ブリッジブック行政法(第3版)

【基本の基本】にこだわった行政法入門書。第3版では,平成28年4月から施行された行政不服審査法などの新動向を反映した最新版。
著者 |
宇賀 克也
編 |
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ジャンル |
法律
> 行政法 |
シリーズ | 法律・政治 > ブリッジブックシリーズ |
出版年月日 | 2017/02/26 |
ISBN | 9784797223576 |
判型・ページ数 | 4-6変・352ページ |
定価 | 本体2,500円+税 |
在庫 | 在庫あり |
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目次
宇賀克也(東京大学大学院法学政治学研究科教授) 編
【執筆者紹介】*は編者
宇賀克也*(東京大学大学院法学政治学研究科教授):第16講義,第17講義,第19講義
木村琢麿 (千葉大学大学院専門法務研究科教授):第3講義,第8講義,第10講義,第18講義
桑原勇進(上智大学法学部教授):第4講義,第7講義,第12講義,第13講義
中原茂樹(東北大学大学院法学研究科教授):第1講義,第5講義,第9講義,第11講義
横田光平(同志社大学大学院司法研究科教授):第2講義,第6講義,第14講義,第15講義
【目 次】
第3版はしがき
第2版はしがき
はしがき
◆第1部 行政法の基礎◆
☆第1講義☆ 行政のフィールドは広い──行政活動の類型
1 運転免許を取る,ラーメン店を開く──規制行政
2 生活保護を受ける,学校教育を受ける──給付行政
3 税金を払う,宝くじを買う──調達行政
4 エコカーを買う,太陽光発電を導入する──誘導行政
5 広いフィールドを見渡し,共通点をみつける──行政法の考え方
☆第2講義☆ 法律は行政のエンジンでありブレーキである──法律による行政の原理
1 なぜ行政活動は法律に基づく必要があるのか──憲法と行政法
2 どのような行政活動にどのような法律の根拠が必要か──法律の留保原則の具体的内容
3 実は行政独自のハンドルテクニックもある──行政の裁量
☆第3講義☆ 行政法は民法に似ている?──公法と私法
1 行政法と民法は水と油?──伝統的な公法・私法二元論
2 裁判制度が行政法と民法を仲違いさせた──行政裁判所と公法・私法二元論
3 補完しあう関係へ──公法と私法の相対化
◆第2部 行政の作用◆
☆第4講義☆ 市民より行政の判断のほうがとりあえず上──行政行為
1 否が応でも一方的に決められる──行政行為とは
2 違法だと思って放置したら大変なことになる──行政行為の効力
3 違法なのに裁判所も取り消さない?──違法な行政行為の取扱い
4 違法なのに取り消せないこともある──職権による取消し・撤回
☆第5講義☆ 行政活動の潤滑油──行政指導
1 「命令」せずに「お願い」・「おススメ」──行政指導とは
2 ソフトでスムーズ──行政指導が多用される理由
3 公正な行政指導をめざして──行政手続法による規律
4 「説得」と「強制」の間──行政指導はどこまで許されるか
☆第6講義☆ 実は行政が自らルールを作ることもある──行政立法
1 「節電の夏」──国会は“国の唯一の立法機関”のはずでは?
2 信号機の色を決める──法規命令
3 通達による行政?──行政規則
☆第7講義☆行政活動は計画的に──行政計画
1 目標達成のための方策を定める──行政計画とは?
