目次
はじめに
◆第1部◆ ヨーロッパ「憲法」秩序の形成
◆第1章◆ ヨーロッパ統合の展開とEU憲法論議の生成〔中村民雄〕
はじめに
Ⅰ ECの自律的法秩序の形成:1950~80年代
Ⅱ EUによるヨーロッパ憲法形成:1990年代以降
◆第2章◆ 欧州評議会・欧州人権条約からみたヨーロッパ憲法秩序〔小畑 郁(名古屋大学大学院法学研究科教授)〕
はじめに
Ⅰ シンボルを基盤とする特殊な憲法秩序としての欧州人権条約
Ⅱ 憲法秩序化の基盤としての欧州共同体 ―欧州連合とのパラレリズム
Ⅲ 憲法秩序化の主要動因としての「周辺」・「外部」との対抗とそれらの懐柔
むすびにかえて ――重層的憲法秩序の構造が示唆するもの
◆第2部◆ 各国憲法の変化
1 各国憲法の動向比較の要約表
2 各国憲法の動向の詳細比較表
◆第3章◆ イギリス憲法〔中村民雄〕
はじめに
Ⅰ EU法とイギリス憲法
Ⅱ 欧州人権条約とイギリス憲法
◆第4章◆ フランス憲法 ――憲法院と政治部門の協同関係による欧州統合の推進
〔菅原 真(名古屋市立大学大学院人間文化研究科准教授)〕
はじめに ――欧州統合による伝統的フランス憲法原理の変容
Ⅰ 第5共和制憲法における国内法とEC/EU条約の抵触問題
Ⅱ 憲法院によるEC/EU条約の合憲性審査とその後の憲法改正
Ⅲ 憲法院2004年6月10日判決以降の新動向
おわりに
◆第5章◆ イタリア憲法 ――超国家的・国際的法規範の受容と主権の制限の意味〔江原勝行(岩手大学人文社会科学部准教授)〕
はじめに ――憲法裁判所による違憲審査権の行使に関する基本的前提
Ⅰ 国内法秩序におけるEC/EU法の適用と憲法裁判所
Ⅱ 国内法秩序における欧州人権条約の適用と憲法裁判所
Ⅲ 「対抗限界」論の適用可能性
おわりに ――憲法裁判所の判例政策とヨーロッパ憲法秩序の構築可能性
◆第6章◆ ドイツ憲法〔齊藤正彰(北星学園大学経済学部教授)〕
はじめに
I 主権の移譲
Ⅱ EU法の優位性
Ⅲ 欧州人権条約の位置
Ⅳ 多層的システムと部分憲法
おわりに
◆第7章◆ ポーランド憲法 ――ヨーロッパ憲法秩序の中の対話と緊張〔小森田秋夫(神奈川大学法学部教授)〕
はじめに
Ⅰ 条約と国内法
Ⅱ 欧州人権裁判所とポーランド
Ⅲ 欧州連合と憲法
おわりに ――「多中心的な法秩序」における緊張と対話
◆第3部◆ 憲法理論の展開
◆第8章◆ ドイツにおけるヨーロッパ憲法論 ――EUと憲法理論〔林 知更(東京大学社会科学研究所准教授)〕
はじめに
Ⅰ 国家か憲法か
Ⅱ 理論と解釈
Ⅲ 連邦と多層的システム
Ⅳ ヨーロッパと民主政
おわりに
◆第9章◆ 仏語・英語圏における「ヨーロッパ立憲主義」論の動向〔山元 一〕
はじめに
Ⅰ 仏語圏における「ヨーロッパ立憲主義」論に対する批判的動向
Ⅱ 英語圏における「ヨーロッパ立憲主義」論に対する批判的動向
Ⅲ 仏語圏における「ヨーロッパ立憲主義」論に対する積極的動向
Ⅳ 英語圏におけるポスト・ナショナル立憲主義論の動向
おわりに
事項索引
主要判決索引
主要法令索引
内容説明
ヨーロッパ法がEU法と欧州人権条約の2本立てで進んできた歴史的展開(第1部)と、1950年代以降のヨーロッパ各国の憲法の変化を比較(第2部)。更に、ヨーロッパレベルの立憲主義のあり方や各国憲法の課題など、法理論の検討(第3部)を行った、待望の書。日本への貴重な示唆を含め、信頼の執筆者が結集して検討した、ヨーロッパ法研究の最先端。