
Ⅰ 出発点となる問い――不出来な憲法か,不利な枠条件の下にある憲法か
Ⅱ その時代とその環境におけるワイマール憲法の幾つかの基本的データ
Ⅲ 大統領の緊急事態権限にみる憲法規定の二律背反(ワイマール憲法48条2項)
Ⅳ 民主制原理と民主制の実践
Ⅴ 結 論
5 オーストリア初期憲法史概説〔甲斐素直〕
Ⅰ は じ め に
Ⅱ 立憲君主制の萌芽
Ⅲ 新絶対主義と1851年大晦日勅令
Ⅳ 立憲君主制への回帰
Ⅴ オーストリア=ハンガリー二重帝国と12月憲法
Ⅵ 終 わ り に
6 日本における憲法パトリオティズムの可能性の探究〔斎藤一久〕
Ⅰ 憲法への愛着
Ⅱ 憲法上の普遍的価値への愛着
Ⅲ 憲法パトリオティズムの日本における展開可能性
Ⅳ 結びに代えて
7 国法学と実務の近さを批判する純粋法学的言説について〔實原隆志〕
Ⅰ は じ め に
Ⅱ イェシュテットの批判
Ⅲ イェシュテットとは異なる見解
Ⅳ 検 討
Ⅴ お わ り に
8 現代ドイツ憲法学における国家目的「自由」「安全」「生命」――「国家なき国法学」に抗する立憲国家目的へ〔藤井康博〕
Ⅰ 序――国家目的再論
Ⅱ ワイマール憲法下
Ⅲ ボン基本法下
Ⅳ ベルリンの壁崩壊前後,再統一ドイツ基本法下
Ⅴ 後序――立憲国家目的へ
9 グローバル憲法についての覚書――憲法社会学を参考にして〔西土彰一郎〕
Ⅰ は じ め に
Ⅱ 補償的憲法としてのグローバル憲法
Ⅲ システム理論の憲法社会学
Ⅳ 規範的システム理論におけるグローバル憲法の位置づけ
Ⅴ お わ り に
10 職務概念と公法理論――E・V・ハイエンの職務行政史・職務文献学・職務図像学〔三宅雄彦〕
Ⅰ 序 言
Ⅱ 職務による行政科学
Ⅲ 職務概念論の学際性
Ⅳ 結 語
◆Ⅱ◆ 基本権論
11 エバーハルト・グラビッツの基本権論〔小山 剛〕
Ⅰ は じ め に
Ⅱ 「非国家的領域の保障」の系譜
Ⅲ 前提となるべき社会モデル
Ⅳ 「開かれた憲法原理としての自由」論――むすびにかえて
12 基本権制約はなぜ比例的でなければならないのか〔玉蟲由樹〕
Ⅰ は じ め に
Ⅱ 比例原則と基本権理論――in wasとwie
Ⅲ 従来の比例原則の根拠づけ
Ⅳ 「基本権の本質」と規範構造論的アプローチ
Ⅴ 相当性の要請の規範構造論的定位
Ⅵ 結びにかえて
13 基本権解釈の「主体」に関する予備的考察――P.ヘーベルレ,J.イーゼンゼー,M.ボロウスキの所説を中心に〔土屋 武〕
Ⅰ はじめに――問題の所在
Ⅱ 連邦憲法裁判所による基本権の「自己理解」の援用――宗教の自由を例に
Ⅲ 学説における基本権解釈の主体論
Ⅳ お わ り に
14 価値・原理・統制――価値秩序における基本権 〔中野雅紀〕
Ⅰ 問題の所在
Ⅱ 戦後ドイツ連邦共和国における基本価値学説の発生とその争点
Ⅲ 戦後ドイツ連邦共和国における基本価値理論の展開――「実体説」と「コンセンサス説」