2 行政計画をどうコントロールするか──行政計画の法的統制
3 計画が変わって損をした──計画担保責任
4 計画をやめさせたい──行政計画争訟
☆第8講義☆ 行政が市民と対等の場合もある──行政契約
1 市民病院を建設するために契約する──調達契約
2 マンションに入居して水道を使うには──給付契約
3 民間企業に公害防止措置をとらせる──規制契約
4 商店街にアーケードをつけるには──建築協定などの新しい契約
☆第9講義☆ 行政の実効性を確保するための工夫──義務履行確保の手法等
1 行政自ら義務履行を実現──行政上の強制執行
2 義務に違反すると痛い目にあう──義務違反に対する制裁
3 義務を課さずに実行行使──即時強制
☆第10講義☆ 行政活動のプロセスを点検する──行政手続
1 結果だけでなくプロセスも大事──行政手続法の背景
2 行政手続法のインパクト──内容上の特色
3 最初に住民の声に耳を傾ける──住民参加
☆第11講義☆ 情報社会における行政法──行政調査・情報公開・個人情報保護
1 行政決定に必要な情報を集める──行政調査
2 行政の情報はみんなのもの──情報公開
3 わたしの情報はわたしのもの──個人情報保護
◆第3部 国民の救済◆
☆第12講義☆ 手軽で便利で迅速な権利救済──行政上の不服申立て
1 行政自身が紛争を裁く──行政上の不服申立ての意義とメリット
2 不服申立ての仕方が分からない──教示制度
3 簡易迅速vs.慎重公正──審理の手続
4 行政機関が裁判所代わり?──行政審判
☆第13講義☆ 市民の権利救済最後の砦──行政訴訟
1 違法行政から裁判所に守ってもらう──行政訴訟の意義と種類
2 だれでも何でもは訴えられない──抗告訴訟の共通的な訴訟要件
3 人事を尽くして天命を待つ?──判決
4 判決まで待っていられないときは?──仮の救済
☆第14講義☆ 国の責任を問う──国家賠償
1 国が責任を負う──国家賠償法の位置づけ
2 教師個人の責任は問えない──国家賠償法1条
3 道路と河川は異なる──国家賠償法2条
☆第15講義☆ 負担を分かち合う──損失補償
1 みんなのためなら仕方ない?──損失補償の意義
2 どのような場合に損失補償が必要か──憲法と損失補償
3 国家賠償でも損失補償でも救済されない?──国家補償の谷間
◆第4部 行政の組織◆
☆第16講義☆ 縦割り行政の弊害は克服されたか──中央省庁等改革と行政組織法
1 行政組織法は,行政作用法・行政救済法と三位一体である──行政法における行政組織の意義
2 行政組織を定めるのはだれか
3 行政事務を行うのは国と地方公共団体だけではない
4 縦割り行政と総合調整
☆第17講義☆ 地方分権はどこまで進んだか──「地方の時代」と行政法
1 地方公共団体は,都道府県・市町村だけではない
2 「平成の大合併」は何をもたらしたか
3 知事・市町村長は大統領か
4 地方公共団体の組織はだれが決めるか
5 国の下級組織扱いされてきた地方公共団体
6 地方分権一括法で地方分権の橋頭堡が築かれた
7 国の関与は制限され,関与のルールも明確化された
8 中立的な紛争処理の仕組みも設けられた
9 地方分権改革第2弾
☆第18講義☆ 行政の仕事とは何だろう?──民間との役割分担
1 結婚相手を探すのも行政の仕事?──行政の守備範囲
2 行政もシェイプアップしている──民間委託
3 市民病院を民間のお金とノウハウで建設する──行政と民間のパートナーシップ
◆第5部 行政法の課題◆
☆第19講義☆ 行政法はどのように変化してきたか──行政法の課題
1 近代行政法は権力の濫用防止を最大の任務とした
2 近代行政法は修正を迫られた
3 わが国の行政法の将来
4 行政法学習の次のステップへ
小論文のすすめ
事項索引
判例索引
内容説明
ブリッジブック・シリーズは,本格的教科書を読むための初学者向け導入教材として企図されている。①学習の幹づくりに徹した項目の選定,②思考の過程を丁寧に見せる叙述,③興味喚起から専門基礎までカバー,をその特長とする。この第3版では,平成26年6月に全部改正が成立し平成28年4月から施行された行政不服審査法などの新動向を反映させている。説明事例に更に磨きをかけた行政法入門書。