フランス社会保障法の権利構造
学術選書 46
社会保障の本源的機能の一つである、「所得再分配」の根底にある理性や正義の理念とは何か。持続可能な社会保障制度を目指し、政策・立法の指針となるべき普遍的規範を探る、今、まさに必要とされる待望の書。フランス人権宣言を出発点に、連帯概念の生成と展開を捉えた、実務家、研究者、学生必読の書。
伊奈川 秀和 著 (厚生労働省参事官〔社会保障担当〕)
はしがき
◆◆ 第1部 ◆◆ フランス社会保障の権利の基礎――社会保障の基本理念としての連帯を中心に
◆ 問題の所在
◆ 第1章 人権宣言と社会保障の理念
第1節 フランス人権宣言の概観 6
1 1789年のフランス人権宣言における扶助の位置付け(6)/2 1789年の人権宣言に扶助に関する規定を欠く背景(15)
3 1791年憲法と扶助(17)/4 1792年までの革命期における扶助の位置付け(22)
5 1793年及び1795年の人権宣言における扶助の位置付け(24)/6 二月革命以降の人権思想における扶助の位置付け(27)
第2節 人権思想からみた扶助の問題 31
1 はじめに(31)/2 人権における貧困問題の位置付け(31)/3 人権思想と扶助の関係(33)
◆ 第2章 友愛及び連帯の理念とその歴史
第1節 はじめに 37
第2節 友愛の理念 38
1 友愛の理念の登場(38)/2 革命期の友愛の理念(39)/3 革命期以降の友愛の理念の展開(42)/4 小 括(45)
第3節 連帯の理念 47
1 連帯概念の形成(47)/2 連帯主義の登場(51)/3 19世紀の連帯思想の諸相(60)
4 連帯思想の諸潮流の相互関係(75)/5 デュルケムの連帯思想(81)
◆ 第3章 友愛及び連帯の理念の法学における展開
第1節 連帯の慈善及び友愛との異同 85
第2節 デュギーにおける連帯 89
1 デュギーの学説の概要(89)/2 デュギーの連帯理論の形成(91)/3 デュギーの連帯理論のまとめ(97)
第3節 オーリウにおける友愛 100
1 学説の概要(100)/2 学説の特徴(102)
第4節 カレ・ドゥ・マルベールの学説 105
1 学説の概要(105)/2 学説の特徴(107)
第5節 小 括 110
◆ 第4章 現代における連帯概念及び友愛概念の展開
第1節 連帯概念の展開 115
1 学理からみた連帯概念――連帯概念のデュギー以降の状況(115)/2 社会保障制度からみた連帯概念(121)
3 司法統制からみた連帯概念――裁判規範としての連帯(135)
第2節 友愛概念の展開 145
1 はじめに(145)/2 国際法上の友愛の位置付け(146)/3 友愛の規範性(148)
第3節 現代フランス法における連帯及び友愛の規範性 149
1 フランスの社会保障を基礎付ける連帯及び友愛の原理(149)
2 連帯及び友愛と平等との関係(156)/3 連帯及び友愛の現代的意義(166)
◆ 第5章 ま と め
1 我が国における連帯原理の生成発展(173)/2 フランス社会保障法からの示唆(172)
◆◆ 第2部 ◆◆ フランス社会保障における権利保障――社会保障給付に関する既得権概念を中心に
◆ 第1章 社会保障と公法
第1節 社会保障と公役務 187
1 社会保障への公役務性の付与(187)/2 社会保障法の公法的性格の増大(190)
第2節 社会保険の保険関係の法的性質 192
1 強制加入の場合(192)/2 任意加入の場合(198)/3 社会保険における権利発生の機序(200)
◆ 第2章 社会保障給付の法的性格
第1節 受給権の憲法上の位置付け 216
1 法律事項と命令事項(216)/2 給付に対する既得権の保護の概観(217)/3 社会保障給付に対する財産権保障(222)
4 年金の権利性の特殊性(227)
第2節 社会保障の受給権を巡る法理 231
1 受給権の規則的性格(231)/2 既得権としての受給権(232)/3 小 括(296)
◆ 第3章 社会保障関連制度の法的性格
第1節 失業保険との比較 299
1 失業保険の意義(299)/2 失業保険給付と公役務(303)/3 失業保険に関する労働協約の性格(304)
