憲法の規範力と憲法裁判【講座 憲法の規範力 第2巻】
憲法裁判の果たす役割とは何か
著者 |
ドイツ憲法判例研究会
編 戸波 江二 編集代表 畑尻 剛 編集代表 |
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ジャンル |
法律
> 憲法 |
出版年月日 | 2013/08/30 |
ISBN | 9784797212327 |
判型・ページ数 | A5変・384ページ |
定価 | 8,360円(税込) |
在庫 | 在庫あり |
【講座 憲法の規範力シリーズ】第一線の憲法の研究者が集い、憲法が政治・社会の発展の中で果たしてきた現実的な存在意義を、ドイツ憲法学理論をベースに、広範かつ精緻な検討を行う。第2巻は、『憲法の規範力』に関連して果たされる、憲法裁判の役割を幅広く検討。総論から各論まで、変転する社会的現実に、憲法がいかに具体化、発展させられるのか、その現実的条件と解釈の最先端を探る。
【講座憲法の規範力 全5巻】 好評発売中!
1 規範力の観念と条件
2 憲法の規範力と憲法裁判
3 憲法の規範力と市民法
4 憲法の規範力とメディア法
5 憲法の規範力と行政
◇序 章◇〔畑尻 剛〕
◆第1章◆ 「議論による代表」としての憲法裁判所
――R. アレクシーによる憲法裁判の民主的正統化論をめぐる論争を中心に〔土屋 武(東洋大学非常勤講師)〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ ドイツにおける民主制の要請と憲法裁判
Ⅲ R.アレクシーによる憲法裁判の民主的正統化論
Ⅳ 「議論による代表」に対する所説と検討
Ⅴ おわりに
◆第2章◆ 憲法裁判権の諸相〔宇都宮純一(金沢大学大学院法務研究科教授)〕
Ⅰ はじめに ――創設60周年を迎えたドイツ連邦憲法裁判所
Ⅱ 憲法裁判権の理念史的及び制度的展開・概観
Ⅲ 憲法の優位と憲法の留保
Ⅳ 憲法裁判権の使命・組織・権限行使
Ⅴ おわりに ――憲法裁判権の展望
◆第3章◆ 基本権構成要件における手続的パースペクティブと実体的パースペクティブの交錯〔中野雅紀(茨城大学教育学部准教授)〕
Ⅰ 問題設定
Ⅱ 人権概念の基礎付け、類型および合憲性審査基準の区別
Ⅲ イェリネック流の人権類型論の新しい解釈 ――石川健治の身分の構造転換
Ⅳ 人権と法定外要素 ――非実証主義的要素と基本価値
Ⅴ 試案としての人権分類論 ――アレクシーの理論に倣って
Ⅵ 結びにかえて
◆第4章◆ 公的分野への割当制の導入 ――女性に対する優遇措置の必要性と憲法適合性〔有澤知子(大阪学院大学法学部教授)〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 事実上の平等を実現するための暫定的特別措置
Ⅲ 日本の現状
Ⅳ EUにおける男女平等実現のための施策
Ⅴ ドイツにおける公的分野への割当制の導入とその議論
Ⅵ おわりに
◆第5章◆ 保護領域の拡張と裁判所の権限〔實原隆志(長崎県立大学国際情報学部准教授)〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ ドイツの議論の特徴
Ⅲ ドイツの通説的な考え方に対する批判 ――裁判所の権限の拡張という問題
Ⅳ おわりに
◆第6章◆ 人間の尊厳条項と個別基本権の競合〔杉原周治(愛知県立大学外国語学部准教授)〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 基本法1条1項は個別基本権に対する一般法であると解する立場
Ⅲ 基本法1条1項と個別基本権は「部分的特別関係」にあると解する立場
Ⅳ 基本法1条1項と個別基本権は観念的に競合すると解する立場
Ⅴ 基本法1条1項の固有の適用領域を認めた事例
――人間の尊厳条項が個別基本権に対する特別法であることを否定する根拠
Ⅵ むすびにかえて
◆第7章◆ 立法裁量論批判〔永田秀樹(関西学院大学大学院司法研究科教授)〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 郵便法違憲判決の衝撃と意義
Ⅲ 行政裁量論との比較で考える
Ⅳ ドイツの立法裁量論
Ⅴ 「憲法の優位」と「憲法による立法」の間
Ⅵ 自由権と立法裁量
Ⅶ 平等権と立法裁量
Ⅷ 社会権と立法裁量
◆第8章◆ 政教分離原則と信教の自由 ――「緊張関係」とその調整〔渡辺康行(一橋大学大学院法学研究科教授)〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 津地鎮祭判決とその周辺
Ⅲ その後の最高裁判決の動向
Ⅳ 若干の検討
Ⅴ 結びに代えて
◆第9章◆ 憲法問題に学識をもち、かつ通常事件に見識のある最高裁判事選出の方策と裁判官補佐体制(調査官)のあり方
〔阿部泰隆(神戸大学名誉教授・弁護士)〕
Ⅰ 憲法・訴訟法の建前
Ⅱ 現実の誤った運用その1 ――最高裁判事の人選
Ⅲ 現実の誤った運用その2 ――最高裁調査官の実態
Ⅳ 改善策
Ⅴ 最後に
◆第10章◆ 憲法異議と憲法の規範力
――判決に対する憲法異議についての最近のドイツ連邦憲法裁判所の判例を中心に〔川又伸彦(埼玉大学経済学部教授)〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ 従来の判例における審査範囲
Ⅲ 芸術の自由
Ⅳ 裁判官の法形成
Ⅴ 刑法の解釈
Ⅵ おわりに
◆第11章◆ 憲法裁判の二重機能〔工藤達朗(中央大学法科大学院教授)〕
Ⅰ はじめに
Ⅱ ドイツの憲法裁判の二重機能
Ⅲ 日本の憲法裁判の二重機能
Ⅳ 憲法違反と裁量上告制度
◆第12章◆ 司法裁判所型違憲審査制における最高裁判所の役割
――近時の最高裁判例の諸傾向に関連して〔畑尻 剛〕
Ⅰ 問題の所在
Ⅱ 「合理的かつ現実的な手段」
Ⅲ 「合理的で現実的な手段」の模索
Ⅳ 「憲法上の機関」としての最高裁判所とその帰結
Ⅴ 結 語
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