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憲法の思想と発展 ― 浦田一郎先生古稀記念  新刊

憲法の思想と発展 ― 浦田一郎先生古稀記念

第一線の執筆陣の幅広い問題関心と緻密な分析から、憲法学の拡がりと深みを提示する、待望の論文集。

著者 阪口 正二郎
江島 晶子
只野 雅人
今野 健一
ジャンル 法律 > 憲法
出版年月日 2017/09/03
ISBN 9784797255997
判型・ページ数 A5変・854ページ
定価 本体18,500円+税
在庫 在庫あり
 

目次

 『憲法の思想と発展―浦田一郎先生古稀記念』

   阪口正二郎・江島晶子・只野雅人・今野健一 編


【目  次】

はしがき

◆第Ⅰ部◆平和主義と平和のうちに生存する権利――平和主義をめぐる思想と発展

1 辺野古・沖縄・東京――アイデンティティを結集軸とした「オール沖縄」の意義と限界〔麻生多聞〕
 Ⅰ はじめに
 Ⅱ 米軍普天間飛行場移設計画をめぐる国と沖縄県知事の対立
 Ⅲ 対立に至る経緯――SACO合意から名護市住民投票まで
 Ⅳ SACO合意と異なる形での沖縄側からの提案から新たな日米合意まで
 Ⅴ 民主党鳩山政権による「脱アメリカ依存」の姿勢とその頓挫
 Ⅵ 「オール沖縄」による「県外移設」一致と,翁長知事による埋立て承認取消しへ
 Ⅶ 代執行訴訟
 Ⅷ 公有水面埋立法に基づく仲井眞知事の埋立承認における瑕疵
 Ⅸ アイデンティティを結集軸とする「オール沖縄」

2 米軍用地接収の法理・再考〔井端正幸〕
 Ⅰ はじめに
 Ⅱ 沖縄戦に至るまでの諸問題
 Ⅲ 沖縄戦と米軍用地接収の法理
 Ⅳ サンフランシスコ平和条約と沖縄
 Ⅴ むすびにかえて

3 「高柳賢三・マッカーサー往復書簡」と憲法9条制定過程〔河上暁弘〕
 Ⅰ 「高柳賢三・マッカーサー往復書簡」について
 Ⅱ 高柳からマッカーサー及びホイットニーへの書簡(1958年12月1日付)
 Ⅲ ホイットニー及びマッカーサーの回答(1958年12月4日・12月5日)
 Ⅳ 高柳の再質問(1958年12月10日付マッカーサー及びホイットニーへの書簡)
 Ⅴ ホイットニー及びマッカーサーの回答(1958年12月18日・12月15日)
 Ⅵ おわりに――高柳見解と憲法9条の提案者

4 国籍の現代的理解に向けて――国籍留保制度を中心に〔髙佐智美〕
 Ⅰ はじめに
 Ⅱ 国籍留保制度
 Ⅲ 2015年判決の問題点
 Ⅳ 2008年大法廷判決と2015年判決との相違
 Ⅴ 「権利」としての国籍
 Ⅵ おわりに

5 無国籍者となった台湾人――その発生原因,及び日本国憲法・国籍法との交錯〔中村安菜〕
 Ⅰ はじめに
 Ⅱ 無国籍者とは
 Ⅲ 台湾人の一部が無国籍者となるに至るまでの過程
 Ⅳ 日本の国内法における無国籍者への視座――憲法と国籍法を中心に
 Ⅴ おわりに

6 アメリカ合衆国による「標的殺害」と自衛権〔三宅裕一郎〕
 Ⅰ はじめに
 Ⅱ 先制的自衛論をめぐる学説の整理
 Ⅲ アメリカの自衛権観念と国家実行の展開
 Ⅳ オバマ政権による自衛権を根拠とした標的殺害の正当化とその問題点
 Ⅴ おわりに――標的殺害の立憲的統制に向けて

