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民法講義V 不法行為法

民法講義V 不法行為法

権利保護と救済規範の新たな法実現

著者 藤岡 康宏
ジャンル 法律  > 民法
出版年月日 2013/03/25
ISBN 9784797211757
判型・ページ数 A5変・568ページ
定価 本体4,800円+税
在庫 在庫あり
 

目次

藤岡康宏(北海道大学名誉教授・早稲田大学名誉教授) 著

【目  次】

はじめに

◇第1部 不法行為法総論◇

第1章 不法行為法の課題
  1 はじめに/2 不法行為法の役割/3 最終的・包括的救済規範としての不法行為法

第2章 不法行為法の対象
 第1節 民法典不法行為法と特別法不法行為法
 第2節 過失責任と無過失責任
  1 帰責事由と帰責原理/2 民法典の構想
 第3節 損害の公平な分担と具体的衡平主義
 第4節 不法行為責任二元論の問題点

第3章 不法行為法の制度目的
 第1節 損害賠償法としての制度目的
  1 はじめに/2 伝統的構想 ――損害の公平な分担
 第2節 制度目的の再編
  1 はじめに/2 内側からみた制度理解/3 外側からみた制度理解/4 社会的救済システムの将来構想
 第3節 展  望
  1 再編の必要性/2 基本的な視点/3 柱としての「権利の法実現」

第4章 不法行為責任の基礎
 第1節 問題の提起
 第2節 羅針盤としての法思想
  1 矯正的正義と配分的正義/2 わが国の問題状況
 第3節 法思想と法実践
  1 法思想と実定不法行為法/2 制度目的の再編と法思想の相互連関

第5章 権利の法実現
 第1節 問題の提起
  1 権利論の必要性/2 包括的救済規範としての権利論
 第2節 権利論の視点
  1 権利の本来的効力/2 民法と権利論/3 憲法と権利論
 第3節 権利論の相互関係
  1 権利利益侵害要件(709条)との関係/2 権利論からの学び方
 第4節 制度目的の発展的性格

第6章 法の国際化と不法行為法
 第1節 不法行為法の国際化
  1 はじめに/2 第2部第3章(故意・過失)との関連
 第2節 不法行為法の歴史と統一的不法行為観念の成立
  1 統一的不法行為観念の成立と実定不法行為法/2 「包括的救済規範性」(フランス民法)と「権利保護規範性」(ドイツ民法)
 第3節 包括的救済規範性の実現
  1 権利侵害の概念と違法性/2 権利保護の思想と包括的救済規範性
 第4節 過失概念における法の国際化
  1 過失判断の構造/2 過失判断における国際的視座
 第5節 過失判断における法の創造 ――法の国際化と法の創造
  1 過失論の問題提起 ――新潟水俣病事件/2 過失判断における多様な視点/3 過失判断における法的装置の必要性

第7章 不法行為法(民法)の学び方と不法行為法(民法)の創造
 第1節 学び方のすすめ
 第2節 法理論と法実践の相互連関
  1 法理論,法実務の再定位/2 階層的装置としての三層構造/3 戦略的装置としての三層構造
 第3節 基礎編と応用編
  1 応用編としての不法行為法/2 応用編 ――法学教育
 第4節 不法行為法の発展と三層構造論
  1 債権侵害論の再編/2 損害賠償と差止め

◇第2部 一般の不法行為◇

第1章 一般の不法行為の構造
 第1節 統一的不法行為要件の意義
  1 はじめに/2 不法行為の基本的構成要件
 第2節 書かれざる要件 ――違法性

第2章 権利保護の規範構造
 第1節 権利保護の基本的仕組み
  1 はじめに/2 「開かれた体系」としての不法行為法
 第2節 前提問題(旧規定下の法理論)
  1 現実問題対応型法理/2 基礎理論としての違法性/3 あらたな理論の必要性
 第3節 権利保護の多元的構造
  1 民法の構成原理と不法行為法の救済原理/2 「権利の保護」と「あらたな利益の法実現」/3 財産権と人格権/
  4 あらたな利益の類型化/5 権利保護の動態的構造
 第4節 権利間衡量の規範構造
  1 権利間衡量の必要性/2 権利濫用法理の権利形成機能/3 人格権保護の規範構造

