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東アジア逃亡犯罪人引渡しの法理 ― 日中韓国際刑事協力論  新刊

学術選書145

東アジア逃亡犯罪人引渡しの法理 ― 日中韓国際刑事協力論

各国の法制、裁判例や条約、国際協力の現状を考察した実証的かつ比較法的分析。新たな類型として、国際カルテル、著作権侵害等も紹介

著者 金 平煥
ジャンル 法律 > 刑事法
法律 > 国際法/国際関係/国際私法
シリーズ 法律・政治 > 学術選書
出版年月日 2017/07/30
ISBN 9784797267457
判型・ページ数 A5変・432ページ
定価 本体8,800円+税
在庫 在庫あり
 

目次

 『東アジア逃亡犯罪人引き渡しの法理 ― 日中韓国際刑事協力論』

  金 平煥 (キム・ピョンファン/元韓国検察事務官) 著

【目  次】

◆序 章 はじめに
◆第一節 研究の課題
 一 研究の目的
 二 研究の対象と方法
 三 研究の意義
 四 本書の構成
◆第二節 日中韓における逃亡犯罪人引渡しをめぐる国際刑事協力の現状
 一 日中韓の国際協力の現状
 二 日中韓の逃亡犯罪人引渡しをめぐる国際協力
  (1) 国外逃亡犯罪の現状
  (2) 逃亡犯罪人引渡しをめぐる国際協力の現状

◆第一章 逃亡犯罪人引渡しをめぐる国際刑事協力の法的構造と先行研究
◆第一節 逃亡犯罪人引渡しをめぐる法的枠組
 一 「逃げ得」と国際刑事協力の抜け穴
 二 逃亡犯罪人引渡しの概要
 三 逃亡犯罪人引渡しの法的性質
 四 逃亡犯罪人引渡しにおける主な原則
  (1) 双方可罰性(dual criminality)の原則
  (2) 特定性(specialty)の原則
  (3) 政治犯不引渡し(non-extradition of political offenders)の原則
  (4) 自国民不引渡し(non-extradition of nationals)の原則
  (5) 列挙主義と包括主義
 五 逃亡犯罪人引渡しと人権保障
  (1) 人権保障条項(「人道上の保証条項」humanitarian safeguard)
  (2) 死刑不引渡し
  (3) 偽装引渡し(disguised extradition)
  (4) 国連犯罪人引渡モデル条約における人権保障条項
◆第二節 国際刑事協力の法的構造
 一 国際刑事協力の法的性質
  (1) 司法共助と刑事共助
  (2) 逃亡犯罪人引渡しと「狭義の刑事共助」の関係
 二 国際刑事協力の範囲
 三 逃亡犯罪人引渡しをめぐる地域協力
 四 逃亡犯罪人引渡し以外の国際刑事協力
  (1) 刑事共助
  (2) 受刑者移送
  (3) 刑事手続の移管
  (4) 外国刑事判決の執行
◆第三節 先行研究の検討
 一 「アジア諸国における犯罪人引渡を促進するための若干の提言」
 二 法制度整備支援
 三 グローバル・ガバナンスとしての国際刑事協力
 四 国際刑事分野におけるアジア共同体論
◆第四節 小 括

