現代労働法学の方法
淑徳大学総合福祉学部研究叢書
価値観の対立の激しい労働法における「解釈」の基礎理論と「生の労使関係」に反映される立法者の価値観の分析の視点を探求した労働法学方法論集。<本書の構成>第1編 労働法解釈の方法(労働法基礎理論序説/労働法解釈法法論) 第2編 組合活動をめぐる法理(組合員の自発的活動/企業秩序論) 第3編 ドイツ労働法をめぐる諸問題(労働者の賠償責任/ロックアウト論)他
【第一編】労働法解釈の方法論…1
第一章 労働法基礎理論序説―「従属労働」論を軸として―…5
序(5)
一 「従属労働」論の分類基準(11)
(1) ジンツハイマーの「従属労働」論(12)
(2) 加藤ならびに津曲教授の「従属労働」論(26)
(3) 孫田博士の「従属労働」論(42)
(4) 「政治的国家」―「市民社会」の論理(49)
(5) 沼田教授の「従属労働」論(54)
二 総括と課題(58)
第二章 労働法における解釈の方法論について…72
一 はじめに(72)
二 法の解釈をめぐる従来の議論(74)
三 法内と法外なるもの(82)
四 法解釈をめぐる論議の交錯(88)
五 法解釈をめぐる論議の諸問題(96)
【第二編】組合活動をめぐる法理…107
第一章 組合員・未組織労働者の自発的活動…111
はじめに―問題の所在(111)
一 「労働組合の―行為」の意義(112)
二 組合活動性の評価基準(118)
三 組合秩序と自発的活動(120)
四 未組織労働者の自発的活動(125)
おわりに(129)
第二章 企業秩序論の外延化と組合活動法理の転位―ビラ配布等の労働組合情宣活動をめぐる判例を素材として―…137
一 はじめに(137)
二 各紛争類型に見る法理の特色―国鉄札幌駅上告審判決(昭五四・一〇・三〇)頃まで―(141)
三 国鉄札幌駅上告審判決と各紛争類型への影響(154)
四 企業秩序論の特異性―ドイツの一判例法理を素材として―(163)
五 おわりに(168)
第三章 企業内・外の組合活動…173
はじめに(173)
一 組合活動の権利性と正当性(174)
二 事業場レベルにおける組合活動をめぐる諸問題(178)
三 労働者の情宣活動と使用者の名誉・信用・営業権ならびにプライバシー・人格権(190)
おわりに(195)
〔判例解説〕
1 チェック・オフ協定の法的効力―エッソ石油事件・最一小判平成五年三月二五日・労働判例六五〇号六頁―…201
一 事 実(201)
二 判旨―上告棄却(204)
三 解 説(205)
2 内部告発文書と普通解雇の効力―敬愛学園事件・最一小判平成六年九月八日・労働判例六五七号一二頁―…212
一 事 実(212)
二 判旨―原判決破棄、第一審判決取消(217)
三 解 説(217)
3 施設管理権および照会票による組合員調査と支配介入
―オリエンタルモーター事件・最二小判平成七年九月八日・労働判例六七九号一一頁―…224
一 事件の概要(224)
二 判 旨(230)
三 解 説(232)
4 企業内処分の無効確認の利益の有無と慰謝料請求の証明責任
―JR東日本(高崎西部分会)事件・最一小判平成八年三月二八日・労働判例六九六号一四頁―…44
一 事実の概要(244)
二 判決要旨――一部上告棄却、一部破棄差戻(252)
三 解 説(253)
5 出向先工場前での情宣活動を理由とする懲戒処分と不当労働行為の成否
―国労高崎地本事件・最二小判平成一一年六月一一日・労働判例七六二号一六頁―…270
一 事件の概要(270)
二 判決要旨―上告棄却(272)
三 研 究(273)
【第三編】ドイツ労働法をめぐる諸問題―日本法との比較の中から―…279
第一部 労働過程で生じた損害と労働者の損害賠償責任…280
第一章 労働過程で生じた損害と責任制限法理の新展開
―ドイツBAG大法廷九四年決定を中心的素材として―…282
はじめに(282)
一 ドイツ法理の展開―判例法理を素材に―(284)
二 日本の判例法理との比較(307)
