憲法第9条改正問題と平和主義―争点の整理と検討

大阪弁護士会憲法問題特別委員会 編


目  次


第1部 憲法9条改正の是非

 第1章 憲法9条改正に対する各政党の意見………西  晃…3
     1 自由民主党(3)
     2 公明党(6)
     3 民主党(8)
     4 日本共産党(10)
     5 社会民主党(11)
     6 各党の見解のまとめと重要な相違点(12)

 第2章 9条改憲の必要性とその論理………徳永信一…15
     1 総論―その目的と概要(15)
     2 9条平和主義の空洞化―9条をめぐる改憲論争の背景(18)
     3 日本の安全保障からみた9条改憲の論理(22)
     4 国際貢献の観点からの9条改憲の論理(24)
     5 立憲主義の回復としての9条改憲の論理(25)
     6 補遺・実質改憲と形式改憲(27)

 第3章 どうして憲法9条を改正してはならないのか………富崎正人…33
     1 軍隊は国民を守らない(33)
     2 軍隊保持・戦争の損得勘定(36)
     3 日本国憲法(38)
     4 他国が侵略してきたら(39)
     5 核兵器等について(41)
     6 結  論(42)

 第4章 憲法改正理由の点検と護憲の必要性………辻 公雄…44
     1 憲法改正の動きの推移(44)
     2 共通の土俵と分かれ目(44)
     3 戦争の実情と原因(46)

第2部 憲法9条を考察するための基本視角

 第1章 憲法と国家――改憲論の立場から………荒尾幸三…51
     1 憲法とは何か(51)
     2 日本国(現行)憲法の性格と改正の視点(53)

 第2章 戦争と人間………辻 公雄…63
     1 国家観と憲法改正(主として9条)について(63)
     2 戦争の分析の歴史的経緯と未来(68)
     3 狂気の戦争をなくすことはできるのか(76)

 第3章 兵器の生産・使用制限について………岡田忠典…80

 第4章 歴史認識問題………加納雄二…92
     1 本稿の論点―戦争責任について,乃至は,昭和の大戦をどう評価するか? (92)
     2 アジアに対する侵略について(92)
     3 太平洋戦争について(93)
     4 戦争を振り返る時に事実として認識していただきたいこと(95)
     5 まとめ(100)

 第5章 コスタリカの試み………梅田章二…102
     1 はじめに(102)
     2 内戦から軍隊を禁止する憲法の制定へ(102)
     3 平和の危機の中で平和路線を維持する(103)
     4 コスタリカの「積極的」平和主義とは(104)
     5 アリアス大統領のノーベル平和賞の受賞(105)
     6 コスタリカの教育と福祉(106)
     7 選挙最高裁判所による民主的選挙の実施(108)
     8 政治亡命の権利を保障(109)
     9 産業と環境保護政策(110)
     10 イラク戦争への支持声明は,憲法違反(110)
     11 まとめ(111)

第3部 国際情勢と憲法9条改正問題

 第1章 冷戦終結に伴う国際環境の変化とアメリカの世界戦略………井関和彦…115
     1 はじめに―本稿の課題(115)
     2 アメリカのイラク侵攻名目の虚偽(118)
     3 自民党の新憲法試案が目指す憲法9条2項の撤廃の狙い(118)
     4 集団的自衛権の解禁でわが国は軍事政策において対米で自立しうるのか(121)
     5 アメリカ・ブッシュ政権はいかなる国防政策を採ってきたか(122)
     6 アメリカによるQDR'06の具体的実施―日米軍事同盟の強化(127)
     7 イラク侵攻はイラクに何をもたらしたか―イラクの現状(134)
     8 結 論(140)

 第2章 沖縄問題を見つめる一視点………西  晃…143
     1 はじめに―執筆者と沖縄の関わり(143)
     2 白昼の大学構内に米軍軍用ヘリが墜落した事件のこと (144)
     3 沖縄地上戦と「集団自決」教科書検定問題について(148)
     4 欠かせない視点―沖縄地上戦の記憶と承継(151)
     5 終わりに―私たちの願う平和とは―それは憲法9条そのもの(152)

 第3章 中国・台湾情勢と日本………大槻和夫…155
     1 中国の改革開放政策(155)
     2 改革に伴うひずみと新たな政策課題(160)
     3 改革開放政策の今後(168)
     4 台湾をめぐる情勢(170)
     5 中国人民解放軍の特質と軍事力強化(182)
     6 中国をめぐる国際戦略―米中日を中心に(191)
     7 中国・台湾情勢と日本の安全保障(195)
     8 リオリエント―世界は中国をどう受け入れるのか(199)

 第4章 朝鮮半島情勢と日本………高木吉朗…217
     1 日本人の朝鮮半島観(217)
     2 韓国における親日派問題(221)
     3 韓米同盟の歴史(226)
     4 北朝鮮の情勢(234)

 第5章 東アジアにおける平和構築………梅田章二…258
     1 はじめに(258)
     2 世界における地域的統合・地域的協力の現状(258)
     3 東アジアでの地域的協力の現状(260)
     4 東北アジアでの地域協力は困難か(261)
     5 ASEANを軸とする安全保障の枠組み(262)
     6 「ASEAN+3」(264)
     7 「6カ国協議」と東北アジアの平和構想(265)
     8 NGOによる市民社会からの平和構想(266)

第4部 法的観点から見た憲法9条改正問題

 第1章 国際法・国際連合における安全保障の規制………梅田章二…273
     1 戦争違法化への世界史的な流れ(273)
     2 国連憲章における安全保障の枠組み(277)
     3 集団的安全保障と集団的自衛権(280)
     4 戦争犯罪・国際人道法の形成から国際刑事裁判所の創設へ(283)
     5 国連は安全保障に現実に機能してきたか(284)

 第2章 日米安保条約と憲法9条―日米安保をどう評価するか………児玉憲夫…292
     1 はじめに(292)
     2 日米安保体制と自衛隊(294)
     3 駐留米軍の合憲性(304)
     4 日米安保をどう評価するか(307)

 第3章 個別的自衛権とは………杉島幸生…313
     1 「自衛権」とはなにか(313)
     2 国連憲章と自衛権(315)
     3 日本国憲法と自衛権(320)

 第4章 集団的自衛権………武村二三夫…322
     1 はじめに(322)
     2 集団的自衛権とは(323)
     3 従来の政府解釈と日本国の集団的自衛権の行使と目されるもの(327)
     4 アメリカの要請(334)
     5 解釈改憲の試み(336)
     6 集団的自衛権の行使を認めるべきとの意見の根拠(337)
     7 集団的自衛権の行使を認めるべきではないとの意見の根拠(340)

 第5章 国際協調活動とは何か………大槻和夫…346
     1 はじめに(346)
     2 国際協調活動とは何か(346)
     3 憲法9条と国際協調活動(373)
     4 政党の憲法改正案と国際協調活動(388)
     5 国際協調活動のために憲法9条の改正が必要か(389)

 第6章 平和的生存権について………藤木邦顕…395
     1 自民党憲法草案の規定(395)
     2 日本国憲法における平和的生存権論(395)
     3 日本国憲法9条及び前文の平和的生存権の歴史的・国際的普遍性(397)
     4 平和的生存権をめぐる裁判例(398)
     5 平和的生存権をめぐる学説(404)
     6 改めて平和的生存権について(408)

 第7章 憲法9条の改定により人権状況はどのように変化するか………笠松健一…411