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現代民法担保法

現代民法シリーズ

現代民法担保法

人的担保・物的担保の総合理論を提唱

著者 加賀山 茂
ジャンル 法律  > 民法
出版年月日 2009/12/25
ISBN 9784797226843
判型・ページ数 A5変・738ページ
定価 本体6,800円+税
在庫 在庫あり
 

目次

◆大 目 次

はじめに――1
 第1節 本書の範囲と構成 …1
 第2節 本書の特色 …5
 第3節 本書の危険性と有用性…14

第1部 問題の所在――担保法の基礎理論が発達しないのはなぜか
第1章 担保法の領域における基礎理論の欠落――28
 第1節 担保法を苦手とする学生が多い理由――基礎理論の不在 …28
 第2節 担保法に関する理論の欠如の原因――債権の掴取力の強化(優先弁済権)を物権として規定したことは立法の過誤 …29
第2章 担保法の基礎理論を再構築するための出発点――保証「債務」も担保「物権」も存在しない――33
 第1節 保証債務という債務は存在せず,担保物権という物権は存在しないという出発点 …33
 第2節 旧民法債権担保編の効用 …34
第3章 債権の効力と担保物権の通有性との関係――38
 第1節 「担保物権の通有性」という概念の必要性 …38
 第2節 「担保物権の通有性」の意味とその物権性に対する疑問 …39
 第3節 担保物権を一つにまとめる概念としての優先弁済権と「担保物権の通有性」の新しい意味づけ …44
 第4節 担保物権の効力は,債権の固有の効力の中にすべて含まれている …47
 第5節 担保法総論の創設 …52
 第6節 担保法各論の連続性――人的担保と物的担保との関係 …53

第2部 担保法総論――債権の保全と取立ての一般理論
第4章 債権の掴取力(潜在的な換価・処分権)――57
 第1節 物権と債権との区別と債権の掴取力における両者の交錯 …57
 第2節 債権の掴取力における債権者平等の原則とその例外 …58
第5章 債権者代位権および直接訴権(第三債務者に対する直接の取立権)――60
 第1節 権利質権者による第三債務者に対する直接取立権 …60
 第2節 一般債権者による債務名義不要の取立権としての債権者代位権 …61
 第3節 債権者代位権(間接訴権)と直接請求権(直接訴権)との関係 …67
 第4節 債権者代位権(間接訴権)の転用と直接請求権(直接訴権)との関係 …73
第6章 詐害行為取消権(第三者に対する追及効)――79
 第1節 追及効を有するのは物権だけか …79
 第2節 債権に追及効を与える制度としての詐害行為取消権(民法424~426条) …80
 第3節 詐害行為取消権の性質… …82
 第4節 詐害行為取消権の要件… …88
 第5節 詐害行為取消権の行使方法 …89
第7章 履行拒絶の抗弁権による同時履行の実現(引換給付)――94
 第1節 対立する債権の一方についての「履行拒絶の抗弁権」は,他方の債権に関して事実上の優先弁済権を生じさせる …94
 第2節 履行拒絶の抗弁権は,相殺と組み合わされたときには,最強の担保権として機能することができる …104
第8章 相殺(意思表示のみによる同時履行を超えた即時・優先的取立権)――107
 第1節 債権法に属する相殺が担保物権を超える担保力を有するのはなぜか… …107
 第2節 相殺の担保的機能 …122

第3部 担保法各論1――人的担保
第9章 保  証――133
 第1節 保証の基本的な考え方… …133
 第2節 保証は債務か責任か …137
 第3節 主契約,保証委託契約,保証契約との関係 …146
 第4節 保証人の免責 …148
 第5節 保証の公序良俗違反性とその克服 …154
第10章 連帯保証――159
 第1節 実務における連帯保証契約の濫用と当事者の意思解釈 …159
 第2節 連帯保証の意義と機能… …160
第11章 連帯債務――161
 第1節 連帯債務の特色 …161
 第2節 連帯債務の性質を説明するモデル――相互保証理論 …164
 第3節 連帯債務者の一人に生じた事由の他の連帯債務者に対する影響 …167
 第4節 相互保証理論に対する批判と再批判 …171
第12章 不可分債務――173
 第1節 多数当事者の債権・債務関係における不可分債務の位置づけ …173
 第2節 債権・債務における不可分の意味 …173
 第3節 不可分債務において一人の債務者に生じた事由の他の債務者に対する効力 …174

第4部 担保法各論2――物的典型担保(民法上の「担保物権」)
第13章 留 置 権――182
 第1節 留置権概説 …183
 第2節 留置権における牽連性の要件 …196
 第3節 留置権の成立要件・対抗要件が争われている典型例と解決法 …229
 第4節 留置権の効力 …241
 第5節 留置権の消滅 …250
 第6節 留置権のまとめと提言… …255
第14章 先取特権――260
 第1節 先取特権概説 …261
 第2節 先取特権の設例と解説… …272
 第3節 先取特権の種類と優先順位 …279
 第4節 動産売買の先取特権と集合物譲渡担保との競合 …307
 第5節 先取特権に基づく物上代位(現行民法の破綻とその後の解釈の大混乱) …313
 第6節 先取特権の消滅 …331
 第7節 先取特権のまとめ(優先順位決定のルールについて) …331
第15章 質  権――339
 第1節 質権の意義 …339
 第2節 質権の設定(優先弁済権付与の合意) …344
 第3節 質権の対抗要件 …351
 第4節 質権における担保物権の通有性 …354
 第5節 動 産 質 …360
 第6節 不動産質 …366
 第7節 権 利 質 …374
 第8節 質権の消滅 …385
 第9節 質権のまとめ …386
第16章 抵 当 権――389
 第1節 抵当権概説 …389
 第2節 抵当権の成立要件と対抗要件 …399
 第3節 抵当権の効力(追及効を伴う優先弁済権) …404
 第4節 抵当権の処分(優先弁済権の譲渡) …426
 第5節 抵当権の実行 …437
 第6節 共同抵当 …482
 第7節 法定地上権 …503
 第8節 抵当権と用益権との調和 …543
 第9節 抵当権の消滅 …560
第17章 根抵当権(債権枠で限定された流動債権に関する抵当権)――584
 第1節 根抵当権概説 …584
 第2節 根抵当権の設定 …593
 第3節 根抵当権の優先弁済権… …593
 第4節 根抵当関係の変更 …594
 第5節 根抵当権の処分(抵当権とその順位の譲渡・放棄の禁止) …600
 第6節 共同根抵当・累積根抵当 …603
 第7節 確定――根抵当関係の終了 …604

