目次
はしがき
第1章 外国法を学ぶことの意義
[教材事例]
1 徳島地方裁判所昭和44年12月16日判決(アメリカ人弁護士との委任契約:弁護士報酬請求事件)
2 札幌地方裁判所昭和59年6月26日判決(ジンバブエ離婚法)
3 最高裁判所(3小)平成10年4月28日判決(インド人の訴訟における敗訴者負担の原則)
[講義概要]
§1.1 法律実務における外国法の意義
§1.2 国際結婚に関する事例
§1.3 法律実務としての外国法の調査
§1.4 日本の弁護士の外国法の調べ方
◆参考コラム [アメリカ合衆国ニューヨーク州,香港,インド,ジンバブエ]
第2章 外国法研究の目的と外国法の調べ方
[教材事例]
1 最高裁判所(1小)昭和58年3月24日判決(遠洋マグロ業界の慣習法)
2 東京地方裁判所平成8年2月7日判決(国際銀行融資契約[保証契約]に関係するフランス法)
3 東京地方裁判所昭和35年7月20日判決(ベルギー法:カメラ売買契約義務の履行請求)
4 最高裁判所(3小)昭和58年6月7日判決(売掛代金の取立て:アメリカ合衆国の判決の承認執行)
[講義概要]
§2.1 日本と外国とのかかわり方
§2.2 どの程度の外国法調査が必要か
§2.3 銀行融資契約に関する外国法
§2.4 カメラ売買契約とベルギー法
§2.5 民事訴訟法118条4号(相互の保証)の判断基準
§2.6 日本における外国法の調査研究
◆参考コラム [フランス,ベルギー,アメリカ合衆国(連邦)]
第3章 国際裁判管轄の考え方
[教材事例]
1 最高裁判所(2小)昭和56年10月16日判決(マレーシア航空事件)
2 東京地方裁判所平成12年7月25日判決(スイス銀行に対する不当利得返還請求事件)
3 東京地方裁判所平成16年1月30日判決(フランス人の夫に対する離婚請求訴訟)
4 東京地方裁判所昭和62年8月28日判決(中華人民共和国国民の所有する海外資産の相続)
5 大阪高等裁判所平成11年2月26日判決(寺岡造船とパナマ共和国との造船契約)
[講義概要]
§3.1 マレーシア航空事件
§3.2 不当に送金された代金の返還請求訴訟
§3.3 離婚訴訟の国際裁判管轄権
§3.4 中華人民共和国国民の所有する海外資産の相続
§3.5 国際的専属裁判管轄の合意がある場合
◆参考コラム [マレーシア,スイス連邦,中華人民共和国,パナマ共和国]
第4章 比較法文化論の入り口 ――大陸法と英米法――
[教材事例]
1 大阪地方裁判所昭和52年12月22日判決(関西鉄工所事件:製造物責任)
2 名古屋地方裁判所平成16年5月27日判決(中華航空事故:損害賠償額の算定)
3 東京地方裁判所昭和35年7月21日判決(法人の継承:外国判決の承認)
4 大分地方裁判所平成9年11月12日判決(親子関係不存在確認請求事件)
[講義概要]
§4.1 比較法とは何か?
