WTO紛争処理の一断面─協定解釈と「辞書」の利用

WTO紛争処理の一断面─協定解釈と「辞書」の利用

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辞書からWTOの条約解釈体系へ迫る

著者 袁 田
ジャンル 法律  > 国際法/国際関係/国際私法
シリーズ 法律・政治  > 信山社双書
出版年月日 2012/08/31
ISBN 9784797211238
判型・ページ数 四六・176ページ
定価 3,080円(税込)
在庫 在庫あり

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2008年、中国の自動車部品の輸入に関する措置事件は、世界貿易機関(WTO)に加入後初の敗訴事件であり、大きな波紋を巻き起こした。そくから、研究者の条約用語の解釈と、WTOのパネルや上級委員会の解釈に違いがあることが見えてきた。パネルや上級委員会は、長期間の実践を通して独特の解釈体系を築き上げてきたのである。紛争解決の重要な基礎となる解釈体系探求の第一歩として、辞書利用についての分析を行う。

はしがき

はじめに

第Ⅰ章 紛争処理手続きにおいて辞書が利用される背景と原因
 1 背景:紛争処理手続き(GATTからWTOへ)
 2 辞書の利用の根拠 ─―「通常の意味」を確定する重要な方法
  (1)「解釈に関する国際法上の慣習的規則」 ─―ウィーン条約法条約31条と32条
  (2)「通常の意味」と辞書の意味
第Ⅱ章 パネル報告書における辞書の「利用」
 1 辞書の利用の全体的状況
 2 2つの事件の報告書における辞書の利用
 3 紛争事件において多発する辞書の利用についての論争
  (1)いくつかの実例
  (2)様々な辞書
  (3)異なる定義
  (4)曖昧な「通常の意味」

第Ⅲ章 辞書とかかわるいくつかの問題点
 1 条約締結後出版された辞書を利用できるのか
 2 数多くの「簡単」な語について辞書の利用
  (1)パネルの報告書の中で辞書を利用する用語
  (2)紛争事件で問題となった“on”についての解釈
  (3)恣意的利用の恐れ
 3 ウィーン条約法条約33条3項と辞書の利用
  (1)いくつかの実例
  (2)英,仏,西語の比較検討による解釈方法の根拠

第Ⅳ章 辞書の利用についての意見とルール
 1 辞書の利用についての上級委員会の意見
  (1)上級委員会報告書における辞書の利用
  (2)辞書の利用についての上級委員会の意見
 2 「国際紛争処理誌」における辞書の利用についての論争
  (1)論争の概要
  (2)8つのルール

おわりに

資料1 WTOパネル報告書において利用された辞書一覧
資料2 WTO上級委員会報告書において利用された辞書一覧
資料3 WTOパネル報告書において辞書を利用して意味を確定した用語一覧
資料4 WTO上級委員会報告書において辞書を利用して意味を確定した用語一覧

参考文献
事件索引
事項索引

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