『最高裁上告不受理事件の諸相1――上告制限の副作用は大きい』学術選書プラス7

  濱 秀和(弁護士) 

【目  次】

はじめに
 1 個別の事件にかかる本書を世に出す意図
 2 振り返ってみれば
 3 上告不受理事件(一部上告棄却事件を含む)の概要
 4 上告不受理事件の1審,控訴審の審理における問題点
 5 法廷の下からみた審理
 6 行政事件訴訟の特質
 7 行政運営における手続
 8 裁判官の中にある行手法の趣旨目的と手続的法治主義についての無理解
 9 裁判所の百年史(15)

第1章 不動産取得税の課税標準
T 不動産取得税賦課処分取消請求上告受理申立事件
 @ 調書(決定)
 A 当事者目録
 B 上告受理申立ての理由書(1)
  第1 事案の概要
   1 はじめに
   2 問題の経過(破産管財人による本件不動産の売却)
   3 RCC による競売申立てと最低売却価額(申立人の取得)
   4 不動産取得税の賦課処分
   5 固定資産課税台帳登録価格の無効(需給事情による減点補正をしない瑕疵)と賦課処分の違法
  第2 上告受理申立の理由
   1 固定資産評価基準の定める需給事情による減点補正をすべき必要性の認定権は,課税庁にあると解すべきか,原判決の誤り
   2 どのような事実が認められたならば需給事情による減点補正をしなければならないのか。原判決の判断の誤り
 C 上告受理申立ての理由書(2)
  第1 事案の概要
   1 はじめに
   2 破産管財人による本件各建物の任意売却交渉
   3 裁判所による競売手続と売買契約締結
   4 不動産取得税の賦課処分
  第2 原判決の判例違背について
   1 固定資産税及び不動産取得税に関する最高裁判例について
   2 原判決の判断の誤りについて
   3 仮に需給事情による減点補正の適用がないと判断された場合について
   4 おわりに
 D 上告受理申立ての理由書
  一 法律のしくみ
   1 「適正な時価」を基準に
   2 固定資産評価基準による評価
  二 客観的な交換価格を超える登録価格は違法
  三 バブル崩壊後は,家屋の評価方法として,再建築価格は不適切
   1 地価下落を想定しない法制度
   2 家屋でも,再建築価格よりも遙かに暴落
   3 現実の取引価格,収益価格が適切
   4 反論への再反論
  四 例外条項を柔軟に活用せよ
   1 「特別の事情」
   2 需給事情を考慮せよ
  五 租税法律主義の要請,財産権の保障
   1 租税法律主義,委任立法の限界
   2 予測可能性の保障
   3 土地の場合との均衡
   4 財産の持続的保有を不可能とする苛酷な課税は財産権侵害
   5 租税法律主義,裁判を受ける権利の侵害
  六 需給事情による減点補正の必要性は,法解釈事項であり,「時価」を適切に評価するように運用しなければ違法である
  七 本件の評価はおよそ市場価格を反映せず,違法である
  八 不可争力の限界
   1 登録価格の無効
   2 不可争力の人的限界:違法性の承継
   3 地方税法73条の21第2項の活用
  九 まとめ
 E 控訴審判決
  主  文
  事実及び理由
  第1 控訴の趣旨
  第2 事案の概要
   1 争  点
   2 争点に関する当事者の主張
  第3 当裁判所の判断
   1 本件登録価格の決定の無効について
 F 原審判決
  判  決
  事実及び理由
  第1 請  求
  第2 事案の概要
   1 前提となる事実(争いのない事実は証拠を掲記しない)
   2 争点(本件課税処分の適法性の有無)に対する当事者の主張
  第3 争  点(本件課税処分の適法性の有無)に対する判断
   1 不動産取得税のの課税標準の定め
   2 法73条の21第1項ただし書該当性の有無
   3 本件登録価格の決定の有効性の有無
   4 結  論

