ドイツ研究　47号

日本ドイツ学会学会誌第47号。ドイツ語圏を対象にして、人文科学の各専門分野から学際的議論を展開する「人文社会学的な総合学としての地域研究」誌。第47号では、メインテーマを「ドイツ・脱原発の選択」としたシンポジウムからの論稿7編、論文4編、トピック5編、研究余滴1編など。ドイツを<よりよく知る>ための知的窓口として、新しい地平を拓く。

シンポジウム　ドイツ・脱原発の選択
　はじめに〔村山　聡・藤原辰史〕
　ドイツにおける放射性廃棄物問題 ―─原子力をめぐるリスク認識〔佐藤温子〕
　ドイツ環境政策にみる複雑さ〔喜多川　進〕
　ドイツのエネルギー政策転換と気候変動〔ミランダ・A.シュラーズ〕
　原子力をめぐる社会運動・政党・労働組合の相互作用 ―─日独比較の観点から〔本田　宏〕
　ドイツにおける原子力施設反対運動の担い手たち ―─人々はなぜ運動に身を投じてきたのか？〔青木聡子〕
　日本におけるエネルギー自給自足建築の事例〔オスカー・バルテンシュタイン〕

論　文
　二大政党と社会国家のゆくえ〔平島健司〕
　ドイツにおける移民に対する差別と統合への課題 〔岡本奈穗子〕
　ナチス・ドイツの友好国と「人種」 ――日本人との結婚禁止と「混血児」〔中村綾乃〕
　ドイツ民法典における子どもの自立性への親の配慮の明文化過程 ―─「成年年齢の新規制に関する法律」（1974年）を手掛りに〔荒川麻里〕

トピックス
　「白バラ」研究の動向〔村上公子〕
　ドイツにおける学力向上方策〔長島啓記〕
　ドイツにおける日本マンガの受容について ――マンガ・ブームとその終焉〔細川裕史〕
　「暴力の監督」？―映画作家ミヒャエル・ハネケ〔井口祐介〕
　メルケル政権における連邦大統領の辞任問題について〔爲政雅代〕

研究余滴
　韓国でのドイツ研究の様子─私的見聞記〔三島憲一〕

書　評
　『翻訳の思想史―近現代ドイツの翻訳論研究』［三ツ木道夫 著］〔相澤啓一〕
　『ドイツ統治下の青島―経済的自由主義と植民地社会秩序』［浅田進史 著］〔磯部裕幸〕
　『パリ日記』（Das Pariser Tagebuch）［ エルンスト・ユンガー著（山本尤 訳）］〔田野大輔〕
　『「人道に対する罪」の誕生　ニュルンベルク裁判の成立をめぐって』［清水正義 著］〔福永美和子〕
　『知られざるドイツの冒険作家　カール・マイ』［戸叶勝也 著］〔保坂一夫〕
　『反核から脱原発へ─ドイツとヨーロッパ諸国の選択』［若尾祐司・本田宏 編著］〔森田直子〕

●執筆者紹介

学会通信
■2011年度ドイツ学会奨励賞授賞式（第7回）■受賞のあいさつ〈小原　淳〉■日本ドイツ学会案内

◇編集後記