陪審と死刑―アメリカ陪審制度の現代的役割―
岩田 太 著
目 次
ま え が き
第1部 合衆国死刑陪審の量刑裁量 3
序 章 なぜ死刑事件か
―― 死刑と陪審の深い関わり合い ―― 3
第1章 陪審による量刑裁量の起源およびその発展 25
第1節 イングランドにおける陪審量刑裁量
―― ジュリー・ナリ フィケーションの実態 32
T 事実提供者たる陪審の地位 33
U 刑事実体法の変容 ――死刑犯罪の増大と謀殺罪の合理化 41
V 刑罰の展開と裁判官の量刑裁量の拡大
―― 死刑・身体刑から懲役刑へ 52
第2節 初期アメリカにおける陪審量刑制度の成立と変容 55
T 合衆国における陪審量刑制度 56
U 非死刑事件における陪審量刑裁量の発生要因 61
V 陪審量刑裁量に対する批判,および,陪審量刑制の衰退 72
W 死刑事件における陪審および裁判官の量刑裁量 83
第3節 陪審の領分 ――構成要件と量刑 92
T 事実と法 92
U 合衆国連邦最高裁判所の判例における陪審の領分 95
1 死刑判断と陪審 97
2 量刑事由と陪審 103
3 陪審領分の限界 ―― 犯罪の構成要件 105
V 小 括 114
第2章 合衆国における死刑陪審
―― 連邦最高裁が想定する 陪審の機能 ―― 121
第1節 合衆国における死刑制度の概要 124
T 合衆国憲法第8修正の「残酷かつ異常な刑罰」禁止条項による
刑罰の実体的規制 135
1 犯罪と刑罰の均衡 ――死刑以外の刑罰の合憲性 137
2 死刑自体の合憲性と刑の執行方法への規制 142
U Furman & Gregg以後における死刑決定過程の手続保障 144
1 恣意性(arbitrariness)に対する懸念と死刑の実体的判断
―― Furman 148
2 刑罰としての「死刑の特異性」と手続的保障 159
3 背景としての人種問題 163
4 死刑選択のための手続保障 176
第2節 連邦最高裁による規制と陪審 184
T 陪審の人的構成に対する規制 ――死刑反対者の排除 189
U 量刑審理に対する規制 212
1 情報の規制 ―― 加重事由と減軽事由 218
2 陪審の役割認識 ―― 決定責任の引き受け 223
小 括 234
第3章 死刑事件における陪審の実際的機能 243
第1節 量刑の担い手 ――死刑反対者の排除の問題を中心に 245
T 死刑反対者の排除 ――意義,死刑判断の特性 245
U 死刑反対者排除の問題点 247
1 人的構成の 死刑判断への 影響 249
2 陪審選任手続の 死刑判断への 影響 268
第2節 量刑決定者の判断過程と責任の引き受け
―― 死刑陪審 プロ ジェクトの成果から 274
T 二段階審理・指針つき裁量制に対する理解 277
1 二段階審理の機能 277
2 考慮要因の範囲および立証のルールについての理解 281
U 実際の死刑判断における重要な要因 (operational facts) 289
V 陪審による決定責任の引き受け 294
第3節 陪審と裁判官
―― 陪審の量刑判断に対する拒否権 ( Jury Override) 299
T 陪審と裁判官による判断の差異
―― T HE A MERICAN J URY から 300
U 陪審勧告の受け入れと拒否 (Jury Override) 302
第4節 政治状況と陪審量刑 312
T 刑事司法一般と政治状況 313
U 死刑を取り巻く政治状況 315
む す び 321
第1節 ま と め 323
第2節 考 察 335
T 歴史および機能的観点からみた陪審の領分
―― 「事実と法」再考 335
U 連邦制度と陪審 341
V 死刑陪審の意義 ――ポピュラー・ジャスティス 348
第2部 2000年以降の陪審量刑の動向 353
第1節 は じ め に 355
第2節 合衆国の陪審量刑制度 357
第3節 死刑量刑過程の規制 359
T 量刑判断者の人的構成に対する規制
―― 死刑反対者の排除 360
U 死刑対象者の限定 (narrowing) ――犯罪および犯罪者類型 363
V 死刑事件における陪審による量刑過程の規制 365
1 量刑審理における情報の規制 366
2 陪審の役割認識 369
W 上訴手続に対する規制 ――恣意性の排除のための防壁 371
第4節 2000年以降の合衆国最高裁判例の検討 374
T 死刑対象者の絞込み 374
1 精神遅滞者に対する死刑の合憲性
―― Atkins v. Virginia, 536 U.S. 304, 122 S. Ct. 2242 ( 2002 ) . 374
2 17歳以下の少年に対する死刑の合憲性
―― Roper v. Simmons, 543 U.S. 551, 125 S. Ct 1183 ( 2005 ) . 380
U 陪審と量刑 387
1 陪審権限の範囲と量刑加重事由の認定
―― ヘイト・クライムをめぐる手続的保障:陪審の領分を
中心に:Apprendi v. New Jersey, 120 S. Ct. 2348(2000 ) . 387
2 死刑および一般事件の量刑における陪審の地位
―― Ring v. Arizona, 536 U.S. 584, 122 S. Ct. 2428(2000 ) ;
Harris v. United States, 536 U.S. 545, 122 S. Ct. 2406 ( 2002 ) . 392
V 死刑量刑過程の規制 398
1 死刑相当犯罪の絞込みと陪審の判断基準に対する規制
―― Brown v. Sanders 546 U.S. 212, 126 S. Ct. 884(2006 ) ;
Kansas v. Marsh, 548 U.S. 163, 126 S. Ct. 2516(2006 ) . 398
2 陪審の役割認識と代替刑について
――Weeks v. Angelone, 528 U.S. 225, 120 S. Ct. 727(2000 );
Ramdass v. Angelone, 530 U.S. 156, 120 S. Ct. 2113(2000 ) . 411
Appendix 1 ――合衆国死刑法概略 419
Appendix 2 ―― 一般的な公判手続のながれ 430
Appendix 3 ―― 死刑事件の上訴手続概要 432
参 考 文 献
判 例 索 引
事 項 索 引