◆第Ⅱ部◆自由と権力――人権をめぐる思想と発展

7 The Comparative and Transnational Nature of the Bill of Rights: An Analysis of the Japanese Experience under the Bill of Rights after World War Ⅱ〔江島晶子 Akiko Ejima〕
 Ⅰ Introduction
 Ⅱ Constitutionalism in Japan after World War Ⅱ
 Ⅲ The Comparative and Transnational Nature of Bills of Rights
 Ⅳ Case Study: Children Born Out of Wedlock: A 2013 Decision of the Supreme Court of Japan
 Ⅴ Conclusions

8 過度広汎性禁止の法理と実体的適正――特殊解錠用具所持等禁止法違反事件を題材にして〔大津 浩〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 現代日本の憲法学における実体的適正論
Ⅲ 過度広汎性禁止の法理の意義と射程
Ⅳ 平成27年特殊解錠用具所持等禁止法違反事件
Ⅴ まとめに代えて

9 レイシャル・プロファイリングと憲法〔今野健一〕
 Ⅰ はじめに
 Ⅱ 人種に基づく停止・身体捜検と憲法判例の展開
 Ⅲ NYPDの攻撃的なポリシング政策とFloyd訴訟
 Ⅳ レイシャル・プロファイリングを終わらせる――司法的救済と憲法理論
 Ⅴ 結びに代えて

10 フランスの買春処罰法をめぐる論争〔齊藤笑美子〕
 Ⅰ 買春処罰への転換
 Ⅱ セックス・ワーク論と買春処罰論
 Ⅲ 性犯罪の保護法益と買春処罰
 Ⅳ おわりに

11 政治的中立性についての覚書〔宍戸常寿〕
 Ⅰ はじめに
 Ⅱ 公務員の政治的中立性
 Ⅲ 公務員の選挙運動と憲法改正国民投票運動
 Ⅳ 教育における政治的中立性
 Ⅴ むすびに代えて

12 福田徳三の「国体論」・再論――ホッブズ『リヴァイアサン』と「もう一つの立憲主義」〔清野幾久子〕
 Ⅰ はじめに
 Ⅱ 福田の「国体論」の内容――5本の論文
 Ⅲ 福田のホッブズ『リヴァイアサン』理解
 Ⅳ 福田の「国体論」と『リヴァイアサン』
 Ⅴ 福田の国体論と「もう一つの立憲主義」
 Ⅵ 結語――福田の国体論の今日的意義

13 「憲法と家族」をめぐる理論的課題――2015(平成27)年12月16日最高裁判決後の動向〔辻村みよ子〕
 Ⅰ はじめに――「憲法と家族」をめぐる問題状況
 Ⅱ 民法改正の動向
 Ⅲ 2015(平成27)年12月16日判決に関する判例評釈
 Ⅳ 憲法学の理論的課題
 Ⅴ 制度と権利の関係――むすびにかえて

14 「宿営型表現活動の自由」と抵抗権――「経産省前テントひろば」裁判をもとに〔内藤光博〕
 Ⅰ 序論――問題の所在
 Ⅱ 「経産省前テントひろば」裁判とは何か
 Ⅲ 「宿営型表現活動」と集会の自由
 Ⅳ 「宿営型表現活動の自由」と抵抗権論
 Ⅴ 結論――「経産省前テントひろば」裁判と抵抗権

15 教師の教育の自由の射程――旭川学力テスト事件最高裁判決再読〔中川 律〕
 Ⅰ はじめに
 Ⅱ 教師の教育の自由
 Ⅲ 「不当な支配」の禁止条項の意義
 Ⅳ 「不当な支配」該当性の判断枠組み――国による教育内容・方法への介入の限界
 Ⅴ 教育委員会による教育内容・方法への介入の限界
 Ⅵ 学校内部での教育内容・方法の決定・実施に関する権限配分
 Ⅶ おわりに

16 フランスにおけるブルカ・スカーフ・ブルキニ規制に関する一考察〔中島 宏〕
 Ⅰ はじめに
 Ⅱ ブルカ禁止法制定とヨーロッパ人権裁判所判決
 Ⅲ Baby Loup事件の発生
 Ⅳ ブルキニ事件の発生
 Ⅴ おわりに

