『借家法と正当事由の判例総合解説』判例総合解説シリーズ5648
  本田 純一 著
(中央大学法科大学院教授)

【目  次】
 はしがき

 ◆第1章 借地借家法28 条(旧借家法1 条の2 )の意義◆

第1節 借地借家法28 条の沿革 …3
 1  「利益比較の原則」の成立【1】 …3
 2  正当事由の明確化― 昭和35 年改正案要綱 … 5
 3  さらなる変革へ― 土地の高度有効利用と正当事由制度の見直し …6

第2節 改正借地借家法の特徴
… 8
 1  多様化 …8
  ⑴ 期限付借家制度の創設(8)
  ⑵ 定期借家制度(8)
  ⑶ 非居住用借家の終了に関する特別規定(9)
 2  合理化―― 正当事由の判断基準の明確化 …9
  ⑴ 新法の意義(9)
  ⑵ 新法28 条の内容(10)
  ⑶ 個々の判断基準の意味(10)
  ⑷ 「財産上の給付」(=立退料の提供)を正当事由のファクターとして法文化したことの意味(11)
 3  不遡及化 …12
 4  その他― 更新料について …13

第3節 新法と「正当事由」 … 13
 1  「利益比較の原則」の変容【2】 …13
 2  バブル経済と正当事由撤廃論の台頭 …14

第4節 新しい借家制度の創設―― 終身借家制度の導入 …15
 1  はじめに―― 終身借家制度導入の意義 …15
 2  終身借家導入の経緯 …16
 3  現行借地借家法との関係 … 16
  ⑴ 定期借家との関係(16)
  ⑵ 借地借家法30 条との関係 (17)
 4  相続法との関係 …17
 5  継続居住させる同居親族等の範囲 …17
 6  家賃と敷金 …18
  ⑴ 賃料支払の二つの方式―― 一時金前払方式(18)
  ⑵ 敷金・権利金(18)
 7  共同借家契約の成否 …18
  ⑴ 共同借家契約の成立(18)
  ⑵ 共同賃借人の債権・債務関係の性質(19)
  ⑶ 共同賃借人の一人の死亡と他の賃借人の債権に対して与える影響(19)
 8  終身借家と契約の終了 …20
  ⑴ 借家人からの中途解約(20)
  ⑵ 家主からの中途解約(20)
  ⑶ 家主からの解除(21)
 9  残された問題点 …21

第5節 借家契約以外の建物利用契約と正当事由規定の潜脱―― サブリースとテナント契約 … 21
 1  サブリースと正当事由【3】 …21
 2  テナント契約と正当事由― 借地借家法にいう「建物」の意義【4】【5】 … 23

