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適合性原則と私法秩序

学術選書 40

適合性原則と私法秩序

多文化社会の中で具体的「個人」を捉える

著者 王 冷然
ジャンル 法律  > 民法
シリーズ 法律・政治  > 学術選書
出版年月日 2010/03/26
ISBN 9784797260588
判型・ページ数 A5変・440ページ
定価 本体7,500円+税
在庫 在庫あり
 

目次

<略目次>
序 章 問題の所在
第一章 日本法における適合性原則の状況
第二章 米国における適合性原則の概観
第三章 米国における適合性原則違反の行政責任
第四章 米国における適合性原則違反と連邦法上の私的訴権
第五章 米国における適合性原則違反の民事責任(1)-反詐欺条項に基づく場合
第六章 米国における適合性原則違反の民事責任(2)-信認義務に基づく場合
第七章 米国における適合性原則違反の民事効果-損害賠償の認定
第八章 米国における適合性原則の総括
第九章 適合性原則と私法秩序-総括

<細目次>

◆序章 問題の所在 3
第1節 適合性原則の基本的視点 4
第2節 適合性原則をめぐる日本法の問題状況 8
0.2.1 適合性原則違反の民事責任の認定における裁判例の問題状況 (9)
0.2.2 適合性原則の意味に関する学説上の問題状況 (11)
第3節 問題の設定および本書の構成 14
0.3.1 問題の設定 (14)
0.3.2 本書の構成 (16)

◆第1章 日本法における適合性原則の状況 19
第1節 適合性原則に関する制定法の変遷 19
1.1.1 適合性原則に関する自主規制規定 (19)
1.1.1.1 適合性原則に関する行政通達 (19)
1.1.1.2 日本証券業協会の自主規制規定 (20)
1.1.1.3 日本商品先物取引協会の自主規制規定 (21)
1.1.2 適合性原則に関する制定法の変遷 (23)
1.1.2.1 旧証券取引法の規定 (23)
1.1.2.2 金融商品取引法の規定 (26)
1.1.2.3 商品取引所法の規定 (29)
1.1.2.4 金融商品販売法の規定 (31)
第2節 適合性原則違反に関する行政執行状況 34
1.2.1 日本証券業協会の処分状況 (34)
1.2.2 証券取引等監視委員会の監督 (35)
第3節 適合性原則に関する裁判例の動向 37
1.3.1 裁判例における適合性原則の位置づけ (39)
1.3.1.1 投資取引における自己責任原則 (39)
1.3.1.2 適合性原則の位置付け (40)
1.3.2 平成17年最高裁判決までの下級審裁判例の状況 (43)
1.3.2.1 「説明義務還元型」に属する裁判例 (44)
1.3.2.2 「一体的不法行為構成型」に属する裁判例 (48)
1.3.2.3 「不法行為競合型」に属する裁判例 (51)
1.3.2.4 「独立不法行為責任型」に属する裁判例 (54)
1.3.2.5 適合性原則違反に関する否定裁判例の判断状況 (58)
1.3.2.6 平成17年最高裁判決以前の下級審裁判例の判断に関する小括 (62)
1.3.3 適合性原則に関する最高裁判所の判断 (63)
1.3.3.1 事案の概要 (63)
1.3.3.2 判  旨 (65)
1.3.3.3 平成17年最高裁判決に関する検討 (67)
1.3.4 平成17年最高裁判決以降の下級審裁判例の状況 (70)
1.3.4.1 「一体的不法行為構成型」に属する裁判例 (71)
1.3.4.2 「不法行為競合型」に属する裁判例 (73)
1.3.4.3 「独立不法行為責任型」に属する裁判例 (75)
1.3.4.4 平成17年最高裁判決以降の裁判例の判断状況に関する小括 (79)
1.3.5 裁判例における適合性の考慮要素 (80)
1.3.5.1 投資取引の特性に着目する判断 (81)
1.3.5.2 顧客の属性に着目する判断 (84)
1.3.6 小  括 (90)
第4節 適合性原則に関する学説の状況 92
1.4.1 適合性原則の意味に関する学説の状況 (94)
1.4.1.1 1999年までの適合性原則に対する理解 (95)
1.4.1.1.1 明文化される前の段階 (95)
1.4.1.1.2 明文化された後の段階 (97)
1.4.1.2 1999年以降の適合性原則に対する理解 (100)
1.4.1.2.1 「狭義の適合性原則」と「広義の適合性原則」 (100)
1.4.1.2.2 禁止規範として適合性原則を捉える学説 (103)
1.4.1.2.2.1 一般の禁止規範として適合性原則を捉える見解 (103)
1.4.1.2.2.2 「排除の論理として」適合性原則を捉える見解 (104)
1.4.1.3 適合性原則の意味の理解に関する問題点の整理 (109)
1.4.2 適合性原則と説明義務との関係に関する学説の状況 (110)
1.4.2.1 説明義務と密接な関連を有するとする見解 (111)
1.4.2.2 説明義務とは異なる法理とする見解 (112)
1.4.2.3 立法活動における動向 (115)
第5節 小  括 117