第5部 担保法各論3・――物的非典型担保
第18章 非典型の物的担保概観――610
 第1節 非典型担保における典型担保の役割(優越的地位の濫用の防止) …610
 第2節 非典型担保における「嘘の効用」 …612
 第3節 非典型担保における優越的地位の濫用に対するコントロールの必要性とその方法 …614
 第4節 非典型担保の種類 …615
第19章 仮登記担保――617
 第1節 仮登記担保法概説 …617
 第2節 仮登記担保の成立(設定) …624
 第3節 仮登記担保の実行 …626
 第4節 仮登記担保の効力 …632
第20章 譲渡担保――635
 第1節 譲渡担保の誕生と信託的行為(通謀虚偽表示) …635
 第2節 動産譲渡担保 …652
 第3節 不動産譲渡担保 …659
 第4節 債権譲渡担保 …661
第21章 所有権留保――667
 第1節 所有権留保の意義 …667
 第2節 割賦販売(クレジット契約)における所有権留保 …669
 第3節 所有権留保の実行とその制限 …670
おわりに――673





◆詳細目次

はじめに――1
 第1節 本書の範囲と構成 …1
 第2節 本書の特色 …5
Ⅰ 保証債務という債務は存在しない(本来の債務〔主債務〕のみが存在する)(8)
Ⅱ 担保物権という物権は存在しない(債権とその優先弁済効のみが存在する)(9)
Ⅲ 担保物権は,債権の「弁済を受ける権利」に過ぎない(11)
Ⅳ 非典型担保においても,担保目的物の所有権は債権者に移転しない(13)
 第3節 本書の危険性と有用性 …14
Ⅰ 本書の危険性――警告表示は必要か(14)
Ⅱ 通説における理解困難性と物権法原理からの乖離と破綻(19)
Ⅲ 本書の効用――担保法を学習する際に最初に読むべき本(21)
Ⅳ わが国で初めての担保法の体系書(22)