第6節 公営住宅の明渡し請求【6】 … 26

 ◆第2章 正当事由の存在時期◆

第1節 総 説 … 29

第2節 判 例
【7】~【13】 … 29

第3節 学 説 …  35

 ◆第3章 正当事由の判断の要素となる諸事情◆

Ⅰ 正当事由の主たる判断要素 … 41

第1節 建物使用の必要性 …41
 第1  家主側の事情 … 41
 1  居住の必要性 …41
  第Ⅰ期(昭和37 年~昭和58 年)
 1 - 1  賃貸人自身の居住の必要性を理由とする場合 …42
  ⑴ 建物の明渡しを求めることが,賃貸人の生計維持のために深刻である(死活にかかわる)場合(〔A〕型)【14】(42)
  ⑵ 賃貸人が建物を明け渡して貰えないと困窮する場合(〔B〕型)【15】~【18】(44)
  ⑶ 生活は一応成り立っているが,その建物があれば望ましいという理由などのため,明渡しを求める場合
   (現在,居住の必要性のみを主張するケースは,原則としてこの類型に当たる)(〔C〕型)【19】~【24】(48)
  ⑷ 必要性が希薄な場合(〔D〕型)【25】(55)
 1 - 2  第三者の使用の必要性を理由とする場合(56)
  ⑴ 第三者が家主の親族の場合【26】~【31】(56)
  ⑵ 第三者が家主と経済的関係にある者のとき【32】【33】(64)
  第Ⅱ期(昭和59 年~平成20 年)
  ⑴ 正当事由の有無概観(67)
  ⑵ 当事者双方の「使用の必要性」と正当事由との相関関係【34】【35】(67)
  ⑶ 正当事由の付随的判断要素【36】(69)
  ⑷ 賃貸人敗訴事例の特徴(71)
 2  営業の必要性 …73
  第Ⅰ期(昭和37 年~昭和58 年)
  ⑴ 賃貸人がその家屋で営業しなければ,その生計が成り立たない場合(〔A〕型)【37】(73)
  ⑵ それほど深刻ではないが,生計のために営業をする必要がある場合(〔B〕型)【38】~【44】(74)
  ⑶ 営業の必要性といっても,生計のためではなく,収益を維持,拡大させるためである場合(〔C〕型)【45】~【49】(83)
  ⑷ 賃貸人が当該家屋を必要としない場合(〔D〕型)【50】(88)
  第Ⅱ期(昭和59 年~平成20 年)
  ⑴ 正当事由の有無概観(88)
  ⑵ 当事者の「使用の必要性」と正当事由との相関関係【51】【52】(90)
  ⑶ 付随的事情と正当事由との相関関係(92)
  ⑷ 立退料の算定要素(92)
 3  取壊し・建替えの必要性 …93
  第Ⅱ期(昭和59 年~平成20 年)
  ⑴ 全体の件数と年代(93)
  ⑵ 正当事由の有無概観(立退料も含めて)【53】~【58】(95)
  ⑶ 「使用の必要性」と正当事由との相関関係【59】(102)
  ⑷ 立退料と正当事由との相関関係(103)
  ⑸ 「従前の経過」と正当事由との相関関係【60】(104)
  ⑹ 立退料の算定要素(104)
 4  敷地の高度有効利用 …… 104
  第Ⅱ期(昭和59 年~平成20 年)
  ⑴ 全体数と年代等(104)
  ⑵ 正当事由の有無概観(立退料も含めて)【61】~【76】(105)
  ⑶ 賃借人の使用目的と正当事由との相関関係(133)
  ⑷ 正当事由と立退料提供との相関関係【77】(133)
  ⑸ 建物の老朽化(老朽化の程度を含む)と正当事由の相関関係(134)
  ⑹ 「従前の経過」と正当事由との相関関係【78】(135)
 5  その他の使用の必要性 … 136
  ⑴ 売却の必要性(136)
  第Ⅰ期(昭和37 年~昭和58 年)
   建物売却の必要性【79】~【83】(136)
  ⑵ その他の必要性【84】~【86】(141)
  第Ⅰ期(昭和37 年~昭和58 年)
  第Ⅱ期(昭和59 年~平成20 年)
  ⑴ 全体の件数(144)
  ⑵ 正当事由の有無概観(立退料も含めて)【87】~【90】(146)
  ⑶ 賃借人の使用目的と正当事由との相関関係(151)
  ⑷ 立退料と正当事由との相関関係(151)
  ⑸ 「建物の現況」=建物の老朽化,「従前の経過」と正当事由との相関関係(152)
  ⑹ 立退料の算定要素(152)
 第2  借家人側の事情 … 153
 1  居住の必要性 … 153
  ⑴ 生活維持のためには,当該家屋で居住を継続する必要が切実な場合(〔A〕型と〔B〕型)【91】~【94】(154)
  ⑵ 他にも賃借家屋を有しているなどして,居住の必要性が切実でない場合(〔C〕型〔D〕型双方を含む)【95】【96】(158)
  ⑶ その他(163)
 2  営業の必要性 … 164
  ⑴ 生活維持のためには,当該家屋で営業することが切実である場合(〔A〕型,〔B〕型)【97】~【100】(165)
  ⑵ 当該家屋での営業の必要性が切実でない場合(〔C〕型,〔D〕型)【101】~【103】(171)
 3  転借人または同居人の事情 … 175
  ⑴ 適法転借人の場合(176)
  ⑵ 無断転貸借の場合(176)
  ⑶ 明渡しの理由が建物の朽廃等を理由とする場合【104】(177)
  ⑷ 同居人の事情【105】(178)