§4.2 比較法の目的と機能
§4.3 製造物責任法の日米比較
§4.4 飛行機墜落事故の損害賠償額の算定
§4.5 大陸法と英米法の比較
§4.6 親子関係不存在確認訴訟
◆参考コラム [アメリカ合衆国ワシントン州,日米友好通商航海条約,中華民国(台湾)]
第5章 法律家の資格と社会的役割
[教材事例]
1 神戸地方裁判所昭和38年7月18日判決(船荷証券の裁判管轄合意条項が争われた事例)
2 東京高等裁判所平成16年6月29日判決(国際取引法の教授が弁護士としての資質があるとされた事例)
3 最高裁判所(大)平成13年3月30日判決(裁判官の分限責任が問われた事例)
[講義概要]
§5.1 法曹の比較法社会学
§5.2 法曹人としての法学者
§5.3 日本の裁判官の外国法に対する姿勢
§5.4 船荷証券の裁判管轄合意条項が争われた事例
§5.5 法学者の実務家としての資質
§5.6 裁判官の日常生活の在り方
◆参考コラム [オランダ国アムステルダム;ABA裁判官行為規範;リーガル・マインド]
第6章 法学教育 ――ロー・スクールとインズ・オブ・コート――
[教材事例]
1 京都地方裁判所平成17年5月25日判決(不公正契約条項法による不当利得返還請求事件)
2 東京地方裁判所平成22年6月9日判決(相続に関する業務委託契約:不当利得返還請求事件)
3 東京地方裁判所平成17年12月27日判決(ガボン共和国大使の不動産売買契約)
[講義概要]
§6.1 ソクラティック・メソッドの意義
§6.2 日本における法曹教育
§6.3 アメリカの法学教育とケース・ブック
§6.4 ケース・メソッドによる講義
§6.5 ケース・サンプル1(不当利得の事例)
§6.6 ケース・サンプル2(通謀虚偽表示の事例)
◆参考コラム [アメリカ合衆国コロンビア地区(首都ワシントン);ガボン共和国]
第7章 裁判所に対する社会の期待
[教材事例]
1 東京地方裁判所平成15年3月11日判決(中華民国人強制労働事件)
2 甲府地方裁判所昭和52年3月31日判決(行政における自然的正義)
[参考文献]
1 山口俊夫編『フランス法辞典』;滝沢正『フランス法(第4版)』
2 村上淳一=H.P. マルチュケ『ドイツ法入門』
3 田島裕「特別裁判所 ――The Council on Tribunalsの重要性について」;同「新しいイギリスの最高裁判所」
[講義概要]
§7.1 中国人強制労働事件
§7.2 自然的正義(natural justice)による判決
§7.3 フランスの裁判所とドイツの裁判所
§7.4 イギリスの裁判所
§7.5 フランス行政裁判所とイギリス特別裁判所の比較
§7.6 上告審の問題
◆参考コラム [日中平和友好条約;大法官;フランス共和国;ドイツ連邦共和国]
第8章 アメリカの裁判所 ――「憲法訴訟」の意義――
[教材事例]
最高裁判所(大)昭和49年11月6日判決;札幌高等裁判所昭和44年6月24日判決;旭川地方裁判所昭和43年3月25日判決(猿払訴訟)
[参考文献]
芦部信喜「序論:憲法訴訟論の課題」『講座憲法訴訟第一巻』(1987年);新正幸『憲法訴訟論(第2版)』(2010年)
[講義概要]
§8.1 アメリカ法の二元性
§8.2 ニューヨーク州の裁判所
§8.3 憲法訴訟
§8.4 猿払事件の分析検討
§8.5 エクイティ裁判所としての最高裁判所
§8.6 デュー・プロセス訴訟
◆参考コラム [アメリカ合衆国ニューヨーク州;サーシオレイライ;マンディマス]
第9章 国民の司法参加 ――現代社会における陪審制の意義――
[教材事例]
静岡地方裁判所平成22年3月3日判決(裁判員裁判)
[参考文献]
1 最高裁判所事務総局刑事局『我が国で行われた陪審裁判』(1995年)
2 日本弁護士連合会司法改革推進センター=東京三弁護士会陪審制度委員会(編)『デンマークの陪審制・参審制』(1998年)
[講義概要]
§9.1 日本の裁判員制度
§9.2 国民の司法参加に向けた動向
§9.3 英米の陪審制度
§9.4 ヨーロッパ諸国における陪審制・参審制の意義
§9.5 刑事裁判と真実の発見
◆参考コラム [デンマーク;北欧諸国の陪審制;フランスの参審制;ドイツの陪審制]
