目次
◆ 第1部 ◆ 労働組合法の行くえ
◇第1章◇ 労働組合法の直面する諸問題
はじめに――やや長めの問題提起(3)
(1) 労働組合はなぜ弱体化したか(4)/(2) 従業員代表法制の構想(6)/(3) 従業員代表構想と組合機能(8)/(4) 本稿の問題関心(9)
Ⅰ節 労使関係の変貌と法理形成(10)
(1) 労使関係の変貌(10)/(2) 法制度・法理形成への影響(14)
Ⅱ節 労働組合内部問題(17)
(1) 現行規定の特徴と問題点(17)/(2) 判例法理の特徴と問題点(20)/(3) 見直しの視点(24)
Ⅲ節 団体交渉(28)
(1) 現行規定の特徴と問題点(29)/(2) 判例法理の特徴と問題点(32)/(3) 団交紛争の処理(35)/(4) 見直しの視点(36)
Ⅳ節 プレッシャー行為(44)
(1) 判例法理の特徴と問題点(45)/(2) 見直しの視点(47)
Ⅴ節 労働協約(53)
(1) 判例法理の特徴と問題点(53)/(2) 見直しの視点(56)
Ⅵ節 不当労働行為制度(62)
(1) 労組法の立法史からの考察(63)/(2) 判例法理の特徴(69)/
(3) 行政救済法理の独自性(73)/(4) 2004年の労組法改正(80)/
(5) 不当労働行為制度の直面する課題(87)/(6) 集団的労使紛争処理システムとしての見直し(92)
結語 法理を支える構想力(102)
(1) なぜ団結したか(103)/(2) なぜ団結が困難となったか(104)/
(3) 団結の行くえ(107)
◆ 第2部 ◆ 危機に瀕する団結権法理
◇ 第2章 ◇ 組合申立の法理
――労働委員会手続における組合員と組合 121
はじめに(121)
Ⅰ節 労働委員会手続(123)
(1) 申 立(123)/(2) 再審査申立(128)
Ⅱ節 取消訴訟(129)
(1) 原告適格(129)/(2) 参 加(130)
Ⅲ節 救済命令・救済利益(132)
(1) 救済命令(132)/(2) 救済利益(136)
Ⅳ節 組合申立の法理(138)
(1) 判例法理の検討(138)/(2) 組合申立の法理(143)
◇ 第3章 ◇ 団結権侵害を理由とする損害賠償法理
問題提起(153)
Ⅰ節 行政救済と司法救済(154)
(1) 判例法理の全体像(154)/(2) 行政救済と司法救済(156)
Ⅱ節 裁判例の全体的傾向(160)
(1) 事実関係上の特徴(161)/(2) 理論的特徴(165)
Ⅲ節 団結権侵害を理由とする損害賠償法理(179)
(1) 反組合的行為に対する規制視角(179)/(2) 違法性(180)/
(3) 故意・過失(183)/(4) 損害論(185)/(5) 加害者関係論(190)/
(6) 将来的課題(196)
◆ 第3部 ◆ 直面する諸問題
◇ 第4章 ◇ 労働契約法制と労働組合
はじめに(211)
Ⅰ節 現行従業員代表制・労使委員会制度の問題点(216)
(1) 制度の形成過程(216)/(2) 基本的特徴と問題点(220)/(3) 関連裁判例(224)
Ⅱ節 素案が示した労使委員会等構想(230)
(1) 現行就業規則法理の問題点(230)/(2) 労使委員会等の構想(232)
Ⅲ節 労働組合機能との関連(239)
(1) 労働組合と労使委員会の異同(239)/(2) 労働組合機能との関連(242)/(3) 労働契約法下における労働組合の機能(244)
◇ 第5章 ◇ 企業組織再編と労使関係法
Ⅰ節 企業組織再編にともなう労使関係法上の問題(250)
(1) 企業組織の再編(250)/(2) 労使関係法上の諸問題(252)
Ⅱ節 親会社の団交応諾義務をめぐる判例法理(253)
(1) 最高裁判例法理の形成(254)/(2) 下級審の動向(255)/(3) 朝日放送事件最判の位置づけ(259)
Ⅲ節 親会社の使用者性(262)
(1) 不当労働行為制度のとらえ方(263)/(2) なんのための団交権か(264)/(3) 残された課題(268)
◇ 第6章 ◇ 労働協約締結過程における労使の利害調整
Ⅰ節 なにが問題か(271)
Ⅱ節 なぜこのような紛争が増加したのか(273)
Ⅲ節 労働条件決定過程における労働組合(275)
(1) 労働条件決定過程(275)/(2) 労働組合の「公正代表義務」(278)/(3)労使の利害調整(279)
◇ 第7章 ◇ 公務員労働法における団交・協約法制
――2007.10.19報告書の死角 283
はじめに(283)
Ⅰ節 公務員労働基本権の現状と問題点(285)
(1) 労働基本権の保障規定(286)/(2) 判例法理の特徴と問題点(288)
Ⅱ節 本報告書の内容(290)
(1) 改革の必要性と方向性(290)/(2) 改革の具体化にあたり検討すべき論点(292)
Ⅲ節 本報告書の特徴と問題点(294)
Ⅳ節 残された基本問題(299)
内容説明
組織率の低下と、職場における影響力も弱まりつつある労働組合の実情を見据え、適切な集団労働条件決定の観点から、労働組合法をめぐる現在の問題点を的確に析出し、あるべき法理論を提示。将来の立法論を構想する際の土台となる重要論文を収載した第一人者による待望の書。