U 不動産取得税の課税標準に関する事件についてのコメント

第2章 医療法30条の7に基づく知事の勧告
T 勧告等無効確認請求上告受理申立事件
 T 高松事件
 @ 高松事件決定
  決  定
  主  文
 A 上告受理申立理由書
  第1 はじめに
   1 事案の概要
   2 本件の問題点について
   3 他の係属事件について
  第2 医療法に基づく中止勧告の制度について
   1 昭和60年医療法改正について
   2 地域医療計画の策定について
   3 中止勧告と健康保険法との関係について
   4 国会における医療法改正案についての提案理由
   5 衆議院社会労働委員会における審議の概況
   6 旧厚生省保険局の考え方
   7 厚生当局の狙い
  第3 医療法30条の7が定める中止勧告の要件
   1 医療法が定めた勧告の目的について
   2 勧告についての厚生大臣の裁量基準について
   3 勧告の要件についての原判決の誤り
  第4 病床調整と本件中止勧告との関係について
   1 本件中止勧告に至る経緯
   2 本件における不足病床数の推移について
   3 病床調整の目的及び効果
   4 中止勧告の手続要件について
   5 病床調整の方法
   6 医療審議会と病床調整について
   7 原判決が示す無効の判断基準について
   8 ま と め
 B 控訴審判決
  主  文
  事実及び理由
  第1 控訴の趣旨
  第2 事案の概要
  第3 当裁判所の判断
   1 原判決の引用
   2 補足説明
   3 結  論
 C 原審判決
  判決の骨子
  第1 主  文
  第2 事案の概要
  第3 各争点についての判断と結論
  判  決
  主  文
  事実及び理由
  第1 請  求
  第2 事案の概要
   1 事案の概要
   2 前提事実(争いのない事実,掲記の証拠及び弁論の全趣旨により認められる事実)
   3 争  点
  第3 当裁判所の判断
  第4 結  論

 U  水戸事件
 @ 調書(決定)
 A 上告受理申立て理由書
  第1 はじめに
  第2 病院開設許可制度と勧告の制度の概略
  第3 病院開設の許可制度
  第4 昭和60年の医療法改正と地域医療計画について
  第5 病院開設の自由の間接的制限と,病院開設の中止・病床削減勧告の制度
  第6 健康保険法の平成10年法律109号による改正
  (本件勧告時の法令)
   1 改正前の状況
   2 健康保険法改正の経緯と内容
   3 厚生労働省の底意
  第7 小  括
  第8 医療法30条の7の解釈の誤り
   1 はじめに
   2 医療法・医療計画の趣旨
   3 行政当局の解釈・運用
   4 本件での運用実態
   5 原判決の裁量論の問題
   6 小  括
  第9 医療法7条の2の解釈の誤りと同条違反
  第10 指導要綱の違法(医療法30条の7,同法7条違反,行政手続法7 条違反)
   1 はじめに
   2 医療法30 条の7,同法7条違反
   3 行政手続法7 条違反
   4 事前協議と平成10年7月27日通知の相異
   5 小  括
 B 控訴審判決
  主  文
  事実及び理由
  第1 控訴の趣旨
  第2 事案の概要
   1 事案の要旨
  第3 当裁判所の判断
  第4 結  論
 C 原審判決
  主  文
  事実及び理由
  第1 請  求
  第2 事案の概要
   1 前提事実(当事者間に争いがない事実等)
   2 争  点
  第3 当裁判所の判断
   1 認定事実
   2 争点(1)(行政手続法7条違反)について
   3 争点(2)(行政手続条例30 条2項違反)
   4 争点(3)(医療法30条の7が規定する勧告要件の欠缺)について
   5 争点(4)(医療法7条の2違反)について
  第4 結  論

 V 熊本事件
 @ 調書(決定)
  第1 主  文
  第2 理  由
 A 上告受理申立理由書
  第1 問題の所在
  第2 本件中止勧告が違法であることについて
  第3 本件中止勧告が,行政事件訴訟法36条にいう「無効」といえるか
  第4 まとめ
 B 控訴審判決
  判  決
  主  文
  事実及び理由
  第1 控訴の趣旨
  第2 事案の概要
  第3 当裁判所の判断
 C 原審判決
  判  決
  主  文
  事実及び理由
  第1 当事者の求めた裁判
   1 請求の趣旨
   2 請求の趣旨に対する答弁
  第2 事案の概要
   1 前提事実(証拠の引用のない事実は争いのない事実である。)
   2 争点(本件中止勧告が無効であるか)
  第3 当裁判所の判断
   3 争点に対する判断
   4 結  論