第10章 法律解釈の方法とフィクション
[教材事例]
1 最高裁判所(大)昭和39年11月18日判決(外国人の基本的人権)
2 大阪高等裁判所平成11年2月26日判決(寺岡造船事件:イギリス法の解釈の適用例)
3 東京高等裁判所平成10年5月26日判決(生活協同組合コープかながわ酒類販売業免許拒否事件)
4 東京高等裁判所昭和42年9月18日判決(賃貸借契約の特約違反が問題となった事例)
[講義概要]
§10.1 類推による解釈
§10.2 英米法の法律解釈
§10.3 立法者意思の問題
§10.4 国際法による法律解釈のルール
§10.5 日本法の法律解釈との比較
§10.6 憲法判断を含む法律解釈の理論
§10.7 フィクション論
◆参考コラム [世界人権宣言と国際人権規約;フィクション論;実体的デュー・プロセス]
第11章 法源としての判例法
[教材事例]
1 東京地方裁判所平成15年3月11日判決(中国人強制労働に対する国家賠償責任[消極])
2 東京高等裁判所昭和42年3月18日判決(密入国した大学生に対する退去強制命令の停止)
3 東京地方裁判所平成4年7月29日判決(相続税更生処分取消請求)
[講義概要]
§11.1 法律事務における外国法の意義
§11.2 法源となる判例の変更
§11.3 判例法の拘束力
§11.4 イギリス法の先例拘束性の原理
§11.5 国際私法における「判例法」
◆参考コラム [カードウゾ;グランヴィル・ウィリアムズ]
第12章 先例拘束性の原理
[教材事例]
1 最高裁判所(3小)平成6年10月25日判決(借地契約解除の正当事由と立退料)
2 最高裁判所(大)昭和43年11月13日判決(利息制限法)
[講義概要]
§12.1 「判例変更」の意味
§12.2 日本法の先例拘束性の原理
§12.3 「区別」の技術
§12.4 法源としての判例法
§12.5 日本の司法慣行が改良を必要とすること
◆参考コラム [グッドハート理論;判決理由と傍論]
第13章 諸外国の基本法 ――イギリス憲法――
[教材事例]
1 東京地方裁判所昭和37年1月22日判決(国会乱闘事件)
2 大阪高等裁判所平成3年5月27日判決(公職選挙と憲法習律)
3 甲府地方裁判所昭和52年3月31日判決(行政における自然的正義)
[講義概要]
§13.1 国会乱闘事件の分析検討
§13.2 選挙無効請求事件の分析
§13.3 イギリス憲法
§13.4 議会主権
§13.5 法の支配
§13.6 地方自治の伝統
◆参考コラム [ハンス・ケルセン;ド・ロルム;ダイシー]
第14章 諸外国の基本法 ――憲法典――
[教材事例]
1 東京地方裁判所昭和37年1月22日判決(国会乱闘事件)
2 最高裁判所(3小)昭和56年4月7日判決(寄付金返還請求事件[板曼荼羅(いたまんだら)事件])
3 大阪地方裁判所平成4年11月24日判決(即位の礼事件)
4 静岡地方裁判所平成11年10月12日判決(ブラジル人差別事件)
5 東京地方裁判所平成15年3月11日判決(中国人強制労働事件)
[講義概要]
§14.1 憲法典をもつことの意義
§14.2 戦後初期の「憲法解釈」
§14.3 板曼荼羅事件
§14.4 「即位の礼」事件
§14.5 「法の下の平等」の考え方
§14.6 中国人強制労働事件
§14.7 三権分立の原理
◆参考コラム [フランス憲法;ドイツ憲法;アメリカ憲法]
第15章 外国法の諸領域 ――土地法・財産法――
[教材事例]
1 最高裁判所(大)昭和38年6月26日判決(奈良県溜池条例)
2 東京高等裁判所平成20年9月25日判決(土壌汚染に対する瑕疵担保責任)
3 最高裁判所(1小)平成18年3月30日判決(国立マンション建設差止事件)
4 最高裁判所(3小)昭和62年11月10日判決(集合動産譲渡担保)
[講義概要]
§15.1 財産権の公共利用のための土地規制
§15.2 土壌汚染に対する瑕疵担保責任
§15.3 国立「景観権」保護訴訟
§15.4 「所有権」の概念
§15.5 ヨーロッパ人権規約による「財産権」の保障
◆参考コラム [ジョン・ロック;アメリカ合衆国キャリフォーニア州]