4 失業保険に関する個別処分の性格(306)/5 失業保険の保険料の法的性格(310)/6 失業保険の権利性(310)
7 小 括(312)
第2節 補足制度との比較 313
1 補足制度の意義(313)/2 補足制度の一般化(314)/3 法的側面からの補足制度の経緯(319)
4 補足年金に関する年金労働協定の法的性格(325)/5 補足制度の当事者の法律関係(331)
6 補足制度における受給権の保護(334)/7 欧州連合から見た補足制度の特徴(350)/8 小 括(353)
第3節 福利厚生制度との比較 354
1 福利厚生の必要性及びその概要(354)/2 補足的福利厚生の分析の枠組み(361)/3 補足的福利厚生の形態(362)
4 福利厚生成立の契機(366)/5 集団的保障と労働契約との関係(377)/6 福利厚生と企業委員会との関係(386)
7 福利厚生に関する保障機関との契約(388)/8 事業主等による情報提供義務(392)/9 福利厚生における権利の保護(395)
10 福利厚生の終了(410)
第4節 共済との比較 416
1 社会保障の原点としての共済(416)/2 共済の歴史(418)/3 共済の概念(424)/4 共済の事業内容(427)
5 共済の法的枠組み(430)/6 共済契約の特質(432)/7 共済における権利保全(440)/8 小 括(441)
第5節 福利厚生機関との比較 444
1 福利厚生機関の概要(444)/2 福利厚生の事業内容(446)/3 制度の法的性格(448)
4 福利厚生機関の創設及び運営方法(448)/5 福利厚生機関の財政運営(451)/6 福利厚生の終了等(451)
第6節 付加的年金制度 452
1 はじめに(452)/2 EU法等の付加的年金制度への影響(467)/3 付加的年金制度の意義(477)
4 付加的年金制度の法的枠組み(480)/5 付加的年金制度の普及状況(495)
6 付加的年金制度における既得権の保護(497)/7 小 括(514)
◆ 第4章 ま と め
◆ おわりに 連帯による社会保障法の再構築
1 連帯をめぐる議論の到達点(527)/2 連帯概念の有用性(533)
3 連帯概念の規範性(538)/4 我が国への示唆(539)
事項索引(巻末)
人名索引(巻末)
はしがき
◆◆ 第1部 ◆◆ フランス社会保障の権利の基礎――社会保障の基本理念としての連帯を中心に
◆ 問題の所在
◆ 第1章 人権宣言と社会保障の理念
第1節 フランス人権宣言の概観 6
1 1789年のフランス人権宣言における扶助の位置付け(6)/2 1789年の人権宣言に扶助に関する規定を欠く背景(15)
3 1791年憲法と扶助(17)/4 1792年までの革命期における扶助の位置付け(22)
5 1793年及び1795年の人権宣言における扶助の位置付け(24)/6 二月革命以降の人権思想における扶助の位置付け(27)
第2節 人権思想からみた扶助の問題 31
1 はじめに(31)/2 人権における貧困問題の位置付け(31)/3 人権思想と扶助の関係(33)
◆ 第2章 友愛及び連帯の理念とその歴史
第1節 はじめに 37
第2節 友愛の理念 38
1 友愛の理念の登場(38)/2 革命期の友愛の理念(39)/3 革命期以降の友愛の理念の展開(42)/4 小 括(45)
第3節 連帯の理念 47
1 連帯概念の形成(47)/2 連帯主義の登場(51)/3 19世紀の連帯思想の諸相(60)
4 連帯思想の諸潮流の相互関係(75)/5 デュルケムの連帯思想(81)
◆ 第3章 友愛及び連帯の理念の法学における展開
第1節 連帯の慈善及び友愛との異同 85
第2節 デュギーにおける連帯 89
1 デュギーの学説の概要(89)/2 デュギーの連帯理論の形成(91)/3 デュギーの連帯理論のまとめ(97)
第3節 オーリウにおける友愛 100
1 学説の概要(100)/2 学説の特徴(102)
第4節 カレ・ドゥ・マルベールの学説 105
1 学説の概要(105)/2 学説の特徴(107)
第5節 小 括 110
◆ 第4章 現代における連帯概念及び友愛概念の展開
第1節 連帯概念の展開 115