◆第2章 米国における適合性原則の概観 121
第1節 序  説 121
2.1.1 米国法に関する先行研究の状況  (121)
2.1.2 米国法の検討対象および文献の選定 (122)
2.1.3 米国法に関する検討の手順 (124)
第2節 適合性原則の起源 125
2.2.1 NASDの適合性規則の制定 (126)
2.2.2 NYSE規則405(「顧客を知れ」ルール) (127)
2.2.3 看板理論 (128)
第3節 適合性原則の発展 132
2.3.1 1940年代~1960年代前半:適合性原則より反詐欺条項が利用される時期 (132)
2.3.2 1960年代後半から:適合性原則が行為規範として確立される時期 (134)
2.3.2.1 SECの「特定調査報告」 (134)
2.3.2.2 NASD「顧客と公正に取引する」ガイドライン (135)
2.3.2.3 SECによる適合性規則の制定 (136)
2.3.2.3.1 株式資金調達プログラム(equity funding program)に関する適合性規定 (136)
2.3.2.3.2 SECO適合性規則の規定 (137)
第4節 適合性原則の内容 138
2.4.1 NASDの適合性規則の内容 (139)
2.4.1.1 規則2310(a)における「勧誘」の意味 (139)
2.4.1.2 規則2310(b)における「調査義務」の対象 (141)
2.4.1.3 規則2310(c)における「機関投資家」の条件および適合性規則の適用 (143)
2.4.2 特定の金融商品に関する適合性規則の内容 (146)
2.4.2.1 地方債証券に関する適合性規則 (146)
2.4.2.2 オプション取引に関する適合性規則 (147)
2.4.2.3 商品先物取引に対する適合性原則の不適用 (149)
第5節 適合性の判断とポートフォリオ理論 150
2.5.1 適合性の意味とリスクの評価 (151)
2.5.1.1 適合性の意味 (151)
2.5.1.2 リスクの評価 (152)
2.5.2 モダン・ポートフォリオ理論 (153)
2.5.2.1 モダン・ポートフォリオ理論の概観 (154)
2.5.2.2 最適ポートフォリオと分散投資 (155)
2.5.2.3 モダン・ポートフォリオ理論におけるリスクの概念 (157)
2.5.3 モダン・ポートフォリオ理論と適合性原則 (158)
2.5.3.1 モダン・ポートフォリオ理論とリスクの評価 (158)
2.5.3.2 モダン・ポートフォリオ理論とブローカーの注意義務 (159)
第6節 小  括 161

◆第3章 米国における適合性原則違反の行政責任 165
第1節 行政処分の概況 165
第2節 適合性原則違反の類型 167
3.2.1 「合理的根拠」の判断基準 (167)
3.2.2 適合性原則違反の2つの類型 (169)
第3節 「合理的根拠」に関する適合性違反 171
3.3.1 投資方法に「合理的根拠」がない場合 (172)
3.3.2 金融商品の性質により「合理的根拠」がない場合 (175)
第4節 「特定の顧客」に関する適合性原則違反 176
3.4.1 特定の顧客の属性を把握しない場合の投資勧誘 (177)
3.4.2 顧客の投資目的に一致しない場合の投資勧誘 (179)
3.4.2.1 金融商品の固有のリスクが高い場合 (179)
3.4.2.2 投資方法により生じるリスクが高い場合 (181)
3.4.3 特定の顧客の財産状態に一致しない投資勧誘 (183)
3.4.3.1 金融商品の固有のリスクが高い場合 (183)
3.4.3.2 投資方法により生じるリスクが高い場合 (184)
3.4.4 顧客の投資目的と自らの財産状態と矛盾する場合の投資勧誘 (186)
3.4.4.1 財産状態を重視する審決 (186)
3.4.4.2 投資目的を重視する審決 (189)
第5節 顧客の主観的態様と適合性原則違反 190
3.5.1 顧客の主観的態様の不考慮 (191)
3.5.2 オプション取引に関する顧客の理解力・判断力の考慮 (192)
第6節 ブローカーの主観的態様と適合性原則違反 194
第7節 顧客の情報に関するブローカーの調査義務 196
3.7.1 顧客の情報を知らない場合の投資勧誘 (196)
3.7.2 顧客が自らの情報を十分に提供しない場合の投資勧誘 (197)
第8節 ポートフォリオ理論と適合性原則違反 199
第9節 小  括 201