第1部 問題の所在――担保法の基礎理論が発達しないのはなぜか

第1章 担保法の領域における基礎理論の欠落――28
 第1節 担保法を苦手とする学生が多い理由――基礎理論の不在 …28
 第2節 担保法に関する理論の欠如の原因――債権の掴取力の強化(優先弁済権)を物権として規定したことは立法の過誤 …29
第2章 担保法の基礎理論を再構築するための出発点――保証「債務」も担保「物権」も存在しない――33
 第1節 保証債務という債務は存在せず,担保物権という物権は存在しないという出発点 …33
 第2節 旧民法債権担保編の効用 …34
第3章 債権の効力と担保物権の通有性との関係――38
 第1節 「担保物権の通有性」という概念の必要性 …38
 第2節 「担保物権の通有性」の意味とその物権性に対する疑問 …39
 第3節 担保物権を一つにまとめる概念としての優先弁済権と「担保物権の通有性」の新しい意味づけ …44
Ⅰ いわゆる担保物権に共通する性質(45)
Ⅱ 「担保物権の通有性」の新しい意味づけ(46)
 第4節 担保物権の効力は,債権の固有の効力の中にすべて含まれている …47
Ⅰ 債務者の財産に対する換価・処分権能(48)
Ⅱ 第三債務者に対する直接取立権(48)
Ⅲ 第三者への追及効(49)
Ⅳ 優先弁済権(50)
 第5節 担保法総論の創設 …52
 第6節 担保法各論の連続性――人的担保と物的担保との関係 …53
第2部 担保法総論――債権の保全と取立ての一般理論
第4章 債権の掴取力(潜在的な換価・処分権)――57
 第1節 物権と債権との区別と債権の掴取力における両者の交錯 …57
 第2節 債権の掴取力における債権者平等の原則とその例外 …58
第5章 債権者代位権および直接訴権(第三債務者に対する直接の取立権)――60
 第1節 権利質権者による第三債務者に対する直接取立権 …60
 第2節 一般債権者による債務名義不要の取立権としての債権者代位権 …61
Ⅰ 債権者代位権の位置づけ(61)
 A 責任財産保全制度説(62)
 B 簡便な債権回収手段説(62)
 C 包括担保権説(63)
Ⅱ 債権者代位権の要件(64)
Ⅲ 債権者代位権の特色(66)
 A 債務者の無資力要件(66)
 B 債務者に対する確定判決の不要(66)
 C 行使できる権利の範囲(67)
 第3節 債権者代位権(間接訴権)と直接請求権(直接訴権)との関係 …67
Ⅰ 完全直接訴権(自賠法16条の直接請求権)(68)
Ⅱ 不完全直接訴権(民法613条の直接請求権)(69)
 A 民法613条の直接請求権のメカニズム(69)
 B 民法613条の直接訴権による権利関係の変動(71)
 C 民法613条の直接訴権と第三債務者の抗弁との関係(71)
 D 直接訴権の第三債務者の抗弁に関する通説の誤解とその解明(72)
 第4節 債権者代位権(間接訴権)の転用と直接請求権(直接訴権)との関係 …73
第6章 詐害行為取消権(第三者に対する追及効)――79
 第1節 追及効を有するのは物権だけか …79
 第2節 債権に追及効を与える制度としての詐害行為取消権(民法424~426条) …80
 第3節 詐害行為取消権の性質 …82
Ⅰ 形成権説(82)
Ⅱ 請求権説(82)
Ⅲ 折衷説(相対的取消説)(83)
Ⅳ 責 任 説(84)
Ⅴ 訴 権 説(84)
Ⅵ 対抗不能説(85)
 第4節 詐害行為取消権の要件 …88
Ⅰ 客観的要件(88)
Ⅱ 主観的要件(89)
 第5節 詐害行為取消権の行使方法 …89
Ⅰ 裁判上の請求(89)
Ⅱ 訴えの相手方(92)
第7章 履行拒絶の抗弁権による同時履行の実現(引換給付)――94
 第1節 対立する債権の一方についての「履行拒絶の抗弁権」は,他方の債権に関して事実上の優先弁済権を生じさせる …94
Ⅰ 履行拒絶の抗弁権(広義の同時履行の抗弁権)の種類(94)
Ⅱ 同時履行を実現するための履行拒絶の抗弁権が,対立する債権に対する事実上の優先弁済権を生じさせる(97)
 A 質権との類似性を根拠にする事実的優先弁済権の説明とその破綻(98)
 B 「履行拒絶の抗弁権」を有する同時履行の抗弁権と留置権との異同(99)
 C 同時履行の抗弁権は,留置権とは別に,事実上の優先弁済権を実現できるか(100)
 D 先履行義務を拒絶できる不安の抗弁権を通じて,同時履行と事実上の優先弁済権が生み出される(101)
 第2節 履行拒絶の抗弁権は,相殺と組み合わされたときには,最強の担保権として機能することができる …104
第8章 相殺(意思表示のみによる同時履行を超えた即時・優先的取立権)――107
 第1節 債権法に属する相殺が担保物権を超える担保力を有するのはなぜか …107
Ⅰ 相殺の意義(107)
Ⅱ 相殺の機能(108)
 A 簡易決済の機能(108)
 B 公平に基づく担保的機能(108)
Ⅲ 相殺の要件(109)
 A 相殺適状(109)
  1 代替性・相互性の要件(109)
  2 相互性の拡張としての3者間相殺(109)
  3 請求可能性(2つの債権が弁済期にあること)(115)
 B 相殺の障害要件(115)
Ⅳ 相殺の効果(116)
 A 通説的理解(116)
 B 踏み込んだ理解(117)
  1 取消しの遡及効(118)
  2 時効の遡及効(120)
  3 相殺の遡及効(120)
 第2節 相殺の担保的機能 …122
Ⅰ 相殺の担保的機能に関する基本的な考え方(122)
Ⅱ 相殺の担保的機能の特色(122)
Ⅲ 定期預金における相殺予約(124)
Ⅳ 相殺の担保的機能が問題となる場面(127)
 A 振込指定(127)
 B 敷金と相殺(128)
Ⅴ 相殺の遡及効と同時履行の関係等によるその制限(129)
第3部 担保法各論1――人的担保
第9章 保  証――133
 第1節 保証の基本的な考え方 …133
Ⅰ 保障の性質(133)
Ⅱ 書面性が要求される理由(133)
Ⅲ 保証契約の構造(135)
Ⅳ 貸金等根保証契約に関する特則(136)
 第2節 保証は債務か責任か …137
Ⅰ 多数当事者の「債権」の節に,なぜ保証「債務」が規定されていたのか(137)
Ⅱ 連帯債務の構造と求償権発生のメカニズム(139)
Ⅲ 保証の規定の連帯債務への準用の可能性(140)
 A 求償の要件としての負担部分を超える弁済(民法465条と442条との関係)(140)
 B 求償の要件としての事前の通知・事後の通知(民法463条と443条との関係)(142)
Ⅳ 債務なき責任としての保証「債務」と物上保証との関係(145)
 第3節 主契約,保証委託契約,保証契約との関係 …146
Ⅰ 主債務と保証「債務」との関係(付従性)(146)
Ⅱ 保証委託契約と保証契約との関係(求償関係)(147)
 第4節 保証人の免責 …148
Ⅰ 主債務の不発生・無効・消滅による保証人の免責(付従性)(148)
 A 付従性の原則(148)
 B 保証の付従性の緩和,債務者の安易な免責に対する批判的考察(151)
Ⅱ 債権者の責めに帰すべき事由に基づく保証人の免責(151)
