目次
第1編 インフォームド・コンセントの法理
1 インフォームド・コンセントの法理・概説
2 インフォームド・コンセントの法的側面
3 インフォームド・コンセントと医薬品の臨床試験
4 インフルエンザ予防接種の実施方法の変更とインフォームド・コンセント
5 死因不明と医師の説明義務
6 インフォームド・コンセント取得義務違反と損害賠償額の算定
7 脳動静脈奇形(AVM)手術の説明義務違反事件(東京地判平8・6・21) 【判例評釈】
8 死因解明処置義務否定事件(東京高判平10・2・25) 【判例評釈】
第2編 民事過失と医療水準
1 未確立治療法に関する医師の説明義務
2 最近の歯科医療事故判例の動向
3 輸血梅毒事件判決の研究
4 診療契約に基づき医療機関に要求される医療水準(最判平7・6・9) 【判例評釈】
5 検査機関の誤った報告を信頼した医師の責任(札幌地判昭57・12・21) 【判例評釈】
第3編 脳死・臓器移植と法
1 脳死と法
2 死体に関する権利と献体法
3 新しい臓器移植法とその法的問題点
4 臓器移植法に関する国会公述人意見陳述(平成9年6月19日・大阪)
5 Organ Transplantation and Right to the Dead Body
第4編 医療事故と病院の責任
1 判例にあらわれた病院の使用者責任
2 医療事故における病院の自己責任
第5編 そ の 他
1 人体実験の主張が排斥された事例(仙台高判昭62・3・21)【判例紹介】
2 三宅島緑内障誤診事件(東京高判昭41・5・27)【判例解説】
3 往診と診療報酬(大阪高判昭60・2・13)【判例解説】
4 乳がんの確定診断遅延事件(東京高判昭58・6・15)【判例解説】
5 死因事後説明過誤事件(広島地判平4・12・21)【判例解説】
6 患者の人権
第6編 自著紹介
1 泉 正夫氏「金川琢雄著 診療における説明と承諾の法理と実情」
2 菅野耕毅氏「金川琢雄著 現代医事法学」
初出一覧(巻末)
内容説明
医事法学の最先端を歩き続けた著者の先見性溢れる論文集。第1編インフォームド・コンセントは、著者が最も注力し、また注目をあびたテーマであり、現代医療に問いかける意味は深い。第2編民事過失と医療水準、第3編脳死・臓器移植、第4編医療事故と病院の責任、第5編判例解説、等々、医事法学のいまを慧眼で導く。