◆第4章 米国における適合性原則違反と連邦法上の私的訴権 205
第1節 リーディングケースの判断基準 206
4.1.1 代替基準とするリーディング・ケース (207)
4.1.2 投資者保護の目的+詐欺と同等であることを基準とするリーディング・ケース (210)
第2節 黙示的私的訴権に関する連邦最高裁判所の消極的立場 212
第3節 連邦法上の私的訴権に関する否定的裁判例 213
4.3.1 Buttrey事件の判断基準への批判 (213)
4.3.2 議会の意図を重視する否定裁判例 (216)
4.3.3 具体的義務の有無から否定する裁判例 (218)
4.3.4 目的解釈から否定的結論を出す裁判例 (219)
第4節  連邦私的訴権に関する肯定的裁判例 221
4.4.1 Buttrey事件の判断基準に従う裁判例 (221)
4.4.2 両基準を取り入れる裁判例 (223)
第5節 州法による適合性原則違反の判断 225
第6節 小  括 229

◆第5章 米国における適合性原則違反の民事責任──反詐欺条項に基づく場合 233
第1節 反詐欺条項に基づく黙示的私的訴権 234
第2節 反詐欺条項に基づく場合の認定要件 236
5.2.1 不適合な勧誘は規則10b-5違反になる──リーディングケースの判断 (236)
5.2.2 反詐欺条項に基づく不適合訴訟の理論的根拠 (239)
5.2.3 「不実表示または不開示理論」に基づく場合の要件──リーディングケースの判断 (240)
5.2.4 不適合訴訟(unsuitability claim)と法10条b項に基づく通常の詐欺訴訟(ordinary section10(b) fraud claim)との区別:Louros v. Kreicas事件 (243)
5.2.5 行為による詐欺理論に基づく場合の要件──リーディングケースの判断 (248)
第3節 「投資目的不一致」に関する判断 252
5.3.1 投資目的に関する判断 (252)
5.3.2 投資目的不一致の主張を否定した裁判例 (254)
5.3.3 投資目的不一致の主張を肯定した裁判例 (255)
第4節 「故意または無配慮」に関する判断 257
5.4.1 通常の詐欺訴訟の場合 (257)
5.4.2 不適合訴訟の場合 (258)
第5節 「適合性に関する不実表示または不開示」に関する判断 261
第6節 「投資者の正当な信頼」に関する判断 262
5.6.1 信頼の正当性のアプローチをとる裁判例 (264)
5.6.2 相当の注意のアプローチをとる裁判例 (267)
5.6.3 信頼の正当性と相当の注意との関係 (271)
5.6.4 書類の提示と信頼の正当性 (274)
5.6.4.1 否定裁判例 (274)
5.6.4.2 肯定裁判例 (276)
第7節 「ブローカーによる口座の支配」に関する判断 278
第8節 投資者の判断力・理解力と適合性原則違反 281
5.8.1 投資者の判断力・理解力(sophistication of investors)の有無を区別する理由 (281)
5.8.2 投資者の判断力・理解力の判断基準 (283)
第9節 小  括 283

