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ヨーロッパ地域人権法の憲法秩序化

その国際法過程の批判的考察 学術選書 130

ヨーロッパ地域人権法の憲法秩序化

動態的・多元的な法の構造と展開

著者 小畑 郁
ジャンル 法律  > 憲法
法律  > 国際法/国際関係/国際私法
シリーズ 法律・政治  > 学術選書
出版年月日 2014/08/29
ISBN 9784797267303
判型・ページ数 A5変・592ページ
定価 本体8,800円+税
在庫 在庫あり
 

目次

はしがき
凡例/略語一覧

◇序 章 ヨーロッパ地域の憲法秩序化の基盤と原動力を求めて
       ――ヨーロッパ連合(EU)制度との関係を中心に
 はじめに
 第一節 シンボルを基盤とする特殊な憲法秩序としての条約
 第二節 ヨーロッパ共同体/ヨーロッパ連合と条約とのパラレリズム
 結びに代えて ――憲法秩序の構造とあらたな課題

◆第一部 総 説

第一章 人権条約実施システムの歩みと展望 ――動態的観察
 はじめに
 第一節 条約の作成とその原初的特徴
 第二節 実施システムの展開
  1 人権抑圧政権・政策への政治的介入機能の凋落 ――一九六〇年代~一九七〇年代前半
  2 「中核」諸国における個人の不服の司法的解決機能の強調
    ――一九七〇年代後半~一九八〇年代前半
  3 個人申立・司法的解決制度の「周辺」諸国への波及 ――一九八〇年代後半
  4 中東欧諸国への条約の拡大と第一一議定書による改革
 第三節 第一四議定書と人権裁判所の当面する問題

第二章 新旧両制度の組織と手続 ――静態的観察
 はじめに
 第一節 旧制度における申立処理手続
  1 概観と各機関の構成
  2 人権委員会における手続
  3 人権裁判所(旧)における手続
  4 閣僚委員会における手続
 第二節 現行制度における唯一の実質的申立処理機関としての人権裁判所
  1 構  成
  2 手  続
  (1)新手続の規定上の保守的性格/(2)受理されるまでの手続/(3)友好的解決手続/
  (4)調査および審理手続/(5)大法廷への回付と上訴/(6)判決と衡平な満足を与える決定
 第三節 判決の効力と確定判決の閣僚委員会による執行監視

◆第二部 実施手続改革の国際的環境

第三章 中東欧諸国とヨーロッパ評議会および条約
 はじめに
 第一節 ヨーロッパ評議会と中・東欧
  1 ヨーロッパ評議会の性格と冷戦時の対東欧政策
  2 冷戦後ヨーロッパ政治におけるヨーロッパ評議会の対中・東欧政策
 第二節 条約体制への包摂メカニズム
  1 条約体制への包摂政策の確立
  2 ヨーロッパ評議会への加盟と人権条約適合性
  3 非加盟国を含む中・東欧諸国へのその他の対応
 結びに代えて

◆第三部 改革後の条約実施体制の構造

第四章 条約実施機関における個人の「裁判をうける権利」
 はじめに
 第一節 個人の申立権の自働的承認
  1 背  景
  2 第一一議定書における個人の申立権
 第二節 「裁判をうける権利」の到達点
  1 裁判所の審理をうける権利の確立
  2 裁判所の独立性・公平性
  3 個人にとっての手続の実効性
  (1)受理可能性審査の手続/(2)本案審査の手続/(3)上訴手続
 結びに代えて

第五章 人権裁判所(新)の組織と手続の確立 ――三年目の時点での小括
 はじめに
 第一節 新裁判所の構成
  1 裁判官の選挙
  2 裁判所の構造
  3 挫折した裁判官付調査官構想と書記局
 第二節 新裁判所の作業方法
  1 受理されるまでの手続
  2 友好的解決手続の見直し
  3 大法廷への回付手続および上訴手続
 第三節 新裁判所の当面する主要問題
  1 申立数の増加
  2 大規模人権侵害への対応
 結  語

第六章 大規模かつ重大な人権侵害と条約制度
       ――チェチェン紛争に対する対応を中心に
 はじめに
 第一節 法的責任が確定したこれまでの大規模かつ重大な人権侵害事例
  1 ギリシャ事件(一九六七 ―一九七〇年)
  2 アイルランド対イギリス事件(一九七一 ―一九七八年)
  3 キプロス対トルコ事件(第三次申立、一九九四年―)
  4 まとめ
 第二節 チェチェン紛争と条約制度
  1 経緯と関連事実の概要
  2 人権裁判所判決の動向
  3 閣僚委員会における動向
 結  語