Ⅳ 戦後ドイツ連邦共和国における基本価値理論の終局――「価値理論」から「原理理論」へのパラダイム・シフト
Ⅴ 結びにかえて
15 私人間効力論議に関する覚書――憲法は私人間において無適用だが直接効力が及ぶ〔千國亮介〕
Ⅰ 背 景
Ⅱ 学 説
Ⅲ 展 開
Ⅳ 分 析
Ⅴ 結 論
16 外国権力による基本権侵害と保護義務――外国の情報機関からの保護義務の可能性〔武市周作〕
Ⅰ 問題提起と社会状況
Ⅱ 外国の情報機関による基本権侵害
Ⅲ 保護義務の内容,範囲,限界
Ⅳ 保護措置の限界
Ⅴ お わ り に
17 プライバシー権の来し方・行く末〔棟居快行〕
Ⅰ 問題の所在
Ⅱ プライバシー権の現況
Ⅲ 「情報化社会」の徹底と公権力の変貌――高権的命令権力から選択肢の提示者へ
Ⅳ プライバシー権論の展開
Ⅴ 情報化社会からリベラルで多元的な社会へ
Ⅵ インターネット・SNSの発展とプライバシー権の展開
Ⅶ プライバシー権の行く末――結びに代えて
18 生命の権利の衡量可能性〔嶋崎健太郎〕
Ⅰ はじめに――戸波教授の生命権論
Ⅱ ドイツにおける生命権の衡量の位置づけ
Ⅲ 功利主義的生命倫理観と生命の衡量
Ⅳ 具体的立法および連邦憲法裁判所判例
Ⅴ 生命の量的衡量
Ⅵ 生命の質的衡量
Ⅶ 結 語
19 それでも「人間の尊厳」は絶対である〔押久保倫夫〕
Ⅰ 問 題 設 定
Ⅱ 「救出の為の拷問」と法社会学的視点――ドイツにおける議論
Ⅲ 「人間の尊厳」の絶対性
Ⅳ 日本における「人間の尊厳」
Ⅴ 付論――憲法九条解釈論との比較において
20 参議院制度と投票価値の平等〔山本悦夫〕
Ⅰ は じ め に
Ⅱ 日本国憲法制定と参議院
Ⅲ 参議院議員選挙法の制定
Ⅳ 参議院の選挙制度と裁判所の対応
Ⅴ 二院制と投票価値の平等
Ⅵ お わ り に
21 同性婚とアメリカ合衆国憲法――Obergefell v. Hodges判決を中心に〔有澤知子〕
Ⅰ は じ め に
Ⅱ アメリカにおける同性婚法制定の動向
Ⅲ Obergefell v. Hodges判決
Ⅳ 同性婚の問題点
Ⅴ お わ り に
22 遺族年金差別訴訟に見る平等権領域における立法裁量の位置づけ〔西原博史〕
Ⅰ 遺族年金制度における性差別という問題の位相
Ⅱ 問題としての平等問題と福祉問題の交錯
Ⅲ 差別構造の多層性と差別としての有害性
Ⅳ 第一審・控訴審判決における対立点と立法裁量の位置づけ
Ⅴ 社会保障領域に関わる立法裁量と平等権の意義
Ⅵ 属性にかかわらず個人が尊重される社会に向けて
23 平等保護における合理性審査の厳格適用について〔大野友也〕
Ⅰ は じ め に
Ⅱ 合理性審査の厳格適用
Ⅲ 検 討
Ⅳ 日本法への示唆
Ⅴ お わ り に
24 共生と人権――ライシテをめぐる政治と法の交錯〔馬場里美〕
Ⅰ は じ め に
Ⅱ 「ライシテ」の拡大――「新しいライシテ」?
