【伝統と革新、学術世界の未来を一冊一冊に】
ホーム > 参議院と議院内閣制

参議院と議院内閣制  新刊

立命館大学法学叢書20

参議院と議院内閣制

憲法学説と憲政実務の関係に焦点をあて、憲法構造のなかにある国民代表議会としての参議院の役割に実証的検討を加える。

著者 大西 祥世
ジャンル 法律 > 憲法
政治・経済 > 政治学
出版年月日 2017/11/30
ISBN 9784797224535
判型・ページ数 A5変・338ページ
定価 本体8,000円+税
在庫 在庫あり
 

目次

  『参議院と議院内閣制(立命館大学法学叢書20)』

  大西祥世(立命館大学法学部教授) 著

【目  次】

はしがき

◆第1章 国会の活動実態

 はじめに
 1  立法機関としての国会
 2  内閣総理大臣の指名
 3  討議と決定――多数決とコンセンサス
 4  連立内閣を生み出す要因となる参議院
 小 括

◆第2章 国民代表議会としての参議院の誕生

 はじめに
 1  第二院としての参議院の創設
   (1) 一院制の構想から二院制へ――参議院の創設
   (2) 参議院議員の選挙の方法
   (3) 「慎重審議の府」と位置づけられた参議院のジレンマ
 2  国会法の制定
   (1) 憲法附属法としての国会法
   (2) 常任委員会の設置と委員会中心主義の導入
   (3) 衆参両院の共通性と独自性の模索
   (4) 会派に基づく活動
   (5) 国政調査権
 3  会期制の導入
   (1) 会期の始期
   (2) 会期の決定と延長
 4  国会の始動と開会式
   (1) 国会の召集と開会式
   (2) 開会式における国会と天皇との関係の変遷
 小 括

◆第3章 議会運営による憲法慣習の形成

 はじめに
 1  議会運営を支える各機関
   (1) 議 長
   (2) 委員会
   (3) 事務局,法制局,国立国会図書館
 2  議案審議における与党と参議院の一体化
   (1) 法律案に関する議案の処理
   (2) 与党における事前審査という憲法慣習の形成
   (3) 議案の処理に関する内閣の不関与
   (4) 与党事前審査による衆議院,参議院,内閣の意思の調整
   (5) 議員立法での事前審査と機関承認による議員の意思の束縛
   (6) 違憲とされた法律への対応
 3  コンセンサスを礎石とする常任委員会の運営
   (1) 議案の付託
   (2) 常任委員会の編成の変化による内閣との接近
   (3) 委員会中心主義の例外
   (4) 少数意見の尊重
   (5) コンセンサス方式による合意形成
   (6) 議院運営委員会と国会対策委員会
 4 両院関係における一事不再議原則の処理
   (1) 「同一の議案」の意義の変遷
   (2) 二院制がうまく機能せずに,一事不再議原則の処理が問題とされた実例
   (3) 衆参両院の「同一の議案」解釈のちがい――対案か修正案か
 5  参議院における議事運営に関する憲法慣習の形成
   (1) 不文の憲法慣習と先例
   (2) 先例形成と2007年期の参議院
   (3) 後議の院としての参議院の位置づけ
 小 括

◆第4章 両院間の意思の相違と調整

 はじめに
 1  両院協議会の成り立ち――帝国議会
   (1) しくみ
   (2) 両院協議会の性格と,両院議長による協定
 2  日本国憲法と国会法による両院協議会の成立
   (1) 憲法の本則に挿入された経過
   (2) 国会法への挿入
 3  両院協議会のしくみ
   (1) 協議委員
   (2) 特 色
 4  両院協議会の運用
   (1) 初期(1947年~1953年)の運用
   (2) 55年体制期(1954年~1989年)の運用
   (3) 参議院与野党逆転期(1989年~2007年)の運用
   (4) 参議院少数与党期(2007年~2009年,2010年~2012年)の運用
 5  その他の衆参両院の協議機関の運用
   (1) 両院法規委員会
   (2) 両院合同審査会
   (3) 両院合同協議会,両院合同会議
   (4) 議院運営委員会両院合同代表者会議
   (5) 国会議員の互助年金等に関する調査会
 6  両院協議会の活用への展望
   (1) 参議院で審議中の法律案
   (2) 協議委員の選任方法
   (3) 両院協議会小委員会の設置
   (4) 両院協議会における議事手続の整備
   (5) 議案の範囲
   (6) 合同審査会の活用
 小 括

◆第5章 内閣の国会に対する責任と二院制

 はじめに
 1  参議院による内閣の責任の追及と問責決議
   (1) 貴族院における問責決議の考え方
   (2) 内閣への反省を促した問責決議
   (3) 問責決議による内閣の責任追及の開始
   (4) 問責決議の可決とその後の大臣辞任
   (5) 参議院少数与党期における政治的効果の発見
 2  議院内閣制における内閣の法的責任と政治的責任
   (1) 問責決議によって追及する責任の内容の変化
   (2) 内閣の国会に対する責任の取り方
   (3) 法的責任と政治責任の関係
 3  参議院による不信任と国会による不信任
   (1) 国会の不信任という意思における衆議院の優越とその限界
   (2) 問責決議をした参議院の責任
   (3) 信任決議との関係
 4  二院制の中での問責決議のあり方
 小 括(168)

