【伝統と革新、学術世界の未来を一冊一冊に】
  • ホーム
  • お知らせ
  • 書籍検索
  • 書店様へ
  • 会社情報
 
ホーム > 結社の自由の法理

結社の自由の法理

学術選書 131

結社の自由の法理

「結社の自由」論の新たな地平

著者 井上 武史
ジャンル 法律  > 憲法
シリーズ 法律・政治  > 学術選書
出版年月日 2014/03/27
ISBN 9784797267310
判型・ページ数 A5変・408ページ
定価 本体8,800円+税
在庫 在庫あり
 

目次

  井上武史(岡山大学法学部准教授) 著

はしがき

◇ はじめに
  1 従来の議論の問題点
   (1) 「結社観」論議の過剰/(2) 解釈論の過小とその原因
  2 本書の問題意識と課題
   (1) 本書の問題意識/(2) 通説の問題点と本書の課題
  3 検討素材としてのフランス法
   (1) 1901年結社法の位置づけ/(2) フランス結社の自由論の視点/(3) フランス法を参照する意義
  4 本書の構成

◆第1部◆ フランスにおける結社の自由法理の成立と展開

◆ 第1章 ワルデックルソーの結社法構想
 第1節 1901年結社法の理念
  1 1901年結社法以前の法状況
   (1) 反結社の法制度/(2) 反結社の法思想
  2 ワルデックルソーの「結社観」
   (1) 結社の必要性/(2) 個人主義の理念に基づく結社/(3) ワルデックルソーの「結社の自由」理解
 第2節 結社の自由保障の法制度
  1 結社立法のあり方
   (1) 結社を規整する2つのシステムとその問題「放任型」と「特別法型」/(2) 一般法型の採用
  2 1901年結社法の基本的枠組み
   (1) 結社契約の創設/(2) 結社契約の性格/(3) 小 括
 第3節 国家に対する結社の自由保障
  1 結社の自由の内容
   (1) 届出制の廃止/(2) 憲法上の原理としての「結社の自由」1971年結社の自由判決の意義と射程
  2 結社の自由の制約
   (1) 制約事由/(2) 権限機関/(3) 第1章のまとめ

◆ 第2章 結社の自由と個人の保護
 第1節 団体関係の問題構造
  1 結社契約への2つの視点
  2 問題となる場面
 第2節 結社外の個人と結社との関係
  1 結社の「構成員選択の自由」
  2 個人の「加入する自由」
 第3節 結社内の個人と結社との関係
  1 結社から脱退する権利 ――脱退の自由の法理
   (1) 「脱退する権利」の趣旨/(2) 「脱退する権利」の内容/(3) 判例の展開/(4) 学説の反応
  2 結社の統制権と裁判所のコントロール ――統制処分の法理
   (1) 結社の統制権/(2) 統制権行使の条件/(3) 裁判所による統制手続審査から実体審査へ/
   (4) 学説の反応/(5) 取消の効果
 第4節 「結社からの自由」
  1 「結社の自由」と「結社からの自由」
  2 「結社からの自由」論の背景
  3 第2章のまとめ

◆第2部◆ 結社の自由と法人理論

◇ はじめに

◆ 第1章 フランス法人論争の展開
 第1節 擬制説の誕生とその背景
  1 「団体」と「法人格」の一致から分離へ
   (1) 「団体」と「法人格」との一致アンシャン・レジーム期の団体制度/(2) 「団体」と「法人格」との分離革命以後の団体制度
  2 擬制説の理論的基礎とその帰結
   (1) サヴィニーによる理論化/(2) 擬制説の帰結/(3) 小 括
 第2節 擬制説と結社の自由との関係
  1 擬制説における結社の自由
  2 1899年法案における擬制説の明文化
   (1) 1899年法案における結社制度/(2) 背景理論としての擬制説/(3) 小 括
 第3節 法人実在説の展開とその限界
  1 法人実在説の展開
   (1) 生物学的アプローチ/(2) 社会学的アプローチ
  2 法人実在説の限界
   (1) 実在説の問題点/(2) 意思説を前提とすることの問題