◆第四部 条約実施機構改革の構造的基礎 ――旧制度の分析を通じて

第七章 旧制度における人権裁判所の管轄権 
 第一節 問題の所在
 第二節 締約国による管轄権受諾宣言
  1 受諾宣言の期間と受諾状況
  2 受諾に対する諸条件
 第三節 実施機関と締約国の実行 ――いくつかの事例研究
  1 ベルギー言語事件とベルギーによる事項的制限の試み
  2 キェルドセンほか事件とデンマークによる人権委員会提訴事件の除外
  3 タイラー事件 ――領域的制限と受諾宣言の不更新
  4 管轄の時間的制限とバルベーラほか事件
  5 ま と め
 第四節 冷戦終結後の動向

第八章 旧制度における閣僚委員会の事件の実質的処理権限
 はじめに
 第一節 準備作業における閣僚委員会の機能の転換
  1 閣僚委員会の政治的役割 ――専門家委員会および高級公務員会議
  2 閣僚委員会の機能への法律的要素の導入 ――閣僚委員会第五会期
 第二節 実質的処理権限の閣僚委員会による運用
  1 閣僚委員会手続の自己認識 ――一九六九年規則の成立まで
  (1)初期の動向とオーストリア対イタリア事件/(2)二つの争点軸の提起と規則成立の経緯/
  (3)紛争処理機能の自己制限/(4)「裁判所」的手続の実質上の排除
  2 法的・政治的コミットメントの回避傾向 ――閣僚委員会決議研究
  (1)決議の全般的傾向/(2)条約解釈・適用機関としての閣僚委員会/
  (3)紛争解決機関としての閣僚委員会
 結びに代えて

◆第五部 条約による国内の基本権救済手続の統制
       ――「実効的な国内救済手段を得る権利」の可能性

第九章 「実効的な国内救済手段を得る権利」の性格と適用範囲
 はじめに
 第一節 条約一三条の権利性
 第二節 条約一三条の自律性
 第三節 〈条約上の権利〉についての救済手段?
 結  び

第一〇章 条約上の権利の国内手続での援用可能性
 はじめに
 第一節 一九八〇年代半ばにおける過渡的判例
  1 事件と人権裁判所の判断
  (1)シルヴァーほか事件/(2)アブドゥルアジスほか事件
  2 両判決における論理
  3 批判的考察 ――両判決の背景
 第二節 〈条約上の権利〉の援用可能性要件の確立 ――ゼーリング判決
  1 ゼーリング判決に至るまでの人権委員会の判断
  2 ゼーリング事件と人権裁判所判決
  3 ゼーリング判決の意義と限界
 結びに代えて

第一一章 入国管理措置に対する国内不服審査制度の条約による統制
 はじめに
 第一節 不服審査制度において適用される実体基準の統制
  1 虐待(ill-treatment)の禁止(条約三条)をめぐって
  2 その他の権利をめぐって
 第二節 不服審査制度の手続的統制
  1 不服審査機関の独立性および対審的手続の要求
  2 追放等の決定の執行停止の要求
 結  語

◇〈補 論〉 EU法における人権規範の展開 ――憲法秩序化への対外協力コンディショナリティのインパクト
 はじめに
 第一節 域内基本権保護とその限界
  1 EC機関の行為に対するEC司法裁判所による統制とその存在根拠
  2 判例の展開とその限界
  (1)加盟国の行為とEU法上の人権規範/(2)人権規範はEUの権限の源泉となるか
 第二節 対外協力人権コンディショナリティとその展開
  1 対外協力についての人権コンディショナリティの登場
  2 基本条約上の「基礎原則」としての人権の確立
  (1)中東欧諸国との協力条件から加盟条件へ/(2)EU条約規定の改正
  3 EU基本権局の発足
 第三節 EU法における人権規範の基礎と限界

◇終 章 国内的実施の進展と補完性原理
 はじめに
 第一節 条約の国内受容の進展とその背景
 第二節 補完性原理の維持と意味変容
 結  び

◆付録Ⅰ 人権裁判所判例研究

第一 実施機関の権限を一方的に制限することの可否 ――ロイズィドウ事件(先決的抗弁・本案)
     (大法廷一九九五年三月二三日判決、大法廷一九九六年一二月一八日判決)
 第一節 事  実
 第二節 判  旨
  1 先決的抗弁判決
  2 本案判決
 第三節 論  点

