中東の予防外交
総合叢書 13
激動する中東情勢の中で、「予防外交]の見地から、総合的かつ新しい安全保障論を提唱。幅広い執筆者が集い、グローバルな観点と地域政治の観点の絶妙のバランスから、国家間紛争と国内紛争、また、短期、長期も取り組みといった多様な視点を包摂し、有益な検討を加える。
吉川 元(上智大学外国語学部教授)・中村 覚(神戸大学大学院国際関係学研究科准教授) 編
◆序 章◆ 〔中村 覚〕
一 本書による中東の安全保障研究の方法/二 中東の三層分析と予防外交/三 中東における予防外交論に特有の問題/
四 中東の範囲とオリエンタリズム問題/五 政策的意義/六 本書の構成
◆第1部◆ 中東の安全保障と予防外交論
◆第1章◆ 予防外交論 ――中東の紛争予防に向けての試論〔吉川 元〕
はじめに
Ⅰ 武力紛争の発生構造
Ⅱ 紛争の国際要因
Ⅲ 紛争の予防とは
Ⅳ 試される予防外交論
◆第2章◆ OSCEと中東移植論〔齋藤嘉臣(金沢大学人間社会研究域法学系准教授)〕
はじめに
Ⅰ 予防外交レジームとしてのOSCE
Ⅱ OSCEの危機と予防外交
Ⅲ 中東における予防外交レジーム構想
Ⅳ OSCEと中東諸国との協力枠組み
結 語
◆第3章◆ 米国主導の中東民主化構想〔泉 淳(東京国際大学経済学部准教授)〕
はじめに
Ⅰ 米国の中東関与の形態
Ⅱ 中東民主化政策
Ⅲ 予防外交と中東民主化政策の限界
ま と め
◆第4章◆ 経済政策・援助外交による紛争予防に関する一考察〔細井 長(國學院大學経済学部准教授)〕
はじめに
Ⅰ 紛争予防と経済 ――中東湾岸産油国を中心として
Ⅱ 紛争予防と「外資」
Ⅲ 地域経済統合は紛争予防の一助となり得るか
む す び
◆第2部◆ 中東における予防外交的な取り組み
◆第5章◆ イスラエル・パレスチナ和平プロセスの蹉跌 ――非対称な関係における安全保障部門改革(SSR)とスポイラーの問題
〔立山良司(防衛大学校国際関係学科教授)〕
はじめに
Ⅰ 暴力への回帰
Ⅱ 西岸、ガザをめぐる状況の変化とハマースの台頭
Ⅲ パレスチナ自治政府のSSRとハマース
おわりに
◆第6章◆ リビアによる大量破壊兵器開発計画の廃棄〔木村修三(神戸大学名誉教授)〕
はじめに
Ⅰ 特異なイデオロギーに基づく体制と政策
Ⅱ 米欧との関係悪化とテロへの関わり
Ⅲ リビアによる大量破壊兵器の開発と廃棄
Ⅳ リビアの政策転換 その理由と経過
む す び
◆第7章◆ 9.11後のイランの安全保障政策・中東地域外交と内政のニュアンス
〔中西久枝(同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科教授)〕
はじめに
Ⅰ イランの権力構造の変化とガバナンス
Ⅱ イランの対アフガニスタン政策・戦略
Ⅲ イランの対イラク政策
Ⅳ 核開発問題をめぐるイランの対応
おわりに
◆第8章◆ テロ対策に有効なイスラーム的概念の社会化に関する一考察 ――サウディアラビアを事例に〔中村 覚〕
はじめに
Ⅰ 5.12事件発生後のテロ対策の限界
Ⅱ テロ対策に関わる概念の社会化
おわりに
◆第9章◆ 『恐怖の均衡』がもたらす安定と不安定
――国際政治とレバノン・イスラエル紛争〔末近浩太(立命館大学国際関係学部准教授)〕
はじめに ――アラブ最後の熱い戦線
Ⅰ 紛争の基本構図
Ⅱ 「新しい戦争」としての2006年「レバノン紛争」
Ⅲ もうひとつの「新しい戦争」としての2006年「レバノン紛争」?
