しなやかな著作権制度に向けて ― コンテンツと著作権法の役割

しなやかな著作権制度に向けて ― コンテンツと著作権法の役割

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広範な視座からコンテンツの創作・流通・利用主体をめぐる実態の把握・理論的考察を行う(表紙・裏表紙イラスト 押切蓮介)

著者 中山 信弘
金子 敏哉
ジャンル 法律  > 知的財産法/特許法/著作権法
出版年月日 2017/04/07
ISBN 9784797232349
判型・ページ数 A5変・738ページ
定価 8,580円(税込)
在庫 在庫あり

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第一線の執筆陣が一堂に集った、今後の著作権法の議論に必読の書。著作権法学に関する充実の考察のみならず、経済学、漫画文化論からの検討など、広範な視座から、コンテンツの創作・流通・利用主体をめぐる実態の把握・理論的考察を行う。今後の著作権制度の役割とあり方について、研究から実務、学習まで、幅広く有用の書。

  『しなやかな著作権制度に向けて―コンテンツと著作権法の役割』

  中山信弘・金子敏哉 編集

【目  次】
 
しなやかな著作権制度に向けて〔中山信弘〕
 
◇本書について〔金子敏哉〕
 Ⅰ 科研費による研究プロジェクト
 Ⅱ 本書の概要

◆第Ⅰ部◆ 権利の内容・制限と利用許諾

◆第1章◆ぼくのかんがえたさいきょうのちょさくけんせいど――新しい方式主義の構想――〔田中辰雄〕
 Ⅰ 序――問題意識
 Ⅱ 基本認識
 Ⅲ 方式主義による著作権取引所の構想
 Ⅳ 必要性、実現可能性、他の制度との関係
 Ⅴ 結語に代えて――デフォルト変更の意味
 
◆第2章◆著作権法の設計――円滑な取引秩序形成の視点から――〔前田 健〕
 Ⅰ はじめに
 Ⅱ 著作権法の基本設計
 Ⅲ 著作権の権利制限規定の設計
 Ⅳ 著作物利用円滑化のための選択肢
 Ⅴ 著作権の取引と刑事罰
 Ⅵ おわりに
 
◆第3章◆権利制限の一般規定――受け皿規定の意義と課題――〔上野達弘〕
 Ⅰ はじめに
 Ⅱ 従来の議論
 Ⅲ 考慮要素を明示した受け皿規定としての一般規定
 Ⅳ おわりに
 
◆第4章◆大量デジタル情報の利活用におけるフェアユース規定の役割の拡大
     ――著作権法(個別制限規定)の没落と自生的規範の勃興――〔潮海久雄〕
 Ⅰ はじめに
 Ⅱ 具 体 例
 Ⅲ 著作権制度への影響
 Ⅳ 結 語
 

◆第5章◆権利制限の一般規定の導入と運用――韓国の経験から――〔張 睿暎〕
 Ⅰ はじめに
 Ⅱ 公正利用の導入をめぐる議論
 Ⅲ 「公正利用(35条の3)」立法までの歩み
 Ⅳ 公正利用規定導入4年後の裁判例
 Ⅴ 権利制限の一般規定の導入と運用――韓国の経験からの示唆
 
◆第6章◆イギリスにおける公益の抗弁について
     ――権利制限の一般規定を目指す我が国に与える示唆――〔渕 麻依子〕
 Ⅰ はじめに
 Ⅱ イギリス著作権法における権利制限規定の構造
 Ⅲ 公益の抗弁について
 Ⅳ 公益の抗弁の発展
 Ⅴ 公益の抗弁の現在――Ashdown判決後の判決
 Ⅵ むすびにかえて――公益の抗弁から得られるもの
 
◆第7章◆拡大集中許諾制度導入論の是非〔今村哲也〕
 Ⅰ はじめに
 Ⅱ 著作物の利用許諾をめぐる新たな状況
 Ⅲ ECLの基本的内容
 Ⅳ イギリスにおけるECLの導入
 Ⅴ ECLの導入論の意義
 Ⅵ ECLをめぐる論点
 Ⅶ 結論:ECL――「著作権法の憂鬱」に対する処方薬の1つとして
 