17 大学の自治論の形成と課題――もしくは「学問の自由のコロラリー」一元論からの解放〔永山茂樹〕
 Ⅰ 昭和前期の大学の自治論
 Ⅱ 占領期の大学の自治論
 Ⅲ その後の大学の自治論――制度的保障論との関係で
 Ⅳ 国際的・法的な参照作業
 Ⅴ 大学の自治論の課題
 Ⅵ おわりに

18 学問と党派性――フィッシュ=ポスト=バトラー論争に寄せて〔松田 浩〕
 Ⅰ 学問的価値としての「知的多様性」?
 Ⅱ 「仕事」学派・「共通善」学派・「クリティーク」学派
 Ⅲ ディシプリナリティー論争――バトラーの挑戦
 Ⅳ 専門職のミニマリズム――フィッシュの挑戦
 Ⅴ 古典概念の復権戦略――ポストの企て
 Ⅵ むすびにかえて――「学問の自由」を論じる作法

◆第Ⅲ部◆市民と統治――民主主義をめぐる思想と発展

19 明治初期の財政制度構築――財政機関および明治元年~14年の財政法令の整備〔柏﨑敏義〕
 Ⅰ 本稿の課題
 Ⅱ 財政機関の設置
 Ⅲ 財政に関わる法令の整備
 Ⅳ 小 括

20 選挙権の平等性の憲法的価値――克服すべき対象としての1976年判決〔加藤一彦〕
 Ⅰ はじめに
 Ⅱ ドイツ基本法の場合
 Ⅲ 日本の場合
 Ⅳ 解決策の模索
 Ⅴ 小 結

21 現代イギリスにおけるレファレンダム活性化の動向〔小松 浩〕
 Ⅰ はじめに
 Ⅱ 報告書「イギリスにおけるレファレンダム」の概要
 Ⅲ 若干の考察

22 議会以外のルートによる民主主義の調達〔多田一路〕
 Ⅰ はじめに
 Ⅱ 行政国家とコントロール
 Ⅲ フランス憲法における立法事項と民主制
 Ⅳ おわりに

23 議会と一般意思――シィエスの立法府構想を手がかりに〔只野雅人〕
 Ⅰ はじめに――「一般意思の表明」の条件
 Ⅱ 一般意思と審議――多数決と一般利益
 Ⅲ 一般意思と均衡/協力――分割と統一
 Ⅳ 一般意思と均衡――多元性と秩序
 Ⅴ 一般意思と新たな貴族制――平等と選別
 Ⅵ む す び

24 憲法を国民投票に付さない理由――フランス1791年憲法の場合〔田村 理〕
 Ⅰ はじめに
 Ⅱ 革命初期の直接民主制論
 Ⅲ 憲法改正のあり方をめぐる論争
 Ⅳ 憲法への国民投票の必要性と有益性――コンドルセを手がかりに
 Ⅴ 憲法を国民投票に付すべき理由
 Ⅵ まとめにかえて

25 「18歳選挙権」と主権者教育〔成嶋 隆〕
 Ⅰ はじめに
 Ⅱ 「18歳選挙権」の憲法学的考察
 Ⅲ 「18歳選挙権」時代における政治教育・主権者教育

◆ 第Ⅳ部 ◆憲法と国家――立憲主義をめぐる思想と発展

26 憲法改正概念・考〔井口秀作〕
 Ⅰ はじめに
 Ⅱ 「実質的意味の憲法改正」概念――岩間説の概要
 Ⅲ 従来の見解――清宮説を中心として
 Ⅳ 「二重法律概念」と憲法改正の意味
 Ⅴ 憲法の条文と憲法規範
 Ⅵ 最高裁判所の憲法改正権?
 Ⅶ 実質的意味の憲法改正の実質的意義
 Ⅷ まとめにかえて

27 フランスの国家緊急権〔植野妙実子〕
 Ⅰ はじめに
 Ⅱ 国家緊急権すなわち危機の権限の概念
 Ⅲ 危機の権限の解釈
 Ⅳ 国民の保護に関する憲法改正案
 Ⅴ 憲法改正案をめぐる問題点
 Ⅵ まとめにかえて

