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身上監護の成年後見法理

身上監護の成年後見法理

高齢社会の身上監護の成年後見

著者 渡部 朗子
ジャンル 法律  > 民法
出版年月日 2015/04/15
ISBN 9784797255263
判型・ページ数 A5変・328ページ
定価 本体8,600円+税
在庫 在庫あり
 

目次

『身上監護の成年後見法理』

 渡部 朗子 著

(執筆者紹介)
2002年千葉大学大学院社会文化科学研究科単位取得退学、博士(法学、千葉大学)、日本成年後見法学界会員

〈目  次〉
序 3
1 身上監護の問題点 3
2 成年後見制度と福祉の関係 4
3 本書の構成 5
第1章 ドイツの成年後見制度 9
はじめに 9
第1節 後見制度の沿革 10
1 ドイツ私法の歴史 10
2 後見制度の性質 11
3 19世紀までの後見制度 12
 ローマ法における後見制度 (12)/ ドイツにおけるローマ法の継受 (14)/ 普通法(Gemeines Recht) (14)/ プロイセン法の影響と拡張された裁判処理 (15)/ その後のドイツ法 (15)
第2節 世話法の成立 16
1 立法の経緯 16
2 従来の成年者に対する後見法の問題点と世話法の特徴 16
 従来の成年者に対する後見法 (16)/ 問題点 (19)
3 世話法の特徴 20
 世話の概念 (20)/ 世話と介護の違い (20)/ 被世話人の意思の尊重 (21)/ 限定後見の原則 (23)
第3節 世話法の概要 25
1 世話法の基本原則(1896条) 25
2 世話人の選任 25
3 世話人の義務(1901条) 26
4 後見裁判所の許可が必要な世話職務 26
 健康状態の検査,治療行為及び医的侵襲(1904条) (27)/ 不妊手術(1905条) (27)/ 収容(1906条) (27)/ 住居の使用賃貸借関係などの終了(1907条) (28)
5 裁判所の手続と定期的審査 28
6 個人的な世話(1897条)と世話人の義務(1901条)の関係… 29
第4節 世話法の具体的な内容 30
1 前提条件 30
2 世話の要件 32
3 職務範囲の特定 33
4 老後に予め備える代理権(Vorsorgevollmacht) 35
 代理の目的 (35)/ 世話代理 (35)/ 代理の方法 (37)/ 老後に予め備える代理権が有効になる時期 (38)/ 任意代理人の監督 (38)/ 補充世話人 (39)/ 基本的な関係 (39)
5 世話人の地位 39
 世話人に適している人 (39)/ 個人の世話人,協会世話人及び官庁世話人 (40)/ 共同世話人 (40)/ 世話人として不適切な人 (41)
6 世話人の職務,権利,義務一般 41
 身上監護 (41)/ 休暇中の代理 (42)/ 協議義務 (42)/ 被世話人の福祉と希望 (42)
7 世話人の個別の職務範囲 43
 法律行為を含む身上の世話 (43)/ 職務範囲に含まれない行為 (44)/ 家族法との関係 (44)/ 職務範囲の具体例 (45)
8 個人的な世話(Persoenliche Betreuung) 48
 世話の内容 (48)/ 個人的な世話 (48)/ 世話の内容―介護との違い (50)/ 判例 (50)/ 小括 (54)
第5節 世話法におけるケースマネジメント 55
1 背  景 55
 ナチの優生思想と従来の精神障害者の隔離政策 (56)/ 脱施設化への方向転換 (57)/ ケースマネジメントの必要性 (58)
2 ケースマネジメントの担い手 58
 社会精神医療サービス―医療・保健・福祉の連携の視点から (59)/ 世話官庁―自治体の費用負担の抑制の視点から (62)/ 職業世話人―世話の質の保障の視点から (64)
3 ケースマネジメントの問題点 67
 世話人の福祉やケースマネジメントへの関与 (67)/ 世話計画の問題点 (69)
4 連邦政府の実態調査―ケースマネジメントの新たな展開 71
 総  論 (72)/ 世話管理の具体的な内容 (73)
第6節 第2次世話法改正における世話計画の概要 76
1 制度改正の動き 76
2 世話計画の内容 77
 世話計画の概要 (77)/ 世話計画を作成する世話人の資格 (78)/ 世話計画開始後の世話人の変更 (79)/ 複数の世話人が選任された場合 (79)/ 世話計画の報告義務の根拠 (80)/ 世話計画を報告する時点 (81)/ 世話計画のための世話の職務範囲 (81)
3 世話計画と援助計画(Hilfeplan)の違い 82
4 世話計画における世話人の義務 83
5 世話計画における本人の権利 83
6 世話計画に関する補足 84
本章のまとめ 84
1 個人的な世話と世話計画 85
2 世話法とケースマネジメント 86
第2章 アメリカの成年後見制度 89
はじめに 89
第1節 法定後見制度 91
1 概  要 91
 法定後見制度の用語の整理 (92)/ 後見人の職務と権限,義務 (93)
2 後見手続の基本的な流れ 94
3 後見の監督 95
4 財産目録及び後見計画 95
5 財産や身上に関する管理に対する裁判所の命令 96
6 身上後見人の任命 97
7 財産管理後見人の任命 98
8 精神療法または収容に関する任命 99