 A 債権者の適時の催告・検索懈怠による保証人の免責(151)
 B 債権者の担保保存義務違反による保証人の免責(153)
 第5節 保証の公序良俗違反性とその克服 …154
Ⅰ 2004年民法改正の意義と問題点(155)
Ⅱ 保証人の保護の根拠としての無償契約に関する民法550条・551条の準用(156)
Ⅲ 今後の展望(158)
第10章 連帯保証――159
 第1節 実務における連帯保証契約の濫用と当事者の意思解釈 …159
 第2節 連帯保証の意義と機能 …160
第11章 連帯債務――161
 第1節 連帯債務の特色 …161
Ⅰ 通説による連帯債務の定義とその破綻(161)
Ⅱ 社会科学の方法論の採用(162)
Ⅲ 連帯債務の性質に関する共通理解(163)
 第2節 連帯債務の性質を説明するモデル――相互保証理論 …164
Ⅰ 相互保証理論モデルの提示(164)
Ⅱ 相互保証理論モデルによるシミュレーションと適用法理(165)
Ⅲ 各債務者が全額を弁済した場合のシミュレーション(165)
 第3節 連帯債務者の一人に生じた事由の他の連帯債務者に対する影響 …167
Ⅰ 例 題 1(167)
 A 通説による説明(167)
 B 相互保証理論による説明(168)
 C 通説に対する相互保証理論からの批判(169)
Ⅱ 例 題 2(170)
 A 相互保証理論によるすべての説の説明(170)
 B 相互保証理論による判例の説明(170)
 第4節 相互保証理論に対する批判と再批判 …171
第12章 不可分債務――173
 第1節 多数当事者の債権・債務関係における不可分債務の位置づけ …173
 第2節 債権・債務における不可分の意味 …173
 第3節 不可分債務において一人の債務者に生じた事由の他の債務者に対する効力 …174
第4部 担保法各論 2――物的典型担保(民法上の「担保物権」)
第13章 留 置 権――182
 第1節 留置権概説 …183
Ⅰ 留置権の意義と典型例(183)
Ⅱ 担保物権の各論を留置権から始めるのではなく抵当権から始める講義や教科書が増えてきている理由(184)
 A 留置権を担保物権であると説明しても,学生たちの理解は得られない(184)
 B 学生たちが留置権について理解困難に陥る理由とそのプロセス(185)
  1 留置権と「担保物権の通有性」との乖離(185)
  2 留置権の物権性の希薄さ(186)
  3 留置権の物権としての強力な対抗力(186)
  4 留置権の対抗要件と物権総則(民法177条・178条)との乖離(187)
  5 留置権の成立要件における矛盾と混乱(187)
 C 学生たちに留置権を理解できるように説明する方法とは(192)
Ⅲ 留置権は,法律上の優先弁済権がなく,物権として構成する必要はない(193)
 A 留置権には,物権の根拠とされてきた「法律上の優先弁済権」は存在しない(193)
 B 留置権に事実上の優先弁済権が認められる理由は,誰に対しても対抗できる「履行拒絶の抗弁権」を有するからである(194)
 第2節 留置権における牽連性の要件 …196
Ⅰ 留置権の成立要件としての牽連性(196)
Ⅱ 留置権の成立要件(民法295条)の立法理由(198)
 A 旧民法債権担保編92条(202)
 B 旧民法債権担保編92条の要件分析(206)
 C 立法理由と旧民法の修正(207)
 D 現行民法における「隠れた留置権」の規定(209)
  1 盗品・遺失物に関する善意取得の特則における留置権の規定(民法194条)(209)
  2 他人物による弁済,制限能力者による弁済の場合における留置権の規定(民法475条・476条)(212)
 E 旧民法に規定されていた留置権であって,現行民法295条と重複するとして削除されたもの(216)
  1 売買代金を担保するために売主に与えられた留置権(216)
  2 使用貸借・賃貸借における費用償還請求権または損害賠償請求権を担保するために借主に与えられた留置権(219)
  3 寄託における費用償還請求権・損害賠償請求権を担保するために受寄者に与えられた留置権(220)
  4 請負における報酬請求権・損害賠償請求権を担保するために請負人に与えられた動産留置権(220)
 F 旧民法で認められていた留置権に関するまとめ(221)
Ⅲ 留置権の成立要件に関する通説の考え方(222)
 A 通説による要件分類(222)
 B 通説による要件分類の問題点(223)
Ⅳ 留置権の成立要件の新しい考え方(225)
 A 留置権の成立要件の再構成(225)
 B 具体的イメージと留置権の発生理由の擬人的表現(227)
  1 具体例1(預けた子犬のイメージ)(227)
  2 具体例2(負傷した迷い犬のイメージ)(227)
  3 具体例3(いたずらで迷惑な子犬のイメージ)(228)
  4 具体例4(かわい過ぎる子犬のイメージ:否定例)(229)
 第3節 留置権の成立要件・対抗要件が争われている典型例と解決法 …229
Ⅰ 概  説(229)
Ⅱ 留置権の発生が争われている典型例(230)
 A 賃貸借物件の買取りの場合(230)
  1 借地における建物買取請求権の場合(230)
  2 借家における造作買取請求権の行使の場合(231)
  3 敷金返還請求権(231)
 B 不動産の二重譲渡の場合(233)
  1 第1買主の第2買主に対する留置権(233)
  2 通説・判例の考え方(233)
  3 道垣内説による説明とその批判(233)
  4 通説に対する批判(235)
  5 留置権を認めることと不動産物権秩序への影響(237)
  6 担保権=債権拡張効力説の効用(238)
 C 譲渡担保物件の債権者による無断譲渡の場合(239)
  1 譲渡担保設定者の転得者に対する留置権(239)
  2 通説・判例の考え方(239)
  3 通説・判例に対する批判(239)
 D 賃貸人による賃貸目的物の譲渡の場合(240)
  1 賃借物が第三者に譲渡された場合の留置権(240)
  2 通説・判例の考え方(240)
  3 通説・判例に対する批判(240)
 第4節 留置権の効力 …241
Ⅰ 概  説(241)
Ⅱ 留置的効力と引渡拒絶の抗弁権(242)
 A 引渡拒絶の抗弁権(242)
 B 引換給付判決(同時履行の抗弁権との類似性)(242)
 C 留置権の訴訟上の行使と時効中断の効力(243)
 D 留置的効力と同時履行の抗弁権との対比(243)
Ⅲ 留置的効力による事実上の優先弁済権(244)
 A 事実上の優先弁済権(244)
 B 留置的効力と優先弁済権との対比(244)
Ⅳ 不可分性(民法296条)(245)
Ⅴ 果実収取権:留置権者の善管注意義務(民法298条)と果実からの優先弁済権(民法297条)(246)
 A 概  説(246)
 B 具体例による検討(246)
Ⅵ 費用償還請求権(247)
 A 概説(民法295条と299条との関係)(247)
 B 必要費償還請求権(249)