◆ 第2章 ミシューの法人理論
 第1節 ミシューの法学方法論
  1 ミシュー『法人理論』の位置と「序論」の意義
   (1) ミシューの法人理論とその影響日仏比較/(2) 「序論」の意義
  2 ミシューの法学方法論
   (1) 基本的前提/(2) ミシュー理論の実践的性格
 第2節 権利主体論の再編
  1 法人制度の必然性
   (1) 団体に適用される法制度/(2) 「法人格」の観念
  2 権利主体論の再編
   (1) 「権利」概念の再構成/(2) 「権利主体」概念の再構成保護すべき2つの「利益」
  3 結社の自由観念の射程
   (1) 従来における「結社の自由」の妥当領域/(2) 「団体」と「法人格」との分離状況の克服/(3) 小 括
 第3節 技術的実在説の内容とその受容
  1 技術的実在説の内容 法的実在性の2要件
   (1) 「集団的利益」の存在/(2) 意思を表明する「組織体」の存在/(3) 国家による「承認」
  2 技術的実在説の受容 破毀院1954年判決
   (1) 判決の内容/(2) 判決の意義/(3) 小 括
 第4節 憲法秩序における結社の自由
  1 フランス法人論争と結社の自由
  2 憲法秩序における結社の自由の意義
  3 非営利法人制度への視点

◆ 第3章 フランスにおける非営利法人制度の展開
 第1節 1901年結社法と法人制度 ――法律上の能力の明文化と権利化
  1 1901年結社法の2つの側面 団体制度と法人制度
   (1) 団体制度/(2) 法人制度
  2 法人格取得権の確立
   (1) 制定過程での議論グルシエ修正の意義/(2) 1930年コンセイユ・デタ判決
 第2節 1971年憲法院判決と公法学説 ――法人格取得権の憲法化と理論化
  1 1971年憲法院判決
   (1) 事件の概要/(2) 判決の内容
  2 公法学説による理論化
   (1) リヴェロ教授/(2) コンセイユ・デタ報告書/(3) モランジュ教授
 第3節 1987年メセナ法の意義 ――法律上の能力の拡大
  1 受贈能力の制限問題
   (1) 1987年以前の法状況/(2) 学説による批判
  2 財政基盤の拡大
   (1) 受贈能力の制限の実質的緩和策/(2) 1987年メセナ法とその後の展開/(3) 小 括

◆第3部◆ フランス非営利団体法の制度と理論

◆ 第1章 1901年法に基づく非営利団体制度
 第1節 1901年非営利団体法(結社法)の位置づけ
  1 公法と私法の結節点としての1901年法
  2 1901年非営利団体法(結社法)と結社の自由との関係:検討の視角
  3 用語の問題
 第2節 1901年非営利団体法の基本原理
  1 根拠法令
  2 基本的枠組み
   (1) 非営利社団契約による設立(1条,2条)/(2) 未成年者の結社の自由(2条の2)/
   (3) 消極的結社の自由(4条)
 第3節 非営利社団の法制度
  1 無届非営利社団(associations non declarees)
  2 届出非営利社団(associations declarees)
   (1) 届出手続/(2) 法律上の能力/(3) 運 営/(4) 残余財産の帰属
  3 公益認定非営利社団(associations reconnues d’utilite publique)
   (1) 公益認定手続/(2) 公益認定の基準/(3) 運 営
 第4節 非営利団体の税制
  1 基本的視点
  2 商業課税の基本的枠組み
  3 商業課税の個別的検討
   (1) 法人税(Impot sur les societes)/(2) 付加価値税(Taxe sur la valeur ajoutee)/
   (3) 地域経済税(Contribution economique territoriale)/(4) 手続的側面
  4 その他の税制
   (1) 無償譲渡税(移転登録税,droits de mutation)/(2) 固定資産税(taxe fonciere)/
   (3) 住居税(taxe d’habitation)
    5 寄附についての優遇税制
   (1) 寄附者が個人の場合/(2) 寄附者が企業の場合

◆ 第2章 団体に対する公的規制解散制度を中心に
 第1節 1901年法が予定する解散制度
  1 任意解散と司法解散
  2 共和政体に対する攻撃を目的とする団体の解散
 第2節 戦闘団体等禁止法(1936年)に基づく行政解散
  1 1936年法の概要
   (1) 解散の要件/(2) 解散の手続/(3) 解散命令の効果
  2 1936年法の適用例
   (1) 解散命令と理由付記/(2) 具体的な解散事例/(3) 解散の取消
  3 結社の自由との関係
   (1) 1936年法の合憲性/(2) 1936年法の合理性
 第3節 フーリガン禁止法(2006年)に基づく行政解散
  1 制定経緯
  2 法律の内容
   (1) 解散の実体的側面/(2) 解散の手続的側面
  3 欧州人権条約適合性
   (1) 「ブーローニュ・ボーイズ」事件/(2) コンセイユ・デタの判断/(3) 欧州人権裁判所の判断/
   (4) その後の判決
  4 憲法適合性
  5 解散命令の効果
   (1) 刑事制裁/(2) 入構禁止措置(Interdiction de stades)
 第4節 フランス団体解散制度の特徴
  1 行政解散制度の目的の変化
  2 司法裁判所への信頼
  3 司法解散回帰論の登場