第二部 労働争議をめぐる問題―ドイツにおけるロックアウト論争…314
第二章 西ドイツにおけるロックアウト論争―七〇年代の技術革新・合理化と労働組合―…316
序(316)
一 問題の所在―ロックアウトに関する明確な法の欠缺―(317)
二 ロックアウト判例法理の展開(320)
三 争議法論をめぐる新たな情勢―転機としての七八年労働争議―(324)
四 ロックアウトをめぐる労使の攻防(332)
五 熱いロックアウトheisse Aussperrungと冷たいロックアウトkalte Aussperrung(337)
おわりに(345)
第三部 労働協約をめぐる理論の新動向…354
第三章 ドイツにおける企業別協約の新動向―判例に見る伝統的労使関係の軋みとその法的問題…357
一 はじめに(357)
二 使用者団体から脱退した使用者が結んだ団体協約に対抗的な企業別(家内)協約の効力をめぐる事件(360)
三 新たな法的問題の諸相(367)
四 社会的パートナーシップ論と産別団体協約―争議行為をめぐる事件(372)
五 提起された課題―産業別団体協約と企業別協約の相克(378)
六 おわりに(382)
第四章 外国労働判例研究―ドイツ
「別労組が個別使用者と結んだ産別団体協約の補充協約としての家内協約が、産別労組員の労働条件を規制する
ことの是非が争われた事例」…387
一 はじめに(387)
二 事実の概要(388)
三 判決要旨(389)
四 法的問題点(391)
第五章 協約に拘束されない使用者団体メンバー(OTMドイツ)…395
一 はじめに(395)
二 OTM形成の背景(397)
三 OTMの形態(399)
四 判例に見る法的論点(402)
五 おわりに―提起された法的課題(411)
第六章 ドイツの最近の労働事情―Mitgliedschaft ohne Tarifbindung〈OTM=使用者団体における協約に
拘束されないメンバー〉をめぐる議論を素材として…417
一 問題の所在(417)
二 ユニーク(sui generis)なメンバーとしてのOTMの現象形態(419)
三 判例の事実と法理の特徴(426)
四 提起された法的課題(436)
あとがき
第一章 労働法基礎理論序説―「従属労働」論を軸として―…5
序(5)
一 「従属労働」論の分類基準(11)
(1) ジンツハイマーの「従属労働」論(12)
(2) 加藤ならびに津曲教授の「従属労働」論(26)
(3) 孫田博士の「従属労働」論(42)
(4) 「政治的国家」―「市民社会」の論理(49)
(5) 沼田教授の「従属労働」論(54)
二 総括と課題(58)
第二章 労働法における解釈の方法論について…72
一 はじめに(72)
二 法の解釈をめぐる従来の議論(74)
三 法内と法外なるもの(82)
四 法解釈をめぐる論議の交錯(88)
五 法解釈をめぐる論議の諸問題(96)
【第二編】組合活動をめぐる法理…107
第一章 組合員・未組織労働者の自発的活動…111
はじめに―問題の所在(111)
一 「労働組合の―行為」の意義(112)
二 組合活動性の評価基準(118)
三 組合秩序と自発的活動(120)
四 未組織労働者の自発的活動(125)
おわりに(129)
第二章 企業秩序論の外延化と組合活動法理の転位―ビラ配布等の労働組合情宣活動をめぐる判例を素材として―…137
一 はじめに(137)
二 各紛争類型に見る法理の特色―国鉄札幌駅上告審判決(昭五四・一〇・三〇)頃まで―(141)
三 国鉄札幌駅上告審判決と各紛争類型への影響(154)
四 企業秩序論の特異性―ドイツの一判例法理を素材として―(163)
五 おわりに(168)
第三章 企業内・外の組合活動…173
はじめに(173)
一 組合活動の権利性と正当性(174)
二 事業場レベルにおける組合活動をめぐる諸問題(178)
三 労働者の情宣活動と使用者の名誉・信用・営業権ならびにプライバシー・人格権(190)
