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法と哲学 第2号

法と哲学 第2号

法哲学に関する好評研究誌、待望の第2号。井上達夫による「応答的書評」等、今号も多様な論文で〈面白き学知〉を提供する。

著者 井上 達夫 責任編集
若松 良樹
須賀 晃一
森 悠一郎
平井 光貴
蝶名林 亮
嶋津 格
ジャンル 法律 > 法哲学
シリーズ 法律・政治 > 研究雑誌
出版年月日 2016/05/30
ISBN 9784797298628
判型・ページ数 菊判変・248ページ
定価 本体3,200円+税
在庫 在庫あり
 

目次

 『法と哲学 第2号』

  井上達夫(東京大学大学院法学政治学研究科教授) 責任編集


   - - -


【執筆者紹介(掲載順)】

・若松 良樹(わかまつ・よしき)
学習院大学法務研究科教授
1958年宮城県に生まれる。1986年京都大学大学院法学研究科博士後期課程単位取得退学。博士(法学)
主要著作:『センの正義論』(勁草書房,2003年)。『政治経済学の規範理論』(共著,勁草書房,2011年)等。

・須賀 晃一(すが・こういち)
早稲田大学政治経済学術院教授
1954年大分県に生まれる。1982年一橋大学大学院経済学研究科博士課程単位取得満期退学。博士(経済学)
主要著作:『公共経済学講義』(編著,有斐閣,2014年)。『政治経済学の規範理論』(共著,勁草書房,2011年)等。

・森 悠一郎(もり・ゆういちろう)
東京大学大学院法学政治学研究科附属ビジネスロー・比較法政研究センター特任研究員(法哲学)
1988年4月東京都に生まれる。2013年3月東京大学法学部卒業。
主要著作:「ナンシー・フレイザーの「再分配/承認の正義」の再検討」『ジェンダー研究(18)』(東海ジェンダー研究所,2016年),「承認・スティグマ・「独立性の原理」――ドゥオーキンの資源平等論は誤承認の不正義を克服しているか」『相関社会科学(25)』(2016年)。

・平井 光貴(ひらい・みつき)
東京大学大学院法学政治学研究科博士課程。
1985年生まれ。
主要著作:「現代自然法論の擁護可能性」『国家学界雑誌』126巻1/2号(2013年),「意味変更による規範理論の可能性」『法哲学年報』2013年度号(2014年),「法の本質」『逞しきリベラリストとその批判者たち―井上達夫の法哲学』(共著,ナカニシヤ出版,2015年)

・蝶名林 亮(ちょうなばやし・りょう)
創価大学非常勤講師,東洋哲学研究所研究員(倫理学)
1982年5月東京都に生まれる。2012年7月カーディフ大学大学院哲学研究科博士課程修了。哲学博士(カーディフ大学)。
主要著作:「道徳的個別主義を巡る論争―近年の動向―」Contemporary and Applied Philosophy(6)(2015年),‘In Defending the Epistemic Account of Moral Progress’ Ravenshaw Journal of Philosophy (1)(2015年), ‘Is the Wellbeing of Individuals Only What Matters?’ CAPE Studies in Applied Philosophy and Ethics Series, vol. 2 (2014年)。

・嶋津 格(しまづ・いたる)
千葉大学名誉教授(法哲学)
1949年1月京都市に生まれる。1976年司法研修所終了。
1982年12月東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了。法学博士。
主要著作:『問いとしての〈正しさ〉』(NTT出版,2011年),『自生的秩序』(木鐸社,1985年),「民事事件における事実の認定―「言語の内と外」各論として―」(法哲学年報2013,2014年)

・井上 達夫(いのうえ・たつお)
東京大学大学院法学政治学研究科教授(法哲学)
1954年7月大阪市に生まれる。1977年3月東京大学法学部卒業。
主要著作:『世界正義論』(筑摩書房,2012年),『哲学塾 自由論』(岩波書店,2008年),『法という企て』(東京大学出版会,2003年),『普遍の再生』(岩波書店,2003年,人文セレクション版2014年),『現代の貧困』(岩波書店,2001年,岩波現代文庫版2011年),『他者への自由』(創文社,1999年),『共生の作法』(創文社,1986年)。


   - - -


【目 次】

はしがき

◇論  説◇ 

1 順番が大事―世代間正義における現在世代の特別な地位について―〔若松良樹・須賀晃一〕

 Ⅰ はじめに
 Ⅱ 問題と脱出策
 Ⅲ 不自由確率
 Ⅳ 生存確率
 Ⅴ おわりに

2 高価な嗜好・社会主義・共同体―G.A.コーエンの運の平等主義の再検討―〔森 悠一郎〕

 はじめに
 Ⅰ コーエンによる「アドバンテージへのアクセスの平等」と
  非自発的な「高価な嗜好」への補償の擁護
 Ⅱ ドゥオーキンによる批判
 Ⅲ コーエンによる応答と非自発的な「高価な嗜好」への補償基準の再定式化
 Ⅳ コーエン=ドゥオーキン論争の意味付け
 Ⅴ 再定式化された「高価な嗜好」への補償基準の批判的検討
 Ⅵ 結  語