第3章 故意・過失
 第1節 過失責任の構造
  1 過失責任の原則/2 自己責任の原則/3 帰責原因としての故意・過失/4 過失の客観化と過失の主観化/
  5 あらたな過失論の可能性/6 過失論の再定義
 第2節 権利保護義務違反としての過失
  1 衡量問題としての過失判断(危険便益比較方式)/2 過失判断と法の国際化/3 過失判断の問題点/
  4 結果回避義務の目的と権利利益の保護
 第3節 不作為不法行為と過失責任
  1 過失責任の基礎理論と不作為不法行為/2 不作為不法行為の独自性と過失責任/3 過失責任の多元的理解と制度目的

第4章 不法行為要件の統一的構造
 第1節 709条の構造
  1 外的体系と内的体系/2 概念化と類型化
 第2節 法の協働と法伝統の創造力
  1 「法の協働」と「法伝統」/2 不法行為理論の発展/3 法伝統の構想力
 第3節 不法行為要件の基本的仕組み
  1 前提問題/2 不法行為要件の統一的理解
 第4節 まとめとしての段階的構造
  1 基本的要件の段階的構造/2 権利保護と自由活動領域の保障

第5章 不法行為責任を免れる場合
 第1節 総  説
 第2節 責任能力制度
  1 責任能力の意義/2 責任能力の根拠/3 責任能力の判断基準/4 「責任能力」の概念と「責任能力制度」の関係
 第3節 違法性阻却事由のある場合
  1 全体の仕組み ――民法と刑法の関係/2 720条による正当防衛・緊急避難/3 720条の要件・効果/
  4 「権利の法実現の法」と権利防衛機能の関係/5 720条以外の違法性阻却事由

第6章 権利保護の範囲(損害賠償の範囲)
 第1節 賠償範囲の前提問題
  1 損害・因果関係・賠償範囲/2 賠償範囲の対象/3 損害概念の意義
 第2節 賠償範囲の意義
  1 はじめに/2 賠償範囲論の転換/3 賠償範囲画定の視点/4 判例準則の問題点
 第3節 賠償範囲の仕組みに関する3段階説
  1 総  説/2 賠償範囲問題のあらたなあゆみ/3 不法行為法の制度目的と賠償範囲問題
 第4節 不法行為法の構造と賠償範囲の仕組み
  1 基礎理論(3段階説)の意義/2 3段階説と不法行為法
 第5節 権利保護のあらたな仕組み
  1 権利保護の範囲/2 事実上の因果関係と不法行為訴訟/3 法律上の因果関係と「権利保護の範囲」/
  4 権利保護の範囲に関する複合的仕組み/5 結果損害の賠償範囲
 第6節 賠償範囲(論)の基本問題

◇第3部 権利の法実現の法◇

第1章 総  説
 第1節 「権利保護」と「あらたな利益の法実現」
 第2節 構成問題としての「権利の法実現」

第2章 人の法(人格権の保護)
 第1節 人格権法の仕組み
  1 総  説 /2 法規範創造のプロセス
 第2節 人格権法の基礎
  1 総  説/2 人格権の民法的基礎/3 包括的救済規範と憲法
 第3節 「人の法」の基本構造
  1 法理論と法実践の相互連関/2 民法構成原理と救済規範

第3章 人格権保護の諸相
 第1節 生命・身体・健康の保護
  1 はじめに/2 医師の過失/3 権利保護の視点
 第2節 名誉とプライバシーの保護
  1 はじめに/2 名誉の保護/3 プライバシーの保護/4 人格的価値実現の統一的仕組みの必要性/
  5 氏名・肖像・パブリシティ権の保護
 第3節 人格的利益の主観化
  1 セクシュアル・ハラスメントの場合/2 被侵害利益の主観化と三層構造
 第4節 人格権の法と自己決定権
  1 自己決定権の位置づけ/2 不法行為法上の問題としての自己決定権
 第5節 家族の法と不法行為法
  1 2つの基本類型/2 第三者による不法行為の場合/3 家族間不法行為の場合