◆第6章 米国における適合性原則違反の民事責任──信認義務に基づく場合 289
第1節 序  説 289
第2節 ブローカーの信認義務に関する裁判例 290
6.2.1 第1類型:一般的に信認関係を認める裁判例 (291)
6.2.2 第2の類型:一定の条件の下で信認関係を認定する裁判例 (293)
6.2.2.1 信認関係を一任勘定の場合に限定する裁判例 (293)
6.2.2.2 対等な当事者の間に信認関係を否定する裁判例 (296)
6.2.3 第3の類型:一定の条件を付して信認義務を限定する裁判例 (297)
6.2.3.1 信認義務を委任の範囲内に限定する裁判例 (298)
6.2.3.2 信認義務をブローカーが口座を支配している場合に限定する裁判例 (299)
6.2.3.3 対等な当事者間に信認義務を否定する裁判例 (300)
6.2.4 各裁判所の見解不一致の理由 (301)
第3節 小  括 303

◆第7章 米国における適合性原則違反の民事効果──損害賠償の認定 307
第1節 補償的損害賠償 308
7.1.1 基本的な損害賠償の算定方法 (308)
7.1.2 差額損害賠償の算定方法 (310)
7.1.3 適合性原則違反に対する補償的損害賠償の認定 (311)
7.1.3.1 証券市場の変動率をもって損害賠償の範囲を調整する裁判例 (312)
7.1.3.2 総経済的損失を損害賠償の範囲とする裁判例 (315)
7.1.4 適合性原則違反の場合における補償的損害賠償の対象 (317)
7.1.5 損害賠償における因果関係の要件 (320)
第2節 懲罰的損害賠償 322
7.2.1 懲罰的損害賠償の認定基準 (323)
7.2.2 懲罰的損害賠償の金額 (324)
第3節 小  括 325

◆第8章 米国における適合性原則の総括 329
第1節 米国における適合性原則 329
8.1.1 適合性原則の起源および内容(第2章) (329)
8.1.2 適合性原則違反に関する行政責任の認定(第3章) (331)
8.1.3 適合性原則違反に関する民事責任の認定(第4,5,6章) (332)
8.1.3.1 反詐欺条項に基づく場合の民事責任の認定(第5章) (333)
8.1.3.2 適合性原則と信認義務違反(第6章) (337)
8.1.4 適合性原則違反に関する損害賠償の認定(第7章) (338)
第2節 米国における適合性原則の意義とその役割 339
8.2.1 米国における適合性原則の意義 (339)
8.2.2 米国における適合性原則の役割 (340)
8.2.2.1 行政責任における適合性原則の役割 (341)
8.2.2.2 民事責任における適合性原則の役割 (343)
8.2.3 適合性原則と情報開示義務との関係 (348)
8.2.4 適合性原則と自己決定原則との関係 (349)

◆第9章 適合性原則と私法秩序──総括 353
第1節 適合性原則に関する日米両国の法状況の相違 354
9.1.1 適合性原則の意味に関する日米の理解の相違 (354)
9.1.2 適合性原則違反の責任認定に対する日米の対応状況の相違 (355)
第2節 適合性原則の現代的意義──米国法からの示唆を踏まえつつ 358
9.2.1 適合性原則の意義の確認 (358)
9.2.1.1 適合性原則を捉える視点の違い (358)
9.2.1.2 「適合性原則」の捉え方──「排除」か「支援」か (360)
9.2.1.3 適合性原則の意義の確認──適合性原則一本化 (367)
9.2.1.4 適合性原則の射程範囲 (370)
9.2.1.5 適合性の判断基準 (373)
9.2.2 適合性原則違反の民事責任に関する判断構造 (374)
9.2.2.1 適合性原則違反の民事責任の判断構造 (374)
9.2.2.1.1 適合性原則の業法における役割と私法における役割との分別 (374)
9.2.2.1.2 当事者の主観的要件の明示 (377)
9.2.2.1.3 過失相殺における当事者の信頼関係の考慮 (379)
9.2.2.1.4 信認関係論導入の是非 (383)
9.2.3 適合性原則と説明義務との関係 (384)
第3節 残された課題 389

主要参考文献一覧 (395)

事項索引 (405)
判例等索引 (411)


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内容説明

「適合性原則」の母法たる米国法を比較素材とし、投資取引領域における同原則の本来の意味、民事責任の判断構造を分析。さらに、日本での理解、運用上の問題点を析出、私法秩序において同原則の果たすべき役割を検討、錯綜した状況に明確な見取り図を提示する。

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