生きている刑事訴訟法〔佐伯千仭著作選集 第5巻〕

生きている刑事訴訟法〔佐伯千仭著作選集 第5巻〕

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佐伯刑法学を代表する論文を精選収録

著者 佐伯 千仭
ジャンル 法律  > 刑事法
シリーズ 法律・政治  > 著作集・全集
出版年月日 2015/12/25
ISBN 9784797226058
判型・ページ数 A5変・520ページ
定価 15,400円(税込)
在庫 在庫あり

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本著作集は、刑法、刑事訴訟法、刑事思想、刑法史全体にわたり巨大な足跡を残した佐伯博士の膨大な著作のなかから、佐伯説を代表する著作・論文を精選し、加えてこれまで論文集等には収録されなかった諸論文からも主要なものを選び6巻構成で収録した。第5巻である本巻は、証拠開示、自由心証主義、秘密交通権をはじめとする刑事訴訟法の戦後の論文を収録した。

  『生きている刑事訴訟法(佐伯千仭著作選集第5巻)』

  佐伯千仭(立命館大学名誉教授) 著

【目  次】

1 新刑事訴訟法と弁護制度

2 新刑事訴訟法の人間観

3 いわゆる黙秘権について

4 税法と黙秘権
 一 国税犯則取締法と黙秘権
 二 所得税法その他の質問不答弁・単純不申告および虚偽の答弁もしくは申告の処罰と黙秘権
 三 公共の福祉による黙秘権の制限
 四 合憲性維持のための立法的努力

5 崩壊しゆく人権保障
 一 序  言
 二 秘密交通権
 三 証拠保全
 四 公判前の証拠開示(記録閲覧)
 五 結  語
6 人権保障と刑事裁判の実際
 一 実体刑法の解釈と人権の保障
 二 刑事訴訟法の解釈と人権の保障

7 刑訴法第三二四条の問題――松川事件の第一次控訴判決における一つの問題点

8 刑事訴訟における証拠の開示
 一 はしがき
 二 証拠開示と刑事訴訟法の規定
 三 証拠開示をめぐる検察庁と弁護士会との抗争
 四 全逓大阪地本事件における裁判長の証拠閲覧命令
 五 む す び

9 最高裁判所と証拠開示
 一 はしがき
 二 最高裁決定までの経緯
 三 最高裁決定に対する批判
 四 アメリカ連邦最高裁判所の態度との比較
 五 む す び

10 法曹的思惟と人権感覚
 はじめに
 一 国選弁護人制と被告人の人権
 二 法廷秩序の維持と人権
 三 勾留請求却下後の身柄拘束

11 消えてゆく秘密交通権――接見指定の問題
 一 はしがき
 二 接見指定の現実
 三 接見指定と裁判所の態度

12 起訴状一本主義
 一 はしがき――その意義と沿革
 二 その機能と刑事訴訟の構造に及ぼす影響
 三 その解釈上の諸問題
 四 証拠開示(その影響の一)
 五 その公判手続に及ぼす影響(その影響の二)
 六 むすび――その限界

13 悪性格と類似事実
 一 はしがき
 二 主要事実立証のための悪性格の排斥
 三 情状としての余罪立証の可否
 四 犯罪の主観的要素立証のための前科の使用
 五 む す び

14 刑事裁判と誤判
 一 はじめに
 二 自由心証と経験則による制約
 三 自由心証主義の危険性――証拠の信用性判断の論理
 四 誤判を防ぐための若干の提案――法定証拠主義の遺産の再評価

15 刑事訴訟法の諸問題
第一部
 一 共謀共同正犯
 二 悪性格の立証
 三 黙秘・余罪と量刑
第二部
 はじめに
 一 検察官手持証拠の開示
 二 弁論の併合分離
 三 訴因の変更はいつまで許されるか
 四 検面調書を事前に閲読させられた証人の証言
 五 主尋問後、反対尋問前に死亡した検察側証人の証言

16 自由心証主義
 一 自由心証主義の由来
 二 「心証」という言葉について
 三 自由心証の「自由」と論理および経験則
 四 自由心証主義の例外はあるか

17 日本型冤罪の新しい波?――ポリグラフ・警察犬の利用について
 一 日本型冤罪とは?
 二 警察犬による犯人の特定
 三 ポリグラフ検査による自白
 四 植松正氏のポリグラフ検査論

18 責任能力の判断について
 一 はじめに
 二 精神鑑定の結論が三つに分れたある刑事事件と裁判所の判断
 三 鑑定人による鑑定資料の評価、選択および利用の仕方の問題点
 四 専門家としての鑑定人はどこまで行為時の被告人の心の状態と動きを捉えかつ報告できるか
 五 むすび――裁判官の責任能力の判断

19 裁判官と精神鑑定――責任能力の判断をめぐる裁判官と精神病学者との対話
 一 はじめに
 二 ザールシュテットの責任能力論
 三 ハッデンブロックの答弁能力と贖罪能力
 四 ザールシュテットのハッデンブロック批判
 五 ハッデンブロックの答弁と反批判
 六 む す び

20 誤判原因をめぐって
 一 誤った裁判のさまざま
 二 事実認定の誤りの原因
 三 法令適用の誤りと誤判
 四 証拠の秘匿、不開示と誤判の危険
 五 検察官の行きすぎた当事者主義と誤判
 六 裁判官の予断
 七 事実認定そのものに伴う誤判の危険、特に情況証拠による認定の困難性
 八 裁判官の在り方
 九 国民意識と誤判

21 刑事訴訟法の四〇年と無罪率の減少

22 証拠法における戦時法の残照
 一 はじめに――現行刑訴法のもとにおける無罪率の激減
 二 供述録取書の証拠としての扱いについての旧刑訴法と現行刑訴法の違い
 三 戦時刑事特別法による旧刑訴法の証拠及び裁判原則の否定及びそれらは戦後の立法によって修復させられたか
 四 無罪判決を〇・一パーセントにまで追いつめた証拠法の解釈運用のどこがどのように改められるべきか

23 刑事手続と人権
 一 弁護人の援助を受ける権利
 二 刑事裁判の問題点
 三 無罪率は低すぎないか
 四 証拠能力の判断と証明力の判断
 五 陪審裁判の復活を

24 刑事弁護の発展のために
 はじめに
 一 証拠隠滅のおそれ
 二 弁護人を依頼しまたは選任する権利か、弁護人の援助を受ける権利か
 三 証拠開示と法規上の根拠

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