 Ⅱ 正当事由の付随的判断要素 … 179

第1節 賃貸借に関する従前の経過 … 179
 1  借家関係設定の事情・基礎 … 179
  ⑴ 期間の定めのある場合【106】【107】(179)
  ⑵ 期間の定めがない場合【108】~【112】(183)
 2  契約締結時に存した基礎的な事情の変更【113】 … 189
 3  賃料の低廉さ …191
 4  契約期間中の信頼関係違反行為 …… 191
  ⑴ 借家人の債務不履行(賃料不払い,無断転貸など)【114】~【119】(191)
  ⑵ 近隣への迷惑行為【120】~【123】(196)
  ⑶ その他の信頼関係違反行為【124】【125】(203)
 5  賃貸期間の長さ …207
 6  明渡し交渉時における両当事者の言動等 …207
  ⑴ 明渡し請求の動機(207)
  ⑵ 明渡し交渉時あるいはそれ以後の言動(207)
 7  契約当初の権利金や更新料の授受の有無や額 …208
 8  新家主あるいは新家主による地上げ事例であること【126】 …208
 9  借地権を失う可能性 …210
 10 賃貸借の形態― 間貸しだということ …210
 11 「従前の経過」の各種ファクターが複合的に存在するケース … 210

第2節 建物の現況 …211
 1  最高裁の判例【127】【128】 …211
 2  下級審の裁判例 …213
  ⑴ 朽廃が迫っているケース【129】【130】(213)
  ⑵ 老朽化はしているが,まだ使用可能であるという場合【131】(216)
  ⑶ 朽廃がそれほどではないが建物の高度再利用を目的として明渡しを請求するもの【132】(217)
  ⑷ 建物の老朽化はそれほどではないが,安全面で法規に抵触していることを理由とするもの(219)
  ⑸ 建物の朽廃度も甚しくない上に,賃貸人が建物の建替えについて具体的計画,資金を見通しすらない場合【133】【134】(219)
  ⑹ 賃貸人の修繕義務懈怠との関係【135】(221)
  ⑺ 「建物の現況」と収益性の低さとの関係(222)

第3節 建物の利用状況【136】~【139】 … 222

第4節 財産上の給付(立退料の提供)とその算定方法 …229
  ⑴ はじめに(229)
  ⑵ 正当事由訴訟における立退料の役割(229)
  ⑶ 立退料の算定根拠(231)
  ⑷ 居住用家屋の立退料算定要素と算定方式 (231)
  ⑸ 営業用家屋の立退料算定要素と算定方式 (234)
  ⑹ 立退料の申出時期【140】(241)
  ⑺ 代替家屋の提供(243)

第5節 地域の事情 … 243
 1  借地借家法制定前のもの … 243
  ⑴ 正当事由を根拠づける判断要素とするもの(243)
  ⑵ 正当事由否定の判断要素とするもの(244)
 2  借地借家法28 条制定後の判決【141】 …… 244

 ◆第4章 第Ⅰ期判決における諸ファクターの総合分析◆

 1  訴訟件数とその意義 … 256
 2  双方の必要性と正当事由判断 … 256
  ⑴ 必要性の種類と正当事由の有無(256)
  ⑵ 営業の必要性の程度と正当事由の有無(259)
 3  双方の付随的な諸事情と正当事由判断 … 260
  ⑴ 家主側に有利な事情―― 借主有資力の場合(260)
  ⑵ 家主側に不利な事情(261)
 4  賃貸借関係の事情と正当事由判断 … 265
 5  立退料・代替家屋の提供と正当事由の有無,立退料の増額 …266
 6  その他の事情―― 住宅事情の緩和と裁判官の世界観 …268

参考文献 (271)
判例索引 (273)
判例一覧 (281)