第二 国家間紛争と人権裁判所 ――キプロス対トルコ事件(第四申立)
     (大法廷二〇〇一年五月一〇日判決)
 第一節 事  実
 第二節 判  旨
  1 先決的問題
  (1)キプロスの原告適格および訴えの利益/(2)トルコの責任/(3)国内的救済原則
  2 ギリシャ系キプロス人行方不明者とその親族の権利の侵害の主張
  (1)行方不明者/(2)行方不明者の親族
  3 避難民の住居の尊重の権利および財産権の違反の主張
  4 北キプロスのギリシャ系キプロス人の生活条件から生ずる違反の主張
  (1)個別的違反の主張/(2)全般的状況
  5 トルコ系住民の権利の侵害の主張
 第三節 解  説
  1 キプロス紛争とヨーロッパ人権条約
  2 人権裁判所の取扱い
  3 判決執行をめぐる問題

第三 パイロット判決の先例 ――ブロニオヴスキ事件(大法廷二〇〇四年六月二二日判決)
 第一節 事  実
 第二節 判  旨
  1 第一議定書一条(財産権)違反の主張について
  (1)審査の範囲および第一議定書一条の可能性/(2)審査基準およびその適用
  2 条約四六条(判決執行義務)に基づきとられるべき措置
  3 条約四一条(衡平な満足)
 第三節 解  説
  1 パイロット判決方式のモデル・ケース
  2 人権裁判所の救済措置特定権限
  3 判決執行のための一般的措置
  4 人権裁判所の憲法裁判所機能とその限界

◆付録Ⅱ 条文および関連資料

第一 ヨーロッパ人権条約および議定書
 人権および基本的自由の保護のための条約(ヨーロッパ人権条約)
 人権および基本的自由の保護のための条約についての議定書(ヨーロッパ人権条約第一議定書)(抄)
 条約およびその第一議定書にすでに含まれているもの以外のある種の権利および自由を保障する、
  人権および基本的自由の保護のための条約についての第四議定書(ヨーロッパ人権条約第四議定書)(抄)
 死刑の廃止に関する人権および基本的自由の保護のための条約についての第六議定書
  (ヨーロッパ人権条約第六議定書)(抄)
 人権および基本的自由の保護のための条約についての第七議定書(ヨーロッパ人権条約第七議定書)(抄)
 人権および基本的自由の保護のための条約についての第一二議定書(ヨーロッパ人権条約第一二議定書)(抄)
 あらゆる状況の下での死刑の廃止に関する人権および基本的自由の保護のための条約についての第一三議定書
  (ヨーロッパ人権条約第一三議定書)(抄)
 人権および基本的自由の保護に関する条約を改正する第一五議定書(ヨーロッパ人権条約第一五議定書)(抄)〔未発効〕
 人権および基本的自由の保護のための条約第一六議定書(ヨーロッパ人権条約第一六議定書)(抄)〔未発効〕
 ヨーロッパ人権条約(第二節以降)旧条文

第二 第一一議定書についての説明報告書
 訳者まえがき
 ヨーロッパ人権条約第一一議定書についての説明報告書(抄訳)
 Ⅰ 序
 Ⅱ 背  景
 Ⅲ 条約により設立された監督機構を再構成する緊急の必要性
 Ⅳ 単一裁判所システムの主な特徴
 Ⅴ 選択議定書ではなく改正議定書を選択したこと
 Ⅵ 議定書の諸規定のコメンタリー

第三 第一四議定書による改正規定の新旧対照表およびコメンタリー
 訳者まえがき
 新旧対照表(第一九条以下)および改正規定のコメンタリー

第四 人権裁判所(新)の一九九八年規則
 訳者まえがき
 ヨーロッパ人権裁判所規則(一九九八年一一月四日)
 第一編 裁判所の組織と作業方法
 第二編 手  続
 第三編 経費規則
 第四編 最終条項

              
【図  表】
 〔図三―一〕ヨーロッパ人権条約締約国集団の量的・質的変動
 〔図四―一〕新旧条約実施手続の比較
 〔表五―一〕ヨーロッパ人権裁判所裁判官の出身職業別構成の推移
 〔表七―一〕条約旧四六条に基づく宣言一覧表
 〔表補―一〕EC/EU人権規範関連年表
 〔表補―二〕ヨーロッパ連合条約主要人権関連規定新旧対照表
 〔表終―一〕条約の国内受容と旧東欧圏諸国の評議会への加盟
 〔表終―二〕人権裁判所による「補完性」への言及頻度の推移

              
初出・原題一覧
本書に収録されていない著者による関連文献一覧

判例索引(巻末)
人名索引(巻末)
事項索引(巻末)

英文目次および謝辞(巻末)

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内容説明

立憲主義や憲法の概念を、個別の国家秩序ではなく、諸国家を包含する地域的、普遍的国際秩序として分析。国際法学の視座から、ヨーロッパ人権条約の制度に則して「憲法秩序」の概念や同制度への適用可能性、また、EU制度との関連を検討し、新たな課題を提起する。本文の理解を更に深めるべく、巻末に「人権裁判所判例研究」「条文及び関連資料」も掲載した充実の書。

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