刑事法・医事法の新たな展開 上─町野朔先生古稀記念
刑事法、刑事政策、医事法、生命倫理、家族法など、幅広い領域から第一人者が集い、現代社会に日々生起する新たなテーマを、多角的な視野から精緻に検討。長く日本の刑事法学・医事法学を牽引し続ける町野朔上智大学名誉教授の古稀をお祝いすべく、理論と実務の両面から、高質の論文が並ぶ、待望の書。
はしがき
◇ Ⅰ ◇
1 将来世代の法益と人間の尊厳〔髙山佳奈子〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 世代を超える視点
Ⅲ 「尊厳」の多義性
Ⅳ 区別の必要性
Ⅴ おわりに
2 条件関係の判断方法〔小林憲太郎〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 過剰に条件づけられた結果
Ⅲ 集合的決定
Ⅳ 条件関係と混同されやすい問題
Ⅴ おわりに
3 不真正不作為犯の限定原理について〔丸山雅夫〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 主観的要件から客観的事情の重視へ
Ⅲ 近時の議論とその検討
Ⅳ 不作為の殺人をめぐる解釈論
Ⅴ むすびに代えて
4 刑事司法(日本)における違法一元論とその限界〔齋野彦弥〕
Ⅰ 問題設定
Ⅱ 未成年者拐取事件(2005年)
Ⅲ 自動車譲渡担保事件(1989年)
Ⅳ 建造物損壊事件(1986年)
Ⅴ 誤振込事件(2003年)
Ⅵ 結 語
5 自招侵害について〔日和田哲史〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 最決平成20・5・20刑集62巻6号1786頁
Ⅲ 学 説
Ⅳ 先行行為による正当防衛状況作出に着目する余地
Ⅴ 検 討
Ⅵ おわりに
6 複数行為と過剰防衛〔林美月子〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 判例と一体的評価
Ⅲ 行為の1個性
Ⅳ 重い結果についての刑責
Ⅴ 正当防衛と過剰防衛
Ⅵ 正当防衛と量刑
7 防衛行為の相当,過剰,その認識〔中森喜彦〕
Ⅰ 防衛行為の誤認
Ⅱ 防衛行為の相当性
Ⅲ おわりに
8 危険放置意思としての故意〔林 陽一〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 故 意
Ⅲ (具体的)事実の錯誤
9 結果回避可能性と「危険の現実化」 ―最高裁平成24年2月8日決定を契機として〔林 幹人〕
Ⅰ 問題の所在
Ⅱ 注意義務と結果回避可能性
Ⅲ 自然的因果関係と「危険の現実化」
10 町野教授の責任能力論について〔安田拓人〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 町野教授の責任論
Ⅲ 町野教授の責任能力制度論
Ⅳ 町野教授のミニ・コンベンツィオン論
Ⅴ 責任能力の具体的判断もともとの人格論における同床異夢
Ⅵ 責任能力判断における病的なもの
11 不作為犯の着手時期〔塩見 淳〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 不作為犯か作為犯か
Ⅲ 作為義務に着目した規準
Ⅳ 「作為」に着目した規準
Ⅴ 危険結果に着目した規準
Ⅵ おわりに
12 不能犯の各論的分析・試論の覚書〔和田俊憲〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 客体の不能に関する判例と町野評釈
Ⅲ 修正された客観的危険説からみた死体殺人事件と懐中無一物事件の違い
Ⅳ 不能犯における危険判断
Ⅴ おわりに
13 共同正犯の理論的基礎と成立要件〔照沼亮介〕
Ⅰ 問題意識
Ⅱ 共同正犯の成立要件機能的行為支配の構造
Ⅲ いわゆるスワット事件決定とそれ以降の重要判例について
Ⅳ 共犯論の諸問題への応用・展開
14 教唆犯の実相〔前田雅英〕
Ⅰ 教唆犯の判例
Ⅱ 裁判統計に見る教唆犯
Ⅲ 教唆犯と要素従属性
Ⅳ 共同正犯概念の実質的理解
