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刑事法学の未来 ― 長井圓先生古稀記念  新刊

刑事法学の未来 ― 長井圓先生古稀記念

刑事法学の現代的課題と未来的思考に挑む。交通刑法、消費者刑法、環境刑法、生命刑法など、長井教授の研究テーマを包摂する37論考

著者 高橋 則夫
只木 誠
田中 利幸
寺崎 嘉博
ジャンル 法律 > 刑事法 > 刑法
法律 > 刑事法 > 刑事訴訟法
出版年月日 2017/09/30
ISBN 9784797283754
判型・ページ数 A5変・840ページ
定価 本体20,000円+税
在庫 在庫あり
 

目次

 『刑事法学の未来 ― 長井圓先生古稀記念』

  高橋則夫・只木 誠・田中利幸・寺崎嘉博 編集


【目  次】

◆Ⅰ 刑 法

1 「同時傷害の特例(刑法207条)」の規範論的構造〔高橋則夫〕

 Ⅰ はじめに
 Ⅱ 最高裁平成28年決定の事案と決定要旨
 Ⅲ 同時傷害の特例を定めた207条の法意
 Ⅳ 傷害致死罪に対する207条の適用の可否
 Ⅴ 制裁(媒介)規範としての207条
 Ⅵ 207条の適用に関するその他の問題
 Ⅶ おわりに

2 先行行為に基づく作為義務〔鈴木彰雄〕

 Ⅰ 作為義務の根拠
 Ⅱ 先行行為の意義
 Ⅲ 適法な先行行為から生ずる作為義務
 Ⅳ 私見のまとめ

3 いわゆる量的過剰防衛について〔松原芳博〕

 Ⅰ はじめに
 Ⅱ 「量的過剰」の2つの定義
 Ⅲ 広義の量的過剰―相当な反撃行為の過剰防衛への編入
 Ⅳ 狭義の量的過剰―侵害終了後の追撃行為の過剰防衛への編入

4 精神鑑定を採用しえない合理的事情〔林美月子〕

 Ⅰ 精神鑑定の尊重
 Ⅱ 鑑定の内容・結論の前提と総合判断への復帰
 Ⅲ 合理的事情についての詳細な判示
 Ⅳ 妄想性障害
 Ⅴ 妄想性障害と判例
 Ⅳ 結  語

5 責任能力の意義と責任非難の構造について〔箭野章五郎〕

 Ⅰ はじめに
 Ⅱ 判例の定義の観点からの責任能力
 Ⅲ 故意犯における責任非難
 Ⅳ むすびに代えて

6 オーストリア刑法における免責的緊急避難―免責の本質とその具体化―〔深町晋也〕

 Ⅰ 初めに
 Ⅱ オーストリア刑法典の基礎にある免責の基本的理解
 Ⅲ 免責的緊急避難(オーストリア刑法10条)の要件解釈
 Ⅳ 終わりに

7 再論:「認識ある過失」と「認識なき過失」の区別〔甲斐克則〕

 Ⅰ 序
 Ⅱ 提起された批判とそれに対する解答
 Ⅲ イギリスのアデキーミ・オヅジーリンの過失犯論とその検討
 Ⅳ 結  語

8 いわゆる「一連の行為」への/からのアプローチ〔松澤 伸〕

 Ⅰ はじめに
 Ⅱ 「一連の行為」の基準にまつわる議論の整理・分析
 Ⅲ 「一連の行為」論の限界と展望
 Ⅳ まとめ―「一連の行為」への/からのアプローチ

9 実行の着手論の最近の動向〔原口伸夫〕

 Ⅰ 近時の学説の動向
 Ⅱ 未遂犯における主観面の考慮
 Ⅲ 近時の判例の動向―クロロホルム事件最高裁決定およびそれ以降の判決
 Ⅳ 実行の着手の判断基準―3要素の相互関係等
 Ⅴ 個々の類型における実行の着手時期に関する近時の動向
 Ⅵ 未遂犯論の未来

10 行為責任論を基礎にした前科の位置づけ―近時の英米法圏の学説を素材に―〔樋口亮介〕

 Ⅰ はじめに
 Ⅱ 初犯者に対する割引を基礎に置くアプローチ
 Ⅲ 前科による加重を認めるアプローチ
 Ⅳ 分  析
 Ⅴ おわりに

11 英米におけるハイブリッドな刑罰論の諸相〔髙橋直哉〕

 Ⅰ はじめに
 Ⅱ ルール功利主義―J. Rawlsの見解―
 Ⅲ 消極的応報主義―H. L. A. Hartの見解―
 Ⅳ 非難と打算的な補充―A. von Hirschの見解―
 Ⅴ 目的論的コミュニケーション―R. A. Duffの見解―
 Ⅵ 結  語