 C 有益費償還請求権(249)
 第5節 留置権の消滅 …250
Ⅰ 概  説(250)
Ⅱ 留置権・質権に共通の消滅原因(252)
 A 留置権者の善管注意義務(252)
 B 善管注意義務違反に対する制裁としての債務者・所有者による留置権の消滅請求(民法298条3項)(252)
Ⅲ いわゆる留置権に固有の消滅原因(253)
 A 動産質の場合と類似の消滅原因(253)
  1 原則:占有の喪失(民法302条本文)(253)
  2 例外:留置権が消滅しない場合(占有回収,間接占有)(253)
 B 留置権に固有の消滅原因(254)
  1 代担保の供与による消滅(民法301条)(254)
  2 債務者の破産(破産法93条2項)・会社更生(会社更生法2条10項)(255)
 第6節 留置権のまとめと提言 …255
Ⅰ 要件としての牽連性(255)
Ⅱ 効果としての事実上の優先弁済効(258)
第14章 先取特権――260
 第1節 先取特権概説 …261
Ⅰ 先取特権の意義(263)
Ⅱ 「嫌悪される」べき先取特権に対する廃止論とその根拠に対する批判(263)
Ⅲ 優先弁済権の典型例としての先取特権の重要性(268)
 第2節 先取特権の設例と解説 …272
Ⅰ 先取特権の設例(272)
Ⅱ 設例の解説(272)
 A 先取特権の制度がないと仮定した場合の配当額(272)
 B 先取特権の規定に従った正しい配当額(273)
  1 先取特権の種類と順位の確定基準(273)
  2 先取特権の順位の確定作業(274)
  3 先取特権の順位の確定と順位に従った配当額の決定(275)
 C 債権の種類によって優先順位をつける意味(275)
 D 第1順位の先取特権者が,第2順位または第3順位の先取特権者の存在を知っていた場合の例外(276)
 第3節 先取特権の種類と優先順位 …279
Ⅰ 一般先取特権とその優先順位(280)
 A 共益費用の先取特権(民法306条1号・307条)(280)
 B 雇用関係の先取特権(民法306条2号・308条)(281)
 C 葬式費用の先取特権(民法306条3号・309条)(281)
 D 日用品供給の先取特権(民法306条4号・310条)(282)
Ⅱ 動産先取特権とその優先順位(282)
 A 不動産賃貸の先取特権(民法311条1号・312条)(284)
  1 不動産賃貸の先取特権の目的物の範囲(286)
  2 被担保債権の範囲(敷金がある場合の制限を中心に)(287)
  3 民法316条の解釈を通じた敷金に対する賃貸人の先取特権と敷金返還請求に対する賃借人の先取特権の創設(290)
 B 旅館宿泊の先取特権(民法311条2号・317条)(294)
 C 運輸の先取特権(民法311条3号・318条)(294)
 D いわゆる黙示の質権に対する即時取得の規定の準用(民法319条)(295)
 E 削除された公吏保証金の先取特権(295)
 F 動産保存の先取特権(民法311条4号・320条)(296)
 G 動産売買の先取特権(民法311条5号・321条)(297)
 H 種苗または肥料の供給の先取特権(民法311条6号・322条)(298)
 I 農業労務の先取特権(民法311条7号・323条),工業労務の先取特権(民法311条8号・324条)(298)
Ⅲ 不動産先取特権とその優先順位(299)
 A 不動産保存の先取特権(民法325条1号・326条)(299)
 B 不動産工事の先取特権(民法325条2号・327条)(302)
 C 不動産売買の先取特権(民法325条3号・328条)(304)
 第4節 動産売買の先取特権と集合物譲渡担保との競合 …307
Ⅰ 設  例(307)
Ⅱ 設例の検討(学説・判例の状況)(308)
 第5節 先取特権に基づく物上代位(現行民法の破綻とその後の解釈の大混乱) …313
Ⅰ 概  説(313)
 A 民法304条の物上代位の要件(民法304条の不適切な表現)(316)
 B 民法304条の立法理由に基づく旧民法債権担保編133条との対比(319)
 C 旧民法債権担保編133条の趣旨を活かした民法304条の新しい解釈(320)
Ⅱ 通説による物上代位制度の趣旨(とその批判)(321)
 A 債務者が受けるべき「金銭その他の物」の意味(322)
 B 「その払渡し又は引渡しの前に差押えをしなければならない」の意味(322)
 C 「払渡し(引渡し)」と「差押え」のそれぞれの意味(326)
Ⅲ 先取特権の類型による考察(330)
 A 一般先取特権(330)
 B 動産先取特権(330)
 C 不動産先取特権(330)
 第6節 先取特権の消滅 …331
 第7節 先取特権のまとめ(優先順位決定のルールについて) …331
Ⅰ 先取特権の優先順位の決定基準となるキーワードとしての「保存」(332)
Ⅱ 「保存」「供給」「環境提供」と優先順位との関係(333)
 A 動産先取特権における優先順位決定のルール(333)
 B 不動産先取特権における優先順位決定のルール(333)
 C 一般先取特権における優先順位決定のルール(335)
Ⅲ 優先順位決定のルール(結論)(338)
第15章 質  権――339
 第1節 質権の意義 …339
Ⅰ 留置権との対比(340)
Ⅱ 抵当権との対比(341)
 第2節 質権の設定(優先弁済権付与の合意) …344
Ⅰ 質権の目的物(債権の優先弁済の引当てとなる財産)(344)
Ⅱ 質権の設定行為(優先弁済権の付与の合意および目的物の引渡し)(347)
 A 質権設定行為の意義と性質(347)
 B 質権設定契約の要物性(347)
 C 債権の種類の無限定性(348)
Ⅲ 質権の設定者(債務者および物上保証人)(349)
 第3節 質権の対抗要件 …351
Ⅰ 質権の効力発生要件と対抗要件(351)
Ⅱ 動産質権の対抗要件(占有の継続)(351)
 A 動産物権変動の対抗要件(引渡し)と質権の対抗要件(占有の継続)との相違(352)
 B 質物の返還と対抗力の喪失(質権自体は消滅しない)(353)
 第4節 質権における担保物権の通有性 …354
Ⅰ 概  説(354)
Ⅱ 優先弁済権と留置的効力(356)
 A 留置権とは異なる質権の留置的効力(356)
 B 質権の優先順位(357)
 C 優先権の実現(360)
 第5節 動 産 質 …360
Ⅰ 流質契約の禁止(360)
 A 概  説(360)
 B 流質契約禁止の例外(361)
 C 営業質の例外(361)
Ⅱ 質権の処分(転質)(363)
 A 概  説(363)
 B 責任転質(363)
  1 転質の要件と効果(363)
  2 転質の法的性質(363)
 C 承諾転質(365)
 第6節 不動産質 …366
Ⅰ 成立要件(366)
 A 目 的 物(366)
 B 目的物の引渡し(占有改定のみは許されない)(367)
 C 存続期間(368)
Ⅱ 対抗要件(優先弁済権の成立要件)(368)
Ⅲ 効  力(369)
 A 債権の範囲(369)
 B 目的物の範囲(369)
 C 物上代位(370)
