刑事法の歴史と思想、陪審制〔佐伯千仭著作選集 第4巻〕

刑事法の歴史と思想、陪審制〔佐伯千仭著作選集 第4巻〕

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佐伯刑事法学を代表する論考を精選収録

著者 佐伯 千仭
ジャンル 法律  > 刑事法
シリーズ 法律・政治  > 著作集・全集
出版年月日 2015/09/05
ISBN 9784797226041
判型・ページ数 A5変・626ページ
定価 17,600円(税込)
在庫 在庫あり

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本著作集は、刑法、刑事訴訟法、刑事思想、刑法史全体にわたり巨大な足跡を残した佐伯博士の膨大な著作のなかから、佐伯説を代表する著作・論文を精選し、加えてこれまで論文集等には収録されなかった諸論文からも主要なものを選び6巻構成で収録した。第4巻である本巻は、刑法史研究のほか、戦後の関連論文および陪審制に関する論文15本を収録した。

 『刑事法の歴史と思想、陪審制(佐伯千仭著作選集第4巻)』

  佐伯千仭(立命館大学名誉教授) 著

【目  次】

第一編 刑事法の歴史と思想

1 刑法学の危機――権力主義刑法思想
 一 はしがき
 二 権力主義的刑法理論
 三 その意義と疑義

2 刑法に於けるキール学派に就て
 一 はしがき
 二 目的論的概念構成論と法益思想に対するキール学派の批判
 三 キール学派の方法論・具体的全体的本質的観察の強調
 四 キール学派の結論
 五 む す び

3 啓蒙時代と犯罪類型
 一 はしがき
 二 仏蘭西旧制度下の刑法と犯罪類型
 三 啓蒙的刑法思想と犯罪類型
 四 仏蘭西に於ける旧制度の崩壊と刑法典の編纂
 五 一七九一年の刑法典と一八一〇年の刑法典に於ける犯罪類型
 六 む す び

4 フリードリッヒ大王と刑法
 一 はしがき
 二 ウィルヘルム一世の刑法思想と刑事政策
 三 フリードリッヒ大王の刑法思想と刑事政策
 四 プロシヤ国法の編纂とその刑法編に於ける犯罪類型
 五 む す び

5 刑法に於ける日本的なるものの自覚
 一 はしがき
 二 比較法論と日本的なるもの
 三 日本固有法論と日本的なるもの
 四 日本法理の自覚的展開論と日本的なるもの
 五 外来の法文化摂取の仕方に現るる日本的特質の自覚
 六 国学に於ける漢意の排斥と日本法理の方法

6 国学の伝統と日本刑法の理論
 一 はしがき・国学と日本法理
 二 つみの固有の意味と犯罪の観念
 三 「玉匣」・「秘本玉くしげ」に現れたる現実の刑法政策論其の他
 四 むすび・宣長の限界と篤胤・刑罰と禊祓

7 Corpus delictiについて
 一 はしがき・糺問訴訟とcorpus delictiの概念
 二 伊太利の糺問訴訟におけるconstare de delictoの理論
 三 独逸普通法糺問訴訟におけるcorpus delictiの理論
 四 近代法への移行とその変質過程
 五 む す び

8 良心と刑事責任
 一 はしがき
 二 西ドイツの戦時中精神病者の殺害に関与した医師の裁判(特に一身的刑罰阻却原因論)
 三 右の問題の刑法学的検討(特に超法規的責任阻却原因論)
 四 む す び

9 刑法学の黎明
 一 はしがき
 二 明治初年の刑事法――仮刑律、新律綱領、改定律例
 三 それに対する批判
 四 むすび(西欧刑法学の導入)

10 元老院の不応為律廃止論――明治初年における罰刑法定主義
 一 はしがき
 二 明治八年の大審院における断罪無正条及び不応為律廃止意見と同九年夏の元老院における不応為律廃止決議、特に後者の審議について
 三 む す び

11 フォイエルバッハと法定証拠主義の運命――一八一三年のバイエルン刑訴法の証拠法を中心として
 一 はしがき
 二 一八一三年のバイエルン刑訴法の立法経過と問題点
 三 バイエルン刑訴法の内容

第二編 陪 審 制

12 陪審裁判の復活のために
 一 はじめに
 二 今日の日本における無罪率の驚くべき減少と続出する誤判
 三 無罪判決の出にくいわが国の刑事裁判の仕組(現在の証拠法と判決の仕方)
 四 有罪判決に対して厳しかった旧刑訴法の証拠と判決についての規定、戦時刑事特別法によるその歪曲と応急措置法及び現行刑訴法によるその継受
 五 陪審法の制定実施の状況とその問題点及び戦時状態を理由とするその施行停止
 六 陪審裁判の復活のために

13 刑事裁判における自由心証の頽廃とその対策――陪審裁判の復活の必要
 一 はじめに
 二 自由心証の頽廃を示す破棄判決
 三 対策――特に証拠能力、証明力の判断者を区別する陪審裁判の速やかな復活を

14 陪審裁判は死んだのか
 一 はじめに
 二 統計から見た陪審裁判
 三 陪審裁判を経験した先輩達の経験談
 四 おわりに

15 陪審裁判の復活はどのように阻止されてきたか
 一 はじめに
 二 敗戦直後の政府の憲法改正の動き、マッカーサー草案による衝撃と陪審裁判
 三 日本国憲法の枢密院及び帝国議会における論議と陪審裁判
 四 大正陪審法実施の実情
 五 戦後の司法部内における陪審問題の取扱の動揺(参審制論の抬頭と逼塞)
 六 裁判所法、検察庁法の成立と陪審裁判
 七 新しい刑事訴訟法と陪審裁判
 八 現行刑事訴訟法の下における新たな陪審否定の動き
 九 司法に対する市民参加の成果とその不徹底
 一〇 最高裁判所における新しい動き
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