法文化論の展開 ― 法主体のダイナミクス
千葉正士先生追悼
非西洋法学・多元的法体制研究のパイオニア、千葉正士のダイナミックな法文化論を探求。法の構造と役割、法秩序等の法文化論を展開する「千葉理論」の継承と発展を期する。主要文献案内・著作目録も収録。
『法文化論の展開―法主体のダイナミクス(千葉正士先生追悼)』
角田猛之/ヴェルナー・メンスキー/森 正美/石田慎一郎 編
【目 次】
はしがき〔ヴェルナー・メンスキー〕
序 論〔角田猛之・石田慎一郎〕
Ⅰ 本追悼論集の背景
Ⅱ 本追悼論集の特徴と刊行の意義
Ⅲ 千葉正士の学問的足跡―法学の視点から
Ⅳ 千葉法学の支流―人類学の視点から
◆第1部◆ 千葉正士先生の人と学問
1 最後の千葉正士〔大塚 滋〕
2 戦争犯罪を犯した法学について―千葉正士教授の「戦時期における小野清一郎・尾高朝雄の法哲学」批判―〔鈴木敬夫〕
Ⅰ 千葉正士教授は「戦争犯罪を犯した法学」をどうみていたか
Ⅱ 小野清一郎の法哲学
Ⅲ 尾高朝雄の法哲学
Ⅳ 結び―認識される客体の主体性を認めること
3 法文化と非西欧法の法人類学へ―千葉正士博士の研究点描―〔北村隆憲〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 法研究の経緯
Ⅲ 法哲学から法社会学へ
Ⅳ 法社会学から法人類学へ
Ⅴ 異なる法文化の媒介者として
Ⅵ 多元的法体制の一般モデルに向かって
Ⅶ 法における主体性と非西欧法研究
Ⅷ 法終わりなき探求
◆第2部◆ 人間と法の探究:法哲学・法社会学・法人類学
4 千葉正士の「総合比較法学」の構想と法の多元性に着目した法学教育の提唱
―晩年のいくつかの日本語論文に依拠して―〔角田猛之〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 非公式法と非西欧法の法文化
Ⅲ 千葉の総合比較法学構想の概要
Ⅳ 総合比較法学構想における非西洋法と非西洋法文化に依拠した法学教育の重要性
Ⅴ むすびにかえて
5 千葉理論からChiba Theoriesへ―多元的法体制論を語りなおす―〔石田慎一郎〕
Ⅰ はじめに―千葉理論からChiba Theoriesへ
Ⅱ 法体系および法秩序における二つの法主体の在り処を捉える
Ⅲ 三ダイコトミーを語りなおす ―法秩序の多元的・動態的構造を捉える
Ⅳ アイデンティティ法原理を語りなおす―法体系・法秩序を統べる理念として
Ⅴ おわりに
補遺 千葉正士先生「発言要旨」― 2005年日本法社会学会学術大会ミニシンポジウム「千葉理論再考―人類学的視点」
6 グローバル化のアジア法再考―「アイデンティティ法原理」の再定位に向けて―〔河村有教〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 国家法一元論と西欧法普遍論からの脱却
Ⅲ 「多元的法体制(Legal Pluralism)」論の展開
Ⅳ グローバル化と「アイデンティティ法原理」の指向
Ⅴ 「アイデンティティ法原理」の再定位
Ⅵ 結びに代えて
7 千葉理論における人権と文化〔馬場 淳〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 世界法文化としての人権
Ⅲ 人権の媒介変数
Ⅳ 世界法文化への「夢」
Ⅴ お わ り に
8 グローバルな規模で最も妥当性を有する刺激物としての多元的法体制 ―MM v. POP―
〔ヴェルナー・メンスキー(角田猛之・木村光豪訳)〕
Ⅰ 序
Ⅱ 概念的枠組をめぐる論争― POPとしての法をめざして
Ⅲ 大空を舞うカイトとPOPとしての法
Ⅳ 解決に向かうのか?
