憲法のフラグメント ― 全体社会の立憲主義とグローバリゼーション

憲法のフラグメント ― 全体社会の立憲主義とグローバリゼーション

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法社会学の泰斗による Constitutional Fragments (2012)の翻訳。訳者による解説も収録。

著者 グンター・トイブナー
大藤 紀子
ジャンル 法律  > 憲法
法律  > 法社会学
出版年月日 2022/02/14
ISBN 9784797278798
判型・ページ数 A5変・264ページ
定価 4,620円(税込)
在庫 在庫あり

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社会システム理論と立憲主義―グローバル化の中でいかに考えるかを説く、トランスナショナル憲法論

機能的に分化した社会では、経済や文化などの領域ごとに固有の「憲法」が存在する。したがって、各領域に「立憲主義」が成り立つ。グローバル化の中では、こうした領域ごとの秩序を考える必要がある。このように論じる本書は、法社会学の泰斗による Constitutional Fragments (2012)の翻訳であり、各法学に視点の転換を迫る。本書の議論に基づくアクチュアルな問題への言及が、末尾「訳者あとがき」に収められる。

    

 『憲法のフラグメント ― 全体社会の立憲主義とグローバリゼーション』

  グンター・トイプナー 著/大藤紀子 訳

【目 次】

はしがき

◆ 第1章 新たな憲法問題
 Ⅰ 近代立憲主義の危機?
  1 国民国家の憲法 対 グローバル憲法
  2 憲法社会学の刺激
 Ⅱ 不確かな前提
  1 全体社会の立憲主義は,純粋にグローバリゼーションに起因する問題なのか?
  2 トランスナショナルな空間における憲法の不在?
  3 トランスナショナルなガバナンスは政治過程に限定されるのか?
  4 基本権の第三者効力は国家の保護義務に還元されるのか?
  5 コスモポリタンな世界憲法の統一性?

◆ 第2章 国民国家における全体社会の諸部分憲法
 Ⅰ 自由主義的な立憲主義下における全体社会の諸制度
  1 憲法不在の諸空間としての個人の自由
  2 自律的な社会の諸秩序
 Ⅱ 全体主義的な全体社会の諸憲法
 Ⅲ 社会国家における諸部分憲法
  1 歴史的教訓
  2 国家統制主義的な全体社会の立憲主義
  3 全体社会の諸部分領域の政治化
 Ⅳ 全体社会の憲法としての経済憲法
  1 オルド・リベラルな経済憲法
  2 憲法経済学
 Ⅴ 憲法多元主義
  1 新協調組合主義の取り決め
  2 ソサイエタル・コンスティテューショナリズム

◆ 第3章 トランスナショナルな憲法主体:体制,組織,ネットワーク
 Ⅰ グローバルに固有の諸構造
 Ⅱ 国家世界を通じた全体社会の立憲化?
  1 国連憲章
  2 国家世界のソフト・ロー
  3 国際法を通じた立憲化とグローバル行政法
 Ⅲ グローバルな諸制度に固有の憲法
  1 憲法のフラグメント化
  2 国際組織の憲法
  3 体制―憲法
 Ⅳ 憲法主体としてのトランスナショナルな諸体制?
  1 憲法を制定する権力/憲法によって制定された権力
  2 集合的自己同一性

◆ 第4章 トランスナショナルな憲法規範:機能,規制領域,過程,構造
 Ⅰ 憲法の機能:構成的/制限的
  1 社会システムの自己構成
  2 動態的な不均衡の下での立憲化
  3 成長強制の自己抑制
  4 「毛細血管憲法」
  5 悪魔とベルゼブブ
 Ⅱ 憲法の領域:社会システムにおける内部分化
  1 自発的領域
  2 組織化された専門領域
  3 コミュニケーション・メディアの自己制御領域
 Ⅲ 憲法の過程:二重の再帰性
  1 社会システムの再帰性
  2 法システムの再帰性
 Ⅳ 憲法の構造:異種混成的なメタ・コード
  1 コード化とメタ・コード化
  2 異種混成性
 Ⅴ 固有の諸憲法の政治
  1 政治 対 政治的なもの
  2 政治の影で
  3 全体社会の部分システム内部の政治化

◆ 第5章 トランスナショナルな基本権:水平的効果
 Ⅰ 国民国家を越えた基本権
  1 国家の基本権の管轄外の効果?
  2 グローバルな公憤
  3 体制特有の基本権の基準
 Ⅱ 私的なトランスナショナルな行為主体を拘束する基本権
  1 国家行為を越えて
  2 一般化:価値秩序に代わるコミュニケーション・メディア
  3 さまざまな社会的文脈における再特殊化
 Ⅲ 基本権の包摂的な効果:アクセス権
 Ⅳ 基本権の排除的効果
 Ⅴ 匿名のマトリックス
 Ⅵ 司法化は可能か?

◆ 第6章 トランスナショナルな諸憲法の抵触とネットワーク化
 Ⅰ 第三者機関の欠如
 Ⅱ 体制間の抵触
  1 伝統的な抵触法の修正
  2 規範的なネットワーク化
 Ⅲ 文化間の抵触
  1 文化的多極主義
  2 外来のものの自己固有のものへの再―参入
  3 文化間の抵触規範
 Ⅳ さまざまな憲法の抵触における指導原理


・訳者あとがき
・文 献

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