 D 使用・収益権(370)
  1 原  則(370)
  2 例  外(371)
 E 留置的効力(371)
  1 目的物が競売された場合(372)
  2 不動産質権が最優先順位にあるとき(372)
  3 不動産質権よりも優先順位にある担保権が競売により消滅するとき(373)
 F 優先弁済権(374)
 G 転  質(374)
 第7節 権 利 質 …374
Ⅰ 権利質の意義(374)
Ⅱ 権利質が抱える法典編纂上の問題点(375)
Ⅲ 権利質を設定することが目的(物)である権利の性質と矛盾する場合の問題点(376)
 A 地上権,永小作権を担保目的(物)とする場合における権利質と抵当権との競合問題(376)
 B 無体財産権を目的(物)とする場合(377)
 C 鉱業権,漁業権を目的(物)とする場合(377)
Ⅳ 権利質の目的物についての問題点のまとめ(377)
Ⅴ 権利質の成立要件,対抗要件(378)
 A 総  論(378)
 B 指名債権(379)
 C 指図債権:質入裏書をした証券の交付(380)
 D 無記名債権(無記名社債・記名式所持人払債権を含む):引渡しと証書の継続占有(動産質に準じる)(383)
Ⅵ 権利質の効力(383)
 A 債権の範囲(383)
 B 目的物の範囲(383)
 C 物上代位(384)
 D 留置的効力(384)
 E 優先弁済権(384)
  1 債権の直接取立て(民法366条)(384)
  2 民事執行法193条による執行(385)
  3 設定者・第三債務者による質入債権の消滅行為は質権者に対抗できない(385)
 第8節 質権の消滅 …385
Ⅰ 概  説(385)
Ⅱ 動産質の消滅原因(385)
Ⅲ 不動産質の消滅原因(386)
Ⅳ 権利質の消滅原因(386)
 第9節 質権のまとめ …386
Ⅰ 動 産 質(386)
Ⅱ 不動産質(387)
Ⅲ 権 利 質(387)
第16章 抵 当 権――389
 第1節 抵当権概説 …389
Ⅰ 抵当権の意義(390)
Ⅱ 抵当権の設定と利害関係者(抵当権をめぐる登場人物)(391)
Ⅲ 先順位者と後順位者との関係(393)
Ⅳ いわゆる「近代的抵当権の原則」と「順位確定の原則」に対する批判的考察(394)
Ⅴ 抵当権におけるいわゆる「担保物権の通有性」(396)
 A 抵当権における優先弁済権(396)
 B 抵当権における付従性・随伴性(396)
 C 抵当権における不可分性(397)
 D 抵当権における物上代位性(399)
 E 抵当権における追及効(399)
 第2節 抵当権の成立要件と対抗要件 …399
Ⅰ 概  説(399)
Ⅱ 登  記(400)
 A 抵当権の登記が対抗要件であることの根拠条文(400)
 B 抵当権の登記と他の権利との優先順位(402)
 C 登記事項(403)
 D 無登記の抵当権の効力(403)
 E 無効登記の流用(403)
 第3節 抵当権の効力(追及効を伴う優先弁済権) …404
Ⅰ 概  説(404)
Ⅱ 優先弁済権を生じる債権の範囲(405)
Ⅲ 抵当権の目的物の範囲(406)
 A 無体物(地上権・永小作権)を目的とする抵当権(407)
 B 有体物を目的とする抵当権(409)
 C 将来の物に対する抵当権――増担保請求権(414)
Ⅳ 抵当権者の一般債権者としての権利行使の制限(416)
Ⅴ 抵当権の追及効とその限界(418)
 A 目的物に対する抵当権の追及効(418)
 B 分離物(分離された付加物)に対する抵当権の追及効(420)
  1 概  説(420)
  2 分離物に対する追及効の限界時点(421)
 C 建物が倒壊し木材となった場合の木材に対する追及効(423)
Ⅵ 抵当権侵害(優先弁済権侵害)に対する効力(424)
 第4節 抵当権の処分(優先弁済権の譲渡) …426
Ⅰ 概  説(426)
 A 抵当権の処分の意味(427)
 B 抵当権処分の制度目的(427)
 C 抵当権=掴取力強化説による説明の利点(428)
Ⅱ 抵当権者の債権者に対する優先弁済権の譲渡(民法376条1項前段)=転抵当(428)
 A 転抵当の意味(428)
 B 転抵当の法的性質(429)
 C 従来の説との相違(430)
Ⅲ 一般債権者,後順位債権者に対する優先弁済権の譲渡(民法376条1項後段)(433)
 A 共通の設例(433)
 B 一般債権者に対する優先権の全部譲渡と一部譲渡(433)
  1 抵当権の譲渡(433)
  2 抵当権の放棄(434)
 C 後順位抵当権者に対する優先順位の全部譲渡と一部譲渡(435)
  1 抵当権の順位の譲渡(435)
  2 抵当権の順位の放棄(435)
  3 抵当権の順位の変更(ABC→CAB)(民法374条1項)(436)
 第5節 抵当権の実行 …437
Ⅰ 概  説(437)
Ⅱ 担保不動産競売手続(438)
 A 普通の場合(439)
  1 担保不動産競売の申立て(439)
  2 差押え――担保権実行の開始(442)
  3 不動産の換価の準備(445)
  4 不動産の換価(446)
  5 満  足(450)
 B 特別の場合(451)
  1 抵当不動産が第三者に譲渡された場合(451)
  2 一般債権者による担保目的物の差押え(453)
  3 滞納処分と強制執行との競合(453)
Ⅲ 担保不動産収益執行(454)
 A 担保不動産収益執行が創設された経緯(454)
 B 収益執行の開始要件(455)
 C 収益執行の開始決定(455)
 D 収益執行手続(456)
 E 配当手続(456)
Ⅳ 競売手続以外の方法としての抵当直流れ(民法349条の反対解釈)(457)
 A 抵当直流れの意義と清算の必要性(457)
 B 抵当直流れと仮登記担保との関係(458)
Ⅴ 抵当権における物上代位の範囲(458)
 A 概説と本書の立場(458)
  1 目的物の売却の場合(459)
  2 目的物の賃貸の場合(459)
  3 目的物の滅失・損傷の場合(459)
 B 目的不動産の売却の場合の代金債権(460)
  1 売買代金債権に対する物上代位の必要性は存在しない(460)
  2 売買代金債権に対する物上代位を否定する理論的根拠(460)
  3 売買代金債権に対する物上代位を認めた場合の実際上の問題点(461)
 C 目的不動産の賃料債権(462)
  1 抵当権の物上代位と不動産先取特権の物上代位との類似性(462)
  2 民法371条との整合性(462)
  3 転貸借がなされた場合の転貸賃料に対する物上代位(465)
  4 物上代位の対象となる賃料債権に対する賃借人による相殺(466)
 D 目的不動産の滅失・損傷に基づく損害賠償債権・保険金債権(470)
  1 損害賠償債権,保険金債権に対する物上代位の必要性と根拠(470)
  2 物上代位と債権質との優先関係(471)
 E 物上代位における差押え(473)
  1 差押えの意義と機能(473)
  2 物上代位の行使方法(477)
 第6節 共同抵当 …482