Ⅴ 結 論
9 宗教が生み出す差異―西洋から日本・インドへの法概念の移植―〔プラカシュ・シャー(森 正美訳)〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 宗 教
Ⅲ 日 本
Ⅳ イ ン ド
Ⅴ 結 語
10 日本における多元的法体制とアイデンティティ―「文化的景観」をめぐる法主体と葛藤―〔森 正美〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ アイデンティティ法原理と多元的法体制
Ⅲ 千葉による日本法制史概観とアイデンティティ法原理
Ⅳ 日本における文化財概念と法
Ⅴ 文化的景観をめぐるまちづくりと多元的法体制
Ⅵ おわりに
11 アフリカの千葉正士―アフリカ法の文脈における千葉法学の重要性―〔クレヴァー・マパウレ(石田慎一郎訳)〕
Ⅰ 序 論
Ⅱ アフリカの慣習を解き明かす―千葉を文脈化するための背景的知識
Ⅲ アフリカにダイコトミーを応用する
Ⅳ 千葉が強調すると思われること―ひとつの仮定論
Ⅴ 結 論
12 ムスリムが多数を占める国家におけるイスラーム法―千葉正士の法の三ダイコトミー論をふまえた検討―
〔テイモア・L・ハーディン/ファーリス・ナスララ(荒木亮訳)〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 先行研究の概観―歴史的アプローチの影響と批評
Ⅲ 権威付与の原理としてのシャリーア―憲法についての概観
Ⅳ リーガルプルーラリズムをとりいれる―千葉の三ダイコトミー論からみた「イスラーム法」
Ⅴ 「通い婚」の事例―非公式法から公式法へのシャリーアの移行
Ⅵ 結 語
◆第3部◆ 千葉正士先生の学問的足跡
主要文献案内
『人間と法』(丁子屋書店,1949年)〔薗 巳晴〕
『学区制度の研究』(勁草書房,1962年)〔宮下克也〕
『現代・法人類学』(北望社,1969年)〔石田慎一郎〕
『祭りの法社会学』(弘文堂,1970年)〔森 正美〕
『法人類学入門』(弘文堂,1974年)〔荒木 亮〕
『法と文化』(『法律時報』連載論文,1977-1978年)〔北村隆憲〕
『法と紛争』(三省堂,1980年) 〔久保秀雄〕
『法人類学の基礎理論』(成文堂,1984年)〔高野さやか〕
『要説・世界の法思想』(日本評論社,1986年)〔大塚 滋〕
Asian Indigenous Law(KPI, 1986)〔石田慎一郎〕
『スリランカの多元的法体制』(成文堂,1988年)〔梅村絢美〕
『法社会学』(成文堂,1988年)〔北村隆憲〕
Legal Pluralism(Tokai University Press, 1989)〔河村有教〕
『法文化のフロンティア』(成文堂,1991年)〔木村光豪〕
『アジアにおけるイスラーム法の移植』(成文堂,1997年)〔森 正美〕
『アジア法の多元的構造』(成文堂,1998年)〔森 正美〕
『スポーツ法学序説』(信山社,2001年)〔中村浩爾〕
Legal Cultures in Human Society(Shinzansha International, 2002)〔馬場 淳〕
『法と時間』(信山社,2003年)〔大塚 滋〕
『法文化への夢』(信山社,2015年)〔石田慎一郎〕
・千葉正士先生著作目録
角田猛之/ヴェルナー・メンスキー/森 正美/石田慎一郎 編
【目 次】
はしがき〔ヴェルナー・メンスキー〕
序 論〔角田猛之・石田慎一郎〕
Ⅰ 本追悼論集の背景
Ⅱ 本追悼論集の特徴と刊行の意義
Ⅲ 千葉正士の学問的足跡―法学の視点から
Ⅳ 千葉法学の支流―人類学の視点から
◆第1部◆ 千葉正士先生の人と学問
1 最後の千葉正士〔大塚 滋〕
2 戦争犯罪を犯した法学について―千葉正士教授の「戦時期における小野清一郎・尾高朝雄の法哲学」批判―〔鈴木敬夫〕
Ⅰ 千葉正士教授は「戦争犯罪を犯した法学」をどうみていたか
Ⅱ 小野清一郎の法哲学
Ⅲ 尾高朝雄の法哲学
Ⅳ 結び―認識される客体の主体性を認めること
3 法文化と非西欧法の法人類学へ―千葉正士博士の研究点描―〔北村隆憲〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 法研究の経緯
Ⅲ 法哲学から法社会学へ
Ⅳ 法社会学から法人類学へ
Ⅴ 異なる法文化の媒介者として
Ⅵ 多元的法体制の一般モデルに向かって
Ⅶ 法における主体性と非西欧法研究
Ⅷ 法終わりなき探求
◆第2部◆ 人間と法の探究:法哲学・法社会学・法人類学
4 千葉正士の「総合比較法学」の構想と法の多元性に着目した法学教育の提唱
―晩年のいくつかの日本語論文に依拠して―〔角田猛之〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 非公式法と非西欧法の法文化
Ⅲ 千葉の総合比較法学構想の概要
Ⅳ 総合比較法学構想における非西洋法と非西洋法文化に依拠した法学教育の重要性
Ⅴ むすびにかえて
5 千葉理論からChiba Theoriesへ―多元的法体制論を語りなおす―〔石田慎一郎〕
Ⅰ はじめに―千葉理論からChiba Theoriesへ
Ⅱ 法体系および法秩序における二つの法主体の在り処を捉える
Ⅲ 三ダイコトミーを語りなおす ―法秩序の多元的・動態的構造を捉える
Ⅳ アイデンティティ法原理を語りなおす―法体系・法秩序を統べる理念として
Ⅴ おわりに
補遺 千葉正士先生「発言要旨」― 2005年日本法社会学会学術大会ミニシンポジウム「千葉理論再考―人類学的視点」
6 グローバル化のアジア法再考―「アイデンティティ法原理」の再定位に向けて―〔河村有教〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 国家法一元論と西欧法普遍論からの脱却
Ⅲ 「多元的法体制(Legal Pluralism)」論の展開
Ⅳ グローバル化と「アイデンティティ法原理」の指向
Ⅴ 「アイデンティティ法原理」の再定位
Ⅵ 結びに代えて
7 千葉理論における人権と文化〔馬場 淳〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 世界法文化としての人権
Ⅲ 人権の媒介変数
Ⅳ 世界法文化への「夢」
Ⅴ お わ り に
8 グローバルな規模で最も妥当性を有する刺激物としての多元的法体制 ―MM v. POP―
〔ヴェルナー・メンスキー(角田猛之・木村光豪訳)〕
Ⅰ 序
Ⅱ 概念的枠組をめぐる論争― POPとしての法をめざして
Ⅲ 大空を舞うカイトとPOPとしての法
Ⅳ 解決に向かうのか?