第4章 環境の法(環境をまもるための権利の保障)
 第1節 生活妨害(公害)における権利保護の仕組み
  1 はじめに/2 生活妨害と公害/3 相隣関係上の信義則規範と一般法としての不法行為規範
 第2節 判例と学説による法創造
  1 2つの視点/2 判例による法発展/3 学説による法発展
 第3節 プロセスとしての権利保護の仕組み
  1 生活利益秩序と不法行為法の関係/2 プロセスとしての権利保護/3 生活利益をまもるための権利の保障/
  4 環境利益をまもるための権利の保障/5 人格の保護と環境の保護

第5章 財産の法(財産をまもるための権利の保障)
 第1節 権利保護のあり方
 第2節 財産権の保護
  1 所有権その他の物権/2 占有権の保護/3 債権の保護
 第3節 財産的利益の保護
  1 財産的利益を保護する必要性/2 問題提起型訴訟の意義/3 契約締結過程における当事者の地位/
  4 権利実現の制度的保障と相手方の地位/5 不実表示による経済的損失/6 まとめとしての再構築の必要性

第6章 契約の保護と競争利益の保護
 第1節 総  説
 第2節 債権の保護
  1 債権保護の段階的構造/2 債権侵害の類型化/3 契約関係の保護 ――債権侵害論の転換/
  4 契約保護の諸相(現実問題対応型判断)
 第3節 営業権の保護
 第4節 消費者による法の実現
  1 競争法と不法行為法/2 損害の分散と不法行為訴訟/3 競争秩序の実現としての消費者訴訟
 第5節 制度的仕組みとしての競争秩序
  1 競争秩序の基礎理論/2 競争規範の制度的仕組みと競争原理

◇第4部 不法行為法の複合的構造◇

第1章 総  説
  1 責任類型の多元性/2 特殊の不法行為と一般の不法行為の関係

第2章 監督者の責任
 第1節 監督者の責任 ――その基本的な構想309
  1 監督者責任の意義/2 監督者責任の仕組み/3 監督者の責任の補充的性格
 第2節 監督義務の懈怠
  1 過失の一般原則と監督義務/2 一般的監督義務と具体的監督義務/3 監督義務の範囲
 第3節 監督者責任の制度目的
  1 監督者責任の保護範囲/2 監督者責任の三層構造

第3章 使用者の責任
 第1節 使用者責任の構想
  1 使用者責任の意義 /2 自己責任と代位責任/3 報償責任と危険責任/4 混合法としての使用者責任
 第2節 使用者責任の要件
  1 責任主体性/2 事業執行性/3 被用者の加害行為性/4 使用者の免責事由
 第3節 使用者責任の効果
  1 対外的関係と対内的関係/2 賠償責任の負担者(使用者と代理監督者)/3 使用者と被用者の対内的関係
 第4節 あらたな構想 ――法と政策
  1 使用者の責任の構想/2 企業自体の不法行為/3 使用者の責任の段階的・多元的構造/4 法の国際化と三層構造/
  5 注意を要すること
 第5節 使用者責任の特則 ――注文者の責任

第4章 工作物責任
 第1節 総  説
  1 工作物責任と営造物責任/2 賠償責任の負担者/3 工作物責任の法的性質
 第2節 工作物責任の要件
  1 土地の「工作物」であること/2 設置・保存の「瑕疵」であること/3 瑕疵の義務違反構成/4 工作物責任の複合的アプローチ
 第3節 工作物責任の効果
  1 賠償責任の負担者(占有者と所有者の関係)/2 危険責任の規範目的と所有者の責任/3 所有者の「占有者化」/
  4 求償関係/5 工作物責任の準用(竹木に瑕疵がある場合)

第5章 動物占有者の責任
 第1節 基本的仕組み
  1 意  義/2 成立要件と免責事由
 第2節 賠償責任の主体
 第3節 課  題

第6章 共同不法行為
 第1節 総  説
  1 複数加害者による不法行為/2 共同不法行為の存在理由
 第2節 共同不法行為の要件
  1 719条の構造/2 共同不法行為の一般的要件/3 判例(法実践)と学説(法理論)の相互関係/
  4 権利保護要件としての関連共同性/5 ま と め
 第3節 共同不法行為の特則
  1 加害者不明の場合/2 教唆・幇助のある場合
 第4節 共同不法行為の効果
  1 全部賠償の原則/2 共同不法行為型連帯債務/3 一般不法行為と共同不法行為の関係
 第5節 原因競合
  1 複数原因の競合/2 原因競合が問題となる場合/3 法的枠組みとしての原因競合