28 せめぎ合うフランス法――EU法との布置関係〔大藤紀子〕
 Ⅰ はじめに
 Ⅱ 憲法(国内法)と条約とのせめぎ合い――前史(第3共和制から第5共和制まで)
 Ⅲ 第一段階:合憲性審査の限界
 Ⅳ 第二段階:条約の重要性の増大
 Ⅴ 第三段階:憲法(国内法)秩序に統合されたEC/EU法
 Ⅵ 第四段階:先決裁定の付託義務
 Ⅶ 第五段階:合憲性優先問題(QPC)と先決裁定手続との接合
 Ⅷ おわりに(644)

29 憲法における矛盾について〔小沢隆一〕
 Ⅰ はじめに
 Ⅱ 浦田一郎による「憲法における矛盾」の把握
 Ⅲ 日本国憲法の成立における矛盾
 Ⅳ 日本国憲法における矛盾(その1)――国民主権と象徴天皇
 Ⅴ 日本国憲法における矛盾(その2)――憲法9条と安保条約・自衛隊・安全保障関連法

30 違憲審査基準について〔阪口正二郎〕
 Ⅰ はじめに
 Ⅱ 違憲審査基準の基本的な形と違憲審査基準の起源
 Ⅲ 「合理的基礎の基準」と行き過ぎた訣別
 Ⅳ ウォーレン・コートにおける違憲審査基準の展開――「致命的な」基準としての「厳格審査基準」
 Ⅴ 中間審査基準の成立
 Ⅵ 違憲審査基準をめぐる「混迷」
 Ⅶ 「比例原則」導入論
 Ⅷ 違憲審査基準と比例原則の距離
 Ⅸ 結びに代えて

31 緊急事態条項論と「憲法の思想と発展」〔清水雅彦〕
 Ⅰ はじめに
 Ⅱ 最近の緊急事態条項論の内容と問題点
 Ⅲ 緊急事態条項論の検討
 Ⅳ 最近の諸政策・法制との関係から見る緊急事態条項
 Ⅴ むすびにかえて――2016年参議院選挙を終えて

32 日本国憲法における司法権の機能と構造について〔成瀬トーマス誠〕
 Ⅰ はじめに
 Ⅱ 前提論的諸問題
 Ⅲ アメリカにおける司法権のあり方
 Ⅳ 同心円構造説に対するオルタナティブ
 Ⅴ 本説を巡る諸論点
 Ⅵ おわりに

33 フランス第三共和制憲法の変動――憲法の「解釈」と附属法による「創造」〔糠塚康江〕
 Ⅰ はじめに
 Ⅱ 1875年憲法体制の成立
 Ⅲ 1875年憲法体制の変動
 Ⅳ おわりに

34 憲法文化カテゴリー覚書〔村田尚紀〕
 Ⅰ はじめに
 Ⅱ 憲法文化カテゴリーの意味
 Ⅲ 憲法文化カテゴリーの現代憲法学史的意義
 Ⅳ 憲法文化カテゴリーと「憲法現象の構造」論
 Ⅴ むすびにかえて

35 最高裁判所判事としての藤田宙靖――憲法事件における「適正な紛争解決」とは〔渡辺康行〕
 Ⅰ はじめに
 Ⅱ 「適正な紛争解決」
 Ⅲ 両院の議員選挙における「一票の較差」訴訟
 Ⅳ 「一票の較差」訴訟における藤田個別意見の多数意見への影響力
 Ⅴ 他の憲法事件における藤田個別意見・管見
 Ⅵ 結びに代えて

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浦田一郎先生略歴/著作目録(巻末)

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内容説明

第一線の執筆陣の幅広い問題関心と緻密な分析から、憲法学の拡がりと深みを提示する、待望の論文集。浦田一郎一橋大学名誉教授の古稀を祝い、全4部(「平和主義と平和のうちに生存する権利」,「自由と権力」,「市民と統治」,「憲法と国家」)の構成で、総合的かつ、多様な観点から検討を行う。

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