Ⅴ 結 論
9 宗教が生み出す差異―西洋から日本・インドへの法概念の移植―〔プラカシュ・シャー(森 正美訳)〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 宗 教
Ⅲ 日 本
Ⅳ イ ン ド
Ⅴ 結 語
10 日本における多元的法体制とアイデンティティ―「文化的景観」をめぐる法主体と葛藤―〔森 正美〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ アイデンティティ法原理と多元的法体制
Ⅲ 千葉による日本法制史概観とアイデンティティ法原理
Ⅳ 日本における文化財概念と法
Ⅴ 文化的景観をめぐるまちづくりと多元的法体制
Ⅵ おわりに
11 アフリカの千葉正士―アフリカ法の文脈における千葉法学の重要性―〔クレヴァー・マパウレ(石田慎一郎訳)〕
Ⅰ 序 論
Ⅱ アフリカの慣習を解き明かす―千葉を文脈化するための背景的知識
Ⅲ アフリカにダイコトミーを応用する
Ⅳ 千葉が強調すると思われること―ひとつの仮定論
Ⅴ 結 論
12 ムスリムが多数を占める国家におけるイスラーム法―千葉正士の法の三ダイコトミー論をふまえた検討―
〔テイモア・L・ハーディン/ファーリス・ナスララ(荒木亮訳)〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 先行研究の概観―歴史的アプローチの影響と批評
Ⅲ 権威付与の原理としてのシャリーア―憲法についての概観
Ⅳ リーガルプルーラリズムをとりいれる―千葉の三ダイコトミー論からみた「イスラーム法」
Ⅴ 「通い婚」の事例―非公式法から公式法へのシャリーアの移行
Ⅵ 結 語
◆第3部◆ 千葉正士先生の学問的足跡
主要文献案内
『人間と法』(丁子屋書店,1949年)〔薗 巳晴〕
『学区制度の研究』(勁草書房,1962年)〔宮下克也〕
『現代・法人類学』(北望社,1969年)〔石田慎一郎〕
『祭りの法社会学』(弘文堂,1970年)〔森 正美〕
『法人類学入門』(弘文堂,1974年)〔荒木 亮〕
『法と文化』(『法律時報』連載論文,1977-1978年)〔北村隆憲〕
『法と紛争』(三省堂,1980年) 〔久保秀雄〕
『法人類学の基礎理論』(成文堂,1984年)〔高野さやか〕
『要説・世界の法思想』(日本評論社,1986年)〔大塚 滋〕
Asian Indigenous Law(KPI, 1986)〔石田慎一郎〕
『スリランカの多元的法体制』(成文堂,1988年)〔梅村絢美〕
『法社会学』(成文堂,1988年)〔北村隆憲〕
Legal Pluralism(Tokai University Press, 1989)〔河村有教〕
『法文化のフロンティア』(成文堂,1991年)〔木村光豪〕
『アジアにおけるイスラーム法の移植』(成文堂,1997年)〔森 正美〕
『アジア法の多元的構造』(成文堂,1998年)〔森 正美〕
『スポーツ法学序説』(信山社,2001年)〔中村浩爾〕
Legal Cultures in Human Society(Shinzansha International, 2002)〔馬場 淳〕
『法と時間』(信山社,2003年)〔大塚 滋〕
『法文化への夢』(信山社,2015年)〔石田慎一郎〕
・千葉正士先生著作目録
関連書籍
-
定価 2,970円(税込)
-
定価 4,180円(税込)
-
定価 9,680円(税込)
-
定価 7,150円(税込)
-
定価 10,266円(税込)
-
定価 1,628円(税込)
-
定価 3,190円(税込)
-
定価 2,530円(税込)
-
定価 2,970円(税込)
-
定価 3,080円(税込)
-
定価 3,190円(税込)
-
定価 8,800円(税込)
-
定価 16,500円(税込)
-
定価 17,600円(税込)
-
定価 17,600円(税込)
-
定価 16,500円(税込)