第16章 外国法の諸領域 ――家族法・相続法・信託法――
[教材事例]
1 最高裁判所(2小)平成8年6月24日判決(日本人(夫)がドイツに居住するドイツ人(妻)に対する離婚請求訴訟)
2 名古屋家庭裁判所昭和57年9月29日判決(インド人離婚調停事件)
3 大分地方裁判所平成9年11月12日判決(親子関係不存在確認請求事件)
4 最高裁判所(3小)平成5年10月19日判決(人身保護請求事件)
5 京都地方裁判所昭和32年10月17日判決(イギリス人とカナダ人の夫婦が設定した信託財産の配分)
[講義概要]
§16.1 離婚の裁判管轄
§16.2 名古屋離婚調停事件の分析
§16.3 親子関係不存在確認請求事件
§16.4 子供の親権と幸福
§16.5 家族信託の日本における解釈
◆参考コラム [比較家族法研究;イギリスの人身保護法;英米信託法]
第17章 外国法の諸領域 ――契約法の理論――
[教材事例]
1 東京高等裁判所平成21年7月30日判決(外国人弁護士の雇用契約)
2 東京地方裁判所平成18年11月29日判決(アフリカ・パッケージ・ツア旅行契約)
3 東京高等裁判所昭和62年3月17日判決(木材輸出入ジョイント・ベンチャー契約)
4 東京高等裁判所平成15年5月28日判決(ダリ絵画著作権侵害事件)
5 東京地方裁判所平成3年11月22日判決(サイゴンマリタイム事件)
[講義概要]
§17.1 契約の成立
§17.2 国際取引契約
§17.3 インドネシア木材
§17.4 著作権侵害
§17.5 海外の雇用契約
§17.6 日本民法債権法の改正と比較法
◆参考コラム [南アフリカ共和国;ボツワナ共和国;ジンバブエ共和国;インドネシア共和国;ベトナム社会主義共和国;スペイン]
第18章 外国法の諸領域 ――不法行為法の理論――
[教材事例]
1 鹿児島地方裁判所平成20年5月20日判決(カプセル入り玩具の幼児によるカプセル誤飲)
2 東京高等裁判所昭和63年3月11日判決(クロロキン製剤製造物責任判決)
3 名古屋地方裁判所平成14年4月22日判決(中国漢方薬副作用判決)
4 最高裁判所(1小)昭和36年2月16日判決(東京大学梅毒輸血事件)
5 札幌高等裁判所平成16年2月27日判決(コスモヒューチャーズ金融商品取引事件)
6 最高裁判所(2小)平成9年7月11日判決(懲罰的損害賠償を命じたアメリカ判決の執行を「公序」により拒否した事例)
[講義概要]
§18.1 「故意」「過失」「厳格責任」
§18.2 薬品の製造者の消費者に対する責任
§18.3 医療過誤訴訟
§18.4 投資契約の説明義務違反
§18.5 懲罰的損害賠償
§18.6 現代法における過失責任主義
◆参考コラム [リステートメント(第2版)不法行為法;ヨーロッパ不法行為法]
第19章 外国法の諸領域 ――現代刑法理論――
[教材事例]
1 最高裁判所(3小)平成16年1月20日判決(保険金取得を目的とした自殺の強要)
2 東京高等裁判所平成14年9月4日判決(フィリピン人強制退去事件)
3 大阪高等裁判所平成14年6月14日判決(共謀により法人税の脱税が図られた事例)
4 最高裁判所(大)昭和32年2月15日判決(懲役15年から無期懲役への変更が適法とされた事例)
[講義概要]
§19.1 英米法における罪刑法定主義
§19.2 適正手続(デュー・プロセス法理)
§19.3 外国人の犯罪
§19.4 共謀罪の議論
§19.5 適正な量刑
◆参考コラム [イタリア共和国;旧派と新派の刑法理論;アメリカの当事者主義]
第20章 外国法の諸領域 ――行政法――
[教材事例]
1 東京地方裁判所平成16年11月5日判決(出入国管理令違反事件)
2 大阪地方裁判所平成20年1月23日判決(在日韓国人の教育を受ける権利)
3 東京地方裁判所平成20年4月24日判決(鹿児島大学の研究を実施した商品の製造物責任を認めた事例)
4 最高裁判所(3小)昭和57年7月13日判決(田子の浦市ヘドロ公害住民訴訟)
[講義概要]
§20.1 行政法とは何か
§20.2 行政法の範囲の拡大
§20.3 外国人の出入国管理
§20.4 行政訴訟:福祉サービスを受ける権利
§20.5 行政処分の恣意性の司法審査
