『労働法が目指すべきもの』 渡辺章先生古稀記念
菅野和夫(東京大学名誉教授・日本学士院会員)・中嶋士元也(法学博士)
野川 忍(明治大学法科大学院教授)・山川隆一(慶應義塾大学大学院法務研究科教授) 編
【目 次】
はしがきに代えて 〔中嶋士元也〕
1 労組法上の労働者について 〔宮里邦雄〕
1 はじめに ――本稿執筆の動機
2 「請負型」就労者が増える背景とその影響
3 労組法3条の労働者の定義規定の特色
4 労組法3条の労働者性についての従来の判断基準とその問題点
5 CBC放送管弦楽団労組事件・最高裁判決の意義とその射程
6 三事件の東京高裁判決の検討
7 判断基準を再構成したソクハイ事件・中労委命令の意義と評価
8 労組法上の労働者概念 ――何が判断基準とされるべきか
9 労組法3条の「労働者」と7条2号の「雇用する労働者」の関係
2 高年法と再雇用制度における労働契約の成否 ――最近の3つの裁判例を巡って 〔中山慈夫〕
1 はじめに
2 検討の視点と取り上げる裁判例
3 京濱交通事件横浜地裁川崎支部判決 ――高年法9条2項と労働契約の成否
4 日本ニューホランド事件札幌地判決 ――労働契約の成立要件である賃金合意の成否
5 東京大学出版会事件東京地裁判決 ――再雇用基準に該当する労働者と労働契約の成否
6 最 後 に
3 私の実務手帳 ――セクシュアル・ハラスメントの裁判例に関する一考察 〔野ア薫子〕
1 はじめに
2 ハラスメントに対する実務の取り組み
3 使用者の責任に関する裁判例
4 セクシュアル・ハラスメントの行為者に対する懲戒処分の例
5 まとめと今後の展望
4 アジアにおけるストライキ中の賃金問題 〔香川孝三〕
1 はじめに
2 法律によって解決している国
3 判例法によって処理している国
4 特別な事例としての中国
5 まとめ
5 労働委員会の再構成の試み 〔籾山錚吾〕
1 はじめに
2 「労委2審制」の理論的根拠と動揺
3 機関委任事務の自治事務化
4 都道府県労委規則
5 結 語
6 「労働契約上の使用者性」論の現状と展望
――実質的同一性論と法人格否認法理の対比を中心に 〔野田 進〕
1 はじめに
2 「労働契約上の使用者性」理論の現状
3 権利の帰属主体としての企業・営業
7 労働法の解釈方法についての覚書 ――労働者・使用者概念の解釈を素材として 〔土田道夫〕
1 本稿の目的
2 労働者・注文企業間の労働契約の成否 ――労働契約法の解釈
3 労働者・注文企業間の労働契約の成否 ――立法政策
4 労組法上の使用者・労働者 ――労組法の解釈
5 結 語
8 労働組合法上の労働者と独占禁止法上の事業者
――労働法と経済法の交錯問題に関する一考察 〔荒木尚志〕
1 問題の所在
2 アメリカおよびEUにおける競争法と労働法の関係
3 日本における独禁法と労働法の関係
4 むすびに代えて
9 戦前の労働組合法案に関する史料覚書 〔中窪裕也〕
1 はじめに
2 プロローグ(大正7年〜8年)
3 臨時産業調査会での検討とその後(大正9年〜13年)
4 行政調査会,政府案の作成,議会提出と審議(大正14年〜昭和2年)
5 社会政策審議会,新政府案の作成,議会提出と審議(昭和4年〜昭和6年)
6 その後の議会での動き(昭和11年〜12年)
7 おわりに
10 障害を持ちながら働く労働者の能力開発 〔小畑史子〕
1 はじめに
2 障害者雇用促進法の現状と課題
3 障害者権利条約批准をめぐる議論のもたらすもの
4 望ましいあり方と法的枠組み
11 不当労働行為救済申立事件の審査手続及び救済命令等取消訴訟を巡る問題 〔池田 稔〕
1 本稿の目的
2 不当労働行為救済申立事件における審査の対象
3 再審査手続の法的性格及び再審査の対象
4 再審査手続と救済命令等取消訴訟の関係
5 結 語
12 中労委命令と行政訴訟 〔菅野和夫〕
1 はじめに
2 行政訴訟を意識すべきか
3 どの程度取り消されているか
4 組織的対応
5 労働委員会らしい判断
6 中労委の役割
7 終わりに
13 変更解約告知法理の構造と展開 〔野川 忍〕
1 序 ――本稿の課題
2 日本における変更解約告知法理の推移
3 変更解約告知法理の展望
14 労災保険不支給決定の取消訴訟における要件事実 〔山川隆一〕
1 はじめに
2 概 観
3 労災保険不支給決定取消訴訟の訴訟物
4 請求原因
5 抗弁等
6 おわりに
渡辺章先生ご略歴・主要業績(巻末)