おわりに(195)
〔判例解説〕
1 チェック・オフ協定の法的効力―エッソ石油事件・最一小判平成五年三月二五日・労働判例六五〇号六頁―…201
一 事 実(201)
二 判旨―上告棄却(204)
三 解 説(205)
2 内部告発文書と普通解雇の効力―敬愛学園事件・最一小判平成六年九月八日・労働判例六五七号一二頁―…212
一 事 実(212)
二 判旨―原判決破棄、第一審判決取消(217)
三 解 説(217)
3 施設管理権および照会票による組合員調査と支配介入
―オリエンタルモーター事件・最二小判平成七年九月八日・労働判例六七九号一一頁―…224
一 事件の概要(224)
二 判 旨(230)
三 解 説(232)
4 企業内処分の無効確認の利益の有無と慰謝料請求の証明責任
―JR東日本(高崎西部分会)事件・最一小判平成八年三月二八日・労働判例六九六号一四頁―…44
一 事実の概要(244)
二 判決要旨――一部上告棄却、一部破棄差戻(252)
三 解 説(253)
5 出向先工場前での情宣活動を理由とする懲戒処分と不当労働行為の成否
―国労高崎地本事件・最二小判平成一一年六月一一日・労働判例七六二号一六頁―…270
一 事件の概要(270)
二 判決要旨―上告棄却(272)
三 研 究(273)
【第三編】ドイツ労働法をめぐる諸問題―日本法との比較の中から―…279
第一部 労働過程で生じた損害と労働者の損害賠償責任…280
第一章 労働過程で生じた損害と責任制限法理の新展開
―ドイツBAG大法廷九四年決定を中心的素材として―…282
はじめに(282)
一 ドイツ法理の展開―判例法理を素材に―(284)
二 日本の判例法理との比較(307)
第二部 労働争議をめぐる問題―ドイツにおけるロックアウト論争…314
第二章 西ドイツにおけるロックアウト論争―七〇年代の技術革新・合理化と労働組合―…316
序(316)
一 問題の所在―ロックアウトに関する明確な法の欠缺―(317)
二 ロックアウト判例法理の展開(320)
三 争議法論をめぐる新たな情勢―転機としての七八年労働争議―(324)
四 ロックアウトをめぐる労使の攻防(332)
五 熱いロックアウトheisse Aussperrungと冷たいロックアウトkalte Aussperrung(337)
おわりに(345)
第三部 労働協約をめぐる理論の新動向…354
第三章 ドイツにおける企業別協約の新動向―判例に見る伝統的労使関係の軋みとその法的問題…357
一 はじめに(357)
二 使用者団体から脱退した使用者が結んだ団体協約に対抗的な企業別(家内)協約の効力をめぐる事件(360)
三 新たな法的問題の諸相(367)
四 社会的パートナーシップ論と産別団体協約―争議行為をめぐる事件(372)
五 提起された課題―産業別団体協約と企業別協約の相克(378)
六 おわりに(382)
第四章 外国労働判例研究―ドイツ
「別労組が個別使用者と結んだ産別団体協約の補充協約としての家内協約が、産別労組員の労働条件を規制する
ことの是非が争われた事例」…387
一 はじめに(387)
二 事実の概要(388)
三 判決要旨(389)
四 法的問題点(391)
第五章 協約に拘束されない使用者団体メンバー(OTMドイツ)…395
一 はじめに(395)
二 OTM形成の背景(397)
三 OTMの形態(399)
四 判例に見る法的論点(402)
五 おわりに―提起された法的課題(411)
第六章 ドイツの最近の労働事情―Mitgliedschaft ohne Tarifbindung〈OTM=使用者団体における協約に
拘束されないメンバー〉をめぐる議論を素材として…417
一 問題の所在(417)
二 ユニーク(sui generis)なメンバーとしてのOTMの現象形態(419)
三 判例の事実と法理の特徴(426)
四 提起された法的課題(436)
あとがき
関連書籍
-
定価 13,200円(税込)