目次
白井 誠(元衆議院事務局議事部長) 著
はじめに
第Ⅰ章 導入:「国会の法」
1 議院法伝統,会派による運営と先例
2 議長の権限と会派による運営(先例による運営)との関係
3 現在へ
4 先例という言葉の曖昧さ
5 55年体制が指向したもの
6 委員会制度の変容:国対と議院運営委員会と他の各委員会
7 二院制の一院制的運用
8 小 括
第Ⅱ章 会派による運営:法規と先例の関わり
◆会派による運営
1 国会の動態を決定づけているもの
2 会派の自治・所属議員の管理
イ 会派とその異動
ロ 議員の欠席
ハ 議員の請暇
ニ 常任委員,特別委員の選任/委員の任期
ホ 委員の辞任・補欠(委員の任期の例外)
ヘ 議案提出の賛成者要件
3 議院の構成への会派の反映
イ 議長,副議長の選挙
ロ 仮議長
ハ 常任委員及び特別委員の選任
ニ 常任委員長の選挙
ホ 特別委員会の設置
ヘ 特別委員長の互選
ト 委員会の理事(理事会の構成)
4 会派の協議
(a) 協議の場(議院運営委員会の理事会と他の委員会の理事会)
(b) 協議の対象(会議の設定,議案の審議等)
イ 本会議日時の設定
ロ 議事日程とその順序変更又は追加
ハ 対案・同一議案の議決
ニ 再質疑
ホ 決議案 A(一般規定・一般原則)
ヘ 決議案 B(不信任あるいは解任決議案)
(c) 議員の権能の調整
① 議案提出(発議)権/② 発言権/③ 表決権
【発言者の数と順位/発言時間】
5 会派の協議が及ばないもの
イ 定足数
ロ 議長の決裁権
ハ 議員の辞職
ニ 両院間手続と先例(会期の不継続と国会法83条の4(現行83条の5))
〈a 前段:2回国会,国会法68条ただし書付加の理由〉
〈b 2回国会,国会法68条ただし書付加の審議過程〉
〈c 上記がもたらした影響:議案の審議過程の不継続(衆議院)〉
〈d 昭30年改正,国会法83条の4(現行83条の5)のもととなった先例〉
〈e 会期不継続の原則と両議院関係〉
〈f 参議院の準立法期への配慮〉
6 両議院関係制度について
7 内閣との関係について
8 会派による運営の変容との関係
第Ⅲ章 事例からの考察
1 内閣総理大臣の指名
1 内閣の総辞職
2 「議決」の意味
3 「国会の議決」の意味
4 憲法56条をめぐる学説への影響
5 帝国憲法46・47条と「選挙」/憲法56条と「選挙」
6 議決と選挙:それぞれの運用
7 総理指名の両議院関係
8 先議・後議の関係にない意味
9 参議院による両院協議会の請求
10 両院協議会の議題
2 衆議院の解散
(事例)
1 内閣不信任決議案その他,解散の本会議からみる7条解散
イ 会議中の伝達〈内閣不信任決議案の議事中又は可決後〉
ロ 会議中の伝達〈その他〉
ハ 会議の開かれない日の伝達
2 7条解散の様相
【事例の補足:162回国会平17・8・8郵政解散当日の流れ】
3 臨時会及び特別会の会期,会期の延長
(事例)
〈法規と先例の概要〉
1 会期(延長)協議のスタート
2 会期及び会期延長決定の基本形
3 衆議院の議決の優越とその意味
4 会期の召集日議決
【事例の背景と補足】
4 議案提出の機関承認
(事例)
〈法規と先例の概要〉
1 会派による議案提出
2 賛成者要件と機関承認の分離/「確立された先例」の意味の変容
【事例の背景: 国民投票法案】
追記(1) 追記(2)
5 議案の本会議趣旨説明
(事例1)(事例2)
1 制度の成立ち
2 制度の変容
3 本会議趣旨説明要求と委員会付託