9 後見人が被後見人に与える影響 100
10 後見制度の問題点 102
第2節 持続的代理権制度 102
1 沿  革 102
2 1979年統一持続的代理権授与法の概要 103
 基本条項 (103)/ 持続的代理権授与行為とその内容 (106)
3 持続的代理権の適用 107
 通常の場合 (107)/ 適用が認められない場合 (109)/ 適用が認められる場合 (110)
4 身上のための持続的代理権 110
 身上(person)に関する管理及び監督 (110)/ 州法における身上のための持続的代理権授与法 (111)/ 身上のための持続的代理権に関する議論 (112)/ 裁判所の役割 (113)
5 医療(health care)のための持続的代理権授与制度 114
 通常の医療の代理人 (115)/ 誰が代理人になるのか (115)/ 目的 (116)/ 代理人またはその代わりの人の選任 (116)/ 代理人への権限の付与と制限 (118)/ 有効な文書と文書の管理 (119)
第3節 リビングウィル 120
1 目  的 120
2 準  備 121
3 管  理 122
第4節 信託制度 122
1 信託の設定 122
2 生前信託と撤回可能生前信託 123
3 スタンドバイ信託 124
4 撤回可能信託に含まれる信託条項 125
5 生前信託と注ぎ込み遺言(pour-over will) 126
6 信託条項と社会福祉の関係 127
7 持続的代理権制度,信託制度が適用される具体例 128
第5節 それぞれの制度との関係について 129
1 UDPAAと信託の関係をめぐる議論 129
2 事前の計画と法定後見との関連 130
第6節 ケースマネジメントと成年後見に関する議論 132
1 ケースマネジメントの本質 132
2 ケースマネジメントの展開と役割 133
3 成年後見制度とケースマネジメントの共同研究 134
 高齢者のケアのネットワークと裁判所の関与 (134)/
 高齢者のケアのネットワークのサービス (136)
第7節 日本への示唆 137
1 持続的代理権授与制度 138
2 信託制度 139
3 法定後見制度 140
4 成年後見制度と福祉 141
第8節 近時の動向─治療的法学(therapeutic jurisprudence)
と法定後見制度 142
1 概  要 142
2 治療的法学と法定後見制度 142
3 法定後見制度における具体的な対応方法 144
 問題を解決する裁判所(problem-solving courts) (144)/ 仲裁(mediation) (144)/ 限定された決定(limited orders) (145)/ 後見計画(guardianship plans) (146)/ 被後見人に必要な社会資源や情報 (146)
4 おわりに 147
第3章 イギリスの成年後見制度 149
はじめに 149
第1節 障害者の意思決定をめぐる法改革の動向
─1995年報告書の内容 150
1 法律委員会の方針 151
2 「能力」の定義 152
3 ガイドライン 153
4 草案で検討されたケアをする者の基本的な権限 154
5 治療の事前の拒否(advance refusal) 155
6 議論のある治療行為 156
7 治療ではない手続 157
8 身上監護のための持続的代理権(Continuing Powers of
Attorney) 159
9 裁判所の権限 160
10 精神保健法との関係 162
11 保護が必要な人のための公的支援 162
第2節 2005年意思能力法 163
1 2005年意思能力法の制定 163
2 概  要 163
3 基本原理 164
4 最善の利益 164
第3節 1983年精神保健法 166
1 1983年精神保健法の概要 166
 正式の手続(formal process)をとらない場合 (166)/ 非司法的手続 (167)
2 1983年精神保健法における強制治療と強制入院制度 168
 患者の同意のある治療 (168)/ 精神保健法の規定における強制治療 (168)/ 緊急の治療(62条) (169)/ 精神保健法第4A章 (170)/ 1983年精神保健法第4章の適用が除外される場合 (172)/ 強制入院患者に関する判例 (172)
3 精神科病院への非強制入院とボーンウッド(Bournewood)
事件 173
 ボーンウッド(Bournewood)事件の概要 (174)/ 精神保健法のもとでの患者のための保護手段 (174)
4 1983年精神保健法改正 175
 制度改正への動き (175)/ 草案で検討された内容 (176)/ 精神障害者の拘禁 (179)
5 2007年精神保健法─1983年精神保健法の改正点 179
6 後見制度(guardianship) 181
 背景─1959年精神衛生法 (181)/ 1983年精神保健法の問題点 (182)/ 福祉の動向と権利擁護 (184)/ 1983年精神保健法における財産管理 (185)
7 1983年精神保健法改正後の後見制度 186
 概要 (186)/ 2007年精神保健法における後見制度 (187)
第4節 1983年精神保健法と2005年意思能力法 191
1 2つの法制度の関係 191
2 両制度が重複する場合 192
本章のまとめ 193
