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近代刑法の史的展開  新刊

学術選書155

近代刑法の史的展開

多角的な視座から、刑法の理論史や刑罰論史を分析し、刑法の史的展開の要諦と本質に迫る。

著者 山中 敬一
ジャンル 法律 > 刑事法 > 刑法
シリーズ 法律・政治 > 学術選書
出版年月日 2017/09/05
ISBN 9784797267556
判型・ページ数 A5変・320ページ
定価 本体7,200円+税
在庫 在庫あり
 

目次

 『近代刑法の史的展開』

  山中敬一(関西大学名誉教授)著


【目  次】

はしがき

◆第1章 刑法の歴史

 はじめに
 Ⅰ 前近代における刑法
  1 わが国の古代法・中世法
  2 西洋中世の刑法
 Ⅱ 近代刑法の誕生と展開
  1 近代刑法の萌芽
  2 啓蒙絶対主義の刑法
  3 自由主義的近代刑法
  4 わが国の近代刑法の誕生
 Ⅲ 19世紀後半以降の刑法
  1 ドイツ刑法学における新派と旧派
  2 わが国における新旧両派の対立
 Ⅳ 20世紀後半の刑法
 Ⅴ これからの刑法

◆第2章 中山研一博士の刑法理論家の思想研究

 Ⅰ 刑法思想研究の目的・方法
  1 思想史研究の動機
  2 思想的背景と方法
  3 歴史観と視座
  4 視座としての刑法観
 Ⅱ 対象思想家の選定
 Ⅲ 新旧刑法理論家の刑法思想
  1 牧野英一の刑法思想
  2 滝川幸辰の刑法思想
 Ⅳ 刑法思想と日本法理
  1 小野清一郎の刑法思想と日本法理
 (1)小野の「刑法思想」/(2)日本法理の自覚的展開の再検討
  2 佐伯千仭の刑法思想と日本法理
 (1)佐伯千仭の刑法思想/(2)佐伯千仭の刑法思想と日本法理
 Ⅴ 刑法理論家研究の評価
  1 刑法史の歴史的視座
  2 基本的立脚点としての滝川・佐伯理論
  3 中山博士の犯罪論と刑法思想
  4 機能的考察方法に対する評価
  5 刑法思想史研究が見据えたもの

◆第3章 統制経済刑法の展開とその評価

 Ⅰ 統制経済刑法研究の目的
  1 近年の経済刑法への関心の高まり
  2 予防社会における経済刑法の課題
  3 統制経済刑法の特徴とその影響
  4 従来の統制経済刑法研究
  5 統制経済刑法研究の課題
 Ⅱ 統制経済刑法の史的展開
  1 前 史
  (1)産業部門におけるカルテル規制ならびに軍事動員立法/(2)重要産業統制法の制定
  2 間接的統制経済刑法の時代
  (1)景気政策的統制経済/(2)生 産 統 制
  3 直接的統制(準戦時)経済刑法の時代
  (1)日華事変の勃発と輸出入統制・資金統制/(2)国家総動員法の成立/(3)各種事業法の成立
  4 総合的統制経済の時代
  (1)物価統制の推進/(2)統制経済事犯の取締り/(3)暴利行為等取締規則の成立
  5 戦時統制経済の時代
  (1)太平洋戦争前夜の統制経済/(2)昭和16年の刑法改正/(3)戦時統制経済の確立/(4)戦時刑事特別法の展開/(5)経済関係罰則の整備
  6 統制経済刑法の史的変遷の特徴
  (1)経済犯罪の変遷/(2)統制経済刑法の時代区分の基礎視座
 Ⅲ 統制経済刑法の特質
  1 統制経済刑法の特質論の検討
  (1)自然犯と法定犯の議論/(2)戦時統制経済法の特質論議からの推論
  2 統制経済刑法の特質論の展開
  (1)統制経済刑法における刑法の行政従属性(刑法原則に対する行政の優位性)/(2)統制経済刑法における犯罪の義務犯性/
  (3)統制経済刑法における「法益の抽象化」と「立法の目的」/(4)統制経済刑法における刑法の基本原則(罪刑法定主義・責任主義)の軟化・空洞化/
  (5)統制経済刑法における倫理による刑法の補強機能/(6)統制経済刑法における側面援護立法の増大傾向
 Ⅳ まとめ――統制経済刑法の連続性?
  1 ナチス経済刑法の連続性・非連続性
  2 統制経済刑法の連続性・非連続性
  (1) 統制経済の精神の連続性/(2) 統制経済刑法の理論的連続性