◆第6章 国会の予備費承諾議決と財政統制権

 はじめに
 1  「予備費」の性質と運用
   (1) 日本国憲法における予備費規定の制定経過
   (2) 予備費の設置と使用手続
 2  予備費の使用状況
   (1) 一般会計予備費の使用状況
   (2) 特定目的に使用を限定した予備費の設置
   (3) 1兆円規模の予備費の妥当性
   (4) 予算額の9割を占める予備費の妥当性
 3  「予見し難い予算の不足」が生じた場合の支出は,「補正予算」を組むか,「予備費」を使うか
   (1) 国会開会中の予備費の使用の是非
   (2) 巨額な予備費と,その「国会開会中の使用」への示唆
   (3) 補正予算への組み入れの例
 4  参議院の不承諾の実例
   (1) 国会による予備費の事後承諾
   (2) 参議院の「不承諾」の例
   (3) 不承諾の理由から,その意義を問い直す
 5  「決算」と「予備費の承諾」との関係
   (1) 決算の「報告」という憲法上の位置づけと「不承諾」
   (2) 会計検査院による監査との関連
 小 括

◆第7章 参議院と議院内閣制

 はじめに
 1  内閣の国会に対する責任と参議院の劣位
   (1) 設計の不備①――憲法第66条第3項の「国会」の2つの意味合い
   (2) 設計の不備②――矛盾を抱えた衆議院優位の包含と顕在化
   (3) 設計の不備③――内閣・衆議院vs.参議院という対立への対応
   (4) 設計の不備④――内閣・参議院vs.衆議院という対立への対応
 2  「3分の2による再可決」と参議院の劣位――内閣との関係
   (1) 再可決の例
   (2) 再可決条項が日本国憲法に盛り込まれた経緯
   (3) 再可決条項の本来の意義
 3  同意人事における参議院の位置づけの転換――劣位から対等へ
   (1) 衆参両院の同意が任免に必要とされる国家公務員の範囲
   (2) 人事案件の趣旨および範囲
   (3) 不同意の例
   (4) 「国会」の同意と「両議院」の同意の異同
   (5) 人事案件における議会の同意の性質
 小 括

◆第8章 「強い参議院」と緊急集会

 はじめに
 1  緊急集会の開催――「強い参議院」の顕在化
   (1) 第14回国会閉会後の緊急集会(第1回目)
   (2) 第15回国会閉会後の緊急集会(第2回目)
 2  緊急集会の制度設計――「強い参議院」への懸念
   (1) 日本国憲法に規定された経緯
   (2) 緊急集会開催の要件,手続
   (3) 権 能
   (4) 効 果
   (5) 公 示
   (6) 国会法の改正
 3  緊急集会と議院内閣制――「強い参議院」からの揺さぶり
   (1) 内閣が衆議院に対抗する手段としての活用
   (2) 「事後の同意」における衆議院の意思の束縛
   (3) 予算における衆議院先議原則の反故の可能性
 小 括

◆第9章 まとめ

 1  憲法典と憲法附属法
 2  憲法慣習という知恵の活用
 3  二院制を担う参議院

・あとがき

〔年表〕参議院に関連した主なできごと

基本参考文献
事項索引

このページのトップへ

内容説明

ねじれ国会、政権交代を経験した平成年間後期に生じた議会運営の実態と憲法慣習に対し、憲法学説と憲政実務の関係に焦点をあて、日本国憲法の憲法構造のなかにある国民代表議会としての参議院の役割に実証的検討を加える。また、参議院議長秘書・内閣府スタッフとしての実務経験を通し、日本国憲法における参議院の位置づけ・憲法学説による解釈・衆参各院の運営や内閣との関係を憲法学の視点から詳説している。

このページのトップへ

関連書籍

女性と憲法の構造

女性と憲法の構造

現代の女性の人権保障へ向けて

著者:大西 祥世
 
日本国憲法制定資料全集(19) 貴族院議事録(4)

日本国憲法制定資料全集(19) 貴族院議事録(4)

貴族院の憲法制定審議録を使いやすく編集

著者:芦部 信喜 編著
高橋 和之 編著
高見 勝利 編著
日比野 勤 編著
 
 
議会の役割と憲法原理

議会の役割と憲法原理

現代の議会制をめぐる問題を研究分析

 
占領政策としての帝国議会改革と国会の成立 1945-58

占領政策としての帝国議会改革と国会の成立 1945-58

国会草創期の制度的な変遷を辿る

著者:梶田 秀
 
 
憲法叢説 1 憲法と憲法学

憲法叢説 1 憲法と憲法学

芦部憲法学のエッセンス

著者:芦部 信喜
 
憲法叢説 2 人権と統治

憲法叢説 2 人権と統治

芦部憲法学のエッセンス

著者:芦部 信喜
 
 
憲法叢説 3 憲政評論

憲法叢説 3 憲政評論

芦部憲法学のエッセンス

著者:芦部 信喜
 
議院法

議院法

わが国議会制度成立史の定本資料集

著者:大石 眞 編著
 
 
二院制論─行政府監視機能と民主主義

二院制論─行政府監視機能と民主主義

参議院の機能と必要性

著者:木下 健
 
憲法改革の理念と展開 上─大石眞先生還暦記念
 
 

このページのトップへ