第7章 特別法による事故被害者の救済
 第1節 無過失責任の帰責原理
  1 無過失責任特別法の必要性/2 無過失責任の問題点/3 帰責原理としての危険責任/4 危険責任と過失責任の関係/
  5 製造物責任の多元的構造/6 制度的基礎対応型判断の必要性
 第2節 無過失責任の法構造
  1 自動車事故による被害者の救済/2 原子力損害賠償法の帰責構造/3 製品事故における欠陥責任原則

◇第5部 損害賠償◇

第1章 総  説
 第1節 不法行為の救済方法
  1 金銭賠償の原則/2 原状回復処分/3 差止請求権
 第2節 損害賠償請求権の主体
  1 一般原則/2 損害賠償請求権者の範囲
 第3節 法実務と法理論の相互連関
  1 損害賠償額算定のプロセス/2 賠償額算定の基準時/3 損害賠償請求権の競合

第2章 損害の評価と損害賠償額の算定
 第1節 権利侵害の要保護性評価機能と損害の評価
  1 権利保護と損害評価の関連性/2 損害賠償の機能と損害の評価/3 慰謝料請求権の多元的機能
 第2節 死傷損害の賠償額算定
  1 はじめに/2 生命侵害の場合/3 死傷損害の評価と法の創造/4 傷害の場合/5 衡平判断と公平判断/
  6 賠償額の算定と損害論 ――あらたな展望
 第3節 近親者保護の規範構造
  1 民法典の構想と判例準則/2 生命侵害の場合/3 遺族の保護,その法律政策と規範構造

第3章 損害賠償額の調整
 第1節 過失相殺
  1 過失相殺の意義/2 過失相殺の適用場面/3 過失相殺の類推/4 権利保護と割合的解決の相互関係
 第2節 損益相殺
  1 規範創造としての損益相殺/2 損益相殺の方法/3 判例による法発展/4 特殊な問題/
  5 「損益相殺」から「損益相殺的な調整」へ/6 損益相殺と「法的判断の三層構造」

第4章 損害賠償請求権の法実現
 第1節 損害賠償請求権の行使に関する諸問題
  1 はじめに/2 慰謝料請求権の相続性・譲渡性/3 相殺の禁止/4 遅延利息/5 損害賠償による代位/
  6 損害賠償の終局的解決と暫定的解決
 第2節 損害賠償請求権の期間制限
  1 期間制限の二重構造/2 3年時効の制度/3 20年期間の制度/4 期間制限の制度的基礎と権利保護の法思想

◇第6部 損害賠償と差止め◇

第1章 総  説
 第1節 損害賠償と差止めの関係
  1 差止めの意義/2 特別法と一般法
 第2節 差止めの法的根拠
 第3節 応用問題としての差止訴訟
  1 あらたな法益と差止訴訟/2 差止論の必要性

第2章 差止めによる権利保護
 第1節 判例,学説による法発展
  1 伝統的領域とフロンティア/2 名誉・プライバシー侵害/3 公害・生活妨害/4 競争秩序
 第2節 差止論の必要性 ――差止めの根拠と要件
  1 差止めの制度的基礎/2 伝統的アプローチ ――権利説と不法行為説/3 第3のアプローチ ――違法侵害説/
  4 「差止め制度」としての違法侵害説
 第3節 差止論の三層構造
  1 法的判断の三層構造/2 差止め制度と三層構造

第3章 救済規範のあらたな構造
 第1節 損害賠償と差止めの関係
  1 民法典の考え方 /2 秩序違反による差止め/3 制度的理解の必要性
 第2節 救済規範の二元的構造

事項索引
判例索引

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内容説明

民法は社会の基本法として、「財産の法」と「人の法」からなるが、民法の目的は両者あいまって社会の基本的な仕組みをつくり、人格の自由な発展の礎をきずくことにある。民法の長い歴史の中で、さらなる第一歩はどのようなものであるべきか。民法の役割について考える共通の場として送り出されるものが、『民法講義』である。《民法講義の構成》Ⅰ民法総論【続刊】Ⅱ物権法Ⅲ債権総論Ⅳ契約法Ⅴ不法行為法【既刊】Ⅵ 親族・相続法

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