Ⅰ 設  例(482)
 A 問  題(483)
 B 問題の解説(483)
Ⅱ 共同抵当の意義と機能(483)
 A 共同抵当の意義(483)
 B 共同抵当の機能(484)
  1 担保価値の増大(484)
  2 危険の分散,担保価値の維持(484)
Ⅲ 実行の弾力性と後順位抵当権者,抵当権設定者の保護(484)
 A 原則(共同抵当権者の自由裁量と後順位抵当権者の保護)(484)
  1 競売に関する共同抵当権者の自由裁量の確保(484)
  2 共同抵当の実行と後順位抵当権者の保護(484)
 B 例外(超過競売が予想される場合の裁量の制限=抵当権設定者の保護)(485)
Ⅳ 共同抵当の設定と公示(485)
Ⅴ 共同抵当の配当手続(486)
 A 同時配当(486)
  1 同時配当における配当計算(486)
  2 同時配当における配当結果(488)
 B 異時配当(488)
  1 異時配当手続(488)
  2 異時配当における配当結果(489)
Ⅵ 物上保証人との関係(490)
 A 概  説(490)
 B 異主共同抵当の事例(492)
  1 債務者と物上保証人の不動産に共同抵当権が設定され,債務者に後順位抵当権者がいる場合(492)
  2 債務者と物上保証人の不動産に共同抵当権が設定され,物上保証人に後順位抵当権者がいる場合(496)
 第7節 法定地上権 …503
Ⅰ 概  説(503)
 A 法定地上権の意義と目的(503)
 B 法定地上権の2つの類型と共通の機能(505)
  1 建物だけに抵当権が設定された場合(505)
  2 土地だけに抵当権が設定された場合(506)
 C 法定地上権に対する廃止論とその批判(507)
  1 〔1〕に対する批判(508)
  2 〔2〕に対する批判(508)
  3 〔3〕に対する批判(509)
Ⅱ 法定地上権の成立要件(510)
 A 従来の要件論とその批判(510)
 B 民法388条の要件の構造化(民法388条の要件の再構成)(511)
 C 土地と建物が同一所有者に属する要件の基準時(513)
  1 抵当権設定時点(513)
  2 抵当権実行時点(513)
 D 更地に抵当権が設定された後に建物が築造された場合の法定地上権の成否(514)
 E 抵当権が設定された後に建物が再築された場合の法定地上権の成否(516)
 F 複数の抵当権が設定された場合の法定地上権の成否(520)
Ⅲ 法定地上権の成立の類型(524)
 A 基 本 型(524)
  1 建物だけに抵当権が設定された場合(524)
  2 土地だけに抵当権が設定された場合(525)
 B 抵当権設定時に法定地上権が予測される場合(526)
  1 抵当権設定当時同一人,競売当時別人型(526)
  2 登記名義同一人,実質別人型(529)
 C 抵当権実行時に土地と建物が同一所有者に属している場合(531)
  1 抵当権設定当時別人,競売当時同一人型(531)
  2 実質同一人,登記名義別人型(前主名義型)(534)
 D 仮登記型(537)
  1 土地に仮登記があり,その後建物に抵当権が設定された場合(537)
  2 建物に仮登記があり,その後土地に抵当権が設定された場合(538)
 E 共 有 型(539)
  1 土地共有型(539)
  2 建物共有型(542)
 第8節 抵当権と用益権との調和 …543
Ⅰ 概  説(543)
 A 抵当権の設定登記に遅れて対抗力を取得した賃借権と抵当権との関係(544)
 B 賃借権の濫用に対する抵当権者の権利(546)
Ⅱ 抵当権の実行と賃借権の対抗力(548)
Ⅲ 抵当権と用益権の調整として無益な現行民法387条(554)
Ⅳ 一括競売(民法389条)――土地とその上の建物が別個の不動産とされることの矛盾の調整としては無用の長物(556)
Ⅴ 短期賃貸借保護(民法旧395条)の廃止と引渡しの猶予(民法395条)(558)
 第9節 抵当権の消滅 …560
Ⅰ 概  説(560)
 A 抵当権の消滅原因の分類(561)
 B 物権に共通の消滅原因とされているが,抵当権が必ずしも消滅するとは限らない場合(563)
  1 目的物の滅失(必ずしも抵当権を消滅させない)(563)
  2 民法179条の混同による消滅(債権者と債務負担者との混同〔民法520条〕と付従性によって消滅する)(564)
  3 抵当権の目的である権利の放棄(権利の消滅が対抗できないために,抵当権を消滅させない)(565)
  4 抵当不動産の時効取得(所有権が原始取得されたとしても,必ずしも抵当権を消滅させない)(565)
Ⅱ 担保権に共通の消滅原因(567)
 A 被担保債権の消滅(付従性)(567)
 B 抵当権の目的物の競売(567)
Ⅲ 抵当権に特有の消滅原因(567)
 A 代価弁済(568)
  1 代価弁済の意義と制度の趣旨(568)
  2 代価弁済の要件と効果(569)
 B 抵当権消滅請求(571)
  1 抵当権消滅請求の意義(571)
  2 滌除から抵当権消滅請求への改正の背景と趣旨(滌除制度のデメリットとメリット)(571)
  3 滌除制度と抵当権消滅請求制度との異同(573)
 C 抵当権の消滅時効(民法396条)(575)
 D 債務者または抵当権設定者以外の者による抵当不動産の取得時効による抵当権の追及効の消滅(民法397条)(577)
第17章 根抵当権(債権枠で限定された流動債権に関する抵当権)――584
 第1節 根抵当権概説 …584
Ⅰ 根抵当の意義(584)
 A 「根」の意味(584)
 B 根担保,集合物(集合債権)担保と一般先取特権との対比(585)
 C 根抵当に関する判例法理とその立法化(586)
Ⅱ 根抵当の性質(588)
 A 債権の流動性(588)
 B 付 従 性(589)
  1 概  説(589)
  2 成立に関する付従性(589)
  3 消滅に関する付従性(590)
 C 随 伴 性(590)
 D 独 立 性(591)
Ⅲ 根担保と債権との関係(591)
 第2節 根抵当権の設定 …593
Ⅰ 設定契約(593)
Ⅱ 設定登記(593)
 第3節 根抵当権の優先弁済権 …593
Ⅰ 債権の種類(593)
Ⅱ 極 度 額(594)
 第4節 根抵当関係の変更 …594
Ⅰ 債権の範囲の変更(594)
Ⅱ 債務者の変更(595)
Ⅲ 極度額の変更(595)
Ⅳ 債権譲渡・代位弁済,債務引受け(595)
 A 概  説(595)
 B 確定前の債権譲渡・代位弁済(596)
 C 確定前の債務引受け(596)
Ⅴ 更  改(596)
Ⅵ 相  続(597)
 A 概  説(597)
  1 原則としての元本確定(597)
  2 例外としての債権枠の移転(597)
 B 根抵当権者の相続(598)
 C 根抵当権設定者の相続(598)
Ⅶ 合  併(599)
 A 原則としての根抵当権の移転(599)
 B 例外としての確定請求(599)
Ⅷ 会社分割(599)
 第5節 根抵当権の処分(抵当権とその順位の譲渡・放棄の禁止) …600