【事例の背景と補足】
6 議長の決裁権
(事例)
〈法規と先例の概要〉
1 消極に解することの先例集上の変化
2 消極に解してきたことの意味
3 議長決裁権の現在
【事例の補足】
7 一事不再議
(事例1)
1 一事不再議とは
2 回付案,両院協議会成案の審議
3 複数の修正案の採決
4 議決不要
(事例2)
5 対案の処理
6 一事不再議と議長不信任決議案等,そして内閣不信任決議案の場合
【事例の背景と補足】
8 国政調査
(事例)(補足)
1 議案審査の特別委員会と調査の特別委員会
2 国政調査の意味とその変化
3 国会に置かれた原発事故調査員会
【委員会活動の概略】
9 国家公務員等の国会同意人事
1 国会同意人事とは
2 国会同意人事に関する規定の生成と変遷
3 不同意による欠員の事態をめぐって
4 両議院の同意の意味
【事例:日本銀行総裁同意人事をめぐる問題とその影響】
10 議案の送付と受理
(事例)
1 両議院関係制度を繋ぐ手続
2 政治判断の意味と限界
【事例の背景と補足】
11 両議院関係制度(1):生成と変遷から現在を読む
◇第Ⅰ期 憲法,国会法制定時の両議院関係規定の審議
1 憲法改正案59 条の貴族院修正
2 国会法案の立案と制定
3 曖昧さの始まり
4 二つの副作用
5 国会法92条1項の意味
6 旧憲法38条・39条と議院法55条の関係
◇第Ⅱ期 昭和30年改正国会法
1 返付規定の創設
2 挫 折
◇第Ⅲ期 ねじれ下の現象
1 憲法59条と国会法56条の4をめぐって
2 対立と論争
3 対案が「同一の議案」ではないということの意味
4 国会法56条の4は一事不再議の問題なのか
5 返付規定の波紋
6 おわりに
12 両議院関係制度(2):再議決
(事例)
【背景と補足】
13 両議院関係制度(3):両院協議会
1 両院協議会協議委員選任の先例
2 衆議院の議決の優越と両院協議会の関係
【事例とその補足】
【参考:両院協議会のモデルケース】
事項索引
法令索引
先例索引
〈参考目次〉
参考Ⅰ- 1 部属と委員の選任
Ⅰ- 2 先例による会派受容の例:議席指定
Ⅰ- 3 議院法改正の挫折:常置委員会
Ⅰ- 4 各派交渉会
Ⅰ- 5 国会法46条1項:委員選任規定の経緯
Ⅰ- 6 各派交渉会と議院運営委員会
Ⅰ- 7 議長斡旋,議長裁定
Ⅰ- 8 憲法解釈を確定する先例
Ⅰ- 9 与野党筆頭理事間協議
Ⅰ- 10 予算の提出・付託と政府の演説
Ⅰ- 11 一院制的運用
参考Ⅱ- 1 国会法56条の2の源流①(1回国会の混乱)
Ⅱ- 2 緊急質問
Ⅱ- 3 質問主意書
Ⅱ- 4 議案の審議過程の不継続をめぐる問題
Ⅱ- 5 懲罰事犯の継続
Ⅱ- 6 国会審議活性化法
Ⅱ- 7 先例の法規化
Ⅱ- 8 先例集上の「議院運営委員会」と「議院運営委員会理事会」
参考Ⅲ- 1 内閣総理大臣が「辞表を提出したとき」(国会法64条)
Ⅲ- 2 帝国議会から国会への継続
Ⅲ- 3 解散の効果
Ⅲ- 4 会期延長の回数制限
Ⅲ- 5 「確立された先例」という表現のルーツ
Ⅲ- 6 議案の賛成者要件と存続要件
Ⅲ- 7 国会法56条の2の源流②
Ⅲ- 8 重要広範議案
Ⅲ- 9 議長が消極に決した例(帝国議会)
Ⅲ- 10 内閣総理大臣問責決議案(参議院)
Ⅲ- 11 予算と予算関連法案(特に歳入法案)の一体性
はじめに
第Ⅰ章 導入:「国会の法」
1 議院法伝統,会派による運営と先例
