契約結合としてのネットワーク ― ヴァーチャル空間の企業,フランチャイズ,ジャスト・イン・タイムの社会科学的,および,法的研究
【グローバルに多層化する社会の中で、私法学に求められる、社会的な問題解決能力と規範的な性質とは何か。今後の法解釈、制度構築に新たな方向性を示す重要文献】
複雑化する現代の経済社会の中で、私法学に求められる、社会的な問題解決能力と規範的な性質とは何か。各国の国境を越える法実務のグローバル化を跡づけ、多元主義の理論的立場から、法理論・法制度について、新たな基礎科学としての構成的思考と、将来への新たな方向性を提示。
『契約結合としてのネットワーク』
グンター・トイブナー(フランクフルト大学教授) 著
藤原正則(北海道大学大学院法学研究科教授) 訳
【目 次】
◇私法理論の国際的研究
・私法理論の国際的研究に関する学術論文と論文集
◆ 序 論 ネットワークの法的分析の目的
◆ 第1章 ネットワーク革命:新たなリスク――解決不可能な法的問題
Ⅰ 2つのいらだたしい法的紛争
Ⅱ 法解釈学は適切に反応したのか?
Ⅲ 法的に重要な契約ネット
Ⅳ 前近代的な関係ネットの新たな経済的現実性
Ⅴ ネット化の類型とその規律の問題
Ⅵ ネットに固有のリスク
1 多幸症と興ざめ
2 信頼の危殆化
3 双 務 化
4 権力と情報の非対称
5 ネットの外部性
6 境界の消滅
7 接触面の問題
◆ 第2章 社会経済的な分析と法性決定
Ⅰ 市場構造:交換契約
Ⅱ 組織構造:民法上の組合
Ⅲ ハイブリッド構造:制度化された矛盾としてのネット化
Ⅳ コミュニケイション構造:「人の法である共同体関係」としてのネットワーク
Ⅴ 混合構造:混合契約
Ⅵ 多極協力構造:コンツェルン
Ⅶ 特異体質の体制:ネット契約
◆ 第3章 契約結合としてのネットワーク
Ⅰ 契約結合の一般化とネットへの応用
Ⅱ 構造と機能の同一性
Ⅲ 生産的な「耐え難い矛盾」
Ⅳ 要件:契約と結合の二重構造
1 結合の構成要件要素
2 他のネット構造との区別
3 結合の特定典礼文(特性〔proprium〕)
Ⅴ 法効果:契約相手方と結合への選択的な二重の帰責
1 発生的結合
2 機能的結合
Ⅵ 制度化されたネット結合がもたらす法的問題
◆ 第4章 双務契約へのネット効果:ネット目的,結合義務,約款規制
Ⅰ 差額割引(Differenzrabatte)
Ⅱ 構造の矛盾:双務的交換 対 多角的結合
Ⅲ 結合義務の基準としてのネット目的
Ⅳ 選択された結合義務
Ⅴ 利益の分配?
Ⅵ リスクの分配?普通取引約款の規制の基準としてのネット目的
1 価格戦略
2 モジュール戦略
3 プール戦略
◆ 第5章 ネットワーク内部の直接請求:契約によって結合していないネット参加者間の特別な結合
Ⅰ 「ネットでのフリーライド」
Ⅱ 構造の矛盾:競争 対 協調
Ⅲ ネット内部の直接請求?
