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リバタリアンはこう考える

学術選書 109

リバタリアンはこう考える

政府がはたすべき役割は何か?

著者 森村 進
ジャンル 法律 > 法哲学
シリーズ 法律・政治 > 学術選書
出版年月日 2013/03/18
ISBN 9784797267099
判型・ページ数 A5変・512ページ
定価 本体10,000円+税
在庫 在庫あり
 

目次

  森村 進(一橋大学大学院法学研究科教授) 著

 序 文

◇第1部 リバタリアニズムの理論的基礎◇

1 リバタリアニズムの人間像
 一 現実の人間像と理想的人間像との区別
 二 現実の人間像
 三 理想的人間像について

2 コミュニタリアニズムの批判的検討
 一 序
 二 『美徳なき時代』の主張
 三 コミュニタリアニズム道徳理論の意義と欠陥

3 リバタリアンな正義の中立性
 一 善についてのとらえ方に対する中立性と自由主義
 二 リバタリアンな正義への批判
   1 結果の平等
   2 共同体としての国家
 三 結 語 ――自由主義的帝国の擁護

4 リバタリアンが福祉国家を批判する理由
 一 序
 二 福祉国家批判の論拠
   1 「福祉への権利」否定論
   2 福祉国家は一層多くの貧困を作り出すという議論
   3 福祉国家は自発的な相互扶助や援助を妨げるという議論
   4 自発的な援助の可能性に関する問題
   5 福祉国家は人々の自助努力を妨げるという議論
   6 福祉国家はインセンティヴや知識の問題のため(自助努力や相互扶助よりや市場よりも)非効率的であるという議論
   7 福祉国家は政府の権力を強化してしまうという議論
   8 福祉国家は移民の自由(外国人が入国する自由)と両立しないという議論
 三 リバタリアンがある程度の社会保障を認める論拠

5 「みんなのもの」は誰のもの?
 一 公共財とは何か
 二 市場の失敗
 三 政治による再配分と市場における交換
 四 公共財の供給は過小にならざるをえないか?
 五 市場と政府と公共性
 六 市場経済的公共性観への批判
  補論 政府の擬似公共性と市場の公共性

6 自己所有権論を批判者に答えて擁護する
 一 序
 二 高橋の身体所有論批判
   1 身体所有権の自明性
   2 自己支配が先か、介入排除が先か?
   3 規範道徳的議論における直観の位置
   4 身体の所有権か、用益権か?
   5 「自己」とは何か?
 三 立岩の労働所有論批判
   1 立岩の「自由」はリバタリアンの言う「自由」ではない
   2 正当化されていない平等主義
   3 身体への権利と労働の産物への権利
   4 帰結主義的議論
 四 橋本の「成長論的自由主義」からの批判
   1 自己所有権型リバタリアニズム対成長論的自由主義
   2 臓器と四肢と労働
   3 自己奴隷化契約は難問
 五 結  語

7 分配的平等主義を批判する
 一 序
 二 「平等」の中心性先取りの誤謬
   1 「何の平等か?」が根本問題か?
   2 平等に重きを置かないさまざまの正義論
 三 相対的な平等と絶対的な生活水準
   1 等しからざるを憂えずして、貧しきを憂う
   2 優先性説
   3 十分性説
   4 分配政策の実際の受益者は誰か?
 四 規範的デフォルト状態としての平等?
   1 運の平等主義と無羨望
   2 ロールズの「補償原理」
   3 代替的出発点
 五 分配されるものの量は一定だという前提
   1 序
   2 直接的費用
   3 間接的費用
   4 強制的分配の反生産性
 六 結  語

8 ナーヴソンの契約論的リバタリアニズム
 一 ナーヴソンとは誰か
 二 ナーヴソン理論の位置づけ
   1 契約論
   2 リバタリアニズム
 三 ナーヴソン理論へのさまざまな批判と疑問
   1 契約論自体に関するもの
   2 契約論からリバタリアニズムを導出する議論に関するもの
   3 労働所有論の正当化に関するもの
 四 結  語
  補論 ナーヴソンの近著二冊
   1 両書の概要
   2 「社会契約」
   3 契約論道徳からのリバタリアニズムの導出
   4 私有財産