1 学理からみた連帯概念――連帯概念のデュギー以降の状況(115)/2 社会保障制度からみた連帯概念(121)
3 司法統制からみた連帯概念――裁判規範としての連帯(135)
第2節 友愛概念の展開 145
1 はじめに(145)/2 国際法上の友愛の位置付け(146)/3 友愛の規範性(148)
第3節 現代フランス法における連帯及び友愛の規範性 149
1 フランスの社会保障を基礎付ける連帯及び友愛の原理(149)
2 連帯及び友愛と平等との関係(156)/3 連帯及び友愛の現代的意義(166)
◆ 第5章 ま と め
1 我が国における連帯原理の生成発展(173)/2 フランス社会保障法からの示唆(172)
◆◆ 第2部 ◆◆ フランス社会保障における権利保障――社会保障給付に関する既得権概念を中心に
◆ 第1章 社会保障と公法
第1節 社会保障と公役務 187
1 社会保障への公役務性の付与(187)/2 社会保障法の公法的性格の増大(190)
第2節 社会保険の保険関係の法的性質 192
1 強制加入の場合(192)/2 任意加入の場合(198)/3 社会保険における権利発生の機序(200)
◆ 第2章 社会保障給付の法的性格
第1節 受給権の憲法上の位置付け 216
1 法律事項と命令事項(216)/2 給付に対する既得権の保護の概観(217)/3 社会保障給付に対する財産権保障(222)
4 年金の権利性の特殊性(227)
第2節 社会保障の受給権を巡る法理 231
1 受給権の規則的性格(231)/2 既得権としての受給権(232)/3 小 括(296)
◆ 第3章 社会保障関連制度の法的性格
第1節 失業保険との比較 299
1 失業保険の意義(299)/2 失業保険給付と公役務(303)/3 失業保険に関する労働協約の性格(304)
4 失業保険に関する個別処分の性格(306)/5 失業保険の保険料の法的性格(310)/6 失業保険の権利性(310)
7 小 括(312)
第2節 補足制度との比較 313
1 補足制度の意義(313)/2 補足制度の一般化(314)/3 法的側面からの補足制度の経緯(319)
4 補足年金に関する年金労働協定の法的性格(325)/5 補足制度の当事者の法律関係(331)
6 補足制度における受給権の保護(334)/7 欧州連合から見た補足制度の特徴(350)/8 小 括(353)
第3節 福利厚生制度との比較 354
1 福利厚生の必要性及びその概要(354)/2 補足的福利厚生の分析の枠組み(361)/3 補足的福利厚生の形態(362)
4 福利厚生成立の契機(366)/5 集団的保障と労働契約との関係(377)/6 福利厚生と企業委員会との関係(386)
7 福利厚生に関する保障機関との契約(388)/8 事業主等による情報提供義務(392)/9 福利厚生における権利の保護(395)
10 福利厚生の終了(410)
第4節 共済との比較 416
1 社会保障の原点としての共済(416)/2 共済の歴史(418)/3 共済の概念(424)/4 共済の事業内容(427)
5 共済の法的枠組み(430)/6 共済契約の特質(432)/7 共済における権利保全(440)/8 小 括(441)
第5節 福利厚生機関との比較 444
1 福利厚生機関の概要(444)/2 福利厚生の事業内容(446)/3 制度の法的性格(448)
4 福利厚生機関の創設及び運営方法(448)/5 福利厚生機関の財政運営(451)/6 福利厚生の終了等(451)
第6節 付加的年金制度 452
1 はじめに(452)/2 EU法等の付加的年金制度への影響(467)/3 付加的年金制度の意義(477)
4 付加的年金制度の法的枠組み(480)/5 付加的年金制度の普及状況(495)
6 付加的年金制度における既得権の保護(497)/7 小 括(514)
◆ 第4章 ま と め
◆ おわりに 連帯による社会保障法の再構築
1 連帯をめぐる議論の到達点(527)/2 連帯概念の有用性(533)
3 連帯概念の規範性(538)/4 我が国への示唆(539)
事項索引(巻末)
人名索引(巻末)
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