プライマリー法学憲法（第2版）

初めて「法学」を学ぶ人が必要な法知識を、憲法を中心に学習する、新しいスタイルの法学入門テキスト。みぢかで、わかりやすい〔設問〕形式で始まり、講義に興味が持てるよう工夫されている。随所にある資料（資料1～資料68）も目をひき読みやすい。最新の法改正に対応した好評の第２版。

は　し　が　き

Ⅰ　法解釈学序論

第１章　法とは何か　2
１　「法」という言葉　2
２　社会規範としての法　4

第２章　法　の　理　念　7
１　法　の　理　念　7
２　正　　　義　9
３　合　目　的　性10
４　法的安定性11
５　法の理念における３つの究極的価値の関係12

第３章　法　の　体　系14
１　現行の国法体系14
２　法　の　種　類17
３　法の存在型式19
４　法　の　効　力22

第４章　法　の　解　釈26
１　法　の　適　用26
２　法　の　解　釈29

Ⅱ　市民生活と法

第５章　法における人間36
１　民法における人間36
２　医療技術の発達と人間42

第６章　契　　　約46
１　契約自由の原則46
２　消費者保護法（消費者法）55

第７章　不　法　行　為59
１　不法行為――損害の公平な分担59
２　特殊な不法行為64

第８章　所　有　権71
１　はじめに――物権と債権71
２　所有権絶対の原則とその制限73
３　売買による所有権の移転と対抗要件75
４　動産の即時取得――公信の原則77

第９章　家族生活と法79
１　婚　　　約79
２　婚姻の成立80
３　離　　　婚81
４　親　子　関　係82

第１０章　犯罪と刑罰87
１　犯罪とは何か87
２　刑法という法律88
３　刑法の目的と機能90
４　犯罪論の体系92
５　刑罰の意義94

第１１章　労働条件と法96
１　市民法と労働法96
２　勤労の権利と労働基本権97
３　労働条件に関する女性差別97
４　男女雇用機会均等法98
５　育児・介護休業法100
６　労働者派遣法101

第１２章　社会保障と法104
１　社会保障とは104
２　社会保障制度の変遷105
３　社会保障法体系111
４　社会保障における権利擁護111
５　社会保障と少子化114

第１３章　ジェンダーと法122
１　ジェンダーと法の関わり122
２　性差の階層と法をめぐる歴史126
３　民法と刑法における性差別規定の残滓128
４　ジェンダー法学の射程131

第１４章　民事訴訟の手続135
１　民事紛争とその解決方法135
２　民事訴訟のしくみ138

第１５章　刑事訴訟の手続150
１　刑事手続の意義150
２　刑事手続のアウトライン154
３　裁判の迅速化の要請162
４　裁判員制度の意義163

第１６章　法とコンピュータ――情報化社会が司法に与える影響――
　　　　　　165
１　デジタル化・ネットワーク化165
２　日本の司法のIT化166
３　海外での司法IT化の試み168
４　裁判手続のIT化の可能性169
５　裁判へのIT利用の意義170
第１７章　情　報　と　法175
１　メディア法175
２　マス・メディアによる人権侵害179

Ⅲ　日本国憲法

第１８章　日本国憲法の成立186
１　憲　法　と　は186
２　日本国憲法の成立188

第１９章　国民主権と象徴天皇制194
１　国　民　主　権194
２　天皇の地位196
３　天皇の権能197
４　皇位継承および皇室の財産199

第２０章　個人の尊厳と幸福追求権201
１　基本的人権の享有・個人の尊厳201
２　幸福追求権203
３　プライヴァシーの権利204
４　環　境　権208

第２１章　法の下の平等211
１　平　等　原　理211
２　差別的取扱いの禁止212
３　合理的区別216

第２２章　思想及び良心の自由217
１　思想及び良心の自由の独自性217
２　思想及び良心218
３　保障の態様220
４　私人間における人権規定の効力223

第２３章　信教の自由225
１　信教の自由の保障の意義と内容225
２　信教の自由の限界227
３　政教分離原則228

第２４章　表現の自由232
１　表現の自由の意義232
２　表現の自由の制約233
３　具体的諸問題235

第２５章　知　る　権　利240
１　報道の自由240
２　取材の自由241
３　情報公開請求権244
４　アクセス権・反論権245

第２６章　学問の自由247
１　学問の自由とは247
２　学問の自由の内容248
３　大学の自治251

第２７章　人身の自由254
１　奴隷的拘束・苦役からの自由254
２　適正手続の保障256
３　被疑者の権利259
４　被告人の権利262
５　拷問及び残虐な刑罰の禁止263
６　刑罰法規の不遡及・二重処罰の禁止264

第２８章　経済的自由266
１　経済的自由の意義266
２　職業選択の自由267
３　居住・移転の自由と制限273
４　財産権の保障と制限274
第２９章　社会権の保障278
１　社会権の特徴と意義278
２　生　存　権279
３　教育を受ける権利282
４　勤労の権利284
５　労働基本権284

第３０章　国　　　会288
１　国会の地位288
２　国会の組織291
３　国会の活動294

第３１章　内　　　閣299
１　議院内閣制299
２　内閣の構成300
３　内閣総理大臣の地位と権限301
４　内閣の行政権303
５　内閣の職務304
６　内閣府の設置305
７　内閣の責任306
８　独立行政委員会306
９　今後の問題点――首相公選論307

第３２章　裁　判　所308
１　裁判所の性格・司法権308
２　裁判官の（職権の）独立312
３　裁判所の種類・構成313
４　裁判の公開316
５　違憲法令審査権318

第３３章　財　　　政320
１　財政原則と憲法原理320
２　租税法律主義321
３　財政支出に関する原則323
　
第３４章　地　方　自　治326
１　地方自治の保障326
２　地方公共団体の種別・事務328
３　条例の制定332
４　住民の権利332
　
第３５章　憲　法　保　障336
１　憲　法　改　正336
２　憲法の最高法規性338
３　憲法尊重擁護義務341
　
第３６章　平　和　主　義343
１　基本原則としての平和主義343
２　戦争の放棄344
３　自衛隊に関する判例348
４　自衛隊の海外出動350
５　安保体制と平和主義352


【資料】　日本国憲法355
事項索引365