§20.6 産官学共同研究事業にかかわる公的契約
§20.7 納税者訴訟
◆参考コラム [フィリピン共和国;コロンビア;イラン・イスラム共和国;アフガニスタン・イスラム共和国;ブラジル]
第21章 外国法の諸領域――会社法・銀行法――
[教材事例]
1 東京地方裁判所平成16年3月15日判決(ノンバンクへの融資と経営判断の責任)
2 名古屋地方裁判所平成16年3月17日判決(金融商品の詐欺的売買)
3 大阪地方裁判所平成12年9月20日判決(大和銀行事件株主代表訴訟)
4 東京高等裁判所平成17年6月15日判決(コンプライアンス違反の事例)
5 最高裁判所(1小)平成18年2月23日判決(クック諸島やケイマン島に設立したダミー会社を利用した租税回避事件)
6 東京高等裁判所平成18年3月15日判決(ノーハウ使用許諾契約に基づくロイヤルティの損金扱いの違法性)
7 最高裁判所(2小)平成12年7月7日判決
(野村證券が大口顧客に対し損金補填)をしたことは経営判断の法理違反であると主張した株主代表訴訟)
[講義概要]
§21.1 経営判断の法理
§21.2 金融商品の詐欺的売買
§21.3 コンプライアンス違反
§21.4 不公正な新株発行
§21.5 国際租税法
§21.6 ライセンス契約のロイヤルティ
§21.7 株主代表訴訟
◆参考コラム [ニュージーランド;クック諸島;ケイマン島;ルクセンブルグ大公国;クラス・アクション]
第22章 アメリカ法思想 ――自然法とリアリズム――
[教材事例]
1 最高裁判所(大)昭和63年6月1日判決(山口県自衛隊合祀訴訟)
2 最高裁判所(2小)昭和62年4月24日判決(新聞記事に対する反論権)
3 最高裁判所(3小)平成2年2月6日判決(西陣織ネクタイ事件)
4 最高裁判所(3小)平成19年3月20日判決
(児童遊園の設立許可のためパチンコ店の営業の禁止が違法とされ、寄付者が不法行為責任を問われた事例)
[講義概要]
§22.1 アメリカ自然法論
§22.2 日本の最高裁判所による違憲立法審査
§22.3 言論の自由とアメリカの民主主義
§22.4 ソーシャル・ダーウィニズム
§22.5 営業の自由に関する判例
§22.6 「営業の自由」の規制の違憲審査基準
§22.7 ホームズのリアリズム
◆参考コラム [ジェファーソン;マーシャル;スペンサー;ホームズ]
第23章 救済方法(損害賠償)
[教材事例]
1 最高裁判所(1小)昭和41年9月8日判決(第三者の土地を売却した者の賠償責任)
2 広島地方裁判所昭和60年3月25日判決(診療契約違反に対する損害賠償請求事件)
3 最高裁判所(3小)平成9年2月25日判決
(顆粒球減少症の起因剤の認定に経験則違反がある.しかし,配慮違反は認められる,とした判決)
4 最高裁判所(2小)昭和40年4月16日判決
(岩手大学の学生がバイクの違法運転中,警官の追跡を逃れるときに死亡した事件で,道路管理の過失が認められた事例)
5 高松高等裁判所平成3年6月25日判決(中国人が自動車事故の被害者となった場合の損害賠償額の算定)
[講義概要]
§23.1 民法の損害賠償に関する規定
§23.2 アメリカ判例法の損害賠償額の一般的算定方法
§23.3 医療過誤訴訟における損害賠償額の算定
§23.4 予見可能性と相当因果関係
§23.5 過失相殺の問題
§23.6 交通事故に関する損害賠償基準
§23.7 懲罰的損害賠償の問題
◆参考コラム [法政策学;コーク;ブラックストーン;ポチエ]
第24章 救済方法(エクイティの救済)
[教材事例]
1 最高裁判所(大)昭和56年12月16日判決(大阪空港夜間発着禁止請求事件)
2 東京高等裁判所平成17年3月3日判決(インターネット電子掲示板上の著作権侵害発言の差止が認められた事例)
3 東京地方裁判所平成15年3月11日判決(中国人強制労働に対し損害賠償を求めた事件)
4 最高裁判所(3小)平成11年11月24日判決(不動産妨害排除・明渡請求事件)
[講義概要]
§24.1 シェクスピア・ベニスの商人の法律学的検討
§24.2 差止命令
§24.3 差止命令
§24.4 原状回復の救済方法
§24.5 謝罪・慰謝料の問題