U 医療法30 条の7 の知事の勧告に関する件に関するコメント
   1 知事の勧告が訴訟の対象性を認められるに至った背景
   2 香川県知事の勧告にかかる事件
   3 水戸の事件について
   4 熊本の事件について

第3章 日本道路公団総裁解任事件
T 解任処分取消請求上告事件
 @ 決  定
  主  文
  理  由
   1 上告について
   2 上告受理申立について
 A 上告理由書
  第1 事件の概要
  第2 異常な裁判所における訴訟手続(裁判所の審理手続が憲法の要求する適正手続に違反する。
   1 1審における審理の経過
   2 裁判長の交代と釈明処分
   3 1審判決の異常さ
   4 日本道路公団法13条2項の解釈について,原判決の異常さ
   5 判断裁量,要件裁量,行為裁量,効果裁量を被上告人に代わって行った1審及び原審の異常
   6 杉原裁判長の判断
   7 原審における上告人の主張と原審の判断
   8 1審判決の手続の延長である原判決
  第3 堕落した司法権,憲法76条3項違反
   1 原判決の判断
   2 恣意と独断に基づく判断
   3 司法の独立は幻か
 B 上告受理申立理由の概要
 C 上告受理申立ての理由書(1)
  第1 事案の概要(当事者間に争いのない事実)
  第2 不利益処分に関する聴聞についての行手法の一連の規定
   1 聴聞の通知
   2 聴聞の実施の規定
   3 文書等閲覧の方式
   4 聴聞の実施と処分の決定
  第3 上記行手法の一連の規定の解釈
   1 聴聞の趣旨,目的
   2 裁判官協議会の見解
   3 裁判官協議会の両説を挙げた理由
  第4 原判決の重大な誤り
   1 原判決の基本的な考え方
   2 原判決の異常さ
  第5 聴聞通知書の記載
   1 申立人の受けとった通知書
   2 通知書に記載された不利益処分の原因となる事実について申立人の主張
   3 原審の判示
  第6 聴聞における資料の標目の教示
   1 資料の閲覧に関する手続規定の解釈
   2 原審の見解
  第7 聴聞に提出された証拠資料以外の口頭弁論期日に提出された全証拠により相手方の解任処分の結論を維持することができるとする行手法の解釈の誤り
   1 聴聞の意義
   2 原判決の解釈の誤り
   3 口頭弁論で提出,取調べが許される証拠
  第8 日本道路公団法13条2項の解釈の誤り
   1 原判決(その引用する一審判決を含む)の判示
   2 要件裁量,処分要件の確定
   3 原審の同法の解釈
   4 原判決は,政治的判断による解任である
 D 上告受理申立ての理由書(2)
  第1 はじめに
  第2 上告受理申立理由第一点(裁量権行使に対する審査方法の誤り)
   1 最高裁判例
   2 原判決および第一審判決の審理方法の誤り
   3 解任要件の解釈の誤り
  第3 上告受理申立理由第二点(原判決および第一審判決による行政手続法解釈の重大な誤り)
   1 本件解任処分の根拠規定
   2 行政手続法の意義について
   3 本件における争点について
   4 上記争点(1)について
   5 上記争点(2)について
   6 上記争点(3)について
   7 上記争点(4)について
   8 上記争点(5)について
   9 上記争点(6)について
   10 上記争点(7)および(8)について
   11 上記争点(9)について
  第4 む す び
 E 上 申 書
 F 控訴審判決
  判  決
  主  文 
  事実及び理由
  第1 当事者の求めた裁判
   1 控訴の趣旨
   2 控訴の趣旨に対する答弁
  第2 事案の概要
  第3 当裁判所の判断
  第4 争点に対する判断
   1 争点(1)(本件解任処分の実体上の違法性)について
   2 争点(2)(本件解任処分の手続上の違法性)について
   3 争点(3)(訴訟上の問題点)について
   4 訴えの利益について
   5 結  論

U 日本道路公団総裁解任事件コメント

おわりに