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信託における忠実義務の展開と機能

学術選書 110

信託における忠実義務の展開と機能

信託制度のあるべき姿を探究する

著者 姜 雪蓮
ジャンル 法律  > 民法
シリーズ 法律・政治  > 学術選書
出版年月日 2014/01/31
ISBN 9784797267105
判型・ページ数 A5変・432ページ
定価 本体9,800円+税
在庫 在庫あり
 

目次

  姜 雪蓮(学習院大学法学部講師) 著

はしがき

はじめに

第1章 日本の信託法理と忠実義務
 ◆本章の目的と課題
 第1節 担保付社債信託法と信託理論
  1 担保付社債信託法制定の背景
  2 担保付社債信託法における信託の構造
  3 池田寅二郎の信託理論と担保付社債信託法
  (1)「信託法論」にみえる信託理論
  (2)信託の沿革・発展方向
  (3)信託の本質
  (4)受託者の義務
  (5)信託行為
  (6)「信託法論」からの将来展望
  4 池田理論の変貌:「信託法論」から旧信託法へ
 第2節 旧信託法と信託理論
  1 旧信託法制定過程における「忠実義務」の扱い
  (1)はじめに
  (2)信託業法案中(大正6年まで)の信託実体規定
  (3)信託法案と信託業法案の分離
  (4)信託法案の基本的内容
  2 帝国議会における議論と旧信託法の成立
  (1)帝国議会の審議
  (2)旧信託法の成立
 第3節 旧信託法下の学説・判例の展開
  1 旧信託法の制定後の学説
  (1)第1期の学説(1945年まで)
   (a)遊佐慶夫の見解/(b)細矢祐治の見解/(c)青木徹二の見解/(d)入江眞太郎の見解/
   (e)三淵忠彦の見解/(f)中根不覊雄の見解/(g)大阪谷公雄の見解
  (2)第2期の学説(1945年以降)
   (a)四宮和夫の見解/(b)新井誠の見解/(c)中野正俊の見解/(d)能見善久の見解
  2 実務および判例の動向(第1期・第2期を通じて)
  (1)受託者の受益権担保取得について
   (a)固有財産からの貸付と信託財産からの貸付/(b)受託者の固有財産からの貸付と受益権担保/
   (c)受益権担保についての判例
  (2)受託者(固有財産)からの貸付と受益権との相殺
   (a)実 務/(b)下級審裁判例/(c)問題の分析
  3 立法的提案
  (1)信託法研究会の信託法改正試案
  (2)商事信託法研究会
 第4節 新信託法における信託理論と忠実義務
  1 新信託法立法過程における忠実義務
  (1)法制審議会における議論
  (2)忠実義務をめぐる議論
   (a)一般的忠実義務/(b)自己取引/(c)信託財産間取引/(d)競合行為/(e)利益取得禁止/
   (f)利益吐き出しの責任
  2 新信託法における忠実義務と今後の課題

第2章 英米信託法における忠実義務の生成
 ◆本章の目的と課題
 第1節 イギリスにおける利益取得禁止(no profit rule)法理の生成と発展
  1 前史(ルーウィン以前)
  2 ルーウィン(Lewin)の見解
  (1)全体的特徴
  (2)利益取得禁止ルールについて
   (a)禁止される利益取得行為の諸類型/(b)利益取得禁止ルールの確立
  (3)信託財産買取禁止ルール
   (a)信託財産買取禁止ルールの具体的な内容/(b)実質ルールと形式ルール/
   (c)信託財産に対する権利(受益権)の買取/(d) 自己取引がなされた場合の受益者の救済手段
  (4)擬制信託について
   (a)擬制信託の意義・内容/(b)擬制信託の機能/(c)リーディングケースとしてのKeech v. Sanford事件/
   (d)擬制信託と受託者の義務
  (5)ルーウィンの見解の特徴
  3 アンダーヒル(Underhill)の見解
  (1)受託者の諸義務の体系化
  (2)統合原理としての広義の利益取得禁止法理
   (a)具体的な規律内容/(b) 統一的視点形成の萌芽
  (3)擬制信託の意味
   (a)擬制信託の内容/(b) 分 析/(c)擬制信託と利益取得禁止法理との関係
  4 イギリスにおける「忠実義務(信認義務)」法理
  (1)利益取得禁止法理の発展
  (2)統合原理としての利益取得禁止原理のもとでの類型化の萌芽
 第2節 アメリカにおける忠実義務(duty of loyalty)の誕生
  1 概  観
  2 初期アメリカにおける信託法理と誠実義務
  (1)初期の学説
   (a)ストーリー(Josepf Story)の信託法理/(b)ペリー(Jairus Perry)の信託法理/
   (c)初期の信託法理の特徴
  (2)初期の判例
   (a)初期判例の分析の目的/(b)若干の判例分析とその帰結
  (3)フィールド民法典草案
   (a)背 景/(b)信託関連規定/(c)フィールド民法草案の特徴/(d)評 価
  (4)カリフォルニア州信託法
   (a)背 景/(b)概 要
  3 アメリカにおける忠実義務の確立期
  (1)アメリカ信託法の特徴
  (2)忠実義務(duty of loyalty)概念の登場
   (a)カルドーゾ判決/(b)20世紀初頭の信託法学説
  (3)ボガート(Bogert)の見解
   (a)忠実義務の概観/(b)ボガートの受益者利益専念義務(忠実義務)の特徴
  (4)スコット(Scott)の見解と忠実義務の確立
   (a)1919年のスコットのケース・ブック/(b)1936年論文にみるスコットの見解
  (5)第1次信託法リステイトメントの忠実義務
   (a)全体的な構造/(b) 規定の意味/(c)第1次リステイトメントの特徴
 第2章のまとめ