Ⅲ 「ナラティブとしてのライシテ」と「法的なライシテ」
Ⅳ 共生と人権
Ⅴ お わ り に
25 インターネット上のヘイトスピーチと表現の自由――ドイツのSNS対策法をめぐって〔鈴木秀美〕
Ⅰ 問題の所在
Ⅱ 本法案の概要
Ⅲ 連邦議会で加えられた修正
Ⅳ 憲法上の問題点
Ⅴ 結びにかえて
26 ドイツ基本法における「集会」の概念〔岡田俊幸〕
Ⅰ は じ め に
Ⅱ 学説の状況
Ⅲ 2001年10月24日連邦憲法裁判所第一法廷決定
Ⅳ 結 語
27 民間放送における「支配的な意見の力」と集中排除規制――Axel SpringerによるProSiebenSat.1の合併計画をめぐる連邦行政裁判所2014年1月29日判決の分析を中心に〔杉原周治〕
Ⅰ は じ め に
Ⅱ 視聴者占拠率モデルの概要とAxel Springer/ProSiebenSat.1事件の経緯
Ⅲ 連邦行政裁判所2014年1月29日判決
Ⅳ むすびにかえて
28 芸術の自由と著作権の相克――サンプリング事件判決を中心に〔石塚壮太郎〕
Ⅰ は じ め に
Ⅱ サンプリング事件判決とその背景
Ⅲ サンプリング事件判決の法的構成
Ⅳ サンプリング事件判決の比較衡量の構造
Ⅴ 三つの解決選択肢+α――EUでの解決/アメリカとの比較
Ⅵ 結びにかえて
29 生存権の「制約」可能性――比例原則の適用可能性の「前提」をめぐるドイツの議論状況の覚書〔柴田憲司〕
Ⅰ は じ め に
Ⅱ 生存権の法的構造
Ⅲ 内容形成と介入の峻別論
Ⅳ 広い構成要件(保護法益+介入)論――原理理論
Ⅴ お わ り に
30 福田徳三のシュタイン継受と「もう一つの立憲主義」――戦前生存権論とデモクラシー〔清野幾久子〕
Ⅰ 福田徳三の生存権論と立憲主義
Ⅱ 福田の主権論とデモクラシー理解――ホッブズ『リヴァイアサン』理解
Ⅲ 「自由獲得社会より資本的営利社会へ」論文と立憲主義
Ⅳ 福田とシュタイン立憲主義の継受
Ⅴ 福田の生存権論とデモクラシー
関連書籍
-
定価 6,380円(税込)
-
定価 3,080円(税込)
-
定価 14,520円(税込)
-
定価 9,680円(税込)
-
定価 7,920円(税込)
-
定価 10,780円(税込)
-
定価 18,480円(税込)
-
定価 7,480円(税込)
-
定価 3,740円(税込)
-
定価 9,680円(税込)
-
定価 3,520円(税込)
-
定価 33,000円(税込)
-
定価 3,300円(税込)
-
定価 7,480円(税込)
-
定価 3,960円(税込)
-
定価 3,190円(税込)
-
定価 2,200円(税込)
-
定価 3,080円(税込)
-
定価 61,600円(税込)
-
定価 19,250円(税込)
-
定価 19,250円(税込)
-
定価 19,250円(税込)
-
定価 24,200円(税込)
-
定価 25,300円(税込)
-
定価 7,480円(税込)
-
定価 6,820円(税込)
-
定価 7,150円(税込)
-
定価 8,580円(税込)
-
定価 6,160円(税込)
-
定価 8,360円(税込)
-
定価 7,480円(税込)
-
定価 7,480円(税込)
-
定価 7,480円(税込)
-
定価 13,200円(税込)
-
定価 8,140円(税込)
-
定価 13,200円(税込)
-
定価 7,920円(税込)
-
定価 13,200円(税込)
-
定価 6,380円(税込)
-
定価 3,520円(税込)
-
定価 9,900円(税込)
-
定価 1,100円(税込)
-
定価 7,480円(税込)
-
定価 3,080円(税込)
-
定価 9,680円(税込)
-
定価 10,120円(税込)
-
定価 14,080円(税込)
-
定価 4,180円(税込)
-
定価 3,080円(税込)
-
定価 9,680円(税込)
-
定価 10,780円(税込)
-
定価 12,100円(税込)
-
定価 14,080円(税込)
-
定価 12,100円(税込)
-
定価 14,080円(税込)
-
定価 27,280円(税込)
-
定価 16,280円(税込)
-
定価 20,350円(税込)
-
定価 1,078円(税込)
-
定価 3,080円(税込)
-
定価 3,080円(税込)
-
定価 9,900円(税込)
-
定価 3,850円(税込)
-
定価 3,520円(税込)
-
定価 10,780円(税込)
-
定価 3,520円(税込)
-
定価 3,520円(税込)
-
定価 22,000円(税込)
-
定価 5,940円(税込)