§24.6 懲罪的損害賠償
§24.7 その他のエクイティによる救済方法
◆参考コラム [ベイコン;ホッブス]
第25章 外国法と国際法
[教材事例]
1 東京地方裁判所平成15年7月31日判決(業務管理的国家行為にたいしては民事裁判管轄が認められる)
2 最高裁判所(大)昭和44年4月2日判決(地方公務員とストライキ権;ILO条約の解釈)
3 東京高等裁判所平成13年10月11日判決(ヘーグ陸戦条約は個人に出訴権を与えるものではない.戦争被害に関する請求権は消滅した)
4 京都地方裁判所平成21年10月28日判決(シベリア抑留について国家損害賠償補償を求めた事件)
[講義概要]
§25.1 バンコ・ナショナル・ド・キューバ事件
§25.2 ナウル共和国円貨債券発行の事件
§25.3 労働基本権のILO条約
§25.4 「戦争と平和」の法
§25.5 日米友好通商条約
§25.6 日ロ関係の国際法事例
◆参考コラム [キューバ;ナウル共和国;フィリピン共和国;ロシア]
第26章 21世紀の司法改革 ――国民の司法参加と裁判外の紛争解決――
[教材事例]
1 最高裁判所(2小)平成9年9月4日判決(国際仲裁契約の成立および効力の準拠法は当事者の意思による)
2 名古屋地方裁判所昭和62年2月26日判決(アメリカの会社との一括販売契約に関する紛争のAAAによる仲裁事例)
3 東京高等裁判所平成13年5月30日判決(アメリカ著作権法の無方式主義と国際仲裁)
[講義概要]
§26.1 わが国の司法改革
§26.2 日本法律家協会と日本弁護士連合会の歴史的役割
§26.3 国民のための司法制度の実現
§26.4 司法支援センターの設立
§26.5 国際仲裁による紛争解決
◆参考コラム [国際仲裁の問題点]
第27章 国際社会における日本の地位とヨーロッパ連合の形成
[教材事例]
1 最高裁判所(1小)平成15年11月27日判決(沖縄土地収用委員会の決定の取消しを求めた訴訟)
2 最高裁判所(2小)平成20年9月26日決定(ナイジェリア人の不法入国と強制退去手続;マックリーン判決の射程距離と国際慣習法)
3 東京地方裁判所平成10年5月27日判決(ドイツ製薬会社が日本の製薬会社を訴えた事例)
4 神戸地方裁判所平成14年3月26日判決(地震保険における「地震」の定義をEU法に求めた事例)
5 最高裁判所(1小)平成10年6月25日判決(ビッグバンの時代の説明義務違反)
[講義概要]
§27.1 国際社会における日本の地位
§27.2 国際社会におかれた日本の地位
§27.3 国際連合およびその関連機関
§27.4 国連以外の国際組織と国際的専門機関
§27.5 ヨーロッパ連合の形成とその法律
§27.6 ヨーロッパ連合とは何か
§27.7 その他の専門的国際機関の法
◆参考コラム [ヨーロッパ憲法]
第28章 世界法秩序の展望
[教材事例]
1 東京地方裁判所平成18年2月15日判決(国策移民が国家賠償法により2,000万円の損害賠償を求めた事例)
2 最高裁判所(3小)平成7年2月28日判決(外国人に選挙権を認めない公職選挙法は合憲とした事例)
[参考文献]
1 田中耕太郎『世界法の理論』(1933年)
2 C. F. AMERASINGHE, PRINCIPLES OF THE INTERNATIONAL LAW OF INTERNATIONAL ORGANIZATIONS(1996)
[講義概要]
§28.1 世界平和を希求する日本国民
§28.2 日本国憲法の下での外国人の選挙権
§28.3 法律実務家による外国留学の在り方
§28.4 日本のプロフェションの進むべき途
§28.5 世界法秩序の将来展望
◆参考コラム [カントの世界平和;田中耕太郎の『世界法の理論』全3巻;日本国憲法前文]
判例索引
法令索引
事項索引
内容説明
日本の判例を手がかりに、外国法との比較を通じて、司法制度から法学教育制度、各法領域や救済方法の法原則までその輪郭を描く。日本法のあり方や諸原理を外国法から捉え直すとともに外国法そのものを概観することもできる新しい形式の教科書。法の、より深遠・根源的な理解を求める読者向け。記述は平易だが、内容は深い。