Ⅳ 「恐怖の均衡」が生み出す安定と不安定
◆第10章◆ クルド問題をめぐるトルコの外交 ――紛争制御から包括的予防へ〔澤江史子(東北大学大学院国際文化研究科准教授)〕
はじめに
Ⅰ KRG地域をめぐるトルコの関与
Ⅱ トルコの紛争制御政策
Ⅲ 紛争制御から民政的予防の模索へ ――外交的野心とクルド政策の転換
おわりに
◆第3部◆ 中東における国際社会による予防外交的な取り組み
◆第11章◆ アラブ連盟の安全保障分野における機能と改革〔北澤義之(京都産業大学外国語学部教授)〕
はじめに
Ⅰ アラブ連盟の組織的特徴と問題点
Ⅱ アラブ連盟の諸問題への対応
Ⅲ アラブ連盟の変化の兆候
結びにかえて
◆第12章◆ 国際社会におけるイスラーム機関の役割及び予防外交の可能性 ――イスラーム世界連盟とイスラーム諸国会議機構を事例として
〔森 伸生(拓殖大学イスラーム研究所教授)〕
はじめに
Ⅰ イスラーム世界連盟(ラービタ)の活動とその影響力
Ⅱ イスラーム諸国会議機構(OIC)の活動と政治的役割
結 語
◆第13章◆ NATOの対中東アウトリーチ ――中東における予防外交レジーム構築に関する一考察
〔小林正英(尚美学園大学総合政策学部准教授)〕
はじめに
Ⅰ NATOとそのパートナーシップの変容
Ⅱ NATO・中東関係
結 論
◆第4部◆ 日本による対中東・予防外交への示唆
◆第14章◆ アフガニスタン ――“Reconciliation & Reintegration”(和解と社会再統合)の行方
〔伊勢崎賢治(東京外国語大学大学院総合国際学研究科教授)〕
はじめに
Ⅰ セカンド・トラックに向けたロビー活動
Ⅱ 11.23東京会議での合意の意味は何か
Ⅲ ポスト11.23東京会議
◆終 章◆ ノルウェーの中東関与〔高橋和夫(放送大学教養学部教授)〕
はじめに ――「ノルウェーの森」
Ⅰ バグダード経由オスロ着
Ⅱ 親イスラエル国家ノルウェー
Ⅲ 「北の道」の教訓
あとがき〔中村 覚〕
◆序 章◆ 〔中村 覚〕
一 本書による中東の安全保障研究の方法/二 中東の三層分析と予防外交/三 中東における予防外交論に特有の問題/
四 中東の範囲とオリエンタリズム問題/五 政策的意義/六 本書の構成
◆第1部◆ 中東の安全保障と予防外交論
◆第1章◆ 予防外交論 ――中東の紛争予防に向けての試論〔吉川 元〕
はじめに
Ⅰ 武力紛争の発生構造
Ⅱ 紛争の国際要因
Ⅲ 紛争の予防とは
Ⅳ 試される予防外交論
◆第2章◆ OSCEと中東移植論〔齋藤嘉臣(金沢大学人間社会研究域法学系准教授)〕
はじめに
Ⅰ 予防外交レジームとしてのOSCE
Ⅱ OSCEの危機と予防外交
Ⅲ 中東における予防外交レジーム構想
Ⅳ OSCEと中東諸国との協力枠組み
結 語
◆第3章◆ 米国主導の中東民主化構想〔泉 淳(東京国際大学経済学部准教授)〕
はじめに
Ⅰ 米国の中東関与の形態
Ⅱ 中東民主化政策
Ⅲ 予防外交と中東民主化政策の限界
ま と め
◆第4章◆ 経済政策・援助外交による紛争予防に関する一考察〔細井 長(國學院大學経済学部准教授)〕
はじめに
Ⅰ 紛争予防と経済 ――中東湾岸産油国を中心として
Ⅱ 紛争予防と「外資」
Ⅲ 地域経済統合は紛争予防の一助となり得るか
む す び
◆第2部◆ 中東における予防外交的な取り組み
◆第5章◆ イスラエル・パレスチナ和平プロセスの蹉跌 ――非対称な関係における安全保障部門改革(SSR)とスポイラーの問題
〔立山良司(防衛大学校国際関係学科教授)〕
はじめに
Ⅰ 暴力への回帰