Ⅴ 犯人蔵匿・証拠隠滅罪と教唆犯
Ⅵ 教唆犯と間接正犯・共同正犯の錯誤
15 法条競合をめぐる若干の考察〔伊藤 渉〕
Ⅰ 問題の所在
Ⅱ 罪数論における法条競合の位置づけ
Ⅲ 法条競合が認められる類型
Ⅳ 法条競合の理論的根拠
Ⅴ 法条競合の限界
Ⅵ 適用すべき罰条の選択
Ⅶ 法条競合における処断刑・処分
Ⅷ 結 語
16 混合的包括一罪の再検討〔城下裕二〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 前 提
Ⅲ 判例の状況
Ⅳ 検 討
Ⅴ おわりに
17 受託殺人・自殺関与の可罰性 ―「正犯なき共犯」肯定論序説〔内田文昭〕
Ⅰ 問題提起
Ⅱ 自殺の不法性と自殺関与の共犯性
Ⅲ 受託殺人未遂罪(刑法202条後段・203条)と被害者の共犯性
Ⅳ 結 論
18 刑法上の傷害と精神的障害〔柑本美和〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 最高裁平成24年7月24日決定の意義 ―刑法上の傷害と精神的障害
Ⅲ 診断基準への合致と傷害
Ⅳ 精神障害の程度身体的・精神的傷害概念の相対性
Ⅴ 犯罪被害後の精神的ストレスと傷害
19 「自由に対する罪」の保護法益 ―人格に対する罪としての再構成〔辰井聡子〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 強姦罪・強制わいせつ罪
Ⅲ 住居侵入罪
Ⅳ 監禁罪の保護法益
Ⅴ 脅迫罪・強要罪について
Ⅵ 「自由に対する罪」の再構成
20 性犯罪の法的規制と性的自由に対する罪〔木村光江〕
Ⅰ 問題の所在
Ⅱ 性的自由の意味
Ⅲ 強姦罪・準強姦罪と「自由に対する罪」
Ⅳ 準強姦・準強制わいせつ罪と特別法
Ⅴ まとめにかえて
21 児童ポルノの単純所持規制について ―刑事立法学による点検・整備〔深町晋也〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ ドイツの状況について
Ⅲ スイスの状況について
Ⅳ 我が国における議論
Ⅴ おわりに
22 不法領得の客体について ―いわゆる返還事例を念頭に〔穴沢大輔〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ ドイツにおける2つの事案
Ⅲ 物体説を維持するドイツ学説
Ⅳ 検 討
Ⅴ おわりに
23 判例における不法領得の意思の再点検〔冨髙 彩〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 不法領得の意思をめぐる判例・裁判例の再整理
Ⅲ 「不法領得の意思は変容・希薄化している」という主張について
Ⅳ 結びにかえて
24 A Recent Trend of Fraud and Related Offences in Japan〔Takeyoshi Imai〕
1. Introduction
2. Theft of identity
3. Impersonation: remittance fraud or the bank transfer scams
4. Perspective
25 挙動による欺罔と詐欺罪の故意〔松宮孝明〕
Ⅰ 問題の所在「挙動による欺罔」とは
Ⅱ 「挙動による欺罔」の一般的成立要件
Ⅲ 当該事情が「営業上重要な事実」か否か不確実な場合と「問い合わせ管轄」
Ⅳ 「挙動による欺罔」と詐欺罪の故意としての「不法利得の意思」
Ⅴ 結 論
26 三角詐欺について〔近藤和哉〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 検 討
Ⅲ おわりに
27 サイバー空間における犯罪と電子計算機使用詐欺罪(供用型)〔京藤哲久〕
Ⅰ 電子計算機使用詐欺罪(供用型)が認められた最近の判例
Ⅱ サイバー空間における犯罪に対する国際的要請と電子計算機使用詐欺罪
Ⅲ 電子計算機使用詐欺罪(供用型)の問題点
28 賄賂罪規定の変遷に関する若干の覚書き〔川端 博〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 賄賂罪規定の改正の沿革