12 医療行為に関する,とりわけ高齢患者の承諾能力〔只木 誠〕

 Ⅰ はじめに
 Ⅱ わが国における議論
 Ⅲ ドイツにおける議論
 Ⅳ おわりに

13 治療中止における手続履践の刑法的意義〔山本紘之〕

 Ⅰ はじめに
 Ⅱ ドイツの法制度
 Ⅲ 手続による正統化
 Ⅳ ドイツの制度の位置づけ
 Ⅴ わが国への示唆
 Ⅵ おわりに

14 危険運転致死傷罪は結果的加重犯の一種ではない〔古川伸彦〕

 Ⅰ はじめに
 Ⅱ 判例における傷害致死罪の捉え方
 Ⅲ 危険運転致死傷罪の解釈論的課題

15 アルコール・薬物影響危険運転致死傷罪の実行行為・故意・責任能力〔杉本一敏〕

 Ⅰ はじめに
 Ⅱ アルコール影響危険運転致死傷罪の理論構成
 Ⅲ 薬物影響危険運転致死傷罪の理論構成
 Ⅳ 準危険運転致死傷罪(3条1項類型)
 Ⅴ 責任能力について

16 自手犯論序説―自動車運転の自手犯性を中心として―〔内田 浩〕

 Ⅰ はじめに
 Ⅱ ドイツにおける最近の議論状況
 Ⅲ おわりに

17 無免許運転罪と「無免許運転による加重」の意義―悪質道路交通事犯への法的対応のあり方に関する一考察―〔星周一郎〕

 Ⅰ はじめに
 Ⅱ 道路交通法よる交通規制の意義と無免許運転罪
 Ⅲ 無免許による無謀運転への世論の反応
 Ⅳ 自動車運転死傷行為処罰法の無免許運転加重の意義
 Ⅴ むすびに代えて―事前的規制と事後的処罰の有機的連携の必要性

18 感情の刑法的保護について―死者に関する罪における保護法益―〔内海朋子〕

 Ⅰ はじめに
 Ⅱ ドイツにおける死者に関する罪
 Ⅲ 日本における死者に関する罪
 Ⅳ 私  見

19 窃盗罪における権利者排除意思について〔穴沢大輔〕

 Ⅰ はじめに
 Ⅱ ドイツにおけるEnteignung(所有のはく奪)について
 Ⅲ わが国の(裁)判例で問題とされた事案について
 Ⅳ おわりに

20 強盗罪の根拠と解釈―「反抗抑圧」をめぐる4つの問題―〔近藤和哉〕

 Ⅰ はじめに
 Ⅱ 「反抗抑圧」をめぐる4つの問題
 Ⅲ おわりに

21 刑法240条の成立範囲について―原因行為性を中心に―〔成瀬幸典〕

 Ⅰ はじめに
 Ⅱ 原因行為性に関する学説
 Ⅲ 考  察
 Ⅳ おわりに

22 詐欺罪における錯誤者と交付・処分者との同一性再考―非錯誤者の介在事例の考察も含めて―〔冨川雅満〕

 Ⅰ はじめに
 Ⅱ 「交付指示=交付行為」モデルの問題性
 Ⅲ 他の考えられうる理論モデルの当否
 Ⅳ 非錯誤者の介在事例の処理について
 Ⅴ むすびに代えて

23 ドイツ刑法の詐欺罪における全体財産説の混迷―善意取得と財産危殆化をめぐって―〔渡辺靖明〕

 Ⅰ はじめに
 Ⅱ ドイツ刑法の詐欺罪における「損害と等置される財産危殆化」
 Ⅲ ドイツ法における「善意取得」と「詐欺罪」との関係
 Ⅳ 「善意取得による詐欺罪の全体財産損害」をめぐる判例とその若干の考察
 Ⅴ むすびに

24 電子計算機使用詐欺罪の適用領域について〔伊藤 渉〕

 Ⅰ 問題領域
 Ⅱ 本罪の立法理由
 Ⅲ 本罪の成立要件
 Ⅳ 預金残高の不正入力
 Ⅴ 売上の不正精算
 Ⅵ クレジットカードによるオンライン取引の悪用
 Ⅶ 料金支払の免脱
 Ⅷ 自動改札機を利用した不正乗車
 Ⅸ 総  括