Ⅰ 概  説(600)
Ⅱ 転 抵 当(601)
Ⅲ 根抵当権の譲渡(601)
 A 全部譲渡(601)
 B 分割譲渡(601)
 C 一部譲渡(602)
Ⅳ 根抵当関係の共有関係(602)
Ⅴ 普通抵当の順位の譲渡・処分を受けた根抵当権者の譲渡・処分(602)
Ⅵ 順位の変更(603)
 第6節 共同根抵当・累積根抵当 …603
Ⅰ 共同根抵当(例外)(603)
Ⅱ 累積根抵当(原則)(604)
 第7節 確定――根抵当関係の終了 …604
Ⅰ 確定の意味(604)
Ⅱ 確定期日(605)
Ⅲ 確定請求(605)
Ⅳ 確定事由(605)
 A 抵当不動産の競売・担保不動産収益執行・差押え(606)
 B 滞納処分による差押え(606)
 C 他の債権者のなした競売・差押えを知った時から2週間経過したとき(606)
 D 債務者・根抵当権設定者の破産(606)
Ⅴ 確定後の極度額減額請求(607)
Ⅵ 確定後の根抵当権消滅請求(607)
第5部 担保法各論3――物的非典型担保
第18章 非典型の物的担保概観――610
 第1節 非典型担保における典型担保の役割(優越的地位の濫用の防止) …610
 第2節 非典型担保における「嘘の効用」 …612
 第3節 非典型担保における優越的地位の濫用に対するコントロールの必要性とその方法 …614
 第4節 非典型担保の種類 …615
第19章 仮登記担保――617
 第1節 仮登記担保法概説 …617
Ⅰ 仮登記担保の意味(618)
Ⅱ 仮登記担保と通常の代物弁済との異同(619)
Ⅲ 仮登記担保の機能(619)
 A 仮登記担保利用のメリット(619)
 B 仮登記担保の利用度(620)
 C 非典型担保の準則としての仮登記担保法の役割(621)
Ⅳ 仮登記担保の掴取力強化説による説明(622)
 第2節 仮登記担保の成立(設定) …624
 第3節 仮登記担保の実行 …626
Ⅰ 予約完結権の行使または停止条件の成就と清算金見積額の通知(626)
 A 債務者の債務不履行と売買予約の完結(626)
 B 清算金見積額の通知(2条通知)(626)
Ⅱ 債務者の弁済と受戻権の保障(627)
 A 清算期間と弁済猶予期間(627)
 B 清算金支払までの受戻期間(627)
Ⅲ 後順位債権者の競売請求または物上代位権の保障(628)
 A 5条通知と後順位債権者の選択権(628)
  1 後順位債権者への通知(5条通知)(628)
  2 後順位債権者の立場の選択(629)
 B 債権者の提示した見積額で満足しない場合(競売請求)(629)
 C 債権者の提示した見積額で満足する場合(物上代位)(629)
  1 物上代位と差押え(629)
  2 清算金の支払に関する処分の禁止(630)
  3 清算金の供託(630)
Ⅳ 清算の手続と方法(630)
 A 清算金の支払義務(630)
  1 清算金の額の決定(630)
  2 清算金の見積金額の通知の拘束力(631)
  3 土地等の価額が債権等の額を超えないときの債権の一部消滅(631)
 B 同時履行の関係,留置権の発生と清算方式(631)
 C 片面的強行規定(631)
 第4節 仮登記担保の効力 …632
Ⅰ 本登記請求(632)
 A 後順位債権者がいない場合(632)
 B 後順位債権者が清算金の見積額に満足している場合(632)
  1 清算金の供託から1ヵ月を経過する前の場合(632)
  2 清算金の供託から1ヵ月を経過した後の場合(632)
Ⅱ 強制競売等における仮登記担保の効力(633)
 A 抵当権の擬制(633)
 B 担保仮登記の届出(633)
 C 優先弁済権の範囲(633)
Ⅲ 根担保仮登記の効力(634)
Ⅳ 法定借地権(634)
第20章 譲渡担保――635
 第1節 譲渡担保の誕生と信託的行為(通謀虚偽表示) …635
Ⅰ 通謀虚偽表示の無効の意味(636)
Ⅱ 譲渡担保における通謀虚偽表示(信託的行為)とその有効性(637)
Ⅲ 通謀虚偽表示としての譲渡担保の効力(640)
 A 譲渡担保における所有権の内部的効力と対外的効力(所有権は債権者には移転しない)(641)
 B 譲渡担保における担保権実行の効力(処分清算型の原則)(642)
 C 譲渡担保の実行完了まで所有権は設定者に帰属する(担保的構成)(642)
 D 譲渡担保における処分清算の原則(帰属清算の危険性)(644)
Ⅳ 典型担保としての抵当権の規定の類推適用(判例における所有権的構成の破綻)(646)
 A 最高裁における譲渡担保の所有権的構成の理論のほころび(647)
 B 譲渡担保における物上代位の類推(649)
 C 後順位譲渡担保権の承認(650)
 D 譲渡担保における抵当権の簡易の実行手続の類推の必要性(650)
 第2節 動産譲渡担保 …652
Ⅰ 動産譲渡担保(動産抵当)の解釈論上の問題点とその克服(652)
Ⅱ 動産譲渡担保の効力(653)
 A 流抵当型とその破綻(654)
 B 帰属清算型とその問題点(655)
 C 処分清算型の原則(656)
Ⅲ 集合物譲渡担保の特例(657)
 第3節 不動産譲渡担保 …659
 第4節 債権譲渡担保 …661
Ⅰ 通常の債権譲渡担保(661)
Ⅱ 集合債権に関する債権譲渡担保と債権質との関係(662)
 A 最一判平13・11・22の事案(662)
 B 最一判平13・11・22の法理(664)
  1 集合債権,集合債権譲渡担保について(664)
  2 債権に関する譲渡担保の必要性(664)
  3 債権に関する譲渡担保の対抗要件(665)
  4 典型担保と非典型担保としての譲渡担保との融合(665)
第21章 所有権留保――667
 第1節 所有権留保の意義 …667
Ⅰ 所有権留保の法的性質(譲渡担保)(667)
Ⅱ 所有権留保の効果(668)
 第2節 割賦販売(クレジット契約)における所有権留保 …669
 第3節 所有権留保の実行とその制限 …670
おわりに …673
 第1節 大人の学問と「嘘の効用」 …673
 第2節 「嘘の弊害」としての学問の危機 …675
 第3節 嘘のない理論の効用と方法 …676
 第4節 「抵当権と利用権との調和」をめざす我妻法学の挫折と「嘘の弊害」 …677
 第5節 「嘘のない担保法」による「利用権の保護」をめざして …679


参考文献
事項索引
判例索引

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内容説明

本書は、人的担保(保証・連帯債務)と物的担保(担保物権)を債権の掴取力の量的・質的強化として捉え、担保法の分野を統一的に解説した理論体系書である。各論では、すべての物的担保の優先関係を明確にする「優先順位決定のルール」により、先取特権と抵当権の対立関係を解決している。保証人保護の法理、抵当不動産の賃借人保護の法理などの解釈理論を提唱する。研究者・実務家必見。

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