Ⅲ 収 賄 罪
Ⅳ 贈 賄 罪
Ⅴ おわりに
◇ Ⅰ ◇
1 将来世代の法益と人間の尊厳〔髙山佳奈子〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 世代を超える視点
Ⅲ 「尊厳」の多義性
Ⅳ 区別の必要性
Ⅴ おわりに
2 条件関係の判断方法〔小林憲太郎〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 過剰に条件づけられた結果
Ⅲ 集合的決定
Ⅳ 条件関係と混同されやすい問題
Ⅴ おわりに
3 不真正不作為犯の限定原理について〔丸山雅夫〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 主観的要件から客観的事情の重視へ
Ⅲ 近時の議論とその検討
Ⅳ 不作為の殺人をめぐる解釈論
Ⅴ むすびに代えて
4 刑事司法(日本)における違法一元論とその限界〔齋野彦弥〕
Ⅰ 問題設定
Ⅱ 未成年者拐取事件(2005年)
Ⅲ 自動車譲渡担保事件(1989年)
Ⅳ 建造物損壊事件(1986年)
Ⅴ 誤振込事件(2003年)
Ⅵ 結 語
5 自招侵害について〔日和田哲史〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 最決平成20・5・20刑集62巻6号1786頁
Ⅲ 学 説
Ⅳ 先行行為による正当防衛状況作出に着目する余地
Ⅴ 検 討
Ⅵ おわりに
6 複数行為と過剰防衛〔林美月子〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 判例と一体的評価
Ⅲ 行為の1個性
Ⅳ 重い結果についての刑責
Ⅴ 正当防衛と過剰防衛
Ⅵ 正当防衛と量刑
7 防衛行為の相当,過剰,その認識〔中森喜彦〕
Ⅰ 防衛行為の誤認
Ⅱ 防衛行為の相当性
Ⅲ おわりに
8 危険放置意思としての故意〔林 陽一〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 故 意
Ⅲ (具体的)事実の錯誤
9 結果回避可能性と「危険の現実化」 ―最高裁平成24年2月8日決定を契機として〔林 幹人〕
Ⅰ 問題の所在
Ⅱ 注意義務と結果回避可能性
Ⅲ 自然的因果関係と「危険の現実化」
10 町野教授の責任能力論について〔安田拓人〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 町野教授の責任論
Ⅲ 町野教授の責任能力制度論
Ⅳ 町野教授のミニ・コンベンツィオン論
Ⅴ 責任能力の具体的判断もともとの人格論における同床異夢
Ⅵ 責任能力判断における病的なもの
11 不作為犯の着手時期〔塩見 淳〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 不作為犯か作為犯か
Ⅲ 作為義務に着目した規準
Ⅳ 「作為」に着目した規準
Ⅴ 危険結果に着目した規準
Ⅵ おわりに
12 不能犯の各論的分析・試論の覚書〔和田俊憲〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 客体の不能に関する判例と町野評釈
Ⅲ 修正された客観的危険説からみた死体殺人事件と懐中無一物事件の違い
Ⅳ 不能犯における危険判断
Ⅴ おわりに
13 共同正犯の理論的基礎と成立要件〔照沼亮介〕
Ⅰ 問題意識
Ⅱ 共同正犯の成立要件機能的行為支配の構造
Ⅲ いわゆるスワット事件決定とそれ以降の重要判例について
Ⅳ 共犯論の諸問題への応用・展開
14 教唆犯の実相〔前田雅英〕
Ⅰ 教唆犯の判例
Ⅱ 裁判統計に見る教唆犯
Ⅲ 教唆犯と要素従属性
Ⅳ 共同正犯概念の実質的理解
Ⅴ 犯人蔵匿・証拠隠滅罪と教唆犯
Ⅵ 教唆犯と間接正犯・共同正犯の錯誤
15 法条競合をめぐる若干の考察〔伊藤 渉〕
Ⅰ 問題の所在
Ⅱ 罪数論における法条競合の位置づけ
Ⅲ 法条競合が認められる類型
Ⅳ 法条競合の理論的根拠