25 利殖勧誘詐欺と消費者の保護〔木村光江〕

 Ⅰ 経済犯罪と刑事的規制の変化
 Ⅱ 利殖勧誘詐欺事犯の特色
 Ⅲ 事前規制としての出資法,金商法
 Ⅳ 詐欺罪と事前規制
 Ⅴ まとめにかえて

26 組織的詐欺について―消費者保護との関連で―〔長井長信〕

 Ⅰ はじめに
 Ⅱ 本法の目的と加重処罰の根拠
 Ⅲ 保護法益
 Ⅳ 成立要件
 Ⅴ 共  犯
 Ⅵ 罪数論・他罪との関係
 Ⅶ おわりに

27 循環事犯と廃棄物事犯との関係―使用済家電製品の不適正処理の事例を素材として―〔阿部 鋼〕

 Ⅰ 使用済家電製品の不適正処理事例の分析
 Ⅱ 循環事犯―家電リサイクル法の罰則違反
 Ⅲ 廃棄物事犯―廃棄物処理法の罰則違反
 Ⅳ 結びにかえて―未来世代のための「循環型社会」構築に向けて

28 土壌汚染対策法3条1項の調査報告義務と原因者負担原則〔北村喜宣〕

 Ⅰ 土壌汚染対策法の特徴
 Ⅱ 特定施設廃止事案における土壌汚染状況調査
 Ⅲ 環境法の基本的考え方としての原因者負担原則
 Ⅳ 土壌汚染状況調査をめぐる法的責任
 Ⅴ 掘削作業者と土地所有者
 Ⅵ 行政庁が従うべき判断枠組み
 Ⅶ 原因者負担原則を踏まえた解釈

◆Ⅱ 刑事司法

29 日本の刑事司法は「中世」に位置づけられるべきか〔藤本幸二〕

 Ⅰ はじめに
 Ⅱ 問題の所在―日本の刑事司法のどこが「中世」であるとされたのか?
 Ⅲ 考  察
 Ⅳ おわりに

30 行政警察活動と捜査―その統合的理解の試み―〔金子 章〕

 Ⅰ はじめに
 Ⅱ 適正手続の保障
 Ⅲ 職務質問における停止行為の適法性
 Ⅳ 職務質問に伴う所持品検査の適法性
 Ⅴ おわりに

31 職務質問に伴う停止・留め置きの限界〔中野目善則〕

 Ⅰ 初めに―問題の所在
 Ⅱ 職務質問における停止に関する二つの最高裁判例の意義と射程
 Ⅲ 「任意」処分からするアプローチとその問題点
 Ⅳ 警察官職務執行法の目的・趣旨と憲法33条との関連を考察するアプローチ
 Ⅴ 平成6年会津坂下の事例再論
 Ⅵ 終わりに

32 犯行再現と実況見分調書〔寺崎嘉博〕

 Ⅰ はじめに
 Ⅱ 最高裁の理解と実務の取扱い
 Ⅲ 呈示後の犯行再現写真の取扱い
 Ⅳ まとめ

33 訴因変更の時機的限界について〔白取祐司〕

 Ⅰ 問題の所在
 Ⅱ 時機に遅れた類型と訴因変更
 Ⅲ 公判前整理手続と訴因変更
 Ⅳ 訴因変更の許容性に関する一試論

◆Ⅲ 刑事政策

34 少年犯罪と死刑〔丸山雅夫〕

 Ⅰ はじめに
 Ⅱ 少年法51条1項の制定過程
 Ⅲ 少年法51条の意義と年長少年
 Ⅳ 年長少年の死刑をめぐる実務動向
 Ⅴ むすびに代えて

35 ドイツの保安処分の最近の動向―精神病院収容,保安監置,行状監督に関する法改正〔山中友理〕

 Ⅰ はじめに
 Ⅱ 精神病院収容に関する法改正
 Ⅲ 保安監置制度
 Ⅳ 行状監督制度の改正
 Ⅴ むすびにかえて―最善の再犯防止対策とは

36 刑事司法と精神科医療―矯正から更生保護へのcontinuity of careアメリカの取り組みを参考に〔柑本美和〕

 Ⅰ はじめに
 Ⅱ アメリカにおける仮釈放後・満期釈放後の精神科医療
 Ⅲ 我が国への示唆
 Ⅳ おわりに

37 公益通報者不利益取扱い処罰に関する比較法的検討〔佐伯仁志〕

 Ⅰ はじめに
 Ⅱ わが国における刑罰規定
 Ⅲ アメリカ合衆国における刑罰規定
 Ⅳ その他の国における刑罰規定
 Ⅴ おわりに

― ― ―

長井圓先生略歴・主要業績(巻末)

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内容説明

交通刑法、消費者刑法、環境刑法、生命刑法など、長井圓教授の積年の研究テーマを包摂した、37名の著者による論考を収録。多角的視点から、刑事法学の現代的課題と未来的思考に挑む[Ⅰ刑法、Ⅱ刑事司法、Ⅲ刑事政策]。

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