2 議長の権限と会派による運営(先例による運営)との関係
3 現在へ
4 先例という言葉の曖昧さ
5 55年体制が指向したもの
6 委員会制度の変容:国対と議院運営委員会と他の各委員会
7 二院制の一院制的運用
8 小 括
第Ⅱ章 会派による運営:法規と先例の関わり
◆会派による運営
1 国会の動態を決定づけているもの
2 会派の自治・所属議員の管理
イ 会派とその異動
ロ 議員の欠席
ハ 議員の請暇
ニ 常任委員,特別委員の選任/委員の任期
ホ 委員の辞任・補欠(委員の任期の例外)
ヘ 議案提出の賛成者要件
3 議院の構成への会派の反映
イ 議長,副議長の選挙
ロ 仮議長
ハ 常任委員及び特別委員の選任
ニ 常任委員長の選挙
ホ 特別委員会の設置
ヘ 特別委員長の互選
ト 委員会の理事(理事会の構成)
4 会派の協議
(a) 協議の場(議院運営委員会の理事会と他の委員会の理事会)
(b) 協議の対象(会議の設定,議案の審議等)
イ 本会議日時の設定
ロ 議事日程とその順序変更又は追加
ハ 対案・同一議案の議決
ニ 再質疑
ホ 決議案 A(一般規定・一般原則)
ヘ 決議案 B(不信任あるいは解任決議案)
(c) 議員の権能の調整
① 議案提出(発議)権/② 発言権/③ 表決権
【発言者の数と順位/発言時間】
5 会派の協議が及ばないもの
イ 定足数
ロ 議長の決裁権
ハ 議員の辞職
ニ 両院間手続と先例(会期の不継続と国会法83条の4(現行83条の5))
〈a 前段:2回国会,国会法68条ただし書付加の理由〉
〈b 2回国会,国会法68条ただし書付加の審議過程〉
〈c 上記がもたらした影響:議案の審議過程の不継続(衆議院)〉
〈d 昭30年改正,国会法83条の4(現行83条の5)のもととなった先例〉
〈e 会期不継続の原則と両議院関係〉
〈f 参議院の準立法期への配慮〉
6 両議院関係制度について
7 内閣との関係について
8 会派による運営の変容との関係
第Ⅲ章 事例からの考察
1 内閣総理大臣の指名
1 内閣の総辞職
2 「議決」の意味
3 「国会の議決」の意味
4 憲法56条をめぐる学説への影響
5 帝国憲法46・47条と「選挙」/憲法56条と「選挙」
6 議決と選挙:それぞれの運用
7 総理指名の両議院関係
8 先議・後議の関係にない意味
9 参議院による両院協議会の請求
10 両院協議会の議題
2 衆議院の解散
(事例)
1 内閣不信任決議案その他,解散の本会議からみる7条解散
イ 会議中の伝達〈内閣不信任決議案の議事中又は可決後〉
ロ 会議中の伝達〈その他〉
ハ 会議の開かれない日の伝達
2 7条解散の様相
【事例の補足:162回国会平17・8・8郵政解散当日の流れ】
3 臨時会及び特別会の会期,会期の延長
(事例)
〈法規と先例の概要〉
1 会期(延長)協議のスタート
2 会期及び会期延長決定の基本形
3 衆議院の議決の優越とその意味
4 会期の召集日議決
【事例の背景と補足】
4 議案提出の機関承認
(事例)
〈法規と先例の概要〉
1 会派による議案提出
2 賛成者要件と機関承認の分離/「確立された先例」の意味の変容
【事例の背景: 国民投票法案】
追記(1) 追記(2)
5 議案の本会議趣旨説明
(事例1)(事例2)
1 制度の成立ち
2 制度の変容
3 本会議趣旨説明要求と委員会付託
【事例の背景と補足】
6 議長の決裁権
(事例)
〈法規と先例の概要〉
1 消極に解することの先例集上の変化