Ⅴ 法条競合の限界
Ⅵ 適用すべき罰条の選択
Ⅶ 法条競合における処断刑・処分
Ⅷ 結 語
16 混合的包括一罪の再検討〔城下裕二〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 前 提
Ⅲ 判例の状況
Ⅳ 検 討
Ⅴ おわりに
17 受託殺人・自殺関与の可罰性 ―「正犯なき共犯」肯定論序説〔内田文昭〕
Ⅰ 問題提起
Ⅱ 自殺の不法性と自殺関与の共犯性
Ⅲ 受託殺人未遂罪(刑法202条後段・203条)と被害者の共犯性
Ⅳ 結 論
18 刑法上の傷害と精神的障害〔柑本美和〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 最高裁平成24年7月24日決定の意義 ―刑法上の傷害と精神的障害
Ⅲ 診断基準への合致と傷害
Ⅳ 精神障害の程度身体的・精神的傷害概念の相対性
Ⅴ 犯罪被害後の精神的ストレスと傷害
19 「自由に対する罪」の保護法益 ―人格に対する罪としての再構成〔辰井聡子〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 強姦罪・強制わいせつ罪
Ⅲ 住居侵入罪
Ⅳ 監禁罪の保護法益
Ⅴ 脅迫罪・強要罪について
Ⅵ 「自由に対する罪」の再構成
20 性犯罪の法的規制と性的自由に対する罪〔木村光江〕
Ⅰ 問題の所在
Ⅱ 性的自由の意味
Ⅲ 強姦罪・準強姦罪と「自由に対する罪」
Ⅳ 準強姦・準強制わいせつ罪と特別法
Ⅴ まとめにかえて
21 児童ポルノの単純所持規制について ―刑事立法学による点検・整備〔深町晋也〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ ドイツの状況について
Ⅲ スイスの状況について
Ⅳ 我が国における議論
Ⅴ おわりに
22 不法領得の客体について ―いわゆる返還事例を念頭に〔穴沢大輔〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ ドイツにおける2つの事案
Ⅲ 物体説を維持するドイツ学説
Ⅳ 検 討
Ⅴ おわりに
23 判例における不法領得の意思の再点検〔冨髙 彩〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 不法領得の意思をめぐる判例・裁判例の再整理
Ⅲ 「不法領得の意思は変容・希薄化している」という主張について
Ⅳ 結びにかえて
24 A Recent Trend of Fraud and Related Offences in Japan〔Takeyoshi Imai〕
1. Introduction
2. Theft of identity
3. Impersonation: remittance fraud or the bank transfer scams
4. Perspective
25 挙動による欺罔と詐欺罪の故意〔松宮孝明〕
Ⅰ 問題の所在「挙動による欺罔」とは
Ⅱ 「挙動による欺罔」の一般的成立要件
Ⅲ 当該事情が「営業上重要な事実」か否か不確実な場合と「問い合わせ管轄」
Ⅳ 「挙動による欺罔」と詐欺罪の故意としての「不法利得の意思」
Ⅴ 結 論
26 三角詐欺について〔近藤和哉〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 検 討
Ⅲ おわりに
27 サイバー空間における犯罪と電子計算機使用詐欺罪(供用型)〔京藤哲久〕
Ⅰ 電子計算機使用詐欺罪(供用型)が認められた最近の判例
Ⅱ サイバー空間における犯罪に対する国際的要請と電子計算機使用詐欺罪
Ⅲ 電子計算機使用詐欺罪(供用型)の問題点
28 賄賂罪規定の変遷に関する若干の覚書き〔川端 博〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 賄賂罪規定の改正の沿革
Ⅲ 収 賄 罪
Ⅳ 贈 賄 罪
Ⅴ おわりに
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