Ⅱ 西岸、ガザをめぐる状況の変化とハマースの台頭
Ⅲ パレスチナ自治政府のSSRとハマース
おわりに
◆第6章◆ リビアによる大量破壊兵器開発計画の廃棄〔木村修三(神戸大学名誉教授)〕
はじめに
Ⅰ 特異なイデオロギーに基づく体制と政策
Ⅱ 米欧との関係悪化とテロへの関わり
Ⅲ リビアによる大量破壊兵器の開発と廃棄
Ⅳ リビアの政策転換 その理由と経過
む す び
◆第7章◆ 9.11後のイランの安全保障政策・中東地域外交と内政のニュアンス
〔中西久枝(同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科教授)〕
はじめに
Ⅰ イランの権力構造の変化とガバナンス
Ⅱ イランの対アフガニスタン政策・戦略
Ⅲ イランの対イラク政策
Ⅳ 核開発問題をめぐるイランの対応
おわりに
◆第8章◆ テロ対策に有効なイスラーム的概念の社会化に関する一考察 ――サウディアラビアを事例に〔中村 覚〕
はじめに
Ⅰ 5.12事件発生後のテロ対策の限界
Ⅱ テロ対策に関わる概念の社会化
おわりに
◆第9章◆ 『恐怖の均衡』がもたらす安定と不安定
――国際政治とレバノン・イスラエル紛争〔末近浩太(立命館大学国際関係学部准教授)〕
はじめに ――アラブ最後の熱い戦線
Ⅰ 紛争の基本構図
Ⅱ 「新しい戦争」としての2006年「レバノン紛争」
Ⅲ もうひとつの「新しい戦争」としての2006年「レバノン紛争」?
Ⅳ 「恐怖の均衡」が生み出す安定と不安定
◆第10章◆ クルド問題をめぐるトルコの外交 ――紛争制御から包括的予防へ〔澤江史子(東北大学大学院国際文化研究科准教授)〕
はじめに
Ⅰ KRG地域をめぐるトルコの関与
Ⅱ トルコの紛争制御政策
Ⅲ 紛争制御から民政的予防の模索へ ――外交的野心とクルド政策の転換
おわりに
◆第3部◆ 中東における国際社会による予防外交的な取り組み
◆第11章◆ アラブ連盟の安全保障分野における機能と改革〔北澤義之(京都産業大学外国語学部教授)〕
はじめに
Ⅰ アラブ連盟の組織的特徴と問題点
Ⅱ アラブ連盟の諸問題への対応
Ⅲ アラブ連盟の変化の兆候
結びにかえて
◆第12章◆ 国際社会におけるイスラーム機関の役割及び予防外交の可能性 ――イスラーム世界連盟とイスラーム諸国会議機構を事例として
〔森 伸生(拓殖大学イスラーム研究所教授)〕
はじめに
Ⅰ イスラーム世界連盟(ラービタ)の活動とその影響力
Ⅱ イスラーム諸国会議機構(OIC)の活動と政治的役割
結 語
◆第13章◆ NATOの対中東アウトリーチ ――中東における予防外交レジーム構築に関する一考察
〔小林正英(尚美学園大学総合政策学部准教授)〕
はじめに
Ⅰ NATOとそのパートナーシップの変容
Ⅱ NATO・中東関係
結 論
◆第4部◆ 日本による対中東・予防外交への示唆
◆第14章◆ アフガニスタン ――“Reconciliation & Reintegration”(和解と社会再統合)の行方
〔伊勢崎賢治(東京外国語大学大学院総合国際学研究科教授)〕
はじめに
Ⅰ セカンド・トラックに向けたロビー活動
Ⅱ 11.23東京会議での合意の意味は何か
Ⅲ ポスト11.23東京会議
◆終 章◆ ノルウェーの中東関与〔高橋和夫(放送大学教養学部教授)〕
はじめに ――「ノルウェーの森」
Ⅰ バグダード経由オスロ着
Ⅱ 親イスラエル国家ノルウェー
Ⅲ 「北の道」の教訓
あとがき〔中村 覚〕
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