第3章 英米信託法における忠実義務論の展開
 ◆本章の目的と課題
 第1節 アメリカにおける忠実義務論の展開(スコット以後)
  1 概  要
  2 第2次・第3次信託法リステイトメント
  (1)投資運用方法の変化
   (a)共同信託基金/(b)レギュレーションFと信託の一般法理/(c)レギュレーション9と一般信託法
  (2)第2次信託法リステイトメント
   (a) 背 景/(b)忠実義務の全体的構造
  (3)第3次信託法リステイトメント
   (a)背 景/(b)忠実義務(78条)/(c)まとめ
  3 統一信託法典(UTC)
  (1)背 景
  (2)忠実義務
   (a)規定の内容/(b)分 析
  (3)UTCと信託法理
  4 信託法学説(ラングバインの見解を中心として)
  (1)ラングバイン(Langbein)
  (2)ラングバインの見解に対する評価
   (a)賛成する見解(Hayes)/(b)批判する見解(Melanie B. Leslie)
  5 第1節のまとめ
   リステイトメント以降のアメリカ現代信託法
 第2節 イギリスにおける信認義務・忠実義務論の展開(Underhill以降)
  1 これまでの流れ
  (1) 信認義務を統合する原理の模索
  (2) 利益相反概念の登場
  (3) アメリカ信託法とイギリス信託法の違い
  2 イギリスにおける信認義務・忠実義務の統合原理
  (1) 議論の背景
  (2) 判例・学説の見解
   (a)両者は異なるルールであるという考え方/(b)利益取得禁止ルールを中核に考える説/
   (c)利益相反を中核に考える説
  3 信認義務違反の諸類型
  (1) 理論的・実務的背景
   (a)現代的投資の仕組みと受託者の権限拡大/(b)2006年会社法のインパクト
  (2) 近時の信託理論における諸類型
   (a)受託者による信託財産の買取りおよびその他の自己取引/(b)同一受託者の受理する複数信託財産間の取引/
   (c)信託関係からの利益取得類型/(d)第三者取引・第三者からの利益取得/(e)競合行為/(f)受益者との取引
  (3) 自己取引ルールと公正取引ルール
   (a)一般的な理解/(b)通説的理解に対するコナグレンの批判
  4 最近の議論の動向
   (1) 忠実義務の構造論(予防的義務論)
   (2) 忠実義務の再構成(積極的内容論)
  5 第2節のまとめ
    現代イギリス信託法の状況

第4章 忠実義務の機能と今後のあり方
 ◆本章の対象と目的
 第1節 忠実義務の諸機能
  1 受託者の裁量権と忠実義務:英米の伝統的な説明
  2 信認義務(Fiduciary Duty)の一般理論に基づく機能論
  3 フランケル(Frankel)の議論
  4 シットコフ(Sitkoff)の議論
  (1) 前提としてのエージェンシー理論
  (2) シットコフによる信託への当てはめ
  5 ワインリブ(Weinrib)の見解
  (1) 内 容
  (2) 検 討
  6 忠実義務の機能に関する私見
 第2節 忠実義務の類型化と再構成
  1 類型化の必要性と視点
  (1) 類型化の必要性
  (2) 類型化の視点
  (3) 個別類型についての検討
   (a)自己取引/(b)信託財産間の取引/(c)受託者による信託財産の無断使用/(d)競合行為/
   (e)受託者個人と受益者の取引(受益権の取得)

おわりに

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内容説明

信託法における受託者の義務の中核である「忠実義務」に着目し,生成,機能,展開の考察のもと,「忠実義務」を再構成。信託制度のあるべき姿を描出する。

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