第4章 わが国の成年後見制度と身上監護 195
はじめに 195
第1節 身上監護の立法過程 195
1 明治民法における療養看護義務 195
2 精神病者監護法における禁治産後見に関する議論 198
3 精神病院法の制定 200
4 戦後の民法改正と精神衛生法の制定 201
 民法の改正 (201)/ 精神衛生法の制定 (202)
5 成年後見制度制定における身上監護に関する議論 203
 『成年後見問題研究会報告書』 (204)/ 『成年後見制度の改正に関する要綱試案の解説─要綱試案・概要・補足説明─』 (211)
6 成年後見制度制定と身上監護 216
 基本理念 (217)/ 身上監護に関する一般規定と個別規定の創設 (217)/ 身上監護事項の内容 (218)/ 身上監護に関する義務の範囲 (218)/ 身上監護に関する事務の具体的な内容 (219)/ 身上監護に含まれない事項 (219)/ 任意後見制度における身上監護 (219)
7 精神保健福祉法との関係 220
第2節 学説の検討 222
1 扶養義務をめぐる議論 222
 私的扶養と公的扶養 (222)/ 扶養義務の内容 (223)/ 高齢者扶養の法的性格 (225)
2 財産法と家族法の関係をめぐる議論 226
3 身上監護事項をめぐる学説 229
 成年後見制度制定前の学説 (229)/ 成年後見制度制定後の学説 (231)
第3節 身上監護の具体的内容 235
1 介護サービスの利用 235
2 医療における援助 236
3 施設の入退所,処遇の監視・異議申し立てなどに関する事項 237
4 虐待への対応 238
 高齢者虐待 (238)/ 高齢者虐待防止法と成年後見制度 (240)/ 障害者虐待 (241)/ 障害者虐待防止法と成年後見制度 (242)
5 任意後見制度における身上監護事項 243
6 若干の検討 243
 本人の意思の尊重 (243)/ 身上配慮義務 (245)/ 身上監護事項 (246)
本章のまとめ 247
第5章 成年後見制度と福祉の接点 251
はじめに 251
第1節 成年後見制度と福祉の基本的理念 251
1 ノーマライゼーション 251
2 リハビリテーションとQOL (生活の質)の保障 254
3 アドヴォカシー 256
4 エンパワメント 257
5 アドヴォカシーとエンパワメント 258
6 高齢者・障害者の人権について 260
 高齢者の人権 (260)/ 障害者と人権 (261)
7 障害者権利条約 262
第2節 成年後見制度とケアマネジメント 263
1 総  論 263
2 ケアマネジメントの利用者 265
第6章 社会福祉法制と福祉契約 269
はじめに 269
第1節 社会福祉基礎構造計画と社会福祉法制 270
1 社会福祉基礎構造計画における社会福祉サービス利用契約制度
の導入 270
 背景 (270)/ 具体的内容 (270)
2 介護保険制度 271
 介護保険給付の要件(18・19条) (271)/ 介護保険給付の手続(27・32条) (272)/ 介護保険制度におけるケアマネジメント (273)
3 障害者総合支援法 273
 経緯 (273)/ 自立支援給付の基本的な手続の流れ (274)/ 障害者総合支援法と障害者ケアマネジメント (275)/ 地域生活支援事業と成年後見制度 (276)/ 障害者総合支援法と本人の意思決定の支援 (277)
4 日常生活自立支援事業 277
 目的 (277)/ 基本的な枠組みと視点 (278)/ 内容 (279)/ 具体的な手続の流れ (279)/ 成年後見制度の併用 (281)/ 日常生活自立支援事業が利用できない場合 (282)
第2節 福祉契約の法律関係 282
1 福祉契約の構造 282
2 福祉契約の法的性格 283
3 福祉契約の特色 283
第7章 身上監護と権利擁護 289
1 内容の整理 289
 ドイツ法 (289)/ アメリカ法 (290)/ イギリス法 (291)/ わが国の成年後見制度 (292)/ 成年後見制度と福祉の関係 (292)/ 社会福祉法制と福祉契約 (293)/ 小括 (293)
2 身上監護事項 293
 事実行為について (293)/ 成年後見制度と福祉の連携 (294)
3 身上監護とケアマネジメント 295
 成年後見法においてケアマネジメントを検討する意義 (295)/ 成年後見計画の作成 (297)/ 身上監護事項とケアマネジメント (297)
4 自己決定権の尊重と本人保護との調和 298
5 今後の課題 300

事項索引 (301)

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内容説明

成年後見制度の中でも生活全般の支援を含む「身上監護」に焦点を当てる。成年後見制度の対象者の多くは福祉の対象者でもあり、成年後見制度の理念は、ノーマライゼーション、自己決定権の尊重、残存能力の活用と本人の保護の調和である。本人の生活を支援するためには法律のみならず、医療・保健・福祉との連携を考慮する必要があると考え、その具体的な方法としてケアマネジメント手法を転用した援助が有効との視点から、成年後見制度においてケアマネジメントを議論の対象にする可能性を考慮しながら検討する。

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