◆第4章 ドイツにおける受刑者の法的地位の展開――1933年以前の行刑における行刑目的と法的規制

 はしがき
 Ⅰ 近代的自由刑と囚人の地位の史的変遷
  1 本章の意図
  2 近代的自由刑誕生の社会経済史的背景
  (1)自由刑の起源/(2)懲治場の社会的経済的基盤/(3)近代資本主義の発達と懲治場の意義/(4)懲治場のハンザ都市への拡延/
  (5)懲治場の刑事施設化/(6)30年戦争以降の懲治場の後退/(7)後退の原因論
  3 啓蒙思想と行刑の展開
  (1)刑罰論の世俗化・合理化/(2)啓蒙における予防刑論の誕生/(3)警察的福祉国家と犯罪予防/(4)行刑における国家権力の制限と人権思想/
  (5)個人の自由尊重と行刑目的
  4 19世紀における監獄改革への取組み
  (1)再犯の防止と不定期刑/(2)1801年監獄改革「原則」/(3)アメリカの改革理念の影響と独居制の導入
  5 法治国家の形成と法律による行刑
  (1)法治国家における行刑の理念
 Ⅱ カイザー・ライヒ,ワイマール共和国時代
  1 総 説
  2 立 法 史
  (1)1879年政府草案/(2)1897年連邦参議院原則/(3)刑法改正並びにドイツ刑務官協会の提案/(4)1923年ライヒ参議院原則/(5)1927年行刑法草案
  3 理論的状況
  (1)序 論/(2)リスト説/(3)フロイデンタール説/(4)ヤコビ説/(5)ランツケ説/(6)行刑目的と法治国家思想
 結びに代えて

◆第5章 ドイツにおける近代犯罪論の生成の現代的意義

 Ⅰ 三段階犯罪論の果たすべき機能
 Ⅱ ベーリング以前の犯罪論
  1 19世紀の犯罪論と構成要件概念
  2 ビンディングの犯罪論
 Ⅲ ベーリングの犯罪論の展開
  1 ベーリングの構成要件論
  2 ベーリングの構成要件論とビンディングの規範論
  3 ベーリングによる構成要件論の修正
  4 ベーリング構成要件論の意義
 Ⅳ 構成要件論の継続形成と現代の犯罪論
 Ⅴ 結びに代えて

◆第6章 ナチス刑法における「法の革新」の意義――その解明の試み

 Ⅰ はじめに
 Ⅱ 指導的観点
  1 「二重構造」の視点
  2 「合法的革命」
  3 連続性と断絶性の二重構造
 Ⅲ 二重構造の諸側面
  1 法実現体制の二重構造性(立法と解釈の二重の法体制確立手段)
  2 旧法体系と新法理念の二重構造性
  3 政治的目的と学問的論証の二重構造性
  (1)ナチス的自然法論/(2)「具体的秩序思考」,「具体的普遍概念」ないし「全体的考察」/(3)刑法学における方法論争
  4 権力構造の二重性
  5 法幹部強制的同質化の二重性
 Ⅳ 刑法改正作業の経過
  1 ワイマール時代の刑法改正作業の終焉
  2 ナチスの刑法全面改正作業
  3 刑法の部分的改正・刑事特別立法の経過
  (1)重罰化傾向とナチス体制の確立/(2)戦時刑事立法
 Ⅴ 具体的秩序思考・具体的普遍概念
  1 具体的秩序思考と具体的普遍概念
  2 全体的考察・行為者類型論
 Ⅵ 刑法における方法論争
  1 権威刑法と自由主義刑法の対抗軸
  2 方法論争の意義
 Ⅶ 刑事司法の二重性
  1 刑事訴追の管轄権
  (1)政治的裁判所の設置/(2)検察権の強大化
  2 警察の司法への介入
  (1)警察権の拡大の諸段階(2)警察による保護検束・予防拘禁・計画的監視
 Ⅷ 法曹の強制的同質化
  1 法学部・法曹団体などの強制的同質化
  2 ドイツ法アカデミーの意義と活動
 Ⅸ 結 論

◆第7章 1880年プロイセン皇孫ハインリヒ吹田遊猟事件

 Ⅰ 問題の所在
 Ⅱ 事件の真相
  1 ドイツ通俗書の叙述
  2 日本文献を参照したドイツの叙述
  3 パンツァーの叙述
  4 日本側の記録
  (1)明治13年2月16日大阪府一等警部・大日向清緝の報告書
  (2)明治13年2月10日の朝日新聞(第309号)の記事
  5 ドイツ人一行と所業の詳細
  (1)ハインリヒ一行のメンバー/(2)遠出の目的=鴨猟/(3)事件の真相
 Ⅲ ハインリヒの日本滞在とその生涯
  1 ハインリヒの誕生から学校時代
  2 海軍士官候補生としてのハインリヒ
  3 日 本 寄 港
  4 ハインリヒの出自と生涯
 Ⅳ 吹田遊猟事件の処理
  1 ドイツ側の対応の急変
  2 渡辺知事と代弁領事クノプロッホおよび提督(侍補)ゼッケンドルフとの会見
  3 吹田村でのドイツ側の犯罪行為の有無に関する認定
  4 謝罪式と関係者の処分
  (1)謝 罪 式/(2)ハインリヒの演説/(3)新聞編集長に対する処分と警察官に対する処分/(4)新聞編集者に対する処罰
  5 ドイツにおける宰相ビスマルクの反応
 Ⅴ 治外法権と法の適用
  1 治外法権の解釈
  2 狩猟規則と改定律例の適用
  (1)独逸北部連邦条約/(2)改定律例における「闘殴」/(3)狩猟規則/(4)外国人に対する銃猟規則の適用/
  (5)警察官達の行動の評価/(6)讒謗律の適用
 Ⅵ まとめ

 ―  ―  ―

初出一覧
索 引

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内容説明

多角的な視座から、刑法の理論史や刑罰論史を分析し、刑法の史的展開の要諦と本質に迫る、待望の書

刑法の学説史にとどまらず、また、わが国の刑法史や西洋刑法史に限定されない内容で、刑法に関するマクロな視座を提供する。グローバルに変容する社会にこそ必要な、基礎理論を学ぶために必読。

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