Ⅳ 並列する債務関係の内部の直接請求
Ⅴ 契約によらない結合義務
1 競争法上の請求
2 ネット契約による請求
3 第三者を保護する契約(Drittshutzvertrag)
4 義務を基礎づける特別な結合としての契約結合
Ⅵ 保護義務,給付義務,促進義務
Ⅶ 組合法の類推:契約ネットでの組合員のための訴権(actio pro socio)
Ⅷ 多重的なネット階層
◆ 第6章 ネット外部からの直接請求:選択的な多重帰責としてのネット責任
Ⅰ サービス給付フランチャイズ:組織化された無責任
Ⅱ 構造の矛盾:多数の自律的なアクター 対 企業の一元性
Ⅲ ネットワーク責任
1 極度に集中化されたネット
2 非集中的なネット
Ⅳ 非集中的な結合責任
1 ネット契約
2 外観責任
3 第三者保護契約
4 管理人責任
5 結合責任
Ⅴ 責任構造の諸相
1 サービス給付フランチャイズ
2 接触面責任
訳者あとがき
参考文献
事項索引
グンター・トイブナー(フランクフルト大学教授) 著
藤原正則(北海道大学大学院法学研究科教授) 訳
【目 次】
◇私法理論の国際的研究
・私法理論の国際的研究に関する学術論文と論文集
◆ 序 論 ネットワークの法的分析の目的
◆ 第1章 ネットワーク革命:新たなリスク――解決不可能な法的問題
Ⅰ 2つのいらだたしい法的紛争
Ⅱ 法解釈学は適切に反応したのか?
Ⅲ 法的に重要な契約ネット
Ⅳ 前近代的な関係ネットの新たな経済的現実性
Ⅴ ネット化の類型とその規律の問題
Ⅵ ネットに固有のリスク
1 多幸症と興ざめ
2 信頼の危殆化
3 双 務 化
4 権力と情報の非対称
5 ネットの外部性
6 境界の消滅
7 接触面の問題
◆ 第2章 社会経済的な分析と法性決定
Ⅰ 市場構造:交換契約
Ⅱ 組織構造:民法上の組合
Ⅲ ハイブリッド構造:制度化された矛盾としてのネット化
Ⅳ コミュニケイション構造:「人の法である共同体関係」としてのネットワーク
Ⅴ 混合構造:混合契約
Ⅵ 多極協力構造:コンツェルン
Ⅶ 特異体質の体制:ネット契約
◆ 第3章 契約結合としてのネットワーク
Ⅰ 契約結合の一般化とネットへの応用
Ⅱ 構造と機能の同一性
Ⅲ 生産的な「耐え難い矛盾」
Ⅳ 要件:契約と結合の二重構造
1 結合の構成要件要素
2 他のネット構造との区別
3 結合の特定典礼文(特性〔proprium〕)
Ⅴ 法効果:契約相手方と結合への選択的な二重の帰責
1 発生的結合
2 機能的結合
Ⅵ 制度化されたネット結合がもたらす法的問題
◆ 第4章 双務契約へのネット効果:ネット目的,結合義務,約款規制
Ⅰ 差額割引(Differenzrabatte)
Ⅱ 構造の矛盾:双務的交換 対 多角的結合
Ⅲ 結合義務の基準としてのネット目的
Ⅳ 選択された結合義務
Ⅴ 利益の分配?
Ⅵ リスクの分配?普通取引約款の規制の基準としてのネット目的
1 価格戦略
2 モジュール戦略
3 プール戦略
◆ 第5章 ネットワーク内部の直接請求:契約によって結合していないネット参加者間の特別な結合
Ⅰ 「ネットでのフリーライド」
Ⅱ 構造の矛盾:競争 対 協調
Ⅲ ネット内部の直接請求?
Ⅳ 並列する債務関係の内部の直接請求
Ⅴ 契約によらない結合義務
1 競争法上の請求
2 ネット契約による請求
3 第三者を保護する契約(Drittshutzvertrag)
4 義務を基礎づける特別な結合としての契約結合
Ⅵ 保護義務,給付義務,促進義務
Ⅶ 組合法の類推:契約ネットでの組合員のための訴権(actio pro socio)
Ⅷ 多重的なネット階層
◆ 第6章 ネット外部からの直接請求:選択的な多重帰責としてのネット責任
Ⅰ サービス給付フランチャイズ:組織化された無責任
Ⅱ 構造の矛盾:多数の自律的なアクター 対 企業の一元性
Ⅲ ネットワーク責任
1 極度に集中化されたネット
2 非集中的なネット
Ⅳ 非集中的な結合責任
1 ネット契約
2 外観責任
3 第三者保護契約
4 管理人責任
5 結合責任
Ⅴ 責任構造の諸相
1 サービス給付フランチャイズ
2 接触面責任
訳者あとがき
参考文献
事項索引