2 消極に解してきたことの意味
3 議長決裁権の現在
【事例の補足】
7 一事不再議
(事例1)
1 一事不再議とは
2 回付案,両院協議会成案の審議
3 複数の修正案の採決
4 議決不要
(事例2)
5 対案の処理
6 一事不再議と議長不信任決議案等,そして内閣不信任決議案の場合
【事例の背景と補足】
8 国政調査
(事例)(補足)
1 議案審査の特別委員会と調査の特別委員会
2 国政調査の意味とその変化
3 国会に置かれた原発事故調査員会
【委員会活動の概略】
9 国家公務員等の国会同意人事
1 国会同意人事とは
2 国会同意人事に関する規定の生成と変遷
3 不同意による欠員の事態をめぐって
4 両議院の同意の意味
【事例:日本銀行総裁同意人事をめぐる問題とその影響】
10 議案の送付と受理
(事例)
1 両議院関係制度を繋ぐ手続
2 政治判断の意味と限界
【事例の背景と補足】
11 両議院関係制度(1):生成と変遷から現在を読む
◇第Ⅰ期 憲法,国会法制定時の両議院関係規定の審議
1 憲法改正案59 条の貴族院修正
2 国会法案の立案と制定
3 曖昧さの始まり
4 二つの副作用
5 国会法92条1項の意味
6 旧憲法38条・39条と議院法55条の関係
◇第Ⅱ期 昭和30年改正国会法
1 返付規定の創設
2 挫 折
◇第Ⅲ期 ねじれ下の現象
1 憲法59条と国会法56条の4をめぐって
2 対立と論争
3 対案が「同一の議案」ではないということの意味
4 国会法56条の4は一事不再議の問題なのか
5 返付規定の波紋
6 おわりに
12 両議院関係制度(2):再議決
(事例)
【背景と補足】
13 両議院関係制度(3):両院協議会
1 両院協議会協議委員選任の先例
2 衆議院の議決の優越と両院協議会の関係
【事例とその補足】
【参考:両院協議会のモデルケース】
事項索引
法令索引
先例索引
〈参考目次〉
参考Ⅰ- 1 部属と委員の選任
Ⅰ- 2 先例による会派受容の例:議席指定
Ⅰ- 3 議院法改正の挫折:常置委員会
Ⅰ- 4 各派交渉会
Ⅰ- 5 国会法46条1項:委員選任規定の経緯
Ⅰ- 6 各派交渉会と議院運営委員会
Ⅰ- 7 議長斡旋,議長裁定
Ⅰ- 8 憲法解釈を確定する先例
Ⅰ- 9 与野党筆頭理事間協議
Ⅰ- 10 予算の提出・付託と政府の演説
Ⅰ- 11 一院制的運用
参考Ⅱ- 1 国会法56条の2の源流①(1回国会の混乱)
Ⅱ- 2 緊急質問
Ⅱ- 3 質問主意書
Ⅱ- 4 議案の審議過程の不継続をめぐる問題
Ⅱ- 5 懲罰事犯の継続
Ⅱ- 6 国会審議活性化法
Ⅱ- 7 先例の法規化
Ⅱ- 8 先例集上の「議院運営委員会」と「議院運営委員会理事会」
参考Ⅲ- 1 内閣総理大臣が「辞表を提出したとき」(国会法64条)
Ⅲ- 2 帝国議会から国会への継続
Ⅲ- 3 解散の効果
Ⅲ- 4 会期延長の回数制限
Ⅲ- 5 「確立された先例」という表現のルーツ
Ⅲ- 6 議案の賛成者要件と存続要件
Ⅲ- 7 国会法56条の2の源流②
Ⅲ- 8 重要広範議案
Ⅲ- 9 議長が消極に決した例(帝国議会)
Ⅲ- 10 内閣総理大臣問責決議案(参議院)
Ⅲ- 11 予算と予算関連法案(特に歳入法案)の一体性
内容説明
難解で複合的な規範の体系【国会法、各議院規則等の実定法規、先例】に衆議院事務局の現場から「《生きた》国会の法」を、検証・考究する。長年議院の運営に携わってきた著者による「国会の機能を司る、法の運用術」。