9 自由市場グローバリゼーションと文化的繁栄
 一 序
 二 グローバリゼーションはなぜ文化の発展を助けるのか
   1 金銭的報酬と名声への欲求
   2 生活の保障
   3 技術的進歩
   4 他の社会との接触による文化の変容
   5 消費者の豊かさ
   6 ロングテール化とニッチの存在
 三 文化的ペシミズムの原因
   1 画一性か多様性か?
   2 趣味の低下・通俗化
   3 悲観主義者がなぜこんなに多いのか?
 四 楽観論の部分的留保
   1 同時代性の崇拝
   2 個性の崇拝
 五 結  語


◇第2部 自由の法理◇

10 アナルコ・キャピタリズムの挑戦
   ・警備保障会社
   ・公共財
   ・無政府社会における法
   ・無政府市場社会における刑罰制度
   ・公的福祉について
   ・結論なき終末

11 国家と宗教の分離
 序
 一 信教の自由
 二 政教分離
   1 判例理論
   2 政教分離の意味
   3 政教分離の根拠
 三 中立性の限界

12 政府の活動はどこまで民間に委ねられるべきか
 序
 一 政府の果たすべき役割
 二 政府活動の「公共性」の意味
 三 政府活動の必要性と無用性
 四 教育の公共性と私事性
   1 教育はいかなる意味で公的なのか
   2 教育権者と教育の目的

13 サンスティーンとセイラーのリバタリアン・パターナリズム
 序
 「リバタリアン・パターナリズム」へのコメント
   1 STの「リバタリアン・パターナリズム」は本当はパターナリズムでない
   2 STの提案のリバタリアンな要素
   3 柔らかいパターナリズムも許されてはならないとき
   4 不合理だとされる行動が合理的でありうるとき
   5 結 語
 補論 サンスティーンの回答など

14 「大地の用益権は生きている人々に属する」 ――財産権と世代間正義についてのジェファーソンの見解
 一 序
 二 ジェファーソンの四通の手紙とマディソンの一通の手紙の翻訳
   1 フォンテヌブロー、一七八五年一〇月二八日 ジェイムズ・マディソンあて書簡(書簡1)
   2 パリ、一七八九年九月六日 ジェイムズ・マディソンあて書簡(書簡2)
   3 ニューヨーク、一七九〇年二月四日 ジェイムズ・マディソンからジェファーソンあて書簡(書簡3)
   4 モンティセロ、一八一三年八月一三日 アイザック・マクファーソンあて書簡(書簡4)
   5 モンティセロ、一八二四年六月五日 ジョン・カートライト少佐あて書簡(書簡5)
 三 ジェファーソンの財産権観、特に労働所有論
   1 自然権としての労働所有権
   2 相続と無体財産権は自然権でない
   3 左翼リバタリアン的要素
   4 農本主義的要素
 四 ジェファーソンの世代間正義論、特に定期的憲法制定論
   1 原理とその諸帰結
   2 マディソンの批判
   3 ジェファーソンの憲法観
   4 硬性憲法の存在理由
   5 国家の時間を超えた同一性
   6 プリコミットメントとしての硬性憲法

15 権利主体としての子供
 一 序
 二 ロックの見解の概観
 三 ロック的子供の権利論の検討
   1 子供はいかにして権利主体でありうるのか?
   2 なぜ親が養育の義務と権利を持つのか?
   3 子供はいつ十分な権利を持つのか?
   4 子供は不完全な人間でしかないのか?
   5 「狂人や白痴」には権利がないのか?
 四 結  語

16 リバタリアニズムから見た犯罪への責任
 一 序
 二 刑罰制度なしの純粋損害賠償
 三 リバタリアニズムと修復的司法の比較
 四 不法行為法における「共同体的正義」・「個人的正義」・「全体的正義」と刑事責任

17 リバタリアニズムと刑罰論
 一 序
 二 刑罰の目的
   1 犯罪の抑止
   2 教育刑
   3 処罰感情の満足
   4 表明的効果
   5 応報的正義
   6 刑罰廃止論
 三 リバタリアンの刑罰論 ――特にオーツカの主張をめぐって


索 引

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内容説明

J. ロック,T. ジェファーソン,R. ノージック,J. ナーヴソンなどの議論を取り上げながら,人格的自由・経済的自由を最大限に尊重する思想・リバタリアニズムlibertarianismを力強く擁護する。〈何がリバタリアニズムの典型的な形態か〉でなく,〈何がリバタリアニズムの望ましい形態か〉をめぐる論究の書。福祉国家論,コミュニタリアニズムを批判的に検討し,政府の存在理由を根本的に問う。

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