目次
◇ アメリカ法研究
1 罷業権の生成過程 ――アメリカ資本主義の生成過程と労働争議法理の展開 ――
2 米国における労働協約法理
一 米国労働協約の発展史
二 協約法理の展開
三 む す び
3 米国自動車産業における労働協約の実証的考察
4 フウィップソー・ストとロックアウト ――米国連邦最高裁の一判決 ――
5 米国における企業レベルの労使関係と法
一 序
二 第二次大戦前の労使関係と法の展開
三 第二次大戦後の労使関係と法の展開
四 企業レベルの労使関係と法
五 む す び
6 集中的交渉 (centralized bargaining)と法的規制
一 は じ め に
二 一使用者多工場交渉
三 連合交渉 ――ジェネラル・エレクトリック社事件とフェルプス・ダッジ事件 ――
四 多使用者交渉
五 バッファロー・リンネル事件とブラウン食品店事件
六 アメリカ造船事件判決以後
七 む す び
7 米国労使関係の「新段階」と労働法
一 は じ め に
二 カランの再現説
三 ミルズ =マコーミックの新段階説
四 ダンロップの労使関係法論
五 米国労使関係の「新段階」と労働法
六 む す び
8 米国における労使関係法論の動向
一 は じ め に
二 レーバー・アコード下の労使関係
三 レーバー・アコードの侵蝕
四 労使関係の新段階
五 エドゥワーズの説の検討
六 む す び
9 米国における「労働の柔軟化」論と法 ――ピオーリ説の検討を中心に ――
一 序 ――OECD八六年報告書
二 柔軟性のモデルとしての米国と柔軟化論
三 ピオーリ =セーブルの「柔軟な専門化」論
四 ピオーリの三つのシナリオとその検討
五 む す び
◇ 書評・紹介
10 フリードリッヒ・カール・フォン・サヴィニー
11 ジンツハイマー
12 テラァ『ピケッティングと言論の自由』
13 チェンバレン『団体交渉と契約概念』
14 ニッキッシュ著『労働法』
15 イ タ リ ア ――多種・多様な争議戦術 ――
一 わが国と似た経済発展と労使関係
二 頻発するスト・デモをめぐるおおらかさ
三 スト資金の貧しさと多様な争議戦術と
四 戦線統一と団交機能の拡大
解 説 〔藤原稔弘〕
初出一覧
事項索引 巻末
内容説明
労働法研究に多大な功績を残す蓼沼謙一先生の著作集、待望の続刊。本巻は比較法研究に関する論稿と外国文献の書評や外国の法学者、労働事情紹介を凝縮して掲載。実定労働法および労働協約などの諸制度、さらには法解釈学が歴史的・社会的に相対的性格を持つことの認識から、アメリカ労働法理論に無批判に依拠するのではなく、日本的な諸条件をふまえ、説得力ある議論を展開する。人物紹介ではサヴィニーやジンツハイマーを紹介し、書評ではニッキッシュ『労働法』などを論ずる。グローバル化する現代にこそ必要とされ