◆第二章 日本国における逃亡犯罪人引渡し
◆第一節 戦前の逃亡犯罪人引渡し
 一 「逃亡犯罪人引渡条例」
 二 逃亡犯罪人引渡条約
  (1) 日本国と亜米利加合衆国間の逃亡犯罪人引渡条約
  (2) 日本国と露西亜間の逃亡犯罪人引渡条約
 三 逃亡犯罪人引渡条例の特徴と引渡手続の司法化の主張
 四 政治犯罪の取扱い
  (1) 引渡条例と政治犯罪
  (2) 引渡条約と政治犯罪
  (3) 政治犯不引渡しをめぐる明治政府の対応
◆第二節 戦後の逃亡犯罪人引渡し
 一 「逃亡犯罪人引渡法」
  (1) 引渡手続の司法化
  (2) 逃亡犯罪人引渡法の改正
  (3) 引渡手続の主な流れ
 二 法務大臣の措置:「審査請求の該当性」と「引渡しの相当性」
  (1)「審査請求の該当性」の判断
  (2)「引渡しの相当性」の判断
  (3)「引渡しの相当性」判断の審査範囲
  (4) 法務大臣の措置(引渡しの相当性の判断)に対する不服申立
  (5) 裁判所の解釈
 三 逃亡犯罪人引渡条約
  (1) 日本国と米国間の引渡条約
  ア.列挙主義と包括主義の併用
  イ.引渡制限事由と人権保障
  (2) 日本国と韓国間の引渡条約
  ア.双方可罰性)
  イ.犯罪嫌疑の相当性の準拠
  ウ.人権保障に関する規定
◆第三節 引渡裁判の事例
 一 政治犯不引渡しの原則をめぐる裁判
  (1) 「尹秀吉事件」
  ア.第一審(東京地方裁判所)
  イ.控訴審(東京高等裁判所)および上告審(最高裁判所)
  ウ.第一審における鑑定(高野雄一)要旨
  (2) 「張振海事件」
  ア.双方可罰性
  イ.政治犯罪の認否
  ウ.引渡し後の請求国における別罪の処罰のおそれ
  エ.自由権規約第7条(拷問条項)との関係
  オ.難民条約第33条第1項との関係
  (3) 「張振海事件」裁判の検討
 二 犯罪嫌疑の十分性をめぐる引渡裁判:「遺伝子スパイ事件」
  (1) 事件概要
  (2) 裁判の争点
  ア.犯罪嫌疑の程度をめぐる比較法的検討
  イ.引渡犯罪の嫌疑と刑事訴訟法との関係
  (3) 裁判の検討
◆第四節 国際礼譲による逃亡犯罪人引渡しなど
 一 国際礼譲による逃亡犯罪人引渡し
  (1) 「富士銀行不正融資事件」
  (2) 「袁同順事件」
 二 罰金未納によって労役場留置に処せられる逃亡犯罪人の引渡協力
  (1) 事件概要
  (2) 「刑」の法的性質
  (3) 保安処分と自由刑
  (4) 労役場留置と自由刑
  (5) 検 討
◆第五節 その他の国際刑事協力
  一 刑事共助
  二 受刑者移送
◆第六節 小 括

◆第三章 中国における逃亡犯罪人引渡し
◆第一節 逃亡犯罪の現状と刑法の適用範囲
 一 逃亡犯罪および国際刑事協力の現状
 二 刑法の適用範囲
  (1) 刑事管轄権
  (2) 香港,マカオ(澳门)及び台湾と刑事管轄権
  (3) 民族自治と刑法
◆第二節 「引渡法」と逃亡犯罪人引渡条約
 一 「引渡法」の立法経緯
  (1) 立法経緯
  (2) 「引渡法」以前の指針:「引渡案件の若干の問題に関する処理規定」
 二 「引渡法」の構成と逃亡犯罪人引渡条約
  (1) 引渡法の構成
  (2) 引渡条約
 三 引渡しの要件と手続
  (1) 双方可罰性
  ア.刑法と双方可罰性
  イ.引渡条約における双方可罰性
  (2) 特定性の原則
  (3) 引渡手続
  ア.引渡請求の経路と外交部の審査
  イ.最高検察院の審査
  ウ.中国が外国に向けて引渡しを請求する場合の主な手続
  エ.仮拘禁などの強制措置
  (4) 引渡延期と臨時引渡
  ア.引渡延期
  イ.臨時引渡し
◆第三節 引渡裁判と国務院の決定
 一 裁判所の審査
  (1) 最高法院による審査
  (2) 高級法院における審査
  (3) 最高法院の再審査
  (4) 引渡裁判の法的性質
 二 国務院の決定
◆第四節 引渡法および引渡条約における引渡制限事由
 一 自国民不引渡し
  (1) 香港,マカオ及び台湾
  (2) 引渡条約における自国民の規定
 二 政治犯不引渡し
  (1) 引渡法および引渡条約における政治犯罪
  (2) 政治犯不引渡原則の例外
  (3) 刑法と政治犯罪
 三 死刑不引渡し
 四 その他の引渡制限事由
  (1) 軍事犯罪
  (2) 財政犯罪
  (3) そ の 他
 五 中国内の自治独立運動と逃亡犯罪人引渡し
  (1) 自治独立運動に対する中国政府の捉え方
  (2) 引渡条約における取扱い
 六 引渡協力に関する中国内部からの指摘
◆第五節 その他の国際刑事協力
 一 刑事共助と受刑者移送
 二 特別行政区(香港,マカオ)および台湾との引渡協力
  (1) 「特別行政区」との引渡協力
  (2) 台湾との引渡協力
  ア. 「金門協議」(1990年9月12日署名)
  イ. 「両岸共助協議」(2009年4月26日署名)
◆第六節 台湾(中華民国)における逃亡犯罪人引渡しをめぐる国際刑事協力
 一 概 要
 二 逃亡犯罪人引渡し
  (1) 国内立法の「引渡法」
  ア.引渡制限事由
  イ.引渡手続
  (2) 引渡制度の特徴
 三 その他の国際刑事協力
  (1) 刑事共助
  (2) 受刑者移送
  (3) 台湾における中国との刑事協力
◆第七節 小 括