3 法は一応の道徳的正当性を有するか―Ronald Dworkinの「一応の道徳的正当化テーゼ」と法概念規定の批判的検討〔平井光貴〕

 序  論
 Ⅰ 規範性に関する整理
 Ⅱ 一応の道徳的正当化テーゼの可否
 Ⅲ 一応の道徳的正当化テーゼが退けられることの含意
 Ⅳ 結  語

4 自然主義的道徳的実在論擁護のための2つの戦略〔蝶名林 亮〕

 Ⅰ はじめに
 Ⅱ 自然主義的道徳的実在論とは何か
 Ⅲ 自然主義のための説明的論証
 Ⅳ 道徳的性質の説明能力
 Ⅴ ボイド的規範倫理理論による論証
 Ⅵ 理論論証を巡る問い
 Ⅶ 他の規範理論への示唆
 Ⅷ 終わりに

◇書  評◇ 

1 平等への妄執(obsession)を抉るロールズ論の好著2冊〔嶋津 格〕

 [亀木洋『格差原理』(成文堂,2012年)/同『ロールズとデザート』
 (成文堂,2015年)への連結的書評]

 Ⅰ はじめに
 Ⅱ 市民の社会的協働と所得分配
 Ⅲ 分配的正義
 Ⅳ 基礎構造と社会的協働スキーム
 Ⅴ 市場について
 Ⅵ デザート論

2 批判者たちへの「逞しきリベラリスト」の応答〔井上達夫〕

 [瀧川裕英・大屋雄裕・谷口功一編『逞しきリベラリストとその批判者たち―井上達夫の法哲学』
 (ナカニシヤ出版,2015年)への応答的書評]

【井上達夫[応答] 詳細】 
はじめに
1 安藤(175) 1)タルスキーの真理規約Tと非認知主義 2)一応の当為の動機付与力と規範的比重 3)相対主義への帰着? 4)道徳的当為への法的当為の下属不能性?
2 谷口(185) 1)『共生の作法』の時代的位置付け 2)「無限の対話」の再評価について―タナルキビアデスへのイノクラテスの手紙
3 瀧川(187) 1)卓越主義化批判 2)リベラリズムは自由主義に再帰化するか? 
3)翻訳問題
4 松本(190)
5 米村(192) 1)普遍主義的正義概念と視点反転可能性テストの意義 2)対話法的正当化の射程
6 大屋(195) 1)正義と「個の尊厳」の関係 2)自律の卓越主義的強制? 3)パターナリズム評価問題
7 大江(199) 1)専制の三位一体 2)エゴイストの応接 3)他者接遇
8 浦山(203) 1)超大国の脆弱性 2)尊厳最小限保証の不十分性 3)「諸国家のムラ」における正統性なき国家の位置
9 藤岡(205) 1)テクストの無視ないし無知 2)私の分配的正義論の骨子 3)分配的正義問題に対する「正統性」問題の基底性
10 吉永(210) 1)リバタリアニズムに対するリベラリズムの基底性 2)「二重の基準論」批判 3)リバタリアニズム擁護戦略
11 池田(211) 1)リベラル・フェミニズムの二つの視点 2)運動論的フェミニズムの欺瞞―中絶問題に即して
12 稲田(214) 1)侵略責任意識の罠 2)国民的自己愛と象徴天皇制 3)戦争責任履行における「ドイツの先進性」神話
13 郭  (218) 1)国家体制の「正統性」と国家の対外行動の「正当性」 2)国連の集団的安全保障体制と憲法9条 3)九条削除論に対する典型的誤解ないし牽強付会
14 奥田(221) 1)パターナリズム批判の捨象 2)人称論の罠
15 吉良(224) 1)論理性と静態性の混同 2)時間論の哲学的意義 3)世代間正義と普遍化要請 4)批判的民主主義における時間
16 平井(227) 1)規範の意味分析と法概念論の関係 2)分析的法概念論における本質主義的独断の問題
17 横濱(231) 1)批判的民主主義の性格づけ 2)違憲審査制と司法の民主的統制
18 対談(233) 1)批判的民主主義と「取り返しのつかない失敗」 2)「二重の基準論」批判 3)樋口陽一,カール・シュミットとの「親近性」 4)法解釈論におけるアメリカ法の影響 5)政治的情念と法の支配 6)司法の万能化? 7)憲法学者が九条削除論を拒む理由 8)立法学と法哲学 9)行政研究の欠損 10)立法の品質保証

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Law and Philosophy No.2

  ited by Tatsuo INOUE

【Articles】
 1. Order Matters: On the Special Status of the Present Generation〔Yoshiki WAKAMATSU, Koichi SUGA〕
 2. Expensive Tastes, Socialism, and Community: G.A.Cohen's Luck Egalitarianism Reexamined〔Yuichiro MORI〕
 3. Is Law, at Least Prima Facie, Morally Justified?: Reexamining Ronald Dworkin's Prima Facie Moral Justifiability Thesis and His Conception of Law〔Mitsuki HIRAI〕
 4. Two Versions of the Explanationist Argument for Naturalistic Moral Realism〔Ryo CHONABAYASHI〕

【Book Reviews】
 1. Rawls’ Obsession with Equality Exposed ― A Review of Two Books by Hiroshi Kamemoto:
   The Difference Principle (2012), and Rawls and Desert (2015) 〔Itaru SHIMAZU〕
 2. The Robust Liberalist's Replies to His Critics: A Review of The Robust Liberalist and His Critics, ed. by Hirohide Takikawa, Takehiro Ohya and Koichi Taniguch〔Tatsuo INOUE〕

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内容説明

法と哲学のシナジーによる〈面白き学知〉の創発を目指して、法の現場から哲学に挑戦し、法学の前線から法を問い直す。第2号は論説4編と書評2編を収録した待望の法哲学に関する最新研究誌。井上達夫による「応答的書評」等、今号も多様な論文で〈面白き学知〉を提供する。

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