◆第8章◆引用規定の解釈のあり方とパロディについて〔横山久芳〕
 Ⅰ はじめに
 Ⅱ 従来の議論の整理
 Ⅲ 適法引用の要件の検討
 Ⅳ パロディについての検討
 Ⅴ 最 後 に
 
◆第9章◆同一性保持権侵害の要件としての「著作物の改変」
     ――改変を認識できれば「改変」にあたらない説――〔金子敏哉〕
 Ⅰ はじめに
 Ⅱ 「著作物の改変」をめぐる従来の議論と本稿の基本的な立場
 Ⅲ 諸論点の検討と「著作物の改変」の判断基準
 Ⅳ 本稿の解釈論の意義と課題
 Ⅴ おわりに
 

◆第10章◆建築作品の保存――所有者による通知の義務・作者による取戻の権利――〔澤田悠紀〕
 Ⅰ 問題提起
 Ⅱ フランス
 Ⅲ ドイツ
 Ⅳ 諸外国の立法
 Ⅴ おわりに
 
◆第Ⅱ部◆ 著作権法における実証と理論

◆第11章◆アジアにおける海賊版マンガから正規版への移行過程と残る諸問題――台湾とタイの事例を中心に――〔藤本由香里〕
 Ⅰ はじめに
 Ⅱ 1980年代末までのアジアの状況と日本の出版社の対応
 Ⅲ 台湾における海賊版から正規版への移行過程
 Ⅳ タイにおける海賊版から正規版への移行過程
 Ⅴ なお残る問題
 
◆第12章◆いわゆる「著作権教育」の観察と分析から得られる著作権制度の現状と課題について〔小島 立〕
 Ⅰ はじめに
 Ⅱ 「著作権教育」が求められている背景事情について
 Ⅲ 「著作権教育」の現状について
 Ⅳ 現在の「著作権教育」に見られる特徴の観察から得られること
 Ⅴ 「著作権教育」を行う上での基本的視座はいかにあるべきか?
 Ⅵ 「著作権教育」の「難しさ」
 Ⅶ 結 語
 
◆第13章◆フェアユースの是非――クリエイターの意見――〔田中辰雄〕
 Ⅰ 問題意識――クリエイターとフェアユース
 Ⅱ 調査対象者の抽出とそのプロフィール
 Ⅲ フェアユース導入の賛否
 Ⅳ 審議会とクリエイターの意見のずれの原因
 Ⅴ 結 論
 
◆第14章◆マンガ・アニメ・ゲームの人物表現における類似判定に関する調査報告〔白田秀彰〕
 1 調査の目的
〈PartⅠ〉2013年調査
 2 調査の目的/3 調査の手法/4 調査結果/5 結 論
〈PartⅡ〉2014年調査
 6 調査の目的/7 調査の手法/8 調査結果/9 結論と2015年度調査計画
〈PartⅢ〉2015年調査(選抜)
 10 調査の目的/11 調査の手法/12 調査結果/13 結 論
〈PartⅣ〉2015年調査
 14 調査の目的/15 調査の手法/16 類似性に関する基準/17 調査結果/18 結 論
 
◆第15章◆マンガ・アニメ・ゲームにおけるキャラクターの本質的特徴について〔白田秀彰〕
 Ⅰ はじめに
 Ⅱ キャラクターの法的位置づけ
 Ⅲ キャラの本質的特徴
 Ⅳ キャラを独立して保護可能か
 Ⅴ 結 論
 
◆第16章◆模倣の社会的意義を見極める方法を考える〔寺本振透〕
 Ⅰ オマージュ? パロディ? あるいは凡庸な模倣?
 Ⅱ 技術分野のプラクティスと非技術分野の雰囲気の違い
 Ⅲ 模倣に対して否定的な態度が引き起こす社会的な負担
 Ⅳ 模倣の社会的意義を見極めるために、何を観察するか?
 Ⅴ 私(たち)は、まだ、何も、わかってはいない。

◆第17章◆著作権法におけるルールとスタンダード・再論――フェアユース規定の導入に向けて――〔島並 良〕
 Ⅰ はじめに
 Ⅱ スタンダードの特徴
 Ⅲ フェアユース規定の利点
 Ⅳ フェアユース規定の欠点
 Ⅴ おわりに

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