◆第四章 韓国における逃亡犯罪人引渡し
◆第一節 逃亡犯罪の現状と「犯罪人引渡法」
 一 逃亡犯罪および引渡協力の現状
 二 「犯罪人引渡法」
  (1) 引渡手続
  (2) 引渡制限事由
  (3) 法務大臣による引渡しの相当性の判断
 三 逃亡犯罪人引渡条約
  (1) 日本国との引渡条約
  (2) 韓国が締結した引渡条約の特徴
◆第二節 法整備以前の逃亡犯罪人引渡しをめぐる日中との交渉
 一 「丁フンサン事件」
 二 「朴正熙大統領狙撃事件」
 三 「卓長仁ら事件」
◆第三節 引渡裁判の事例
 一 「グエン・フー・チャン事件」
  (1) 事件概要
  (2) 主な争点と裁判所の判断
  ア.裁判規範としての国際法規
  イ.双方可罰性
  ウ.政治犯不引渡しの原則
  (3) 検 討
 二 「劉強事件」
  (1) 事件概要
  (2) 主な争点と裁判所の判断
  ア.政治犯罪の認否
  イ.政治犯不引渡原則に関する韓国国際法学者の捉え方
  ウ.裁判所の判断
  (3) 「劉強事件」裁判の検討
 三 「犯罪人引渡法」第3条(ソウル高裁の専属管轄)に関する違憲訴訟
  (1) 訴訟概要および争点
  (2) 法務省の主張
  (3) 憲法裁判所の判断
  (4) 反対意見
  ア.憲法の国民保護原則
  イ.比較法的な考察
  ウ.引渡手続の法的性質:最高裁の解釈について
  エ.不服請求権
  オ.裁判請求権の侵害
◆第四節 その他の国際刑事協力
 一 刑事共助と受刑者移送
  (1) 刑事共助
  (2) 受刑者移送
 二 法務・検察の国際協力の活動
◆第五節 脱北者をめぐる周辺国の国際刑事協力
 一 脱北者の現状
 二 脱北者の法的地位
  (1) 難 民
  (2) 欧州人権裁判所における送還禁止(non-refoulement)の原則
 三 脱北者をめぐる周辺国の立場
  (1) 中 国
  ア.中朝間の国際刑事協力:刑事共助条約および秘密の引渡協定
  イ.刑法および出入国管理関係法など
  ウ.地方政府の規制:「吉林省辺境管理条例」
  (2) ロシア
  (3) 日 本
  (4) 韓 国
  ア.韓国における北朝鮮の法的地位
  イ.脱北者に対する政策
◆第六節 小 括

◆第五章 省 察
 一 考察の検討
 二 日本国における引渡協力の問題点
 三 中国における引渡協力の問題点
 四 韓国における引渡協力の問題点
 五 引渡協力における新たな犯罪類型
  (1) 国際カルテル
  (2) 著作権侵害
  (3) サイバー犯罪
 六 日中韓における刑事共助の特徴

◆結 び 本書の提言
 一 日中韓における逃亡犯罪人引渡しをめぐる国際刑事協力の要点
 二 提 言

~~~~~~~

〈付 録〉

1.中国の引渡裁判の決定書
 ①雲南省高級人民法院引渡決定書および最高人民法院引渡決定書
 ②上海市高級人民法院引渡決定書および最高人民法院引渡決定書
 ③遼寧省高級人民法院引渡決定書および最高人民法院引渡決定書
2.韓国の引渡裁判の決定書
 ・「劉強事件」(ソウル高等裁判所)
3.日本国が締結した逃亡犯罪人引渡し,刑事共助及び受刑者移送に関する条約
 ①逃亡犯罪人引渡条約
 ②刑事共助条約
 ③受刑者移送条約
4.中国が締結した逃亡犯罪人引渡し,刑事共助及び受刑者移送に関する条約
 ①逃亡犯罪人引渡条約
 ②刑事共助条約
 ③受刑者移送条約
5.韓国が締結した逃亡犯罪人引渡し,刑事共助及び受刑者移送に関する条約
 ①逃亡犯罪人引渡条約
 ②刑事共助条約
 ③受刑者移送条約

索 引

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内容説明

各国の法制、裁判例や条約、国際協力の現状を考察した、実証的かつ比較法的分析。新たな類型として、国際カルテル、著作権侵害、サイバー犯罪なども紹介し、実務から研究まで必備の書。巻末の〈付録〉として、中国と韓国の引渡裁判例及び日中韓の3国が締結した国際刑事協力に関する条約を網羅的にまとめる。日中韓のみならず、北朝鮮、台湾、香港及びマカオなどにも言及。

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