◆ 第3章 その他の非営利団体制度
 第1節 宗教団体修道会・信徒会
  1 修道会(congregations religieuses)
   (1) 総 説/(2) 設 立/(3) 法律上の能力/(4) 運 営/(5) 解 散
  2 信徒会(associations cultuelles)
   (1) 総 説/(2) 設 立/(3) 法律上の能力/(4) 運 営/(5) 解 散/(6) 政教分離法の改正問題
 第2節 財団型の非営利法人
  1 財団法人(fondations)
  2 寄附基金法人(fonds de dotation)
   (1) 総 説/(2) 制度創設の背景/(3) 従来の法人制度の問題点/(4) 新制度の概要/
   (5) 新制度の現況

◆第4部◆ 日本における結社の自由保障

◆ 第1章 結社の自由の憲法問題
 第1節 結社の自由論の再構成
  1 結社の自由論の問題構造
   (1) 結社の自由の体系上の位置づけ結社の「表現性」と「団体性」/(2) 3つの緊張関係
  2 結社の自由の憲法解釈
   (1) 通説的見解の問題点/(2) 結社の自由論の再構成/(3) 小 括
 第2節 団体に対する公的規制の問題
  1 構成員規制とその根拠
   (1) 団体規制の3つの類型/(2) 構成員規制
  2 破防法をめぐる憲法論議
   (1) 総 説/(2) 「事前規制」か「事後規制」かという視点/(3) 「表現規制」か「団体規制」かという視点/
   (4) 手続の問題
  3 団体規制法への展望
   (1) 破防法の今後/(2) 団体規制法への視点

◆ 第2章 「結社からの自由」の憲法問題
 第1節 問題の所在
  1 従来の議論の問題点
  2 憲法学での議論
  3 民法学での議論
 第2節 脱退の自由の問題
  1 総 説
  2 脱退の自由の法制度
   (1) 組 合/(2) 一般社団法人
  3 判例における「脱退の自由」
   (1) 新座市県営住宅自治会脱退事件(最高裁平成17年4月26日判決)/
   (2) 東芝労働組合事件(最高裁平成19年2月2日判決)
 第3節 統制処分の限界問題
  1 従来の議論の問題点 「司法権の限界」から「統制処分の限界」へ
  2 司法審査のあり方
  3 裁判例の動向
   (1) 処分手続について判断したもの/(2) 弁明の機会の有無について判断したもの/
   (3) 処分事由の存否について判断したもの/(4) 処分の程度にまで踏み込んで判断したもの
  4 法律の規定
 第4節 団体の活動と構成員の協力義務
  1 問題の所在
  2 国労広島事件の先例的意義
   (1) 事案と判旨/(2) 検 討/(3) 本判決の意義・射程

◆ 第3章 憲法と非営利法人制度
 第1節 問題の所在
 第2節 公益法人制度改革の位置づけ
  1 従来の非営利団体制度
   (1) 公益法人制度の時代:民法典制定からNPO法制定まで(1896年~1998年)/
   (2) 非営利法人立法の黎明期:特定非営利活動促進法(NPO法)と中間法人法の制定(1998年~2006年)/
   (3) 一般的な非営利法人制度の創設:公益法人制度改革以降(2006年~)
  2 公益法人制度改革の意義
 第3節 一般社団法人制度の憲法的意義
  1 法人格取得の憲法問題
   (1) 通説的見解の問題点/(2) 結社の自由と法人格取得権
  2 一般社団法人制度の憲法上の位置づけ
   (1) 法人格取得権の具体化としての一般社団法人制度/(2) 結社の自由保障法としての位置づけの明確化/
   (3) 一般法人法の憲法上の効力/(4) 小 括
 第4節 一般社団法人制度の問題点
  1 「非営利性」の問題
   (1) 結社の自由と「非営利性」:「非営利性」は結社の自由保障の前提なのか/
   (2) 「一般社団法人」の定義「非営利性」を明確化する必要/(3) 残余財産の帰属問題「非営利性」を徹底化する必要
  2 「自律性」の問題
   (1) 詳細な内部規律/(2) フランス法の視点/(3) 一般法人法の場合/
   (4) 内部規律の問題「法人法」と「団体法」の区別

◆ おわりに ――「結社法」の可能性
  1 フランスの結社の自由論から
  2 日本の結社の自由論へ

◇ 資 料
 1 結社法(非営利社団契約に関する1901年7月1日法律)
 2 結社法施行令(非営利社団契約に関する1901年7月1日法律の執行のための行政規則を定める1901年8月16日デクレ)

文献一覧(巻末)
索 引(巻末)

このページのトップへ

内容説明

「結社の自由」に固有の問題構造と、それに応じた保障の内容と制約の論理を、フランス法を参照しつつ、精緻に分析。「結社の自由」の内実を明らかにする。

このページのトップへ