ブリッジブック法哲学(第2版)

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「法の哲学」に好個の入門書第2版

著者 長谷川 晃 編著
角田 猛之 編著
ジャンル 法律  > 法哲学
シリーズ 法律・政治  > ブリッジブックシリーズ
出版年月日 2014/03/14
ISBN 9784797223491
判型・ページ数 四六・312ページ
定価 2,530円(税込)
在庫 在庫あり

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ブリッジブック・シリーズは,本格的教科書を読むための初学者向け導入教材として企図されている。①学習の幹づくりに徹した項目の選定,②思考の過程を丁寧に見せる叙述,③興味喚起から専門基礎までカバー,をその特長とする。この第2版では,2014年に至る過去10年間での生命倫理領域の大きな進展をフォローする。さらに,グローバル・ジャスティス論といった法哲学の最新の議論動向を織り込む。

  『ブリッジブック法哲学〔第2版〕』(ブリッジブックシリーズ)

  長谷川晃(北海道大学大学院法学研究科教授)・
  角田猛之(関西大学法学部教授)          編

【目  次】

はじめに 《法を哲学する》とは?〔角田猛之〕
 身近なことで考えてみよう――法の潜在(ひそみ)と顕在(あらわれ)
 法がなければ?
 社会あるところ争いあり,争いあるところ法あり
 ところかわれば法かわる,ときがかわれば法もかわる
 《法を哲学する》とはどういうことだろう?

第1講義 ひとはどこまで法に拘束されるのか――さまざまな社会的ルールと法〔角田猛之〕
 いろいろなパースペクティブから法を考えてみよう
 法と法以外の社会的ルール――似ている点・異なっている点
 よく守られる法・あまり守られない法――法の妥当性と実効性の問題
 《法と象徴問題》――法の象徴に従うこと=法に従うこと
 タテマエ・ホンネの使い分け
 強制して法に従わせることの意味は?――《法と道徳問題》を手がかりにして

第2講義 日本の法理論はどこから来たのか――近代日本法思想史のいくつかの断面〔長谷川晃〕
 それは明治の訪れとともにはじまった
 法典整備を支えた法理論
 大日本帝国憲法体制の下で法理論はどう展開したのだろうか
 敗戦は日本の法理論をどう変えただろうか
 社会の成長と法理論の成長
 日本の法理論の《複層的》性格

第3講義 西洋の法理論,法思想を形づくるもの――歴史,伝統,文化〔角田猛之〕
 西洋法へのアプローチ
 法と文化――法の相対性・普遍性
 西洋法文化の源流のひとつとしてのユダヤ・キリスト教(1)――総論的検討
 西洋法文化の源流のひとつとしてのユダヤ・キリスト教(2)――結婚を手がかりにして
 自然法論・法実証主義――悪法論を手がかりにして
 西洋法の新たな展開――欧州連合のインパクト

第4講義 法はどのように解釈・適用されているか――法律家の思考パターン〔毛利康俊〕
 法的思考の中心は判決三段論法である
 判決三段論法は裁判でどのように用いられているか
 裁判官は自動販売機のようなものか
 法律家は法典をどのように読んでいるか
 判決三段論法は何の役に立つのか
 法律学は実務にどのように貢献するのか

第5講義 法的思考はどこまで信頼できるのか――法的思考をめぐる主流派と反主流派〔毛利康俊〕
 難事件とは何か
 なぜ司法裁量があると言いたくなるのか
 難事件では司法裁量を行使しているという考え方もある
 難事件でも司法裁量はないという考えも有力である
 法的思考は客観性や合理性を持ちうるだろうか
 今後の議論はどうなるだろうか

第6講義 個人の権利を守ろう――法的権利の性質と意義〔森村 進〕
 「権利がある」とはどういうことか
 選択説 vs.利益説
 「切り札としての権利」?
 自由な社会と個人主義はとまらない
 男女はそれぞれ個人として考えるべきか
 権利は万能ではないが……

第7講義 《個人を超えたもの》の存在意義はどこにあるのか――文化・伝統・共同体の位置づけ〔石山文彦〕
 「人はひとりでは生きていけない」――個人主義は過剰か?
 個人の権利や自由だけでは何が足りないのか――共同体主義の主張
 《個人を超えたもの》は,個人の自由の基盤となりうる――多文化主義の主張
 人は《個人を超えたもの》に手を加えることができる――文化や伝統の変容
 《個人を超えたもの》と個人

第8講義 正義は問われつづけている――価値の多元化と正義〔濱真一郎〕
 なぜ「正義」が問われつづけるのか?
 正義と法との連続的関係
 正義とは何か
 現代正義論の論客たち
 正義論は万能か
 正義論争に決着はつくか――価値の多元化の中で

第9講義 臓器はいかに分配されるべきか――社会正義・公序良俗・取引の自由の交錯〔森村 進〕
 ジャンボ鶴田の臓器移植手術
 臓器売買のどこが悪いのか?
 臓器は社会的分配の対象か?
 分配と売買と贈与はどこが違うのか?
 正義が問われる場合は尽きない

第10講義 科学技術の発展に法はどう向き合うべきか――クローン技術と遺伝子介入の未来〔桜井 徹〕
 クローン羊ドリーの衝撃
 クローン人間のどこが問題か
 体外受精の実現はいかなる可能性を開いたか
 ヒトゲノムの解析と胚選択がもたらすもの
 私たちは「神を演じる」べきか
 バイオテクノロジーの進歩は人間本性をどう変えていくのか
 私たちは《生殖の自由》をどう位置づけるべきか

第11講義 「近代法」の地平を超えて――ポストモダン法理論の素描〔住吉雅美〕
 近代のどこが問題なのか
 法は政策の手段か
 「近代法」は誰かを排除する
 「権利」で救済されない人やことがら
 法の密猟――法を逆手にとると
 法をどう捉えるか

第12講義 法を形づくるのは私たち――法の概念へのパースペクティブ〔長谷川晃〕
 法への問い
 何が法であるかは定義の問題なのだろうか
 法に含まれるもの
 法への問いはどのようにして立てられるのか
 純粋な法の世界と経験的な法の世界
 「内的視点」から見えるもの(1)――ルールの世界
 「内的視点」から見えるもの(2)――原理の世界
 法と価値,政治,歴史,そして文化は連動している

おわりに 《法を哲学する》ために〔長谷川晃〕
 法哲学は愉しく,深い
 各講義相互のつながりを考えてみよう
 他者との対話から学ぶ

第2版あとがき
あとがき

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事項索引
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